2026年7月21日 (火)

延長11回高寺選手のタイムリーで横浜にサヨナラ勝ち

 十一 RHE
横  浜00010000000 150
阪  神00010000001x 290

【横】篠木、松本凌、マルセリーノ、浜地、伊勢、岩田、吉野、宮城 - 戸柱
【神】下村、工藤、岩崎、ドリス、木下 - 坂本

引き締まった投手戦を延長11回に、高寺選手のツーベースで横浜にサヨナラ勝ちでした。
先発下村投手は6回を牧選手のソロ1点抑え、工藤投手以下のリリーフ陣に後を託します。9回岩崎投手、10回ドリス投手、11回木下投手と継いで、木下投手2勝目です。野手陣は相変わらず貧打に泣き、まともな得点は高寺選手のサヨナラ打までありませんでした。

明日は藤浪投手を打ち崩すべく、
がんばれタイガース!

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金融政策の量的緩和による政府財政のサステイナビリティへの影響

政府財政のサステイナビリティが金融政策の量的緩和(QE)からどのような影響を受けるのか、について "Quantitative Easing and Government Debt Sustainability" と題するワーキングペーパーが全米経済研究所(NBER)から明らかにされています。まず、論文の引用情報をNBERのサイトから引用すると次の通りです。

続いて、NBERのサイトからABSTRACTを引用すると次の通りです。

ABSTRACT
We show that quantitative easing (QE) worsens government debt sustainability. In our model, the government has a negative primary balance and downward-sloping debt demand that makes interest rates endogenous. The central bank has long-term capital and remits profits to the fiscal authority. QE depletes this capital stock, reducing future remittances and crisis-fighting reserves. Contrary to Sargent and Wallace (1981), where greater monetary accommodation lowers the steady-state debt level, we show that QE increases the steady-state level of debt and shifts the default boundary inward, thus heightening fragility and reducing debt sustainability. Moreover, while QE can keep interest rates low for extended periods, sustaining a QE-backed rate peg requires a growing central-bank footprint and accelerating capital depletion, until financing costs rise sharply. Under certain parameters, large-scale QE makes previously sustainable debt levels unsustainable, leading ultimately to sovereign default.

私が3年前に書いた紀要論文 "An Essay on Public Debt Sustainability: Why Japanese Government Does Not Go Bankrupt?" では、公的債務残高のサステイナビリティについてはドーマー方程式から、基礎的財政収支と成長率と金利の差、すなわち、動学的効率性から決まる、と結論しています。ものすごく単純にいえば、中央銀行が量的緩和(QE)政策を取って金利が低くなれば、公的債務残高のサステイナビリティは高まる、と考えていただけに、少しショックを受けました。この論文で重要と考えるグラフをpdfの論文から引用すると次の通りです。

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上のグラフは、ワーキングペーパーから Figure 4. Steady states before and after QE を引用しています。タイトル通りに、量的緩和(QE)の前後で公的債務残高のサステイナビリティが、理論モデルからどのように動くかを分析しています。上のパネルが量的緩和前で、下が量的緩和後です。見れば明らかなように、安定均衡(Stable Steady State)が右へ移動し、不安定均衡(Unstable Steady State)が左へ移動し、結果として、デフォルト境界(Default Boundary)が内側へ移動してしまっています。つまり、量的緩和は短期的には金利を押し下げるとしても、長期的には財政の安定領域を縮小させるという結論をもっとも直感的に示しています。

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続いて、上のグラフは、ワーキングペーパーから Figure 5. Economic dynamics after QE を引用しています。先の Figure 4. Steady states before and after QE が比較静学に基づいていましたが、この Figure 5. Economic dynamics after QE は動学的な経路が示されています。左上のパネル(a)から始めて、(a) 量的緩和の直後は金利を低く抑えることが可能であるものの、(b) 量的緩和のための金利ペッグを維持するには、中央銀行の資産毀損が生じ、(c) 中央銀行資本の枯渇を加速させ、(d) 最終的には資金調達コストの急激な上昇を招く、ということが示されています。

