2019年5月19日 (日)

甲子園で負けが続いて広島にも3連敗!!!

  RHE
広  島210200000 5112
阪  神000000001 161

広島が実力を発揮したというか、先発秋山投手が序盤から失点し、打線に得点力なく広島に連敗でした。上り坂の王者広島との実力差を見せつけられた気がします。それにしても、甲子園で負けが続いています。ルーキーに疲れが見えます。特に、近本選手の出塁が減っています。また、木浪遊撃手もいいんですが、これだけ打てないんですから、鳥谷選手を使って欲しいです。

次のヤクルト戦は、
がんばれタイガース!

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2019年5月18日 (土)

メッセンジャー投手がホームラン攻勢に沈んで広島に連敗!!!

  RHE
広  島300001000 470
阪  神000000000 080

いつもの悪いときの阪神を見ているようで、先発メッセンジャー投手がホームラン攻勢に沈んで広島に連敗でした。打つ方も、相変わらず、塁上を賑わせつつも決定打なく、安打数は広島を上回ったにもかかわらず零封されてしまいました。

明日は秋山投手をもり立てて、
がんばれタイガース!

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今週の読書は経済書中心に『図書館巡礼』も読んで計8冊!!!

10連休のゴールデンウィーク明けにしては、今週はよく読書にいそしんだ気がします。いつもの通り、経済書が中心なんですが、昨日から岩波ホールで「エクス・リブリス ニューヨーク公共図書館」が公開されていまして、その関係でもないんですが、図書館に関する教養書も読んだりしています。1日1冊を超えるペースで読んだ結果、計8冊の大量の読書です。

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まず、佐々木実『資本主義と闘った男』(講談社) です。著者は、日本経済新聞記者だったジャーナリストです。上の表紙画像にも見える通り、タイトルの資本主義と闘った男とは、宇沢弘文教授です。本書の指摘を待つまでもなく、おそらく、1960年代にはもっともノーネル経済学賞に近かった日本人であることは明らかです。宇沢の2部門成長モデルは今でも経済成長理論で参照されるモデルです。もっとも、私なんかも理解が容易なソローの新古典派的な成長モデルやもっと単純なAKモデルが一般的な気もしなくもありません。ということで、本書はその宇沢教授の伝記となっています。ただ、宇沢教授の行動でもっとも不可解だったとされる2点についてはまったく解明されていませんので、私は大いに不満です。不可解な2点とは、スタンフォード大学からカリフォルニア大学バークレイ校に移ったのは本書でも指摘する通りの事情なんでしょうが、スタンフォード大学に復帰せずに、何を血迷ったのか、シカゴ大学に移ったのはなぜなんでしょうか。本書では、アロー教授の弟分でいることに飽き足らずに新天地を求めたかのような推測が並べられていますが、それなら、おそらく、宇沢教授と極めて周波数の合致するカリフォルニア大学バークレイ校に留まるのがベストの選択であった気もします。そして、シカゴ大学教授から東大助教授で帰国したんですから、何となく足元を見られた雰囲気もあります。これは、余りに右派なシカゴ大学経済学部に嫌気が差した、というのはかなりの程度に理解できますし、個人的な思想を基にする嫌がらせもあったんだろうと想像できます。いずれにせよ、きちんと進路を考えて1960~70年代に経済学の主流であった米国で研究を重ねれば、宇沢教授がノーベル経済学賞を授賞されていた可能性はかなりあるんではないか、という気がします。しかし、宇沢教授は帰国して東大に復帰し、それからは、経済学の研究よりもアクティビストとして活動することに重点を置いたような気がします。ノーベル経済学賞に関しては、1980年代からは英国で研究を続けた森嶋教授が、そして、1990年代半ばくらいからは林文夫教授が、さらに、21世紀に入ってからは清滝教授が、日本人研究者としてはもっとも近い、といわれるようになったんだろうと私は理解しています。もちろん、ノーベル賞を目指すのが研究者の人生最大の目標とはならないケースはいっぱいあることは私も理解しており、アクティビストとしてもエコノミストを離れて私個人としては、ポジティブなフィードバックを考慮せずに、市場経済が自己調整的に均衡に向かうメカニズムを有すると盲信する右派的な資本主義と闘った宇沢教授はとても尊敬できるところです。それにしても、宇沢教授を取り巻くキラ星のようなエコノミストの面々に私は圧倒されてしまいました。

