2019年9月19日 (木)

小川投手に完封されてヤクルトにボロ負け!!!

  RHE
ヤクルト100040201 8101
阪  神000000000 091

小川投手に完封されてヤクルトにボロ負けでした。先発高橋投手は5回を投げて5失点、特に5回に大きく崩れました。リリーフ陣も負けパターンですから、強力なヤクルト打線を抑え切れませんでした。打つ方も相変わらずで、9安打とそれなりに塁上を賑わせましたが、決定打なく完封されました。それにしても、大山選手は7番に落とされても4タコでした。大山選手が今季の4番などと誰が思いついたんでしょうか。とても不思議です。
鳥谷選手は7回に代打で登場し、ファーストゴロに終わりました。後、縦縞の鳥谷選手を何回見られるんでしょうか?

明日も、
がんばれタイガース!

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日本政策投資銀行などによる「わが国スポーツ産業の経済規模推計」の結果やいかに?

一昨日9月17日に日本政策投資銀行から「わが国スポーツ産業の経済規模推計」の結果が明らかにされています。日本政策投資銀行のほか、日本経済研究所と同志社大学も推計に加わっており、スポーツ庁と経済産業省が監修しているようです。まず、日本政策投資銀行のサイトにアップされているリポート p.9 から 表2-1. スポーツ生産額とスポーツGDP 2014~2016年 (単位:億円) のテーブルを引用すると以下の通りです。

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ということで、上のテーブルを見れば一目瞭然ながら、日本版スポーツサテライトアカウントの推計として、スポーツGDPは2016年で7.6兆円に上り、前年から+1.9%の伸びを示し、我が国GDP総額の1.4%を占める、との結果となっています。引用はしないものの、上のテーブルのある p.9 の前のページにあるリポートの p.7 にやや詳しい推計フローチャートが示されていて、基本的に、SNA産業連関表におけるコモ6桁くらいの細品目別のシェアを用いて推計されているようですので、あくまでSNA統計の内数であって、統計に漏れが生じているわけではないようです。
このGDP総額に占める2%弱のスポーツGDP比率がどれくらいの大きさなのかの実感がわかないんですが、そこは配慮されていて、リポートの p.17 から欧州との国際比較が示されています。詳細なテーブルの引用はしませんが、日本のスポーツGDPとスポーツ産業雇用者数を欧州28か国と比較すると、まず、日本のスポーツGDPは額としてドイツに次いで欧州28か国中2番目の大きさになり、また、スポーツ産業雇用者数も、ドイツ・英国に次いで3番目の規模となります。他方で、スポーツGDPのGDP総額に占める比率、また、スポーツ産業雇用者数が国内総雇用者数に占める比率を見ると、日本のスポーツGDPは欧州28か国中でスウェーデンとイタリアの間の14~15番目と、ほぼほぼ欧州28か国の中間に位置し、日本のスポーツ産業雇用者数はラトビアとポルトガルの間の25~26番目に位置することになります。欧州との比較ながら、より少ない雇用者でより大きいGDPを産出しているわkですから、我が国スポーツ産業雇用者の生産性は欧州と比較してかなり高い、という結論が得られそうです。従来から、私は日本のサービス産業の生産性が低いとの通説は誤っており、かなりの程度に計測ミスがある可能性を指摘して来ましたが、ごく狭いカテゴリーながら、スポーツ産業雇用者では私の主張が当てはまるような気がします。

最後に、生産性も含めて、私がやや不安に感じているのは、スポーツ産業の定義にどこまで公営ギャンブルが含まれているかです。具体的には競馬や競輪などです。まさか、公営ギャンブルですらないパチンコは入っていないことと思いますが、スポーツなのか、ギャンブルなのか、リポートを読む限りでは、私には判然としない部分が残りました。ただ、「公営競技」に関する言及は確かにありますから、私の読解力が不足しているような気もします。

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2019年9月18日 (水)

ラッキーセブンに下位打線の連打でヤクルトに逆転勝ち!!!

  RHE
ヤクルト000002000 261
阪  神00010020x 3110

先発青柳投手がいいところまで投げながら、フォアボールで自滅した形になった後、ラッキーセブンに下位打線の連打でヤクルトに逆転勝ちでした。青柳投手をつないだ勝ちパターンのリリーフ陣がしっかり抑えてくれました。
鳥谷選手は4回の得点機に代打に立ち、三振に終わりました。

明日も、
がんばれタイガース!