このワーキングペーパーは理論モデルに基づいて、延々と離散系の差分方程式を解くことによって得られた結論を示しており、実際のデータに基づく実証的な研究成果ではありません。ですので、前提として、政府が基礎的財政収支の赤字を続けるとか、量的緩和によりきわめて直接的に中央銀行が資本を毀損して政府からの出資拡大は行われないとか、いささか現実性に疑問ある前提が置かれていたりします。そして、ワーキングペーパー本体で48ページ、Appendixが69ページ、あわせて119ページあり、Appendixのうち、延々と数学的な証明(Proof)を展開しているAppendix Cが60ページほどあって、そもそも、私が完全にこのワーキングペーパーの趣旨を理解したというまでの自信もありません。でも、Sargent and Wallace (1981) "Some unpleasant monetarist arithmetic" とも真逆の結論を導いており、少しショッキングであったことは確かです。

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2026年7月20日 (月)

終盤にリリーフ陣が打たれて横浜に完敗

  RHE
横  浜000010033 790
阪  神000000000 030

【横】 平良、宮城、レイノルズ、松本凌 - 古市
【神】大竹、木下、セベリーノ、津田 - 坂本、梅野

まったく打てずに、横浜に完敗でした。
先発大竹投手は5回に失点したものの、6回途中まで1失点でしたので、まずまずの出来だと思います。後を継いだ木下投手も安定したピッチングでした。しかし、8回セベリーノ投手、9回津田投手が大きく失点して、ジ・エンドでした。でも、問題はバッターです。中野選手がスターティングメンバーから外れたとはいえ、3安打では勝てません。横浜の先発平良投手をはじめ、4投手のリレーで完封されてしまいました。広島は巨人相手ならデッドボールなしで負けてしまい、再び巨人に同率首位に並ばれました。

明日は、
がんばれタイガース!

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初めてのモノクロパッケージ

中東戦争の影響でナフサが不足し、カルビーのポテチがモノクロパッケージに変更というニュースをふた月ほど前に聞きました。たぶん、東京あたりで始まって、私の住んでいる田舎町に到達するころにはナフサ不足も解消されている可能性を考えていたのですが、本日、初めてモノクロのパッケージを見ました。カルビーはカルビーでも、話題になったポテチではなく、かっぱえびせんでした。写真では見えにくいのですが、左上に「石油原料節約パッケージ」とあります。

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紀要論文「人工知能(AI)技術は規制が必要か、それとも自由な開発か?」を書き上げる

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先週、今夏の夏休みの研究課題である紀要論文「人工知能(AI)技術は規制が必要か、それとも自由な開発か?」を書き上げ、紀要の編集担当者に送っておきました。9月に『立命館経済学』収録論文として公刊される予定です。まず、要旨を引用すると次の通りです。

人工知能(AI)の技術がここ数年で大きく進歩している。分野によっては人間の知的能力・認知能力を超えているとすら考えられている。このAIの活用により生産性が引き上げられ、企業業績が改善するとの期待から、米国だけでなく日本でも株価が上昇している。本論文では、このAI技術が経済に及ぼすインパクトについていくつかの研究成果をサーベイしている。その上で、AIに対する規制の必要性を論じている。まず、AI技術の前提として、ディープラーニングについて簡単に振り返り、さらに、人間の認知能力がどのように決まるかに関する簡単なモデル研究を概観する。この際、人類が歴史的に獲得した知性の分析とともに、人間個々人が幼少期から認知能力を向上させる理論モデルについての双方を取り上げる。続いて、人間の認知能力がAIの使用からどのような影響を受けるかについてアセモグルらによる議論(Acemoglu et al., 2026a)ほかをサーベイする。AIの活用が人間の知性に潜在的に及ぼす否定的結論が導かれている。ただし、AIの活用が生産性に及ぼす好影響の研究成果も多くあり定量的な研究をサーベイし、ほぼすべての研究は多かれ少なかれAIは生産性を向上させるインパクトを持っていると結論している。最後に、これらのAIの否定的・肯定的な両方のインパクトを総括し、AI規制の必要性を考える。

