2019年3月21日 (木)

来年の東京オリンピックでもっとも紫外線リスクの高い種目は何か?

とても旧聞に属する話題ながら、我が家で購読している朝日新聞で、3月14日付けで<a target="_blank" style="color:#ff0000;font-size:2em;font-weight:bold;" href="https://www.asahi.com/articles/ASM3G3430M3GULBJ001.html" title="東京五輪、紫外線を最も浴びる種目は? 競技長いアレ">「東京五輪、紫外線を最も浴びる種目は? 競技長いアレ」</a>なる記事を見かけました。元になるのは英国のジャーナル Temperature に掲載された学術論文 Downs, Nathan J. et. al. (2019) "Biologically effective solar ultraviolet exposures and the potential skin cancer risk for individual gold medalists of the 2020 Tokyo Summer Olympic Games" のようです。以下にリンクとともに、論文から Figure 4. Total erythematic ultraviolet exposure of 144 gold medal events scheduled to compete in an outdoor environment arranged by sport category for the 2020 Tokyo Summer Olympics を引用しておきます。

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2019年3月20日 (水)

東洋経済オンラインによる企業ランキング正社員数の多い企業と非正社員数の多い企業やいかに?

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やや旧聞に属する話題ながら、東洋経済オンラインにて、3月13日付けで非正社員数の多い企業のランキングが、また、3月18日付けで正社員数の多い企業のランキングが、それぞれ明らかにされています。取りあえず、それぞれの1位から50位までは上のテーブルの通りです。やっぱり、というか、何というか、トヨタはどちらでもトップ5に入っています。改めて、巨大企業だということを実感してしまいました。私は、正社員でも非正社員でも、どちらでもいいので、何とか早めに再就職先を見つけたいと努力していますが、悲しいことに、いまだに成果が出ていません。

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2019年3月19日 (火)

帝国データバンクによる「2019年度の雇用動向に関する企業の意識調査」の結果やいかに?

やや旧聞に属する話題かもしれませんが、3月14日に帝国データバンクから「2019年度の雇用動向に関する企業の意識調査」の結果が明らかにされています。もちろん、pdfの全文ファイルもアップされています。まず、帝国データバンクのサイトから調査結果の要旨を4点引用すると以下の通りです。

調査結果
  1. 2019年度に正社員の採用予定があると回答した企業の割合は64.2%と、5年連続で6割を超えたものの、3年ぶりの減少に転じた。特に「大企業」(84.8%)の採用意欲は高く、調査開始以降で最高を更新した。しかし「中小企業」(59.1%)は前回調査(2018年2月実施)を下回った。正社員採用は、大企業の積極性が続く一方、中小企業の採用姿勢は高水準ながら一服した
  2. 非正社員の採用予定があると回答した企業の割合は50.3%となり、2年連続で半数を超えたものの、前回調査を2.1ポイント下回り、採用意欲がやや一服した。非正社員が人手不足の状態にある「飲食店」は9割、「飲食料品小売」「医薬品・日用雑貨品小売」は8割を超える企業で採用を予定している
  3. 2019年度の正社員比率は企業の18.3%が2018年度より上昇すると見込む。その要因では、「業容拡大への対応」(45.8%)をあげる割合が最も高く、「退職による欠員の補充」「技術承継などを目的とした正社員雇用の増加」が3割台で続く
  4. 自社において生産性向上に最も効果がある人材育成方法について、短期間(1年以内)の生産性向上に効果がある方法では「職場内における教育訓練(OJT)」が60.1%で突出して高かった。他方、長期間(1年超)の効果では、「職場内における教育訓練(OJT)」(26.8%)、「職場外での教育訓練(Off-JT)」(22.7%)、「職場内における能力開発(OJD)」(22.4%)がいずれも2割台となり、効果的な人材育成方法が分散する傾向が表れた

ほぼほぼ調査結果が網羅されているような印象です。いろんな視点があるとは思いますが、ここでは正社員と非正社員の雇用動向に的を絞って、リポートからグラフを引用しつつ、簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、リポートから正社員採用の動向についてのグラフを引用すると上の通りです。正社員採用予定ありの企業割合は、リーマン証券破綻後の2009~10年度に底を打ってから増加してきており、2019年度は昨年度2018年度からやや低下したとはいえ、それなりの高い水準にあります。また、特に大企業では84.8%に上り、調査を開始した2005年度以降で最高を記録しています。ただ、中小企業は59.1%となり、前回2018年度調査から▲2.2%ポイント減少し、帝国データバンクでは「大企業の積極性が続く一方、中小企業の採用姿勢は高水準ながら一服した」と評価しています。

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次に、リポートから非正社員採用の動向についてのグラフを引用すると上の通りです。ここでも、採用予定ありと回答した企業は50.3%と2年連続で半数を超えているものの、前回調査を▲2.1%ポイント下回り、帝国データバンクでは「採用意欲がやや一服した」と評価しています。

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最後に、リポートから2019年度の正社員比率についてのグラフを引用すると上の通りです。2019年度の正社員比率については、2018年度と比較して上昇と回答した企業は18.3%で、低下の6.1%を12.2%ポイント上回っており、雇用形態の正社員化で一段の進展が見込まれるものの、正社員比率が上昇するとの回答の割合は前回調査から▲2.4ポイント低下しており、その勢いはやや鈍化しているようです。

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2019年3月18日 (月)

5か月振りに黒字を記録した貿易統計の先行きをどう見るか?