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次に、ビクター・マイヤー=ショーンベルガー & トーマス・ランジ『データ資本主義』(NTT出版) です。著者は、オックスフォード大学オックスフォード・インターネット研究所の研究者とドイツのビジネス誌 brand eins のジャーナリストです。英語の原題は Reinventing Capitalism in the Age of Big Data であり、2018年の出版です。ということで、本書の著者は人間の本質について調整を行うこととして捉え、従来の市場では極めて単純化された価格という貨幣単位での評価により財・サービスの交換、というか、資源配分が行われていたんですが、ビッグデータの時代になり、データリッチ市場が出現するに及んで、価格という貨幣単位だけで単純に評価されていた商品が膨大なデータを参照することにより、過剰な簡略化を逃れて最適な配分に調整されるようになる未来、近未来、というよりもすでにいくぶんなりとも実現されている事実を明らかにしています。そして、著者は経済の中で、市場は分権分散型であるのに対して、企業は集中型であるとのモデルを提示し、富国生命の保険支払査定業務へのAI導入をやや揶揄しつつ、ダイムラーの意思決定組織のフラット化について高く評価しています。データリッチな企業経営を実践したいのであれば、富国生命のようにAIをパーツとして導入するのではなく、ダイムラーのように組織としてデータリッチネスをうまくいかせるような組織にする必要がある、という意味で、集中型の企業の意思決定を分権分散型にする必要を指摘しています。しかし、エコノミストが考える市場とは、まさに情報の塊であって、著者は少しバイアスのかかった見方を示しているとしか私には考えられません。ですから、市場が本来の資源配分の効率性を発揮するためには情報がいっぱいあった方が望ましいのはいうまでもありません。ただ、現実にはGoogleやAmazonやFacebookやといったインターネット企業は情報独占により巨大な収益を上げていることも事実であり、本書の著者はスーパースター独占企業と呼んでいますが、こういった企業に対してはアルゴリズムの公開よりも、情報の共有を促す仕組みが必要と指摘します。そのための基礎はすでに機械学習により出来上がっているという評価です。そして、ここから先は付加的な部分で、データ資本主義とは関係薄くて、やや飛躍するようにも見えますが、社会生活の基礎としてユニバーサル・ベーシックインカム=UBIを提唱しています。私はこれに大いなる理解を示すものです。ただ、ここ10-20年ほどの労働分配率の低下と資本の蓄積が加速しているという事実、ピケティ教授らの指摘する不平等の拡大については、やや違った見方を示しています。これは私には理解できませんでした。

