2018年7月21日 (土)

今週の読書は経済書中心に計7冊!

今週もまずまずよく読んで、経済書中心に以下の7冊です。

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まず、嶋中雄二『第3の超景気』(日本経済新聞出版社) です。著者は民間金融機関である三菱UFJモルガンスタンレー証券の景気循環研究所の所長を務めるリフレ派のエコノミストであり、私と同じく景気循環学会の会員だったりもします。本書では、名目設備投資がGDPに占める割合の偏差をバンドパス・フィルターを通すことにより景気循環のサイクルを抽出する手法を取っています。すなわち、univariate なアプローチであり、ある意味で、どマクロな方法論ですから、右派の経済学、例えば、リアル・ビジネス・サイクル(RBC)で論じられているように、経済主体の最適化行動といったマイクロな基礎付けはまったく考慮されていません。その上で、キチンの短期循環、ジュグラーの中期循環、クズネッツの長期循環、コンドラチェフの超長期循環の複合循環を論じています。すなわち、これらすべての4サイクルがそろって上向くゴールデン・サイクル、短期ないし中期循環のうちのひとつが欠けながらも長期及び超長期循環とともに3サイクルが上向くシルバー・サイクル、長期と超長期の2サイクルが上向くブロンズ・サイクル、といったふうです。そして、通常は政府の景気循環日付は短期のサイクルで見ていたりするんですが、著者は長期と超長期のサイクルを重視し、この2つの複合循環であるブロンズ・サイクルこそが短期と中期の景気循環を超越した存在として、本書のタイトルである超景気と呼べるものと位置づけ、直近では2011年を大底に超景気が始まり、その景気のピークが足元の2017~18年に到来し、いったん2021~22年に厳しい景気後退期に見舞われるものの、2024~25年には再び次のの好景気がやってくると予測しています。また、補論で人口動態を超える景気サイクルのパワーを論じています。とても大胆な分析と予測であり、なかなか興味深い読書でした。

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次に、ジェレミー・リフキン『スマート・ジャパンへの提言』(NHK出版) です。著者は2016年1月23日付けの読書感想文でも取り上げた『限界費用ゼロ社会』の著者でもあり、こういった分野の権威とも目されています。本書は来日した際のインタビューなどを中心に、我が国への『限界費用ゼロ社会』の適用について議論を展開していますが、もちろん、日本への我田引水に満ちています。我が国経済社会は高度な技術を持つとともに、インフラも整っていて、第3次産業革命への備えはバッチリ、ということになっていますが、別稿ではインフラの整っていない途上国でもリープ・フロッグのように次の段階にすっ飛ばすことが出来るので、インフラの整った先進国よりも第3次産業革命に進みやすい、なんて議論もあったりします。やじ馬的に、とても参考になるのは、小谷真生子がインタビューした「いまの産業革命は第3次なのか、第4次なのか?」と題するコラムです。ダボス会議を主催する世界経済フォーラムのシュワブ教授の第3次産業革命が累積して行って速やかに第4次産業革命にいたる、という、まるで、我が国戦前の講座派のような歴史観を真っ向から否定し、現在のデジタル化の進展が第3次産業革命であり、最後の産業革命である、といい切っています。なかなかの見識だという気がします。

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次に、ナイアル・キシテイニー『若い読者のための経済学史』(すばる舎) です。著者は英国のエコノミスト、ジャーナリストだそうで、本書は上の表紙画像に見られるように、Yale University Press Little Histories の1冊です。タイトル通りに、経済学史をひも解いているわけですが、古典古代の哲学者による経済学的な要素の検討から始まって、アダム・スミスによって古典経済学が樹立される前夜の重商主義や重農主義の経済学、そして、スミスによる古典派経済学の開闢とリカードらによるその完成、加えて、これ他の古典派経済学を基礎としつつも、階級闘争理論も加味したマルクス経済学、もちろん、その後の新古典派経済学から現代経済学への流れも的確に解説されています。私の専門分野に引きつけて論じれば、ノーベル経済学賞を授賞されたルイス教授やセン教授の令名があらたかなんでしょうが、開発経済学についても大いに取り上げられています。少なくとも、私が在学していたころの京都大学経済学部には開発経済学の授業はなかったように記憶していますので、新たな学問分野なのかもしれません。繰り返しになりますが、マルクス経済学までを視野に収めた極めて幅広い経済学の歴史を収録しています。そして、タイトルに沿って、かなり平易に解説を加えています。ひょっとしたら、かなりレベルの高い進学校の高校生なら読みこなすかもしれません。同時に、経済学にそれなりの素養あるビジネスマンでも物足りない思いをさせることもありません。