本日、財務省から2月の貿易統計が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、輸出額は前年同月比▲1.2%減の6兆3843億円、輸入額は▲6.7%減の6兆453億円、差引き貿易収支は+3390億円の黒字を計上しています。原系列の貿易統計では5か月振りの黒字です。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

2月の貿易収支、5カ月ぶり黒字 対中輸出増は春節の影響
財務省が18日発表した2月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は3390億円の黒字だった。黒字は5カ月ぶり。輸出入ともに減少したが、原粗油など輸入の減少が大きかった。中国向け輸出は3カ月ぶりに増加したが春節の日並びの影響が大きい。
輸出額は前年同月比1.2%減の6兆3843億円だった。減少は3カ月連続。米国向け自動車やタイ向けの鉄鋼が減少した。
中国向け輸出額は1兆1397億円と5.5%増加した。増加は3カ月ぶり。1月や2月は中華圏の春節(旧正月)日程の影響が出やすく、1月はその春節の影響で大きく減少した。2月はその反動でプラスとなった。品目別で見ると半導体等製造装置や自動車がけん引した。財務省によると、対中国輸出は1月と2月を合算したベースで2兆979億円と前年同期比6.3%減少した。
輸入額は前年同月比6.7%減の6兆453億円。2カ月連続で減少した。原油安で原粗油や石油製品が減少した。2月の原粗油の円建て輸入単価は8.6%下落した。
対米国の貿易収支は6249億円の黒字で、黒字額は0.9%減少した。減少は2カ月ぶり。
2月の為替レート(税関長公示レート)は1ドル=109円66銭。前年同月に比べて0.4%円安・ドル高に振れた。

いつもの通り、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、貿易統計のグラフは以下の通りです。上下のパネルとも月次の輸出入を折れ線グラフで、その差額である貿易収支を棒グラフで、それぞれプロットしていますが、上のパネルは季節調整していない原系列の統計であり、下は季節調整済みの系列です。輸出入の色分けは凡例の通りです。

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2月の5か月振りの貿易黒字は、私の目から見て、短期的な要因として、2月の中華圏の春節を見越しての生産調整の反動が2月に現れた点に加えて、国債商品市況の石油価格が徐々に下落する中で石油輸入額が減少しつつある点の2点の影響なんでしょうが、もうひとる忘れてならないのは、2月統計では貿易黒字を計上したとはいえ、中長期的に、先月まで我が国が4か月連続で貿易赤字を記録していた要因のひとつは、世界経済の景気低迷に比較すれば、相対的に我が国景気の減速度合いが小さいという可能性も忘れるべきではありません。後者のこの中長期的な景気局面の視点は見落としがちなので、強調しておく値打ちがあると私は考えています。従って、中華圏の春節という撹乱要因が終了すれば、我が国の貿易収支は安定して黒字に戻る、とは限りません。国債商品市況における石油価格や非鉄金属価格などの影響も無視できませんが、景気局面が世界経済全体の方がより速く悪化しているのは実感として私も感じていますし、我が国景気が世界経済の景気局面に比べて安定的であれば、逆に、その先で急速に日本の景気が悪化する局面が現れて、まあ、表現はおかしいですが、世界経済の景気局面に追いついてしまう場面があってもおかしくない可能性があります。

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輸出をいくつかの角度から見たのが上のグラフです。上のパネルは季節調整していない原系列の輸出額の前年同期比伸び率を数量指数と価格指数で寄与度分解しており、まん中のパネルはその輸出数量指数の前年同期比とOECD先行指数の前年同月比を並べてプロットしていて、一番下のパネルはOECD先行指数のうちの中国の国別指数の前年同月比と我が国から中国への輸出の数量指数の前年同月比を並べています。ただし、まん中と一番下のパネルのOECD先行指数はともに1か月のリードを取っており、また、左右のスケールが異なる点は注意が必要です。ということで、現時点での輸出を見る際の注意点は、中国の景気が上向いているにもかかわらず、まだOECD先行指数が前年同月比でマイナスのままですので、我が国からの輸出が減少を続けていて、先進国加盟国の集合体であるOECDの先行指数は前年同月比マイナス、かつ、下り坂でマイナス幅が拡大していますので、我が国の輸出にとっては中国向けと先進国向けのいずれも需要サイドで減少要因となっています。2月の中国向け輸出が伸びたとはいえ、引用した記事にもある通り、1~2月を合算したベースではまだ前年比マイナスのようですから、この先、貿易摩擦ももちろんですが、中国などの新興国も含めて世界経済の景気動向も注目です。

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2019年3月17日 (日)

日本気象協会による2019年第4回桜開花予想やいかに?