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次に、アジェイ・アグラワル & ジョシュア・ガンズ & アヴィ・ゴールドファーブ『予測マシンの世紀』(早川書房) です。著者は3人ともカナダはトロント大学ロットマン経営大学院の経営戦略論やマーケティングの研究者です。エコノミスト的な考え方が随所に見られます。英語の原題は Prediction Machines であり、2018年の出版です。ということで、タイトルにある予測マシンとは、ズバリ人工知能=AIのことであり、本書の著者はAIとは予測マシン=Prediction Machinesであると位置づけています。これは、AIについて考える際のひとつの前進だという気がします。というのは、今まで、AIについては幽霊のように実態について、あるいは、その作用に関して、特に考えるでもなく、単純に恐れたり、軽視したりしている考えがまかり通っているからです。ビッグデータという定義のない表現をするかどうかはともかくとして、膨大な量のデータを処理して、データがいっぱいある前提の大量のパラメータを推定して、かなり正確な予測を行い、それをAIが、あるいは、人間が判断を下す、というプロセスを明確にしています。ただ、私からすればまだ足りない部分があり、それは評価関数を人間がAIの外から与えるか、それとも、AI自身が決めるか、ということです。おそらく、ホントのAIは後者なんでしょうね。というのも、本書でも登場しますが、MicrosoftのTayが学習の過程でナチス礼賛とか、差別的な学習結果が示された事実があります。そして、AIはほぼほぼ制限のないデータ処理と評価関数の設定により、かなり急速に人類の知能を上回る可能性があります。もっとも、この場合の「知能」も定義が必要なんでしょうが、通常の意味で、例えば、人類の知能はイヌ・ネコを上回る、位の意味で定義も十分ではないかと私は思いっています。そうすると、何が起こるかといえば、例えば、ここでも哺乳類を考えて、ウシについては、その昔の濃厚の動力の提供という重労働からは逃れたものの、ウシ、特に雌ウシ独特の昨日である搾乳、あるいは、雄ウシの場合は牛肉の提供に供されるわけです。ニワトリの場合も、メスが卵の提供、オスはウシと同じで鶏肉の提供が主たる眼目となって飼育されているのは広く知られている通りです。もう少し知能が高いと、例えば、イヌ・ネコのようにペットの地位に上ったりしています。おそらく、人間とAIの関係も知能の高さの差に従って、こういった現時点における人類と哺乳類の関係になぞらえることができると私は予想しています。もちろん、ひとつの可能性として、哺乳類ではなく鳥類ですが、北米のリョコウバトのような運命が待っている可能性も否定できません。ですから、本書でいう予測マシン=AIの未来は、単なる予測ではなく、新しい知能の誕生と考えるべきだと私は考えています。あるいは、ハードウェアのマシンではなくソフトな技術について考えれば、自動車の自動運転が主流になれば、現在のような人間が手動運転する自動車は、現時点の馬術のような扱いになるような気もします。いずれにせよ、本書で考えるようなトレードオフについては、人間から見たトレードオフであって、AIから見ると違う観点がありそうな気もします。不安な未来についても、"But Who Will Guard the Guardians?" ではないんですが、AIを制御するAIが必要になりそうな気がします。

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次に、持田信樹『日本の財政と社会保障』(東洋経済) です。著者は東大経済学部の研究者です。今年3月の退官ではないかと記憶しています。相も変わらず、財政学の権威が我が国の財政赤字を問題にし、持続可能な財政とその最大の支出項目のひとつである社会保障について分析しています。すなわち、問題意識としては、財政赤字の解消とまでいわないまでも、その縮減を目指して、「中福祉・中負担」を標榜しつつも、実体は「中福祉・低負担」となっている財政・社会保障の姿を、ホントの「中福祉・中負担」にすべく財政や社会保障を改革することは可能か、また、より規範的には、そうせねばならない、ということに尽きます。確かに、一般論として、財政赤字がフローで垂れ流され、ストックで積みあがっていくのは、何らかのショックに対して脆弱そうに見えて、財政のサステイナビリティの観点から均衡に近づけたい、というのは私も理解します。ただ、他方に、やや極端かつ圧倒的な少数派ながら、米国の大統領候補を目指す民主党の予備選に出ていたサンダース上院議員の経済スタッフのケルトン教授らが主張する現代貨幣理論(MMT)も注目され始めており、この根本的な均衡財政の必要性から解き明かして欲しい気もします。というのは、少なくとも、両極端を考えて、初期条件から財政赤字がなく、従って、国債残高がゼロであれば、中央銀行の金融オペレーションが成立せず、指標金利が得られませんから、金融政策が運営できません。もちろん、逆の極端は財政が破綻して、資本や資金の海外逃避やハイパー・インフレのケースです。その間のどこかに最適解があるハズなんですが、不確定な経済学ではそれを探し当てることが出来ません。悲しきエコノミストなわけです。繰り返しになりますが、私は決してMMTを支持しているわけではありません。むしろ、boodooエコノミクスだとすら思っています。さて、本筋に戻って、本書では、マクロの財政経済データやマイクロな国民生活基礎調査のデータを用いたフォーマルな計量分析がなされていますが、根本的な財政赤字の最適ラインは、もちろん、算出されていません。最後に、立命館大学の松尾教授の従来からの主張ではありませんが、財政や税制を考える際に、右派は税金を多く徴収して財政支出を削減しようという方向であるのに対して、左派は減税と財政支出の増加を志向します。「もっとカネをよこせ」ということです。財政や税制に関する本を読む場合に、これを念頭に置くと、とても理解が進んだりします。もうひとつ、私の観点ですが、需要について考えるのは左派エコノミストであり、供給サイドを重視するのは右派エコノミストです。これも時折役に立ちます。