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次に、山口真一『炎上とクチコミの経済学』(朝日新聞出版) です。著者は国際大学の経済学研究者で、ブリニョルフソンらの研究に基づいて、消費者余剰の計測を行った論文を私も読んだことがあります。本書ではネット上のいわゆる「炎上」について数量的な分析を加えて、炎上とクチコミという「ネット上での情報発信」の実態を明らかにすることを目的にしています。例えば、炎上参加者には「年収が高い」「主任・係長クラス以上」が多い、とか、また、炎上の参加者はネット利用者のわずか0.5%であり、ネット世論は社会の意見を反映してはいるわけではない、といった主張を展開しています。さらに、炎上を早期に小規模で食い止めたり、あるいは、逆方向に利用したりした実例を豊富に取り上げ、炎上を過度に恐れずに、ビジネスでソーシャルメディアを最大活用する方法について論じています。同時に、第4章で「炎上対策マニュアル」を示し、最後の第5章でフェイクニュースの拡散とか、最近のネットの話題を解説しています。私は個人でしかSNSを利用しておらず、ビジネスでソーシャルメディアを活用するような役割は担っていませんが、そういう立場になくても、例えば、最終的には炎上にはメディアで取り上げられるケースが多いなど、それなりに参考になるネット事情に関する情報だという気がします。

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次に、山本芳明『漱石の家計簿』(教育評論社) です。著者は学習院大学の文学研究者だそうですが、夏目漱石が一時期つけていた家計簿や印税に関する資料などを参照しながら、漱石の家計事情や作品への影響などにつき、漱石の生存中と死後に分けて論じています。すなわち、文学者、というか、明治期の作家がかなり経済的に恵まれない境遇にあった一方で、漱石は英国留学を経験した上に教職について十分なお給料をもらっていたり、あるいは、教員を辞めた後には朝日新聞のお抱え作家として、さらにいいお給料を取っていた月給取りだったんですが、それでも、明治大正期の格差の極めて大きな経済社会では、三菱や三井といった大財閥のとんでもない金持ちがいて、漱石もその時期の清貧に甘んじる文学者・作家らしく金持ちを批判する姿勢を示していたわけです。特に、漱石が金持ちを嫌った背景として、報酬は労力に見合って支払われるべきであり、投資などの「金が金を産む」システムを嫌ったという倫理的側面が強調されていたりもします。ただ、夏目家の家計の実際は妻の鏡子が握っていて、漱石個人は小遣いをもらって使っていたようで、大正バブル期で株でかなりもうけたとか、漱石の死後には人造真珠会社に手を出してスッカラカンになってしまったとか、いろいろな漱石文学とは違った観点からの論考が明らかにされています。本書でも指摘されているように、『吾輩は猫である』とか、『坊ちゃん』で読み取れる漱石の文学は明るくのんきでユーモアたっぷり、といったところかもしれませんが、その背景にはしっかりと定期的なそれなりの収入があった、という点も忘れるべきではないのかもしれません。

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次に、辻村深月『青空と逃げる』(中央公論新社) です。著者はご存じ今年の本屋大賞受賞『かがみの孤城』の著者であり、私も大好きな作家のひとりです。本作は読売新聞連載を単行本に取りまとめており、ストーリーとしては、日本各地を逃避行する母子、子どもは小学5年生の男子、の2人の物語です。小学5年生の男の子の両親は劇団員のいわば職場結婚で、母親は劇団を辞めて、パート勤務はしているものの、ほぼほぼ専業主婦となっていて、父親がまだ劇団の俳優をしているんですが、その売れない劇団員の父親が有名女優の運転する自動車に同乗して事故にあい、ヤバい筋もからんだ有名女優のプロダクションから逃げ回ります。高知、瀬戸内海の家島、別府、仙台、そして、北海道で父親と再会を果たします。いろんな要素が盛り込まれている上に、母親の1人称の語り、小学5年生男子の子供の語り、はたまた、3人称での語りと、各節ごとに極めてテクニックを弄しているような気もしますし、読みこなすのにムリはありませんが、ホントに深く読むことが出来るのはそれ相応の読み手でないと難しい気もします。でも、私のように、この作家のファンなら読んでおくべきでしょう。