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先週の木曜日3月14日付けで、日本気象協会から2019年の第4回桜開花予想が明らかにされています。日本気象協会のサイトから、今年の桜開花のポイントを3点引用すると以下の通りです。

2019年桜開花予想
  • ◆開花が最も早いのは、福岡や愛媛県宇和島で3月18日、東京は21日の予想
  • ◆満開のトップは高知と愛媛県宇和島で3月29日、東京は30日の予想
  • ◆3月は全国的に気温が平年より高く、桜の開花・満開とも平年より早い

日本気象協会では、この冬は寒気の流れ込みが持続せず暖冬となった上に、来週から4月上旬にかけて気温は平年より高く、開花・満開ともに平年より早いと予想しています。ただ、今週末にかけて寒の戻りとなることから、関東を除く多くの地域で前回第3回の桜開花予想よりは1日から3日遅くなっているようです。

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2019年3月16日 (土)

今週の読書は文庫本の海外ミステリをいくつか読んで計8冊!!!

今週は、経済書・ビジネス書は冒頭の自動車に関するCASE革命の本くらいで、ほかは数学は自然科学、さらに昨年話題になった海外ミステリの文庫本など、以下の通りの計8冊です。なお、すでにこの週末の図書館回りを終えており、来週も芥川賞受賞作や海外ミステリを含めて、数冊の読書に上りそうです。なお、来週は経済書もそれなりに読む予定です。

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まず、中西孝樹『CASE革命』(日本経済新聞出版社) です。著者は、自動車に関するリサーチを行う独立の研究機関の経営者であり、ジャーナリストのような面も持っているんではないかと私は受け止めています。タイトルの「CASE」とは、C=接続 connected、A=自動運転Autnomous、S=シェアリング&サービス Sharing and Service、E=電動化 Electric、の4つのキーワードの頭文字を並べたものです。ということで、自動車産業とは20世紀初頭のフォードT型車から始まって、ハイブリッド車や電気自動車が登場するまでは、例えば、レシプロ・エンジンにはさしたる大きな進化もなく、製品としても産業としても成熟の極みであって、コンピュータが登場した電機などとの差は明瞭だった気もしていたのですが、最近になって、ハイブリッドや電気自動車やさらには燃料電池車まで視野に入れれば駆動方式に大きな変化が見られるとともに、ソフト的にも自動運転の実証実験が次々に実行され、死者が出るたびに大きく報じられたりしていますし、さらに、MaaSやカーシェア、ライドシェアなどの自動車を資産として家庭に保有する以外のサービスの提供元として活用する方法の広がりなどが見られます。本書ではそういった自動車の製品と産業としての最近時点での方向をざっくりと取りまとめるとともに、将来的な方向性を2030年くらいまでを視野に入れて論じています。まあ、いつまでの賞味期限の出版か、私には判りませんし、時々刻々と情報はアップデートされるんでしょうが、現時点での私のような専門外の人間にはとても参考になります。特に、タイトルにありませんし、本書でも重きを置かれているわけではありませんが、人工知能=AIの活用が進めば、さらに自動車が大きな変化を見せる可能性が高まります。私自身は今ではすっかりペーパードライバーですが、その昔は自分で運転を楽しむ方でした。でも、自動運転が大きく普及すると、自動車の運転は現時点の乗馬のように、閉鎖空間でマニアだけが楽しむスポーツのような存在になるのかもしれません。その場合、自動車レースなどはどうなるのか、今の競馬のような位置づけなんでしょうか。また、先ほどの電機産業などと対比して、次々と新製品を生み出したイノベーションあふれる業界ではなく、自動車産業が今まで量的にのみ拡大してきたわけですが、ここに来て、大きなイノベーションを体現して産業としても製品としても大きな進化の段階にあり、逆に、今までこういった進化が出来なかったのはなぜなのか、本書のスコープは大きく超えてしまうものの、自動車産業だけでなく、製造業や産業一般のイノベーションの問題としても、私は興味あるところです。まさか、単なる巨大IT産業経営者の気まぐれ、というわけでもないんだろうと思います。