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次に、スチュアート・ケルズ『図書館巡礼』(早川書房) です。著者は、作家・古書売買史家とされていますが、私はよく知りません。英語の原題はズバリ The Library であり、2017年の出版です。ということで、私はおそらくかなりの図書館ヘビーユーザではないかと自覚しているんですが、本書の著者ほど図書や図書館に対して愛情を持っている読書家は出会ったことがありません。もちろん、本書にはさらに強烈な愛書家がいっぱい登場します。世界の図書館の歴史といえば、アレクサンドリア図書館があまりにも有名なんですが、そのアレクサンドリア図書館ができる前の本のない時代にボルヘスによって想像されたバベルの図書館のような空想上の図書館から図書館の歴史を始めています。でも、もちろん、事実上の図書館の歴史は第2章のアレクサンドリア図書館から始まります。入港した船から書物や巻物が押収され、もちろん、コピーを取った上で、原本が図書館に留め置かれ、コピーが元の場所に返却される、という専制君主らしいやり方が印象的です。図書の材質がそもそも羊皮紙やパピルスですし、デジタル技術はもとよりアナログのコピーもありませんから、書写生が手で書き写す必要があります。当然です。さらに時代が下って、画期的であったのは、1573年モンペリエの勅令により、フランス王国における出版については法定納本制が敷かれた点です。少し遅れて英国でもオックスフォード大学に納本する制度が始まっています。我が国でも、国会図書館への納本義務についてはかなりの国民の間に知識として普及しているんではないでしょうか。こういった納本制の効果もあり、21世紀に入って図書館版のムーアの法則が成り立つそうで、15年ごとに蔵書が2倍に増加すると本書の著者は指摘しています。もちろん、第5章で取り上げられているように、さかのぼること15世紀に印刷技術が発明されて1500年ころにはロンドンに5社が印刷所を展開していたそうですから、この辺りから本格的な出版ラッシュ、というか、図書館にも納本されるようになり、現在見られる本棚に縦置きするというのは画期的なイノベーションだったようです。図書の出版と図書館の蔵書の増加は、当然ながら、常に順調に進んだわけではなく、第6章ではバチカン図書館がカール5世軍により破壊された点が指摘されています。もちろん、その後も火災による被害などもあることは忘れるべきではありません。いずれにせよ、図書館は単なる図書の倉庫ではなく、読書階級が読書するとともに図書を借り出し、加えて、有識者たり司書が働く知的な場所であり、私が利用するような公的な図書館だけでなく、本書に登場するような愛書家や読書家が収集したコレクションを収納していたりもしますから、公立私立の別を問わず図書館は知の集積場という性格を持つことは当然でしょうし、場合によっては、建物についてもそれなりに壮麗な建築だったりもします。収納された図書とともに建築そのものも、大きな知的価値を持っていたりもするわけです。経済学の用語でいえば、メチャメチャな外部経済を持っているといえます。小説でも、本書でよく取り上げているのはエーコの『薔薇の名前』とトールキンの『指輪物語』なんですが、ともに図書や図書館が重要な役割を演じています。ただ、最後に、現在の図書のデジタル化や電子図書の普及に対して、図書館がどのようなポジションにあるのか、包括的でなくとも著者の見識を示して欲しかった気もします。いずれにせよ、私は図書館の利用がもっと盛んになるように願っています。