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最後に、葉室麟『青嵐の坂』(角川書店) です。昨年亡くなった人気時代小説作家の扇野藩シリーズの最新刊です。というか、作者が亡くなっていますので、事実上、4巻目の本作はこのシリーズの最終巻といえます。扇野藩シリーズは江戸時代の譜代大名で京大坂の上方と江戸の間のどこかにある扇野藩を舞台に、重臣たちがお家騒動を繰り広げる、私の考える典型的な時代小説なんですが、本作では城下の家事を起因として財政がひっ迫する扇野藩の立て直しのために藩札発行を目指す中老とその上位者である家老との確執を取り扱っています。私はこの扇野藩シリーズの中では、赤穂浪士の討ち入りを絡めた第2話の『はだれ雪』が好きだったりする一方で、この第4話『青嵐の坂』は特にいい出来とも思えませんが、扇野藩シリーズの第2話である『散り椿』が今秋封切りで映画化されていますので、読んでおいて損はないかもしれません。

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2018年7月20日 (金)

18か月連続のプラスを記録した消費者物価(CPI)上昇率の先行きやいかに?

本日、総務省統計局から6月の消費者物価指数 (CPI) が公表されています。前年同月比上昇率でみて、CPIのうち生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPI上昇率は前月からやや上昇幅を拡大し+0.8%を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

6月の全国消費者物価、0.8%上昇 エネルギー高が影響
総務省が20日発表した6月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は生鮮食品を除く総合が101.0と前年同月比0.8%上昇した。上昇は18カ月連続。原油高によるエネルギー価格の上昇が影響した。ただ、エネルギー以外の品目は上昇幅が限られ、物価上昇の勢いは鈍化している。
生鮮食品を除く総合では、全体の52.2%にあたる273品目が上昇した。ガソリン価格や都市ガス代が上昇した。ただ5月に比べると上昇品目数は減少した。
下落は183品目だった。安売り規制による価格上昇の効果が一巡し、ビールなど酒類が下落した。横ばいは67品目だった。
生鮮食品を含む総合は100.9と0.7%上昇した。まぐろなど生鮮魚介類が値上がりした。
生鮮食品とエネルギーを除く総合のCPIは100.9と前年同月比0.2%の上昇にとどまった。診療代や外国パック旅行費は上昇したものの、通信料が下落した。NTTドコモが5月に新たな携帯電話料金プランを導入したため。
生鮮食品とエネルギーを除く総合のCPIが前月比で0.1%低下した。物価上昇の勢いは一段と鈍化している。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、いつもの消費者物価上昇率のグラフは以下の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く全国のコアCPI上昇率と食料とエネルギーを除く全国コアコアCPIと東京都区部のコアCPIそれぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフは全国のコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。エネルギーと食料とサービスとコア財の4分割です。加えて、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めない指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。さらに、酒類の扱いも私の試算と総務省統計局で異なっており、私の寄与度試算ではメンドウなので、酒類(全国のウェイト1.2%弱)は通常の食料には入らずコア財に含めています。