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次に、ミカエル・ロネー『ぼくと数学の旅に出よう』(NHK出版) です。著者はフランス出身の数学者、専門分野は確率論で、本書のフランス語の原題は Le Grand Roman des Maths であり、2016年の出版です。自然科学の分野の学問領域では、いわゆる実験のような科学の実践があるんですが、社会科学、特に経済学では最近流行りの実験経済学などの一部を除けば実験がそれほど出来ないわけですし、また、自然科学でも数学については実験のような実践手段はなさそうに思えます。ということで、本書では邦訳タイトルに「旅」が入っていますが、旅をしつつ、何らかの数学の実践を盛り込もうと試みています。もっとも、実際には数学というよりも物理学とか天文学ではなかろうか、という例も散見されます。ただ、実践的な数学だけでなく、ほかの物理学とか化学などと違って、数学は高度に抽象化されているわけですから、定義、公理、定理の証明に一見すれば少し矛盾があるようなパラドックスなどまで、幅広く数学的な論理性を追求する姿勢も見せています。また、無限小という普通は取り上げないような数学概念を章として独立させて扱い、ピアソン-ジョルダン測度に代わって、極限関数の積分を可能とするルベーグ測度を実にうまく説明しています。また、ゲーデルの不完全性定理についても、無矛盾性と完全性が同時に成り立つことがない、という観点から、これまた実にうまく説明しています。物理学におけるハイゼンベルクの不確定性定理は位置と運動が同時に決定できない、ということですし、経済学におけるアローの不完全性定理は、私の学生時代には非独裁制が排除されないと飲み方が多かった記憶がありますが、現在では推移律が成り立たないと解釈されますし、専門外の私のようなシロートに、こういった判りやすい説明は歓迎です。ただ、最後に、20世紀初頭のヒルベルトの23問題を取り上げるのであれば、クレイのミレニアム懸賞問題についても言及が欲しかった気がします。実践の数学として暗号を取り上げないというのは、それなりの筆者の見識のような気もしますが、ミレニアム懸賞問題は数学実践として欠かせないと私は考えています。

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次に、リック・エドワーズ & マイケル・ブルックス『すごく科学的』(草思社) です。著者はいずれも英国出身で、テレビ司会者と科学ジャーナリストです。英語の原題は Science(ish) であり、2017年の出版です。副題にも見られる通り、SF映画から最新科学の解説を試みており、取り上げられているSF映画と科学テーマを書き出すと、「オデッセイ」から宇宙や他の惑星での生活について、「ジュラシックパーク」から恐竜や遺伝子について、「インターステラー」からブラックホールについて、「猿の惑星」から進化論や遺伝子について、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」からタイムマシンやタイムトラベルについて、「28日後...」からウィルスの脅威やゾンビについて、「マトリックス」からシミュレーション世界について、「ガタカ」から遺伝子やデザイナーベビーについて、「エクス・マキナ」から人工知能AIについて、「エイリアン」から地球外生命体について、ということになります。私も実は感じていたんですが、四次元ポケットから飛び出すドラえもんの道具となれば、かなりの程度に荒唐無稽ながら子供心に訴えるものがある一方で、これらのSF映画に応用されている科学はかなりの程度に大人に対して真実性をもって訴えかける部分が少なくありませんSF映画で科学を語るというのは、ありそうでなかったアイデアかも知れませんし、ジャーナリスト系の2人の著者ですので、科学者が書いた場合に比べて不正確かもしれませんが、それなりに判りやすく仕上がっているような気もします。また、取り上げられた映画について私なりに論評を加えてお口、。私は少なくとも冒頭の2作品、すなわち、「オデッセイ」と「ジュラシックパーク」については原作となる小説も読み、映画も見ていますし、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の映画も見ています。また、ウィルスとゾンビについては「バイオハザード」でお願いしたかった気がします。ただ、シミュレーション社会ということになれば、やっぱり「マトリックス」なんでしょうね。映画化されていないんですが、「リング」の貞子シリーズの「ループ」も悪くないような気がします。最後に、私はジャズファンで、よくCDSのジャケ買い、なんて言葉があったりするんですが、本書については表紙デザインで少し損をしている気がします。もっと壮大な宇宙をイメージするイラストなんぞはダメなんでしょうか?