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2か月連続で貿易赤字を計上した8月貿易統計の先行きやいかに?

本日、財務省から8月の貿易統計が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、輸出額は前年同月比▲8.2%減の6兆1410億円、輸入額も▲12.0%減の6兆2773億円、差引き貿易収支は▲1363億円の赤字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

8月の貿易収支、2カ月連続赤字 中国向け輸出12%減
財務省が18日発表した8月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1363億円の赤字だった。赤字は2カ月連続。中国向けの半導体等製造装置や、米国向けの自動車輸出が落ち込んだ。
全体の輸出額は前年同月比8.2%減の6兆1410億円だった。減少は9カ月連続。輸入額は12%減の6兆2773億円と、4カ月連続の減少となった。サウジアラビアからの原粗油などの輸入が減った。
中国向けの輸出額は12.1%減の1兆2001億円と、6カ月連続で減少した。液晶デバイス製造用の半導体等製造装置の輸出が落ち込んだ。財務省は「中国経済が緩やかに減速している影響を受けた可能性がある」と分析した。輸入額は8.5%減の1兆4168億円と、2カ月ぶりの減少。携帯電話などの輸入が減った。
対韓国の輸出額は9.4%減の4226億円と、10カ月連続の減少。食料品が前年同月比40.6%減の大幅減となった。日韓関係の悪化を受け、日本製品の不買運動の影響が表れた可能性がある。
対米国の輸出額は4.4%減の1兆1904億円と11カ月ぶりに減少した。自動車や自動車部分品の輸出が減少した。財務省は「お盆期間に日本の工場が休みとなった影響など、季節的な要因が出た可能性がある」とみる。輸入額は9.2%減の7184億円。差し引きの貿易収支は4720億円の黒字だった。対欧州連合(EU)の貿易収支は788億円の赤字だった。
8月の為替レート(税関長公示レート)は1ドル=107円21銭。前年同月に比べ3.7%の円高・ドル安に振れた。

いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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まず、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスによれば、貿易収支は▲3654億円の赤字とのことでしたので、実績はここまで大きな赤字とはなりませんでした。もちろん、米中間の貿易摩擦が世界経済に影を落としており、我が国輸出品への需要が減退しているとともに、引用した記事の最後のパラにあるように、為替が円高に振れていることから、貿易収支には黒字幅縮小ないし赤字拡大の効果をもたらします。加えて、何とも測り難いのが原油価格の動向です。サウジアラビアの石油設備へのまったく不可解な攻撃を受けて、ドバイ原油価格は急騰しました。もともと、私のようなエコノミストには国際商品市況における石油価格の動向は予測しがたいものがありましたが、サウジアラビア石油施設への攻撃なんてエコノミストのスコープ外もいいところです。少なくとも、攻撃なかりせばのケースに比べて石油価格が上昇することは明らかですから、我が国貿易赤字の拡大要因となります。加えて、8~9月は10月からの消費税率引き上げの駆け込み需要があるでしょうから、いくぶんなりとも輸入が増加することが予想されますから、これも貿易赤字拡大要因と考えるべきです。

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輸出をいくつかの角度から見たのが上のグラフです。上のパネルは季節調整していない原系列の輸出額の前年同期比伸び率を数量指数と価格指数で寄与度分解しており、まん中のパネルはその輸出数量指数の前年同期比とOECD先行指数の前年同月比を並べてプロットしていて、一番下のパネルはOECD先行指数のうちの中国の国別指数の前年同月比と我が国から中国への輸出の数量指数の前年同月比を並べています。ただし、まん中と一番下のパネルのOECD先行指数はともに1か月のリードを取っており、また、左右のスケールが異なる点は注意が必要です。ということで、我が国輸出の動向は、先進国経済及びいくぶんなりとも中国経済の動向に依存しているわけですが、少なくとも、そろそろ中国経済は底入れの兆しが見え、我が国の輸出も底ばい模様ながら、私がいくつか拝見したシンクタンクなどのリポートの中で、そろそろ底入れが近いと示唆するものも見受けました。

繰り返しになりますが、まったく予想もしなかったサウジアラビアの石油施設への攻撃と前々から予定されていた消費税率引き上げのどちらも、9月の貿易赤字を拡大させる方向に働く可能性が高く、我が国輸出の需要要因である世界経済や輸出入品の価格に影響を与える為替とともに今後の動向が注目されます。

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2019年9月17日 (火)

インテージによる「生活者を知る: 消費税増税の駆け込み需要は始まっていた」の調査結果やいかに?