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ということで、国際商品市況における石油価格の上昇を受けたCPIの上昇幅拡大であり、引用した記事にもある通り、エネルギーを除けば物価上昇は限定的と私も考えています。上のグラフに反映されている私の独自計算による寄与度では、6月のコアCPI上昇率+0.8%のうちエネルギー寄与度が+0.56%と7割を占めます。生鮮食品を除く食料が+0.18%ですので、この食料とエネルギーの除く総合で定義されるコアコアCPIの上昇率は、上のグラフでは赤い折れ線グラフでプロットしてあるところ、ほぼほぼゼロにまで低下しています。ただ、このブログでは旧来の食料とエネルギーを除く総合でコアコアCPIを定義していますが、最近の統計局の定義では、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」となっているようですので、来月あたりからは、このブログでも変更いたしたいと予定しています。脱線してしまいましたが、物価上昇率に話を戻すと、日銀の企業向けサービス物価(SPPI)を見ている限りでは、年度替わりの4月に価格改定がスムーズに進んだような印象だったんですが、この46月期の消費者物価(CPI)を見ると、そうでもない気がします。B to B では価格転嫁がそれなりに理解されるものの、B to C ではまだ消費者の財布のひもは堅い、といったところなのかもしれません。
繰り返しになるものの、石油をはじめとするエネルギー価格に牽引された物価上昇であり、CPIのフレーム外ながら、日銀の企業物価(PPI)や企業向けサービス物価(SPPI)の輸入物価や素原材料からジワジワと中間財や最終財に、そして、消費者物価に波及が見られるものの、コストプッシュの物価上昇で実体経済への影響が懸念される上に、政府のデフレ脱却はともかく、日銀の2%の物価目標からはほど遠く、ホントに石油価格からの波及によるコストプッシュだけで物価が上昇するのがデフレ脱却といえるのかどうか、やや疑問に感じないでもありませんが、いまさら「いいインフレ」と「悪いインフレ」を区別するのも気が引けています。

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2018年7月19日 (木)

2か月振りに黒字を記録した貿易統計の評価やいかに?

本日、財務省から6月の貿易統計が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、輸出額は前年同月比+6.7%増の7兆524億円、輸入額も+2.5%増の6兆3310億円、差引き貿易収支は+7214億円の黒字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

貿易収支2カ月ぶり黒字 6月7214億円、中国輸出好調
1-6月は5期連続黒字

財務省が19日発表した6月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は7214億円の黒字だった。黒字は2カ月ぶりで黒字額は66.5%増加した。QUICKがまとめた市場予想の中央値(5342億円の黒字)を上回った。輸出入ともに増加したが、中国向けの好調を背景に輸出の伸びが上回った。
輸出額は前年同月比6.7%増の7兆524億円だった。19カ月連続で増加した。中国向けの原動機や半導体等電子部品が伸びた。
輸入額は2.5%増の6兆3310億円。原油高を背景に中東から原粗油が増加した。原油の円建て輸入単価は45.0%上昇した。南アフリカから非鉄金属の輸入が伸びたことも寄与した。
6月の為替レート(税関長公示レートの平均値)は1ドル=109.86円。前年同月に比べて0.9%円高・ドル安に振れた。
対米国の貿易収支は5903億円の黒字で、黒字額は0.5%増加した。増加は2カ月ぶり。輸出入ともに減少したが、輸入減の影響が上回った。対米輸出の減少は17カ月ぶりとなる。
同時に発表した2018年1~6月の貿易収支は6067億円の黒字だった。黒字は半期ベースで5期連続だが、エネルギー関連の輸入増が響き、黒字額は前年同期比39.9%減少した。
輸出額は6.2%増の40兆1305億円で、上半期としては08年以来の高水準となった。自動車や半導体等製造装置が伸びた。輸入額は7.5%増の39兆5238億円。原粗油や液化天然ガス(LNG)が増加した。

いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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上のグラフを見ても、例えば、下のパネルの季節調整済み系列で見ても、最近時点ではかなりグラフがギザギザになっており、細かな変動があることが読み取れます。特に、輸入額については国際商品市況の変動に連動している可能性が高いと私は受け止めています。ただ、大雑把に見て、輸入額は国際商品市況の上昇とともに緩やかに増加を示している一方で、輸出はかなり横ばいに近くなっています。その輸入の増加傾向についても、もっとも直近で利用可能な6月統計で、原油及び粗油の輸入額は季節調整していない原系列の前年同月比で+20.2%の増加を見せているものの、数量ベースでは逆に▲17.1%の減少を示しており、輸入については、製品輸入は別かもしれませんが、特にエネルギーや非鉄金属などの素原材料の動向については、国際商品市況における価格動向に伴う名目値の変動であり、数量ベースでは大きな変動ではない、というか、むしろ原油及び粗油については価格と数量が逆に動く場合すらある、ということが出来ます。