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次に、ミシェル・フロケ『悲しきアメリカ』(蒼天社出版) です。著者はフランスのテレビのジャーナリストです。対米5年間の経験から本書を取りまとめています。フランス語の原題は Triste Amérique であり、2016年の出版です。タイトルは、レヴィ-ストロースの『悲しき熱帯』 Triste Tropiques を踏まえていることは明らかです。ということで、シリオンバレーの華やかなGAFAといった先進企業や強力な軍隊などの裏側にある米国の素顔、それも決して自慢できるものではない負の面を明らかにしようと試みています。出版社のサイトにかなり詳細な目次がありますので、それを一瞥するだけでもっ十分な気がしますが、まあ、取り上げられている項目はそれほど新規なものではなく、かなりありきたりです。しかも、編集者の能力の限界か、あるいは、著者のこだわりか、トピックが脈絡なく、せめてもう少し章の順番くらい考えればいいのに、と思わないでもありません。取り上げられているトピックは貧困や格差の経済的な問題、黒人やネイティブ・アメリカンの差別の問題、ファストフードなどの食品の工業化による肥満などの健康問題、ラストベルトなどにおける産業の衰退、銃社会における犯罪やひいては戦争の問題、そして、最後に、オバマ前大統領政権下における成果に対する疑問、現在のトランプ政権への批判、などなどとなっていますが、それなりにジャーナリストの取材に基づき、既存文献などからの引用で補強はされていますが、繰り返しになるものの、今までのいくつかの論調をなぞったものであり、新規性はありませんし、加えて、所得格差や貧困などの経済的な問題と薬物や犯罪の問題などが、かなり明瞭にまちまちで議論が展開されているため、これらの問題の本質が総合的に把握されることもなく、悪くいえば、問題の本質をつかみそこねているようにすら見えます。宗教の問題も取り上げられていますが、個々人の価値観の問題と社会的な構造問題は、いわゆる「鶏と卵」のように、どちらがどちらの原因や結果となっているといいわけではなく、一体となって分かちがたく因果を形成しているよう気もしますし、逆に、やはり経済や所得の問題がまず解決されるべきである、というエコノミスト的な見方も成り立ちます。ジャーナリストとして議論する題材を提供したことは大いに評価しますが、やや中途半端で踏み込み不足の感もあります。

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次に、井上章一『大阪的』(幻冬舎新書) です。著者は関西ネタのエッセイで有名な井上センセです。最近では『京都ぎらい』がベストセラーになった記憶があります。本書は、産経新聞大阪夕刊に連載されていたコラムを集めたものです。どうでもいいことながら、東京版では産経新聞は夕刊を出していないような気がするんですが、大阪版では夕刊があるんだと気づいてしまいました。ということで、、上の表紙画像にあるように、基本は、大阪的な「おもろいおばはん」に関するエッセイなんですが、それは1章だけで終わってしまっており、残りの2章から9章は大阪をはじめとする関西の文化一般に関するエッセイです。いつも通りに、さすがに研究者だけあって、調べがよく行き届いています。大阪的な「おもろいおばはん」は中年女性に限ったことではなく、男性も含めて、大阪弁の響きも含めて、ユーモアやウィットに飛んだ会話ができる大阪人あるいは関西人一般に対する印象であり、テレビがそれを増幅している、と著者は分析しています。それから、相変わらず、阪神タイガースに対する鋭い分析が見られ、私も目から鱗が落ちたんですが、関西であっても1960年代くらいまではテレビで放送されるジャイアンツのファンが多数を占めていた、というのは事実のような実感を私も持っています。そして、京都在住だった私の目にはそれほど明らかではなかったんですが、1968年に開局し、1969年から阪神のナイターしあいを試合開始から試合終了まで中継し始めたサンテレビの影響が大きく、一気に関西で阪神ファンが増えた、と分析しています。加えて、1971年からABS朝日放送のラジオで中村鋭一が「六甲おろし」を歌いまくったのも一因、と主張しています。実に、そうかも知れません。私の小学校高学年から中学生のころですので、うすらぼんやりながら、そのような記憶があります。また、神戸と亡命ロシア人の関係については、お節の通り、洋菓子のパルナスやモロゾフなどのロシア名のお店が頭に浮かびます。音楽もそうかも知れません。また、言葉については「がめつい」という形容詞が戦後の造語であって、決して関西伝来の言葉ではないというのは初めて知りました。ちょっとびっくりです。また、芦屋や岡本あたりの山の手の標準語に近い柔らかな関西弁については、今やノーベル文学賞候補に擬せられる村上春樹を上げて欲しかった気がします。

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次に、アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』上下(創元推理文庫) です。昨年我が国で出版された海外ミステリの四冠制覇に輝くベストセラーです。著者はヤングアダルト作品を手がけたほか、人気テレビドラマの脚本もモノにしていたりしますが、私が読んだ記憶があるのは、いわゆるパスティーシュばかりで、ホームズものの『絹の家』と『モリアーティ』、ジェームズ・ボンドの『007 逆襲のトリガー』の3冊であり、少なくともホームズものはやや血なまぐさい殺人事件やビクトリア時代にふさわしくない社会風俗なんぞが飛び出して、ちょっと違和感を覚えなくもありませんでした。でも、007ものは、最新映画の主演であるダニエル・クレイグのようなやんちゃな主役であればOKだという気はしました。英語の原題は The Magpie Murders であり、2017年の出版です。邦訳タイトルはほぼほぼ直訳です。ということで、この作品はメタな構造になっており、現代ロンドンを舞台にした出版界の殺人事件と、その出版会社で出しているミステリである約60年前の1955年の田舎の准男爵邸を舞台にする事件の両方の謎解きが楽しめます。本書の宣伝にある「名探偵アティカス・ピュント」というのは、実際には出版会社が出している小説の中で活躍する探偵であって、本書でダイレクトに扱っている現代ロンドンを舞台とする殺人事件は、その作者の担当編集者が謎解きに挑みます。どこまでホントかはやや疑わしいんですが、現代ロンドンの殺人事件と小説中の殺人事件が、ほどよく絡み合っていたりします。近年にない大傑作とは思いませんが、それなりに水準の高いミステリであることは受賞歴から見ても明らかです。