第1章の導入部で現時点におけるAIの能力について考えた後、第2章では、本論に入る前に、AI開発の歴史とともに、ディープラーニングなどの技術的な側面を簡単に振り返っています。さらに、第3章では、人間の認知能力がどのように決まるかに関する簡単なモデル研究を概観しています。この際、ホモサピエンス誕生以来の人類が歴史的に獲得した知性のモデル分析とともに、人間個々人が幼少期から認知能力を向上させるモデルについての双方を既存研究をサーベイをしています。本論に入って、第4章では、そういった人間の認知能力がAIの使用からどのような影響を受けるかについてアセモグルらによる分析結果ほかをサーベイして、AIの活用が人間の知性に及ぼす潜在的ながら否定的な結論を導いています。第5章では、AIが経済にもたらすポジティブな面として、AIの活用が生産性に及ぼす影響について既存研究をサーベイし、ほぼすべての研究は多かれ少なかれAIは生産性を向上させるインパクトを持っていると結論しています。最後に第6章で、これらのAIの否定的な影響と肯定的なインパクトを総括するとともに、残された課題を整理し、本稿を簡単に締めくくっています。

おそらく、AIの開発を自由に行えば、十分なイノベーションの利益が得られることと思います。他方で、AIに対する必要な規制とイノベーションの利益の享受は、おそらくトレードオフの関係にあると考えられます。私はAIのリスクに対応するために、何らかの規制の必要性をこの論文で示したつもりです。ただ、私はエコノミストですので、雇用も含めた経済的なリスクしか考慮に入れていません。論文の最後でも示しましたが、実は、AIの最大のリスクのひとつは軍事利用です。それは今後の研究課題として残っています。

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2026年7月19日 (日)

佐藤輝がハーンにやり返して広島に逆転勝ち

  RHE
阪  神000100120 471
広  島020000000 260

【神】 村上、工藤、岩崎、ドリス - 坂本
【広】 森、遠藤、ハーン、鈴木、辻 - 持丸

佐藤輝選手のツーベースで、広島に逆転勝ちでした。
先発村上投手は2回に広島の外国人選手にソロ2発を浴びて失点したものの、6回2失点の安定したクオリティ・スタートでした。問題は打線です。昨夜は3番森下外野手と4番佐藤輝選手が抑え込まれました。特に、佐藤輝選手はハーン投手にビーンボールを投げられてマウンドに詰め寄ろうかというシーンがありました。今夜は見事にやり返して逆転のツーベースでした。このあたりのBクラスチームにそうそう取りこぼしは出来ません。

甲子園に戻って横浜戦は、
がんばれタイガース!

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高校野球大阪大会4回戦で大阪立命館が大阪桐蔭を破る大金星

高校野球の大阪大会で、大阪立命館が大阪桐蔭を破る大金星を上げました。ご案内の通り、大阪桐蔭は今春の選抜高校野球で優勝しましたが、春夏連覇の夢は潰えました。延長タイブレーク3-2の僅差の勝負だったようです。
私のゼミの今年3月の卒業生には野球部のピッチャーがいました。大阪立命館から経済学部に進学してくれませんかね。私は個人的に熱烈歓迎します。

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2026年7月18日 (土)

3番と4番が抑え込まれて広島に逆転負け

  RHE
阪  神000010000 180
広  島00001100x 271

【神】 伊藤将、木下、セベリーノ、モレッタ - 梅野
【広】 栗林、ハーン、森浦 - 持丸、石原

競った試合ながら、広島に逆転負けでした。
何といっても、リーグのホームランと打点を争う3番森下外野手と4番佐藤輝選手が抑え込まれては勝てません。先発伊藤将投手は6回に逆転ホームランを打たれはしましたが、6回途中まで2失点ですから、QSではないというものの十分な投球で先発投手の責任を果たしています。後を継いだ木下投手、セベリーノ投手、モレッタ投手も広島打線をゼロに抑えました。明日は猛虎打線の爆発を期待します。

明日は、
がんばれタイガース!