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輸出をいくつかの角度から見たのが上のグラフです。上のパネルは季節調整していない原系列の輸出額の前年同期比伸び率を数量指数と価格指数で寄与度分解しており、まん中のパネルはその輸出数量指数の前年同期比とOECD先行指数の前年同月比を並べてプロットしていて、一番下のパネルはOECD先行指数のうちの中国の国別指数の前年同月比と我が国から中国への輸出の数量指数の前年同月比を並べています。ただし、まん中と一番下のパネルのOECD先行指数はともに1か月のリードを取っており、また、左右のスケールが異なる点は注意が必要です。OECD先行指数に基づく海外の需要動向を見ると、中国では上り坂、先進国の集まりであるOECD加盟国では下り坂となっています。2017年のデータに基づいて極めて大雑把にいって、アジアへの輸出が年間43兆円、そのうち中国向けが15兆円、先進国が北米の16兆円と西欧の9兆円を合わせて25兆円ですから、最近時点での貿易収支を見る限り、上向きの中国需要動向と伸び悩む先進国需要がその時々によって我が国輸出に影響を及ぼしている、ということになります。もちろん、中長期的には米国を起点とする貿易制限的な通商政策、いよいよ始まりそうな貿易戦争のゆくえも気にかかるところです。

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2018年7月18日 (水)

なすすべなくジャイアンツに3タテされる!!

  RHE
読  売300000020 5110
阪  神000000003 390

上位の広島や巨人を追いかけるどころではなく、ジャイアンツに3タテされてしまいました。オールスターが終わって後半戦が始まっても、まったく阪神打線の貧打は変わらず、ゲームが完全に決まってから最終回に打ち始めたものの、どうなるものでもありませんでした。ひたすら、9回の攻撃が次につながるよう期待します。

次の横浜戦は、
がんばれタイガース!

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OECD "The Long View: Scenarios for the World Economy to 2060" に見る超長期世界経済シナリオやいかに?

やや旧聞に属する話題かもしれませんが、7月12日に経済協力開発機構(OECD)から "The Long View: Scenarios for the World Economy to 2060" (OECD Economic Policy Papers No.22) と題する超長期世界経済シナリオが公表されています。キチンとした参照文献としての表示は以下の通りです。もちろん、pdfの全文リポートもアップロードされています。

現時点での3%台半ばの成長率は徐々に低下して、特に、中国の世界経済の成長への寄与が縮小し、2060年には2%強に達する見込みですが、先進国とインド+中国といった新興国の成長への寄与のバランスが、ある意味で、よくなる、というか、イーブンに近づいたりもします。図表を引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、上のグラフはリポート p.8 から Figure 1. The baseline scenario in a snapshot のうちの地域別と生産要素別のそれぞれの寄与度をプロットしています。すべてベースライン・シナリオなんですが、上のパネルから明らかな通り、世界経済の成長率は現在の+3%台半ばから2060年ころには+2%強にゆっくりと低下して行きますが、先進国の集まりであるOECD加盟国やインドの寄与度は、それほど大きく低下しない一方で、中国の寄与度が大きく低下するのが読み取れます。加えて、下のパネルからは、労働者1人当たりの資本装備率や労働の効率性については大きな変化ないものの、インプット側の労働投入の寄与が2040年ころからマイナスに転じるのが見て取れます。

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次に、上のグラフはリポート p.14 から Figure 3. Trend real GDP per capita growth, per cent のうちのOECDとBRICSのそれぞれの寄与度をプロットしています。縦軸のスケールが異なるので注意が必要で、すべてベースライン・シナリオなんですが、基本は世界経済の成長率と同じで、インプット側の労働の寄与が小さくなってマイナス化する一方で、資本装備率と労働の効率性による成長が続くんですが、後者の寄与の方が大きくなっています。テーブルの引用はしませんが、国別で潜在的な1人当たりGDPの伸び率は p.15 Table 1. The sources of potential real GDP per capita growth in the baseline scenario で示されています。2018~30年と2030~60年の2期間という極めて大雑把な括りながら、日本に着目すると、両方の期間で日本の潜在的な1人当たりGDPの伸び率はそれぞれ+1.4%と+1.8%であり、そのうちの労働の効率性の寄与が+1.1%と+1.4%、資本装備率の寄与は+0.2%と+0.7%、労働の効率性と資本装備率を足すと1人当たりGDPの伸び率を超えますので、人口減少、というか、労働投入の減少がマイナス寄与しているわけです。