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最後に、ピーター・スワンソン『そしてミランダを殺す』(創元推理文庫) です。『カササギ殺人事件』が昨年の海外ミステリの各賞総なめであったのに対して、この作品は多くのランキングで2位につけていました。作者は長編ミステリ2作目だそうです。英語の原題は The Kind Worth Killing であり、2015年の出版です。邦訳タイトルは、あまりのセンスなさに私は呆れてしまいました。ということで、ロンドンのヒースロー空港のラウンジで出会った男女が男の妻を殺害するという点で意気投合し、米国への帰りの飛行機の中で計画を練る、という出だしで始まります。この女の方がサイコパスなんですが、男の方の浮気されたから妻を殺す、という発想にも少し飛躍があるような気がします。ところが、逆に男が妻の陰謀で殺されてしまい、その妻も同じ実行犯の手で殺され、その実行犯も姿を消す、という極めて複雑怪奇な人間関係の中で、そのカラクリに気づいた刑事が独断で捜査を進めてサイコパスの黒幕を尾行するうちに、刑事の方の異常性が浮かび上がって、などなど、基本的に倒叙ミステリであって、謎解きはほぼほぼないに等しいながら、極めて複雑で不可解な構造が解き明かされます。そして、真相にもっとも近づいた刑事は逆に異常と見なされ、サイコパスの黒幕は無事に逃げおおせる、という結末となるような示唆が示されています。かなりいい出来のミステリなんですが、私が最近ここ数年で読んだミステリの中では『ゴーン・ガール』に類似し、かつそれに次ぐくらいの不可解なミステリだった気がします。最後に、主犯的な主人公を務める女性が逃げ切るというのも似通った結末のように感じました。これまた、『ゴーン・ガール』と同じように、ミステリというよりは、サイコスリラーと呼ぶほうが似つかわしいのかもしれません。翻訳がいいのでスラスラ読めるんですが、映像向きだという気もします。

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2019年3月15日 (金)

ダイヤモンド・オンライン「住みたい市区町村ランキング・ベスト50」やいかに?

今週月曜日の3月11日にダイヤモンド・オンラインで「住みたい市区町村ランキング・ベスト50」が明らかにされています。1位は横浜市で、2位が神戸市、3位に港区が入っています。我が家が今の城北地区に引っ越す前に住んでいたのが港区の青山でした。また、私自身は京都府立病院の当時の伏見分院で生まれたそうなんですが、東京に職を求めて親元を巣立つ前、大学の学生時代までの人生前半の20年余りを両親と暮らした京都の宇治市が44位に入っています。以下のテーブルの通りです。ご参考まで。

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2019年3月14日 (木)

ご寄贈いただいた『アベノミクスの真価』を読む!

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原田泰・増島稔[編著]『アベノミクスの真価』(中央経済社) をご寄贈いただきました。各チャプターのご著者の方々は、ほぼほぼリフレ派のエコノミストであり、束ねているのは日銀審議委員の原田さんと内閣府統括官の増島さんです。
日本経済の現状は、デフレとの関係で考えると、ほぼデフレからは脱却したものの、日銀の物価目標である+2%にはほど遠い、ということであろうかと思います。そして、本書はこれらにまつわる諸問題について回答を与えようと試みていて、一部に失敗しているものもありますが、ほぼ私も同じ結論に達しそうな気がします。例えば、+2%の物価目標未達については、2014年4月からの消費税率引き上げのショック、国際商品市況における石油価格の動向、そして、欧米では+1%から+2%近辺でアンカーされている物価上昇期待が、我が国では0%近傍でアンカーされていること、の3点を上げています。私なんぞは粗雑にも、国際商品市況の石油価格を上げてしまうことが多いんですが、そうなら日本以外の先進各国でも物価上昇率が低迷するわけで、そうなっていないのは、石油価格以外の我が国独自の要因があるというわけです。また、労働市場の現状についても、賃金が本格的に上昇していないわけですから、完全雇用には達していない、というのが私の結論なわけで、本書もまったく同じ分析結果を示しています。また、旧来の日銀理論から、低金利の副作用として債券価格形成の問題や金融機関の経営の問題などが指摘されていますが、少なくとも後者については、本書では預貸率の低さを原因として上げています。ただ、前者の債券価格形成の問題については、日銀が国債のかなりの部分を購入することにより、いわゆる市場の厚みが失われ、債券価格のボラティリティが高くなる問題はあるんだろうと思います。このボラティリティの高まりという点につき、本書では見逃している可能性があります。また、出口論についても一定の前提を置いたシミュレーションを示して、日銀が債務超過に陥る可能性に言及したのは興味深い点です。ただ、日銀が債務超過に陥るのを回避するために、すなわち、日銀自身の財務状況のために、日本経済を犠牲にするというのは本末転倒であり、我が国経済における日銀が果たすべき役割の放棄であるというのはその通りであろうと思います。