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今週の読書は小説をよく読んで計6冊

今週の読書感想文は以下の通りです。
まず、塩野谷祐一『経済と倫理 増補新装版』(東京大学出版会)では、一橋大学名誉教授であり経済哲学の専門家である著者が、「福祉国家の哲学」を体現するため、効率・正義・自由・卓越といった価値理念を手がかりに、経済と倫理を統合し福祉国家の制度を再構築することを試みています。吉川洋『日本 - 没落か再生か』(新潮選書)では、バブル経済崩壊後から長らく続く「失われた何十年」かの日本経済を振り返って、「時代精神」あるいは「時代の精神」をキーワードに、格差の拡大、少子化や人口減少、企業のイノベーションの停滞など、日本経済の問題を解明しようと試みています。あをにまる『奈良千夜一夜』(角川書店)は、古典や都市伝説に典拠したパロディ短編集で、奈良への屈折した愛と、卑屈なユーモアが炸裂しています。タイトルの「千夜一夜」=アラビアンナイトとはほとんど関係ないのですが、素晴らしい出来です。奈良について詳しくなくても十分楽しめます。床品美帆『431秒後の殺人』(東京創元社)は、横浜から京都に移り住んできたカメラマンの安見直行と代々法衣店を営む六角聡明の2人の主人公で、陰陽師の血筋の六角聡明が失せ物探しなどの辻占いの力でオカルト的な味付けのされた殺人事件を解決するミステリ短編集です。実は、新刊書ではないのですが、シリーズ第2作に先立って読んでいます。床品美帆『降り止まぬ雨の殺人』(東京創元社)は、京都辻占探偵六角のシリーズ第2作であり、安見直行と六角聡明の2人が森沢レミという女性から、7年前に19歳で自動車事故で亡くなった妹の森沢聖奈の遺品である青い日傘の本当の持ち主を探す依頼を受けますが、連続殺人事件に発展します。凪良ゆうほか『本屋さんのある街で』(文春文庫)は、タイトル通り本屋さんにまつわる短編5話、すなわち、瀬尾まいこ「続きは書店で」、一穂ミチ「歌うように生きて」、坂木司「手に取って見てみろよ」、凪良ゆう「小鳥たち」、三浦しをん「見晴らし書店の一日」が収録されています。
今年2026年の新刊書読書は、1~6月の半年で151冊、7月に入ってから先週までの13冊と今週の6冊を加えて合計169冊となります。これらの読書感想文については、できる限り、FacebookやX(昔のtwitter)、あるいは、mixi、mixi2などのSNSでシェアしたいと予定しています。

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まず、塩野谷祐一『経済と倫理 増補新装版』(東京大学出版会)を読みました。著者は、一橋大学名誉教授であり、ご専門は経済哲学です。すでに、2015年に亡くなっています。本書は、副題としている「福祉国家の哲学」を体現するため、効率・正義・自由・卓越といった価値理念を手がかりに、経済と倫理を統合し福祉国家の制度を再構築することを試みています。その際、福祉国家とは資本主義・民主主義・社会保障の3層の公共的制度であって、経済・政治・社会の全領域における理念と制度の整合化を図ることが現代の社会科学者の実践的な課題である、としています。こういった考察を通じて人間の卓越と良き生の条件を探り、経済は何のためにあるのかという根源的な問いを投げかけています。そして、自由、真の自由とは、市場における自由と社会的な正義と政治的な平等を基礎として成り立つと強調しています。さらに、豊かさと公正さを達成した社会は、さらに、卓越した社会を目指すとし、私自身はこの「卓越」について理解が進まなかったのですが、読み進むうちに、中国的、というか、日本も含めた東洋的な「徳」の世界であると感じています。西洋的な用語でいえば「美徳」となるのかもしれません。ただ、まあ、正しいかどうかはそれほど自信がありません。私の感想としては、まず、経済学が科学であるからには価値判断から自由、価値判断をしない事実判断が重要、という点が緩やかに否定されている点が新鮮でした。私も授業で、特に経済学部以外の学部で講義する場合、例を出して説明すると、天文学で満月が好ましく新月は望ましくない、といった良し悪しの価値判断をしないように、経済学も価値判断からは距離を置く、と説明します。すなわち、世間一般の理解のように、高所得が望ましくて低所得は望ましくない、とは考えずに事実として客観的な分析に努める、という意味です。ただ、経済学でも効率性を欠いた非効率は望ましくないと考えるわけですし、それだからこそ市場における資源配分を尊重するわけですので、本当に価値判断が排除されているかは疑わしいと私は考えています。ですので、経済学というのは、いくぶんなりとも、ほかの学問・社会科学と同じで、格差の上の方の人々に奉仕する学問である点は否定できず、経済的に成功した人々、経済的成功を基盤に政治や社会で権力や権勢を持った人々に対して、そういった成功を後付けで合理化するという面があります。ですので、それとは真逆に社会保障で成功しなかった人々に対する支援をしたり、経済社会的に許容しかねる格差を是正したりするための学問的あるいは理論的な基盤を提供しようとするわけです。経済社会は何もせずに放っておくと、弱肉強食の世界になって権力者は法や社会的な秩序を無視して、やりたい放題に振る舞うことになりかねません。望ましいか望ましくないかの価値判断が権力者に委任されることになるわけです。そうならないために、こういった学問的な裏付けが必要になります。本書は確かに難解ではありますが、決して理解が遠く及ばない内容ではありません。多くの方にオススメです。