ネット調査大手のインテージから、先週金曜日の9月13日付けで「生活者を知る: 消費税増税の駆け込み需要は始まっていた」の調査結果が明らかにされています。今回の消費税率引き上げに際しての駆け込み需要は、私の実感としても前回と比べてかなり小さいと感じていたんですが、インテージのSCI(全国消費者パネル調査)による調査結果では、一部のカテゴリーながら8月中旬には駆け込み需要が始まっていたことが明らかになっています。まず、インテージのサイトから日用消費財・雑貨品の購買金額前年比(19年vs.14年)のグラフを引用して結合させると以下の通りです。

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実は、たいへんお世話になっているニッセイ基礎研エコノミストの斎藤太郎さんが、昨日のNHKニュースで、「今回2019年の消費税率の引き上げに際しての駆け込み需要は前回の2014年より小さい。なぜなら、税率の引き上げ幅が小さい、食料・飲料などに軽減税率が適用される、自動車に対する自動車税の引き下げが同時に実施される、中小業者のキャッシュレス決済に対するポイント還元が実施される、などの理由によるわけで、ただし、2014年時点に比べて消費の基調がそもそも弱いので、税率引き上げ後の消費の弱さが長引く可能性があり、消費動向には注意が必要」といった趣旨の発言をされていました。私はまったくその通りだと思いましたが、インテージのパネルでは、やっぱり、というか、何というか、静かに日用品の駆け込み需要は始まっているようです。
中でも、上のグラフの一番下のパネルはお酒の駆け込み需要なんですが、実は、私もワインだけは少し買い込んでおこうかという気がしています。私はナイター観戦でビール、というか、正しくは発泡酒だか、第3のビールだか知りませんが、ビール系飲料をナイター観戦で飲む場合が多く、でも、今年の阪神タイガースの成績からして、もう日本シリーズはもちろん、クライマックス・シリーズにも出場のチャンスもないでしょうから、この季節にビールは必要なく、ワインを買い込む予定です。3年余りに渡って大使館勤務をしたチリのワインを長らく愛飲していたんですが、エコノミストらしくEPAで価格競争力を画期的に高めた欧州ワインにシフトしているところ、報道によれば、米国との貿易交渉で米国ワインの関税も画期的に引き下げられるようで、そのうちに、ナパ・バレーのカリフォルニア・ワインに切り替えるかもしれないものの、取りあえずは、スペイン産のワインを買い込もうと予定しています。

まったくどうでもいいことで、本質的な経済のお話とはなんお関係もないんですが、NHKニュースで拝見した斎藤さんがひどくやつれているように見かけて、びっくりしてしまいました。私よりラクに10歳くらいは年下のハズなんですが、そろそろ年齢的にくたびれる年ごろなのかもしれません。新しいチーフエコノミストにこき使われているのかもしれません。

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2019年9月16日 (月)

わずかに5安打2得点もリリーフ陣が抑え切って巨人に競り勝つ!!!

  RHE
阪  神100001000 250
読  売000100000 151

昨日はホームランを浴びて逆転されたものの、今日は勝ちパターンのリリーフ陣が逃げ切って巨人に競り勝ちました。先発ガルシア投手も6回途中まで2失点ですから、先発としてはギリギリ合格点かもしれません。2得点にはいずれも近本外野手の盗塁が寄与しています。競争相手は手強いのですが、新人王を狙ってほしいと思います。チームは優勝もクライマックス・シリーズもなくなりましたし、個人成績でも盗塁と新人王くらいしか残っていないような気がします。
鳥谷選手は9回の先頭打者として代打に立ち、フォアボールを選びました。

甲子園に戻ってのヤクルト戦も、
がんばれタイガース!

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2019年9月15日 (日)

勝ちパターンのリリーフ陣が終盤に次々とホームランを浴びて巨人に逆転負け!!!

  RHE
阪  神010300100 590
読  売20100012x 660

あれほど信頼感高かった勝ちパターンのリリーフ陣が終盤にホームランを浴びて巨人に逆転負けでした。打線が5点取ったら勝たねばなりませんが、7回に岩崎投手がソロホームランを浴びて1点差に詰め寄られた後、8回にジョンソン投手が逆転ツーランを打たれました。いよいよ、例年の9月の失速が勝ちパターンのリリーフ陣に出てきたのかもしれません。鳥谷選手は4回の代打で登場し一時は同点となる2点タイムリーを放ちました。まだまだ、レギュラーでプレーできそうな気がするんですが、いかがでしょうか。

明日は、
がんばれタイガース!