ご寄贈いただいた書籍などは、このように、律儀に取り上げることとしております。個人のブログなんぞという、誠に貧弱なメディアではありますが、図書や論文のご寄贈は幅広く受け付けております。

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2019年3月13日 (水)

3か月連続でマイナスとなった機械受注と上昇幅がわずかに拡大した企業物価(PPI)!

本日、内閣府から1月の機械受注が、また、日銀から2月の企業物価 (PPI) が、それぞれ公表されています。機械受注うち変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は、季節調整済みの系列で見て、前月比▲5.4%減の8,223億円を示し、PPIのヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は+0.8%と前月の+0.6%から上昇率がやや拡大し、引き続き、プラスの上昇率を継続しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

機械受注、3カ月連続減 1月は前月比5.4%減少
内閣府が13日発表した1月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比5.4%減の8223億円だった。減少は3カ月連続。QUICKがまとめた民間の事前予測の中心値(1.7%減)を下回った。製造業は3カ月連続で減少した。世界経済が減速感を強めるなか、先行きに不安を持つ企業心理を映した。
内閣府は基調判断を「足踏みがみられる」と前月から据え置いた。2018年11月は0.1%、同12月は0.3%と小幅な減少だったが、1月は減少幅が広がった。好調だった設備投資が鈍化する兆しが出てきた。
製造業は1.9%減と3カ月連続で減少した。内訳をみると、17業種中9業種がプラスに、8業種がマイナスに寄与した。マイナスに寄与したのは電気機械と情報通信機械で、それぞれ20.7%、38.1%減った。両業種ともハイテク関連で中国経済の減速を反映したとみられる。
中国では米中貿易摩擦や自国経済への先行き不透明感から投資や生産を控える動きが広がっている。こうした動きを背景に、国内企業は機械の発注に慎重になっているようだ。農林中金総合研究所の南武志主席研究員は「製造業の軟調さが鮮明で、輸出の伸び悩みが機械受注にも影響している」と話す。
1月の中国向け輸出は前年同月比で17%減った。鉱工業生産指数も1月まで前月比で3カ月連続低下しており、外需を起点にした下押し圧力が日本経済に及んでいる。中国や欧州経済など世界経済の先行きの不透明感から、企業は機械の発注や投資を控える姿勢になりつつあるようだ。
船舶・電力を除いた非製造業は8%減と4カ月ぶりに減少に転じた。運輸業・郵便業のほか、通信業がマイナスに寄与した。このほか、官公需は2.7%増だったほか、外需は18.1%減だった。
2月の企業物価指数、前年比0.8%上昇 原油価格上昇で
日銀が13日発表した2月の国内企業物価指数(2015年平均=100)は101.1で前年同月比で0.8%上昇した。上昇は26カ月連続で上昇率は1月確報値の0.6%から拡大した。原油価格の上昇や米中貿易交渉の進展期待から企業物価指数は上昇した。
前月比では1月の0.6%の下落からプラスに転換し、0.2%の上昇に転じた。原油価格が上昇したほか、米中貿易交渉の進展期待で工業需要のある非鉄金属などの市況が改善した。豚コレラの被害拡大懸念で豚をはじめとする農林水産物の価格も上昇した。
円ベースでの輸出物価は前年比で1.7%下落し、3カ月連続のマイナスとなった。前月比では0.6%上昇した。輸入物価は前年比で0.7%下落し、前月比では1.1%上昇した。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの物価動向を示す。公表している744品目のうち前年比で上昇したのは393品目、下落したのは276品目だった。上昇と下落の品目差は117と、1月の確報値139品目から22品目減った。
日銀の調査統計局は「依然として米中貿易摩擦の不透明感は強く、経済への影響に目を向けていく」との見解を示した。