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第1章の導入部と第2章でのベースライン・シナリオの提示を受けて、第3章から第6章の4章をかけて代替シナリオが分析されていて、第6章では自由貿易の重要性を論じているんですが、 上のグラフはリポート p.45 Figure 26. Impact of rising trade protectionism on world trend real GDP per capita を引用しています。いずれもベースライン・シナリオと比較していて、上のパネルが成長率の差、下がGDP水準の差です。貿易自由化が逆戻りして1990年の平均的な輸入関税に戻ると、世界全体の平均で長期的な1人当たりGDPが▲14%押し下げられ、もっとも大きな影響を受ける国々では▲15~20%下がる、と試算されています。また、第6章以外については、第3章では新興国の組織改革をはじめとする構造改革、第4章では先進国の生活水準と構造改革、第5章ではOECD加盟国における財政のサステイナビリティ、がそれぞれ取り上げられています。グラフは引用しませんが、第3章 p.23 Figure 6. Impact of governance reform, convergence in educational attainment and import tariff reductions on real GDP per capita in the BRIICS - decomposition by component では、こういったグラフのタイトルに当たる改革がなされれば、2060年時点でBRICS各国の1人当たりGDPがベースライン・シナリオに比べて+30~50%の上振れとなる、なんて結果が示されていたりします。

2060年をひとつのターゲットにした超長期シナリオの分析ということで、2060年といえば、もしも私が生きていると仮定すれば100歳を超えており、個人としてはこれらの結果を目にすることはかなり困難なところなんですが、それでも、エコノミストとしては興味あるところです。

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2018年7月17日 (火)

打線が5安打に抑えられてなすすべなくジャイアンツに連敗!!

  RHE
読  売000400000 491
阪  神000020000 250

打線が抑え込まれてジャイアンツに完敗でした。わずかに5安打、6回以降はエラーに見える1ヒットでは勝てません。4安打のうちの3安打を5回に集中して、何とか2点をもぎ取ったのは評価できるにせよ、投手陣からすれば4点を失えば即敗戦、ということなんですからストレスは大きい気がします。ともかく、解説の川藤さんのいうように、ストライクを見逃してはボールをムリに振りに行く、の悪循環だったように見受けました。1軍に上げたロサリオ選手の出番もなく、最終回9回ツーアウトからの盛り上がりが明日につながるよう期待します。

明日の才木投手に大いに期待して、
がんばれタイガース!

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国際通貨基金「世界経済見通し改訂見通し」 IMF World Economic Outlook Update やいかに?

日本時間の昨夜、国際通貨基金(IMF)から「世界経済見通し改訂見通し」IMF World Economic Outlook Update, 2018 July が公表されています。もちろん、pdfの全文リポートもアップされています。リポートの副題は Less Even Expansion, Rising Trade Tensions となっていて、貿易戦争が前面に押し出されていたりします。それほど注目されていなくても、国際機関のリポートを取り上げるのはこのブログの特徴のひとつですので、簡単に見ておきたいと思います。

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IMF のブログサイトから引用した成長率の総括表は上の通りです。世界経済の成長率は2018~19年ともに+3.9%が予想されており、4月時点から変更ありません。ただ、我が国については、発射台の1~3月期の成長率が低かったものですから、2018年の成長率については▲0.2%の下方修正で+1.0%を見込み、2019年は消費増税もあって+0.9%とさらに低い成長を予想しています。
加えて、同じブログサイトから、いくつか印象的な点を引用すると、まず、先行きリスクとしては、世界経済の成長にとって短期的に最も大きな脅威となるのは、現在の貿易摩擦が激化するリスクであり、貿易摩擦が激化すると、センチメントや資産価格、投資に負の影響が生じる、"the risk that current trade tensions escalate further - with adverse effects on confidence, asset prices, and investment - is the greatest near-term threat to global growth." と指摘しています。そして、モデルから、現在脅しに使われている貿易政策が実際に実行され、その結果企業のセンチメントが悪化した場合、世界のGDPは2020年までに現在の予測値を0.5%下回る可能性が示唆されている、"Our modeling suggests that if current trade policy threats are realized and business confidence falls as a result, global output could be about 0.5 percent below current projections by 2020." との試算結果も示しています。

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2018年7月16日 (月)

すべてに後手を踏んでジャイアンツに逆転負け!!