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次に、吉川洋『日本 - 没落か再生か』(新潮選書)を読みました。著者は、東京大学名誉教授であり、政府の経済財政諮問会議の民間人委員や立正大学学長なども歴任しています。まずは、マクロ経済学の大御所ということが出来ます。そのマクロエコノミストが、1990年のバブル経済崩壊後から長らく続く「失われた何十年」の日本経済を振り返って、「時代精神」あるいは「時代の精神」をキーワードに、格差の拡大、少子化や人口減少、企業のイノベーションの停滞などなど、日本経済の問題を解明しようと試みています。とはいいつつ、実は日本経済の停滞に先立って、1980年代から停滞を深めた米国経済について考えています。その原因はズバリ企業活動が営利主義に走ったことであり、フリードマン教授らの新自由主義的な経済観に対する批判を展開しています。その新自由主義的で利益優先的な経営に陥った企業観が米国から10年ほど遅れて日本でも現れた、と見なしています。そのため、家計においては非正規雇用の増加により格差が拡大し、消費が停滞する中で、企業だけが貯蓄超過に陥っています。何度か私のマクロ経済観を明らかにしているように、マクロ経済の景気拡大のためには貯蓄超過のセクターを活性化する必要があります。露骨にいえば、貯蓄超過主体にカネを使ってもらう必要があるわけです。日本では、家計もさることながら企業が貯蓄超過であり、家計の中では勤労世代に比べて引退世代が貯蓄超過になっています。ですから、本書ではそういった表現はしていませんが、日本の経済停滞の大きな要因のひとつは企業部門にあり、ケインズ的なアニマルスピリットが失われて、シュンペーター的な創造的破壊のイノベーションが出来ていない、という点を上げています。真逆の方向で、企業は雇用者の給与削減に走って非正規雇用を増加させることにより利益を上げようとしているわけです。そうすると、ますますアニマルスピリットが失われ、イノベーションが滞ることになります。ただ、私が本書の結論に意義を申し立てたい点が2点あります。まず第1に、本書はそういったアニマルスピリットやイノベーションといった企業部門の問題解決を「時代精神」として個々人の心に求めています。ある意味で数的な合理性に基づくアポロ的な損得勘定ではなく、ディオニュソス的な衝動や情念に基づく企業活動に解決策を求めているように私は読みました。ただ、個々人の心に解決策を求めるのは、私は間違っている可能性が高いと受止めています。いつもの表現をすれば、交通安全を願って譲り合う心だけでは交通事故は減りません。信号や横断歩道や速度規制という制度や規制が必要です。続いて第2に、家計部門内での移転も必要となる可能性があります。家計部門内では、繰返しになりますが、貯蓄超過なのは引退世代です。私が長らく主張しているように、現在の引退世代は世界でも稀に見る高度成長期という時代を享受してきた世代です。その引退後の生活をバブル崩壊後の低成長しか実感できていない若者に負担を求めるのは、大いに疑問が残ります。米国では、リーマン・ショックまでのサブプライムバブル期に大きく業績を拡大した銀行をバブル崩壊後に救済するのに反対意見が数多く出ています。日本の家計部門内でも同じことを主張する意見があっても私は不思議に思いません。