長くなりましたが、いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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まず、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは、船舶と電力を除くコア機械受注の前月比で▲1.7%減でしたし、レンジでも▴.0~+1.7%でしたので、かなり弱い数字と私は受け止めています。統計作成官庁である内閣府でも、基調判断を「足踏み」で据え置いています。コア機械受注について季節調整済の系列の前月比を見ると、昨年2018年11月▲0.1%減、12月▲0.3%減、そして、今年2019年1月も▲5.4%減と、3か月連続でマイナスを示しており、昨年2018年10~12月期の前期比が▲3.2%減でしたから、足元の2019年1~3月期もかなり低い発射台での始まりということになります。特に、貿易摩擦に起因する世界経済の停滞が背景にあるわけですが、昨年2018年10~12月期あたりまでは増加を示していた電力と船舶を除く非製造業も今年2019年1月に入って▲8.0%減を記録し、▲1.9%減の製造業より大きな減少となっています。上のグラフの太い移動平均のラインに見られるように、機械受注は世界経済の停滞によりピークアウトした可能性が高く、基調判断通りの足踏みが続くものと見ていますが、同時に、人手不足に起因する省力化投資や合理化投資による下支えがあることなどから、設備投資のストック調整が急速に進んで、大きな落ち込みを見せる可能性は低いのではないか、とも私は考えています。

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続いて、企業物価(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。一番上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、真ん中は需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、上2つのパネルの影をつけた部分は、機械受注のグラフと同じで、景気後退期を示しています。基本的に、国際商品市況における石油価格に連動した小幅な動きと考えています。すなわち、国内物価のいくつかの項目を前年同月比で見て、石油・石炭製品が前月の▲4.2%の下落から2月統計では▲2.1%と低下幅を縮小したり、非鉄金属も前月の▲7.4%から▲5.6%に下落幅が縮小しています。また、農林水産物も豚コレラの影響などにより前月の▲0.9%から▲0.1%に下落幅が縮小しています。ただ、こういった下落品目の下落幅縮小が中心であり、景気動向に連動した力強い物価上昇ではない、と私は受け止めています。

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2019年3月12日 (火)

3四半期ぶりに景況判断BSIがマイナスを付けた法人企業景気予測調査から何が読み取れるか?

本日、財務省から1~3月期の法人企業景気予測調査が公表されています。ヘッドラインとなる大企業全産業の景況感判断指数(BSI)は昨年2018年10~12月期+4.3の後、足元の今年2019年1~3月期は▲1.7と、3四半期ぶりにマイナスを付けた後、さらに、先行き4~6月期も▲0.3と、マイナスを続けると見込まれています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

大企業景況感、1~3月はマイナス1.7
財務省と内閣府が12日発表した法人企業景気予測調査によると、1~3月期の大企業全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス1.7だった。マイナスは3四半期ぶり。前回調査の10#xFF5E;12月期はプラス4.3だった。
先行き4~6月期の見通しはマイナス0.3となった。1~3月期は大企業のうち、製造業がマイナス7.3で、非製造業はプラス1.0だった。中小企業の全産業はマイナス11.7だった。
2019年度の設備投資見通しは18年度に比べて6.2%減だった。18年度見込みは前年度に比べて7.4%増だった。
景況判断指数は「上昇」と答えた企業と「下降」と答えた企業の割合の差から算出する。

いつもながら、簡潔かつ包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、法人企業景気予測調査のうち大企業の景況判断BSIのグラフは以下の通りです。重なって少し見にくいかもしれませんが、赤と水色の折れ線の色分けは凡例の通り、濃い赤のラインが実績で、水色のラインが先行き予測です。影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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大企業全企業の景況感を景況判断BSIで見ると、昨年2018年10~12月期の+4.3から今年2019年1~3月期には▲1.7に大きくダウンし、さらに、4~6月期も▲0.3と、やや上昇するとはいえマイナスを続けた後、7~9月期には+5.7にジャンプすると見込まれています。足元の企業マインド悪化は貿易摩擦に起因する海外要因と私は考えていますし、7~9月期の予想はやや先の話でどこまで信頼を置けるかの問題もありますが、今年10月には消費税率の引き上げが予定されていますから、それなりの駆け込み需要はあるものと考えると、あながちムリがあるともいえません。いずれにせよ、先週3月7日に内閣府から公表された景気動向指数を見て、景気局面に関する悲観的な議論が出始めていますが、少なくとも年央にかけて景気がこのまま一気に失速するというマインドが企業に広がっているようには見えない、と私は受け止めています。ただし、10月の消費税率引き上げ後の消費動向は極めて不透明であり、足元の貿易摩擦に起因する海外経済の動向から企業マインドが悪化した後、駆け込み需要を経て消費税率引き上げと続く今年いっぱいの足元ないし先行きに関する企業マインドは複雑な方向性を示す可能性があります。景況感に次ぐ私の注目ポイントである設備投資は、全規模全産業で見て、今年度2018年度の+7.4%増に続いて、来年度2019年度は▲6.2%減と計画されています。特に、年度上半期に+4.9%増の後、下半期には▲16.0%減と見込まれており、他方で、経常利益の見込みについても同様に、2019年度上半期のプラスの後、下半期はマイナスと予想されており、当然ながら、消費増税後の景気動向には目が話せません。

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