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次に、ローラ J. スナイダー『フェルメールと天才科学者』(原書房) です。著者は米国セント・ジョーンズ大学の歴史と哲学の研究者です。英語の原題は Eyes of the Beholder であり、普通の高校英語では、"Beauty is in the eye of the beholder." の慣用句で習うんではないでしょうか。原書は2015年の出版です。ということで、本書では、17世紀の半ばから後半にかけてオランダがデルフトを舞台にした画家・画商のフェルメールと顕微鏡の製作者であり顕微鏡を用いたさまざまな新発見に貢献した科学者のレーウェンフックの同い年の2人を主人公とした歴史ノンフィクションです。主人公の2人が友人とか顔見知りであったかどうかは史料がありませんが、フェルメールが不遇のうちに負債を残して没しった後に、レーウェンフックがその遺産管財人に任じられているようですから、何らかのつながりはあったものと著者は推察しています。ということで、同じオランダのデルフトの同い年の2人に共通するものとは、まさに英語の原題の通りに、一般には目に見えない何かを見る力であったと著者は考えているようです。画家で画商でもあったフェルメールは、レンズと鏡とカメラ・オブスクラを駆使して、極めてていねいに作品を仕上げています。我が国では、本書冒頭の図版にも収録れている「牛乳を注ぐ女」や「真史の耳飾りの少女」が有名ですが、歴史に残された記録を調べても生涯に45程度の作品しか残さなかったようですし、現存していて確認されるのは35作品にしか過ぎないとされています。じつは、今年2019年2月まで東京展が、そして、ゴールデンウィーク明けの5月まで大阪展が、それぞれ開催されていたフェルメール展なんですが、「日本美術史上最多の9点」が売りの文句になっていて、「9/35」という表示もあり、たった9点という評価は当たらないのだろうと思います。また、科学者のレーウェンフックは我が国ではフェルメールよりも知名度が少し低いんではないかと私は想像していますが、顕微鏡でありとあらゆるものを観察して生物の自然発生説にとどめを刺したり、それらのおびただしい数の観察結果を論文に取りまとめてロンドンの王立協会に送りつけて、最後にはとうとうフェローに任命されて大喜びしたりと、デカルト的に理性だけで結論を出そうとするのではなく、ベーコン的に観察に基づいて事実から結論を引き出す姿勢が、他の人物による再検証可能性の担保とともに、とても近代的な科学の真髄を象徴している気がします。本書の主人公が生きた17世紀半ばから後半にかけての時代は、我が国では鎖国が完成した一方で、清とオランダだけには門戸を開き、その後は蘭学という形での西洋科学の摂取に向けた時代であったわけですが、当時の江戸幕府がオランダを西洋唯一の貿易相手国、あるいは、西洋文明の窓口に選んだのは、なかなかの慧眼だったのかもしれません。

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次に、井坂理穂・山根聡[編]『食から描くインド』(春風社) です。チャプターごとの著者は、大学の研究者が多く、歴史や文化人類学や文学の専門家であり、もちろん、地域研究の研究者も含まれています。タイトルに見られる「インド」は、大きなインド亜大陸を指して使われているようで、表現は悪いかも知れませんが、英国の植民地だったころのインドとの見方も成り立ちそうです。ですから、特に、宗教についてはイスラム教の食への影響も着目されています。本書は3編構成であり、英国による植民地支配とナショナリズムの観点、文化や文学に見るインドの食、食から見たインド社会、といった感じで私は読みました。まず、我が国でも明治維新とともに食生活や食文化は大きく変化し、一般には西洋化が進んだわけですが、インドでも独立時に同じように西洋化が進むという方向性がある一方で、逆に、インドの独自性を守ろうとする方向性もあったようです。そして、植民市時代には、英国人メムサーヒブの料理が紹介され、ゴア出身のキリスト教徒の料理人が重宝された、との見方も示されています。我が家も、ジャカルタ在住時にはキリスト教徒のメイドさんを雇っていて、豚肉に対するタブーなどが一切なかったのを私も記憶しています。本書には明記してありませんが、我が家の経験ではジャカルタでは複数のメイドさんを雇う場合、料理人がメイドさんの頭として扱われ、お掃除などをするメイドさんを、場合によっては、指揮命令下に置くこともあると聞いたことがあります。インドではどうなんでしょうか。そして、食に関する本書の議論に戻ると、チキンティッカー・マサーラーに関して、英国発祥の料理がインドに持ち込まれたのか、それとも、インド伝来の料理なのか、といった議論も紹介されています。4冊の伝統的な料理書、すなわち、『料理の王』、『料理の月光』、『料理規則の鏡』、『広範な料理の知識』といった本が紹介されています。ただ、日本人が考えるように、すべてがカレーというわけではありません。食に起因する社会会問題としては、第8章で飲酒が取り上げられています。アルコール度数の低い現地酒であるアラックが労働者階級のエネルギー源となっていたのは少し驚きました。もちろん、イスラム教における豚肉のタブーについても人るのチャプターが割かれています。私は豚肉に関するイスラム教徒のタブーはユダヤ教から受け継いだものだろうと理解していたんですが、本書ではそのあたりの由来は不明としています。最後に、本書でももう少し図版が欲しかった気がします。顔写真は何枚かあるんですが、料理そのものや、もちろん、調理器具、あるいは、食器なども実物や歴史的な書物の紹介図を見れば、もっと理解がはかどりそうな気がします。