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次に、あをにまる『奈良千夜一夜』(角川書店)を読みました。著者は、小説家なのですが、Xアカウント「卑屈な奈良県民bot」を展開しています。前作『今昔奈良物語集』も本作品と同じように古典や都市伝説に典拠したパロディ短編集で、奈良への屈折した愛と、卑屈なユーモアが炸裂しています。もちろん、私は読んでいます。実は、私は大学を卒業して就職するまで、一貫して京都府民でしたが、中学・高校と奈良市内の私立男子単学の進学校に6年間通っていました。当時は大仏殿の近くにありましたが、今では移転しています。ですので、長らく公務員生活を送ってきた東京とともに、また、生まれ育った京都とともに、中高6年間学んだ奈良には詳しいと自負しています。収録されている短編は5話あります。順に、まず、「金の小野」はイソップ童話の「金の斧」のパロディです。別れ話で口論となり、女子大生の木原霧江は付き合っている小野鉄明を奈良公園近くの猿沢池に突き落としてしまいます。すると池から奈良時代の采女装束の女が現れ、「あなたが先ほど落とした彼氏は、――」と聞いてくるわけです。続いて、「私メリーさん、今から奈良県十津川村へ行くの」は都市伝説の「今、あなたの後ろにいるの...」のパロディです。グラフィックデザイナーをしている主人公は、フリーランスへの転身を機に奈良県十津川村へと移住し、東京のワンルーム暮らしとは別世界で、のんびりとした生活を楽しみ始めています。その矢先、スマホに非通知の着信があり、「私メリーさん。いま、東京駅にいるの」から始まり、徐々に近づいてきます。電話の主は一体誰なのか、謎が深まります。続いて、「シンデラレン」では、冴えないホテルマンの新出礼助は、冷え切った夫婦仲の妻と父親を小馬鹿にして無視しがちな高校生の娘と暮らしています。散歩していた東大寺大仏殿の東側に「猫段」と呼ばれる石段があって、ここで転んだ人間は猫になってしまうという伝説があり、実際に、新出礼助は転んで猫になってしまいます。続いて、「逆杜子春」では、主人公の御子柴俊春は筋金入りのミニマリストでシンプルな生活を望んでいるのですが、親から経営を受け継いだ工務店が彼の経営手腕により中堅ゼネコンまで企業規模を拡大してしまい、ミニマリストの生活を実践できません。社長という立場が彼の理想を妨げるわけです。ある日、藤原宮跡で出会った僧侶のような老人が、理想の暮らしを叶える方法を教え、「今日の午後3時ちょうどに、お前はきっと、お天道様の下に立っとるはずや。そのとき、自分の影の頭に当たる場所を、思いっきり掘れ」と告げます。そうすると、一度は社長を引退する出来事に相成りますが、結局、社長に返り咲くことになってしまいます。最後に、タイトルの「千夜一夜」=アラビアンナイトとはほとんど関係ないような古典や都市伝説に準拠していますが、とても、素晴らしい出来のパロディです。奈良について詳しくなくても、猿沢の池や東大寺大仏殿くらいは見聞きしている人は少なくないと思います。その意味でも、とってもオススメです。