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2019年9月14日 (土)

中日大野投手にノーヒットノーランで抑えられてボロ負け!!!

  RHE
阪  神000000000 001
中  日01101000x 341

打線がノーヒットノーランに抑えられて、中日にボロ負けでした。先週ソフトバンクの千賀投手がノーヒットノーランを達成した折に、セ・リーグでパーフェクトかノーヒットノーランがあるとすれば、投手が誰かはともかく、抑え込まれる方は阪神だろうと思っていましたが、やっぱり、その通りでした。鳥谷選手は代打に立つこともなく、ベンチウォーマーでした。

明日からの巨人戦は、
がんばれタイガース!

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今週の読書は経済学史のテキストからラノベまで含めて計9冊!!!

今週は大量に10冊近くを読みました。ただ、ややゴマカシがあって、うち3冊はラノベの文庫本だったりします。大学の経済学史の授業のテキストから始まって、以下の計9冊です。なお、小説の池井戸潤『ノーサイド・ゲーム』だけは買った本で、ほかは図書案で借りています。早大生協で5冊ほど小説ばかり買い求めたんですが、先週取り上げた道尾秀介『いけない』と、今日の池井戸潤『ノーサイド・ゲーム』のほか、残る3冊は宮部みゆき『さよならの儀式』、伊坂幸太郎『クジラアタマの王様』、東野圭吾『希望の糸』です。順次取り上げるつもりですが、あるいは、一気に読み切るかもしれません。

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まず、野原慎司・沖公祐・高見典和『経済学史』(日本評論社) です。著者たちは、いうまでもなく、経済学史の研究者であり、本書は大学の学部生くらいを対象にしたテキストを意図されているようです。ですから、基本的には学術書なんでしょうが、世間で身近な経済分野を分析する経済学の歴史ですので、一般のビジネスパーソンでも十分に読みこなせて、職場でも話題にできるような気がします。おそらく、どのような学問分野にも、xx学史の研究テーマがあり、例えば、数学史や天文学史などが有名ではないかと思います。後者の天文学史では、天動説から地動説に大転換があったりするわけです。その意味で、経済学の歴史である経済学史は、本書で指摘されている通り、そもそも成立がメチャクチャ遅いわけです。通常、古典的なレベルでは、典型的には古典古代のギリシア・ローマやエジプトなどに発祥する学問分野が少なくないんですが、経済学は、どこまで古くさかのぼっても、せいぜい、スミス直前の重農主義や重商主義でしかなく、むしろ、スミスの『国富論』なんぞは、ほかの学問分野では近代と呼ばれそうな気もします。その後の歴史的な経済学の現代までの流れが、極めてコンパクトに取りまとめられています。ただ、惜しむらくは、ものすごく大量の経済学の歴史を詰め込もうとしているだけに、とても大量の人名と理論が登場します。役所の官庁エコノミストをしていたころは、ほとんど何の関係もなかったマルクス主義経済学まで本書ではカバーしていたりします。とても例えが悪いので申し訳ないんですが、まるで、その昔の高校の世界史や日本史みたいな気すらします。中国の諸王朝の名称とそれぞれの皇帝の名を暗記するような勉強に、私のようなこの分野の初学者は陥るような気もします。経済学史の先生方は、このように多くの経済学者の名前を記憶し、それぞれの理論や業績をしっかりと把握しているのでしょうか。とても驚きです。私の記憶が正しければ、日銀の若田部副総裁のご専門が経済学史だったような気がするんですが、確かに、経済学の分野における博覧強記を地で行くような先生であるとのウワサを聞いたことがあります。私自身は、名前だけはよく似ている経済史を学生のころは勉強していました。経済学史がその名の通りに経済学の歴史であるのに対して、経済史もその名の通りに経済の歴史です。途上国や新興国が経済の発展段階を進める際の開発経済学の分野への応用の方が主だという気もします。