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最後に、レグ・グラントほか『世界史大図鑑』(三省堂) です。各ページをじっくり読むというよりは、カラー図版を眺め渡すことを主眼とする図鑑です。ここ2-3週間の読書で、図版が欲しいと読書感想文に書いたケースが散見されていますが、その反動というわけでもなく、ついつい、近くの区立図書館で借りてしまいました、三省堂の大図鑑シリーズの1冊であり、このシリーズにはほかに、経済学、心理学、政治学、哲学、社会学などがあるんですが、なぜか、物理学や化学などは一括化されて科学で1冊にまとめられていたりしますし、変わり種としては『シャーロック・ホームズ大図鑑』なんてのがあったりもします。ということで、本書は、編年体で6部構成であり、第1に人類の起源として20万年前から紀元前3500年くらいまで、そして、第2に古代の文明として紀元前6000年から西暦500年くらいまで、第3に中世の世界として500年から1492年まで、第4に近世の時代として1420年から1795年まで、第5に近代という意味なんでしょうが変わりゆく社会と題して1776年から1914年まで、最後に第6にコンテンポラリーな現代の世界として1914年から現在まで、という形で、少し重複を含みつつ、構成されています。タイトル通り、世界史についての図鑑であり、アルタミラの洞窟壁画から、今世紀に入ってからの同時多発テロや世界金融危機まで。世界の歴史において重要な意味をもつ104の出来事を取りあげ、オールカラーの図解と写真でわかりやすく解説してあります。解説はそれほど専門的でもありません。また、我が国や西洋先進国をフォーカスするだけでなく、アジア・アフリカのトピックや第2次世界大戦後のイベントにも多くのページを割いており、21世紀の視点から人類の起源以来の過去を俯瞰する「世界史」の見方を展開しています。ただ、トピックごとの図版ですから、それらのリンケージを探ろうとするグローバル・ヒストリーの観点は希薄な気もします。ただし、現代の関心に合わせて、人口増加や気候や環境の変化など、人類史を通じて長期的に重要な意味をもつトピックも取り上げていますし、各章末に「もっと知りたい読者のために」というコラムを第6部の後の巻末に設け、さらに60のテーマに関して簡潔に解説を加えています。もちろん、索引なども充実しています。それぞれの関心や必要性に応じて、いずれかのテーマの大図鑑を買い求めるもよし、私のように図書館で借りてザッと眺めるもよしで、いろんな利用方法があるような気がします。

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2019年5月17日 (金)

終盤に阪神リリーフ投手陣が崩壊して広島に大敗!!!

  RHE
広  島000100027 10130
阪  神000002000 280

終盤までもつれた試合ながら、結局、広島に競り負けでした。最終回に阪神のリリーフ陣が崩壊した、というか、連勝街道を走り始めた広島打線が王者の実力を発揮した、というか、最終回の攻撃には目を見晴らせるものがありました。8回3失点でがんばった西投手に援護なく、結局、負け投手になってしまいました。

明日はメッセンジャー投手をもり立てて、
がんばれタイガース!

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来週月曜日公表予定の1-3月期GDP統計1次QEはマイナス成長か?