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次に、床品美帆『431秒後の殺人』(東京創元社)を読みました。著者は、同志社大学ご卒業のミステリ作家であり、本書が単著デビューということになります。同志社大学ですので有栖川有栖の後輩ということなのかもしれません。本書は、京都辻占探偵六角のシリーズであり、すでに、続編の『降り止まぬ雨の殺人』も出版されています。主人公は2人いて、横浜から京都に移り住んできたカメラマンの安見直行と代々法衣店を営む六角聡明です。2人とも20代半ばです。六角法衣店はたかだか200年の歴史らしいのですが、六角家の祖先は平安時代には宮中の陰陽寮に参内した陰陽師に行き着くともいわれていて、六角聡明は法衣店を営むほかに、失せ物探しなどの辻占いもしています。当然、ホームズとなる探偵役は六角聡明が担います。ですので、すべてではありませんが、短編によってはややオカルト的な味付けのあるミステリも含まれています。本書は5話の短編から編まれています。短編ですが、すべて殺人事件が起こります。まず、表題作の「431秒後の殺人」では、安見直行のカメラの師ともいうべき松原京介が、雨の夜に歩いていた烏丸六角交差点でビルの屋上から落下してきた約12キロのコンクリートブロックに直撃されて死亡します。離婚話が進んでいた松原京介の妻は、死亡時刻にはタクシーに乗っていたというアリバイが成立しています。まだこの時点では京都旅行中だった安見直行が六角法衣店を訪れて、六角聡明に真相解明を依頼します。続いて、「睨み目の穴蔵の殺人」では、すでに安見直行は京都に移り住んでいて、高瀬川沿いのカプセルホテルの広告向けの写真を請け負います。そのホテルでは、襖の武将の目が動く、とか、絵の中からその武将に睨まれた、などのウワサがあります。大学のオカルト研究会のOB/OGの20代半ばの仲間が集まって、このオカルト的な襖絵を見るために一泊しますが、翌朝、1人の男性が死体で発見されます。続いて、「眠れる映画館の殺人」では、主人公2人が映画を見に行ったミニシアターで、その映画の脚本と監督をした浜荻葦人がいっしょに映画を鑑賞していたところ、映画の開始時点では何の問題もなかったのですが、映画が終了したときには浜荻監督が殺害されていました。続いて、「照明されない白刃の殺人」では、呪われた骨壺が出てきて、いくつかの不可解な事故や幽霊が現れる中、京都芸術センターでのイベント中に、目出し帽をかぶった怪しい人物がイベント進行役のDJを包丁で刺して逃走し安見直行らが追うものの、曲がり角の先で忽然と消えてしまいます。最後の「立ち消える死者の殺人」では、六角聡明の過去が部分的なリとも明らかになります。すなわち、六角聡明が中学入学を控えた12歳のころに、母親の頼子が入院中します。その入院中に、母親と同部屋の別の患者が死んで、六角頼子自身は失踪してしまいます。同じ病院に14年後の盲腸で入院した六角聡明自身が謎を解きます。最後に、ミステリとしてはそれほどオススメしません。イヤミスという以上に、どうにもやりきれない人物造形が多すぎますし、ミステリとしての謎解きもそれほど出来はよくありません。特に、第3話の「眠れる映画館の殺人」なんて、頭の回転の鈍い私ですらツッコミどころ満載です。でも、京都に関する教養めいた蘊蓄が豊富です。その点はオススメです。京都本として読むにはいいかもしれません。

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次に、床品美帆『降り止まぬ雨の殺人』(東京創元社)を読みました。著者は、同志社大学ご卒業のミステリ作家であり、本書が初長編ということになります。京都辻占探偵六角のシリーズ第2作です。主人公は2人いて、横浜から京都に移り住んできたカメラマンの安見直行と代々法衣店を営む六角聡明です。2人とも20代半ばです。六角家の祖先は平安時代には宮中の陰陽寮に参内した陰陽師に行き着くともいわれていて、六角聡明は法衣店を営むほかに、失せ物探しなどの辻占いもしています。当然、ホームズの探偵役は六角聡明が担います。ですので、ややオカルト的な味付けのあるミステリです。ストーリーは、11月の雨の日に森沢レミという20代半ば後半で、主人公2人と同じ年代の女性が六角法衣店を訪れて、7年前に19歳で自動車事故で亡くなった妹の森沢聖奈の遺品である青い日傘の本当の持ち主を探す依頼を受けるところから始まります。まあ、何と申しましょうかで、六角聡明の本来の失せ物探しの逆を行くわけです。森沢レミは、妹の聖奈の交通事故死に不審を持ち、警察に再捜査を何度もしつこく申し入れた挙句に、六角聡明の知合いの森郷刑事から紹介されてやって来ています。主人公の2人である安見直行と六角聡明が調査を開始すると、関係すると考えられていた不動産会社の御曹司が京都府北部の漁港で水死体となって発見されます。さらに、森沢聖奈が交通事故を起こした寄田地区の自動車解体業社長が密室殺人で殺されて発見されます。そして、そういった死体発見現場には、安見直行と六角聡明や依頼主の森沢レミが「ゴースト」と呼ぶ白いワンピースを着た女性が目撃されたりします。さらに、同時進行でネット上のジャーナリストを称する「ゴミの仇」と名乗るアカウントから、関連する情報が発信されたりします。さらにさらにで、古びたアパートから女性の腐乱死体も発見されます。こういった一連の殺人事件ないし死亡事故の真相が最後に解明されます。はい、この長編はかなりエグい犯人の意図が感じられますが、とても大規模な事件・事故に対して論理的な推理がなされます。オカルト要素についてもキチンと解決されます。万人にオススメとはいえませんが、京都を舞台にしたミステリとして一定のファンはいそうな気がします。