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次に、ジョセフ・ヘンリック『文化がヒトを進化させた』(白揚社) です。著者は、米国ハーバード大学の人類進化生物学の研究者です。英語の原題は The Secret of Our Success であり、2017年の出版です。本書で著者は、生物学的な、というか、ダーウィン的な進化だけでなく、ヒトについては文化が進化に大きな役割を果たして点を強調し、文化が人間を進化させ、そうして進化した人が文化を高度化し、高度な文化がさらに人を進化させる、という文化と進化の相乗効果で、ほかの動物に見られない極めて高度な文化・文明を身につけた、ということを実証しようと試みています。確かに、ヒトは個体としては決して強力ではなく、スポーツのようなルールなく素手で対決すれば軽く負けてしまいそうな自然界の動物はいっぱいいます。本書の冒頭で、コスタリカのオマキザル50匹とヒト50人がサバイバルゲームをすれば、おそらく、ヒトが負けるといった事実を突きつけています。その上で、「習慣、技術、経験則、道具、動機、価値観、信念など、成長過程で他者から学ぶなどして後天的に獲得されるあらゆるものが含まれる」と指摘している文化が、火や道具や衣類や言語や、といった文化的進化の産物をもたらし、さらに、これらがヒトの脳や身体に遺伝的な変化をもたらすという意味で、「文化-遺伝子共進化」culture-gene interactions を考えて、これこそがヒトをヒトたらしめている、と強調しています。加えて、文化が社会的な思考や行動を要請し、ある社会集団の構成員が共有している知識の総体としての文化が、食物をどのように獲得するか、個人間の争いをどのようにして仲裁するか、死後の世界はどんなものだと想定するか、何をしてはいけないか、どんな服装をするべきか、などなどを決定しているというわけです。ですから、文化を異にするヨソモノが別の社会的な集団に加わることは、それほど容易ではない、ということになります。また、別の観点から、当然のように、なぜヒトだけがこんな文化を持つことができるのだろう、という疑問が生じます。そして、文化を持つために必要な能力とは何かを考え、文化を形成し、改訂を加え、さらに次世代に伝達していくために必要なヒト固有の生物学的本能にも視点が及びます。人類という意味での集団についても、個別の子供の育て方についても、決定的な影響を及ぼすのは、親から受け継ぐ遺伝子かそれとも環境下、という不毛な論争が続いて来ましたが、集団としての人類の優秀さのもとを解明するためには、どのように他者と知識を共有し、他者から学ぶのかの詳細を解明することを通じて、この論争を終結させる可能性があるような気がします。

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次に、トム・ニコルズ『専門知は、もういらないのか』(みすず書房) です。著者は、米国海軍大学教校授であり、ロシア情勢や国家安全保障の研究者です。英語の原題は The Death of Expertise であり、2018年の出版です。基本的に、米国言論界の現状について、かなり上から目線ながら、専門知が尊重されず、議論が不毛のものとなって疲労感ばかりをもたらす現状について警告を発しています。もちろん、米国だけでなく、我が国を含むほかの先進各国にも、いくぶんなりとも共通するところが見出せるような気がします。すなわち、100年ほど前までは、政治経済や言論などの知的活動への参加は一部のエリート階級に限られていたが、現在に続く大きな社会変化でラジオやテレビ、さらにインターネットが普及して門戸は一般大衆に大きく開かれ、こういった方向は多くの人のリテラシーを高め、新たな啓蒙の時代の到来が期待された一方で、実際には、極めて多くの人が極めて大量な情報にアクセスが可能となり、かつ、知的活動に携わりながら、実は情報や知識を吸収しようとはせず、自らのやや方向違いの信念に固執して、各分野で専門家が蓄積してきた専門知を尊重しない時代を迎えている、ということを憂慮してます。確かに、我が国のテレビのワイドショーなんぞを見ていると、単なるタレント活動をしている芸能人が政治経済に関するコメンテータの役割を果たしているケースも決して少なくなく、私も従来から疑問に思っていたところです。例えば、政府の進める働き方改革でその昔に議論されたホワイトカラー・エグゼンプションについて、プロスポーツを引退したばかりで母児雌マンをしたこともないような元スター選手にコメントを求めても私はムダではないか、と思った記憶があります。これは、いわゆるポストトゥルースやポピュリズムの時代に、自分の意見と合致する情報だけを選び取る確証バイアス、その極端なものとしてのエコーチェンバーやフィルターバブルなどの結果といえます。ですから、健全で熟慮・熟考に基づく議論が成立しません。ただし、逆の面から見て、本書の第6章でも指摘していますが、専門家が常に正しいわけでもなく、本書では取り上げていませんが、鉛を加えたハイオクガソリンやフロンガスを社会生活に導入したトマス・ミジリーの実例などもあります。何が正しくて、何が間違っているのか、私は決して民主主義的な多数意見が常に正しいと考えるわけではありませんが、おうおうにして「みんなの意見は案外正しい」こともあるわけで、健全な常識に基づいて相手に対する敬意を持った議論を重ねて、決して真実ではないかもしれませんが、何らかの一致点に達したいと希望しています。