  RHE
読  売000020020 460
阪  神100000020 392

1回の攻撃を別にすれば、すべてに後手を踏んでジャイアンツに逆転負けでした。まあ、あのまま1点で逃げ切れとは、いかなメッセンジャー投手でも厳しいところ、中盤に逆転されてからはまったく後手に回って、右打者は外角のボールを振りに振って抑え込まれ、負けパターンの継投では失点しました。

明日の岩田投手はどこまで期待していいのやら、
がんばれタイガース!

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猛暑の3連休を何とか乗り切る!!

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猛暑の3連休でした。上の画像は気象協会のサイトから引用していますが、タイトルは「39度超え! 今季1番の危険な暑さ」だったりします。「凍死」という言葉があって、「熱死」とか、「署死」という言葉がないように、私は寒さで死ぬことがあっても、暑さで死ぬことはないだろう、くらいに以前は考えていましたが、考えを改める必要がありそうです。
ゴールデン・ウィークを明けたころから、自転車のペダルを漕ぐとキシキシ音がするようになり、梅雨が明けたらチェーンに油を差そうと考えていましたが、思いっきり早くに梅雨が明けてしまい、結局、予定通りに3連休初日の土曜日になってしまいました。でも、せっかく油を差したのに3日でそれほど自転車には乗ることもなく、プールで泳いだり、涼しい屋内で読書したりして過ごす時間が長かったような気もします。今夜はこれから缶ビールを傾けてナイターをテレビ観戦です。

がんばれタイガース!

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帝国データバンク「保護貿易に対する企業の意識調査」の結果やいかに?

7月12日付けで、帝国データバンクから「保護貿易に対する企業の意識調査」の結果が明らかにされています。pdfの全文リポートもアップされています。まず、帝国データバンクのサイトから調査結果の概要を5点引用すると以下の通りです。

調査結果
  1. 企業の56.9%が日本全体にとって「自由貿易」が望ましいとする一方、国内産業保護を含む「保護貿易」が望ましいとする企業は9.9%にとどまる。他方、自社の属する業界にとっては「自由貿易」が望ましいが43.0%に低下、「保護貿易」は13.1%に上昇
  2. 保護貿易主義による政策が世界的な広がりをみせた場合、自社の業績に「マイナスの影響」があるは28.7%、「プラスの影響」は2.5%にとどまる。また、「どちらともいえない」は38.5%、「影響はない」は12.7%だった
  3. 現在までに、保護貿易主義の高まりについて対応策を実施している企業は0.5%。「対応を検討中」(4.4%)と合わせても、何らかの対応を実施・検討している企業は4.9%にとどまる
  4. 実施・検討している対応策では、「情報収集・分析の強化」が57.0%でトップ。次いで、「仕入先企業の見直し」(32.0%)、「販売計画の見直し」(28.8%)、「自社の商品やサービスの種類・内容の見直し」(26.9%)、「生産計画の見直し」(20.8%)が続く
  5. 「生産計画の見直し」を行っている企業が主に実施・検討している内容は「国内生産の拡大」が30.6%。「販売計画の見直し」では「国内向け販売の拡大」が46.3%。生産・販売計画の見直しは「国内」の拡大を図る傾向

ま、常識的な結果ではないでしょうか。日本経済全体について考えると自由貿易が望ましい一方で、自社業界については保護貿易が望ましい割合がチョッピリ上がり、保護所議が広がるとマイナスの影響がプラスを大きく上回る、従って、国内生産や国内販売の拡大を目指す、ということなんだろうと思います。最後に、リポートから 自社業績への影響 のグラフを以下に引用しておきます。

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米国でのトランプ大統領の当選や欧州各国でのポピュリズムの台頭など、内向きで通商制限的な政策が志向されてきており、実際に米国では関税率が引き上げられ、さらに、その対象国における報復措置の発動が懸念されるなど、保護主義的で通商制限的な政策が着々と実施され、貿易戦争につながる恐れが高まっています。我が国産業界でも何らかの対応が進むのかもしれません。

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«東京商工リサーチによる「役員報酬1億円以上開示企業」調査の結果やいかに?