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次に、凪良ゆうほか『本屋さんのある街で』(文春文庫)を読みました。著者の小説家5人によるアンソロジーです。タイトル通りに、本屋さんにまつわる短編5話が収録されています。収録順に、まず、瀬尾まいこ「続きは書店で」の主人公は『強運の持ち主』のルイーズ吉田です。ルイーズのもとに書店でのアルバイトが自分に向いているかどうかの占いを願って、大学1年生の菅原くんが来ます。でも、そのバイト先というのが、ルイーズと同じショッピングセンターの上階にあり、閉店間際の本屋さんだったりします。続いて、一穂ミチ「歌うように生きて」では、主人公の鈴森潤が大学生だったころの2016年に飲み会で劉陸海と出会い、「桜を見に行きませんか」と誘われて皇居の乾通りの一般公開に出かけるところから始まります。2017年には主人公は就職し、作家を担当する編集者となっていますが、2019年には劉陸海はスパイとして逮捕されてしまいます。少し本屋さんとは関係薄いかも、です。続いて、坂木司「手に取って見てみろよ」では、主人公の浅井宏海が職場恋愛で結婚まで考えた恋人に書店の前でふられて、ショックの勢いで会社も辞職して、大学時代の友人の高木とともに高木のルーツのある岡山に向かい、書店の雇われ店長になります。凪良ゆう「小鳥たち」では、40代半ばで子どもが出来ずに離婚した佐々木一葉は都心から電車で1時間半ほどの実家に戻ります。実家は父が経営する書店であり、改装して喫茶部門を併設すると中学生のころの憧れの同級生が訪ねてきたりします。三浦しをん「見晴らし書店の一日」では、主人公の前田花布は会社の同僚のチャラ男と失恋し、曽祖父が東京西部の郊外で始めた「見晴らし書店」に戻り、祖母と両親とともに書店で働いています。頼りになるパートさんと学生バイトに支えられて、個性ゆたかな常連客も多く、家族の間の温かいやり取りや常連をはじめとする地域での交流などが描き出されています。最後に、私は本屋さんが好きです。ひょっとしたら、図書館はもっと好きかもしれませんが、ネット書店ではなく、地域のリアルな書店が好きです。いつも、私は学生諸君にいっているところでは、「ネット書店では必ず欲しい本が見つかる。でも、リアルの書店(あるいは、図書館)では、実際に見るまで欲しいとは思わなかったけど、気にかかる本がいっぱい置いてある」、はい、実は、私が今の立命館大学に赴任した2020年には、大学から最寄りの鉄道駅には書店がありませんでした。ようやく、2-3年前に最寄りのJRの鉄道駅近くに開店しましたが、キャンパスにある生協の書店だけでなく、大学近くには本屋さんが必要です。ホントは、古本屋もあった方がいいのですが、ムリはいいません。

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2026年7月17日 (金)

広島相手に取りこぼしなし

  RHE
阪  神000120100 470
広  島000000020 251

【神】 才木、岩崎 - 梅野
【広】 アドゥワ、益田、島内、菊地、鈴木 - 石伊

才木投手のナイスピッチングで、広島に完勝でした。
打っては、梅野捕手が犠牲フライとタイムリーで先制とダメ押しの2打点を上げ、森下外野手もツーランで中押ししました。才木投手は8回に2ランを浴びましたが、8回2失点ですから十分なQSです。最終回は久しぶりに岩崎投手が締めてくれました。広島相手に取りこぼしは出来ません。したがって、広島相手なら怖いのはデッドボールです。今夜も大山選手と前川選手に合わせて3回ぶつけられています。昨年は、坂本捕手の頭部死球で藤川監督がエキサイトした場面もありました。ケガなく甲子園に戻ってこられますように願っています。

次の広島戦も、
がんばれタイガース!

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