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次に、ヤクブ・グリギエル/A. ウェス・ミッチェル『不穏なフロンティアの大戦略』(中央公論新社) です。著者は2人とも安全保障に関する研究者ですが、ともに国務省の勤務経験もあり、単なる研究者にとどまらず実務家としての経験もあるようです。英語の原題は The Unquiet Frontier であり、邦訳タイトルはそのまま直訳したようです。2016年2月の出版です。どうして月まで言及するかといえば、本書が出版された時点では、現在のトランプ米国大統領はまだ共和党の中でも決して有力とみなされていなかったからです。ということで、監訳者あとがきにもありますが、本書の結論を一言でいえば「同盟は大切」ということになります。現在、東アジアで日韓関係がギクシャクして、そこに米国が仲介すらできずに、半ば静観していて、逆に、軍事的な負担金の増額を我が国に求めるがごとき政府高官の発言が報道されたりしていて、米国の安全保障面での求心力の低下を私は実感しています。もちろん、マルクス主義的な上部構造と下部構造に言及する必要もないくら位に明白な事実として、米国経済が全般的にその地位を低下させるとともに、軍事的なプレゼンスはもとより安全保障上の発言力も大きく低下し、その上で、現在の米国トランプ政権のような同盟軽視で自国中心主義的な安全保障観が登場したのはいうまでもありません。そういった当然のような最近数十年の安全保障上の動向につき、本書では「探り」probimg という言葉をキーワードに、現在の覇権国であり現状を変更するインセンティブを持たない米国とその同盟国に対し、ロシア・中国・シリアなどの現状変更を目指す勢力が「探り」を入れて来ていると著者たちは感じているわけです。私の感覚からすれば、「探り」とは低レベルの圧力であり、言論を持ってするものもあれば、破壊力の弱い武力行使も含まれるというくらいの意味に取りました。要するに、現状変更を目指す3石は米国と直接の武力対決を目指すのではなく、日韓両国がまさにこれに含まれるフロンティア=周辺に位置する米国の同盟国を切り崩しにかかっていて、韓国はまんまとこれに翻弄されているように見えます。いずれにせよ、私の専門外でありながら、興味の範囲内である安全保障に関する本書は、同盟という観点から米国サイドの安全保障を分析しており、それなりの新味があった気がします。実は、私自身は対米従属から脱却するために日米同盟は廃棄することが望ましいと考えていますが、米国の方から同盟に対する否定的な意見が飛び出す政権が登場したのに、やや戸惑っているのも事実です。

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次に、池井戸潤『ノーサイド・ゲーム』(ダイヤモンド社) です。作者はご存じ売れっ子の大衆小説作家であり、本書はTBSドラマの原作となっており、明日の日曜日が最終回の放映ではなかったかと記憶しています。名門ラグビーチームを抱える大手自動車会社の経営戦略室のエリート社員が、横浜工場の総務部長に左遷されて、自動的にラグビーチームのゼネラルマネージャー(GM)を兼務する、というか、本来の総務部長としてのお仕事よりもラグビーチームのGMとしてのご活躍がほぼほぼすべてとなります。辞任した監督の後任探しから始まって、地域密着型のチーム作り、さらに、ラグビー協会の改革、もちろん、チームの1部リーグの優勝まで、余すところなく目いっぱいの展開です。しかも、この作者らしく、社内政治も目まぐるしく変化し、今までになかったどんでん返しも見られたりします。というのは、この作者の作品の特徴として、半沢直樹シリーズが典型なんですが、白黒はっきりと別れて、主人公のサイドにいて味方するいい人たちと、それに対抗する悪い人たちが明確に分類される傾向があり所、この作品では白だと思っていたひとが黒だった、という展開もあったりします。そして、長らく定年まで役所に勤めた私なんかには想像もできないんですが、大きな会社ではここまでコンプライアンスに問題ある行為を実行する役員がいたりするものか、と感じさせられました。ラグビーですから、大学レベルでは関東の早大、明大、慶大、社会人レベルでもいくつかラグビーチームを持つ会社が実名で言及されたりして、また、監督についても実名で登場したりするんですが、実際に登場するチーム名や選手名は、もちろん、すべてが実在しないんだろうと思います。その点で、やや混乱する読者もいるかも知れません。それから、同じ作者で社会人のノンプロ野球をテーマにした『ルーズベルト・ゲーム』というのも私は読んでいるんですが、競技としてのルールや戦術などについてはラグビーの方が馴染みないんですが、それでも、作品としてはこの『ノーサイド・ゲーム』の方がよく出来ている気がします。私はドラマの方はまったく見ていませんが、明日の最終回を楽しみにしているファンの方も決して期待は裏切られないと思います。

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次に、ブレイディみかこ『女たちのテロル』(岩波書店) です。著者は英国ブライトン在住の保育士・著述家というカンジではないでしょうか。本書は出版社のサイトでは、評論・エッセイに分類されており、確かに、実在の人物や事件を基にしているわけですが、私の目から見て、あくまで私の目から見て、なんですが、真実は計り知れないながらも、かなり脚色もあって、むしろ、事実や実在の人物に取材した小説ではないか、という気がしています。まあ、赤穂浪士の討ち入りを題材にした時代小説のようなもんではないでしょうか、という気がします。したがって、私の読書感想文では小説に分類しておきます。ということで、女たちですから3人の約100年前の女性にスポットが当てられています。すなわち、皇太子爆殺未遂の金子文子、武闘派サフラジェットのエミリー・デイヴィソン、そして、アイルランドにおけるイースター蜂起のスナイパーであるマーガレット・スキニダーです。さすがに、私が知っていたのは金子文子だけで、本書でも言及されている朴烈の膝に寝そべった金子文子の写真も見た記憶があります。残念ながら、特に印象には残っていません。サフラジェットというのはたぶん、suffrage から派生していて、過激な女性参政権論者、アクティビストのようです。最後に、アイルランドのイースター蜂起は事件として知っているだけで、マーガレット・スキニダーについては皆目知りませんでした。いずれ3人とも恵まれない境遇から国家に反旗を翻した100年前の女性たちです。金子文子については、皇太子爆殺未遂の容疑なんですが、爆弾も用意せずに頭の中で計画を巡らせただけで、おそらくは、朝鮮人とともにという偏見もあって、それだけで有罪になったんですから、現在からは考えられもしません。でも、これら3人の女性が国家や権力と対決しつつも、前を向いて時代を生き抜く力の尊さについての温かい眼差しを感じることができました。ただ、金子文子の部分はともかく、先ほどのサフラジェットもそうなんですが、外国語をそのままカタカナにした文章表現は、やや読みにくく流暢な文章というカテゴリーからかなり遠いような気がしました。私はそれほどでもありませんが、それだけで嫌になる読者もいそうな気がします。着目した内容とアンリ・ルソーの雰囲気をたたえた表紙がよかっただけにやや残念です。

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最後に、望月麻衣『京都寺町三条のホームズ 10』、『京都寺町三条のホームズ 11』、『京都寺町三条のホームズ 12』(双葉文庫) です。個の私のブログでは、昨年2018年5月半ばに8巻と9巻の読書感想文をアップしています。その続きの10巻、11巻、12巻を読みました。10巻ではとうとう主人公の葵が5月3日ゴールデンウィーク真っ最中に20歳の誕生日を迎え、清貴と九州を走るJR九州のななつ星、だか、その架空バージョンに乗って婚前旅行、だか、婚約旅行をするストーリーです。そして、11巻は少し小休止で過去を振り返ったりします。このシリーズには第6.5巻というのがあったりしましたから、11巻というよりも10.5巻なのかもしれません。そして、12巻は清貴の修行シリーズに戻って、探偵事務所編です。どこまで続くんでしょうか。あるいは、私はどこまで付き合うんでしょうか?

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今日は私の誕生日!!!

今日は、私の誕生日です。
昨年が還暦の60歳で今年の3月末日には役所を定年退職し、今年の誕生日で61歳になります。すっかりジーサンです。時に、私と同じおとめ座の生まれで、8月29日に21歳の誕生日を迎えていた下の倅のお誕生日ブログをアップするのをすっかり忘れていました。まだボケているわけではないと思うんですが、誠に遺憾千万です。いつものくす玉を置いておきます。誕生日祝にクリックして割っていただければ幸いです。

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