豪華絢爛10連休のゴールデンウィーク前の先々週金曜日に公表された鉱工業生産指数(IIP)など、ほぼ必要な統計が出そろい、来週月曜日の5月20日に1~3月期GDP速報1次QEが内閣府より公表される予定となっており、すでに、シンクタンクなどによる1次QE予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。いつもの通り、足元から先行きの景気動向について重視して拾おうとしています。明示的に、先行きに言及しているのは、以下のテーブルの上から3機関、すなわち、日本総研、大和総研、みずほ総研だけで、特に大和総研は需要項目別に長くなりそうなので、消費だけでストップしてしまったんですが、いずれにせよ、詳細な情報にご興味ある向きは一番左の列の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研▲0.1%
(▲0.2%)
先行きマイナス成長が続く公算は小さく、4~6月期には緩やかな景気回復基調に復する見込み。中国政府の景気刺激策の効果により中国経済は最悪期を脱しつつあることから、昨年夏場以降減少傾向にあるわが国の輸出は底入れする見込み。設備投資も、中国経済の失速懸念が後退するのに伴い、先送りしていた投資案件を実行に移す動きが顕在化する見通し。
大和総研▲0.1%
(▲0.5%)
先行きの日本経済は、潜在成長率を若干下回る低空飛行を続ける公算が大きい。
まず、個人消費は一進一退が続きながらも緩やかに増加するとみている。人手不足を背景に名目賃金は緩やかに増加している。また、実質賃金も2018年11月以降原油価格が大きく下落したことで一時的に増加していた。しかし、今年に入り原油価格が再び上昇したことから、先行きは名目賃金上昇の効果が物価高により相殺されるだろう。また、賃金カーブのフラット化や残業抑制により名目賃金の上昇ペースが鈍る可能性にも注意が必要だ。
また、10月に予定されている消費増税に関しては、各種経済対策の実施により駆け込み需要・反動減はいくらか緩和される見込みである。ただし、施策の一つであるポイント還元策が、制度終了(2020年6月末)前後に駆け込み需要・反動減を生じさせる点には留意しておく必要がある。また、増税対策は公共投資の比重が大きく、家計に限れば消費増税に伴う負の所得効果を全て相殺できるような内容ではないことも留意しておくべきだ。
みずほ総研+0.4%
(+1.4%)
4~6月期以降については、輸出の伸び悩みが当面続く一方、内需の更なる低迷は回避される見通しだ。消費が底堅く推移するほか、設備投資の深刻な調整は避けられるとみている。
輸出は、景気対策による中国経済の持ち直しやIT需要の調整局面からの脱却時期が年後半以降になるとみており、当面伸び悩む見通しだ。
個人消費は、労働需給のひっ迫に伴う雇用者所得の堅調さが押し上げ要因となり、底堅く推移するだろう。消費増税前の駆け込み需要も、2014年度当時と比べ小幅ではあるが発生し、一時的だがプラス要因となろう。
設備投資は、高水準の企業収益や人手不足による合理化・省力化投資が下支えになり、深刻な調整局面入りは回避される見通しだ。
リスクはマインド面の更なる低迷だろう。足元続く原油価格の上昇が仮に続けば、低迷している消費マインドをさらに押し下げる可能性がある。また世界経済の更なる減速や貿易摩擦の激化は、輸出減退だけでなく、投資マインドの更なる悪化に繋がるおそれもある。内需のマインド低迷を引き起こす可能性があるこうした要因には、引き続き注視する必要がある。
ニッセイ基礎研▲0.0%
(▲0.2%)
実質GDPは2016年1-3月期から8四半期連続でプラス成長となった後、2018年1-3月期からはマイナス成長とプラス成長を繰り返している。2019年1-3月期のマイナス幅は2018年1-3月期、7-9月期よりも小さくなるとみられるが、2018年中のマイナス成長が大雪、台風、地震など天候不順や自然災害による影響が大きかったのに対し、2019年1-3月期は天候が比較的恵まれている中でのマイナス成長である。また、成長率のマイナス幅が小さい理由は国内需要の低迷を受けた輸入の落ち込みであり、内容的にも悪い。
日本経済は2018年に入ってから横ばい圏の推移が続いていたが、2018年度末にかけて実態として大きく悪化したと判断される。
第一生命経済研▲0.1%
(▲0.2%)
小幅マイナス成長が予想される1-3月期のGDPだが、今回は見た目以上に内容が悪くなりそうだ。輸出が大幅マイナスになることに加え、個人消費、設備投資も弱く、主要どころの需要項目が軒並み弱い結果になるとみられる。こうしたなかでも小幅なマイナス成長にとどまるとみられる理由は、輸入の減少に尽きる。輸入が前期比▲4.5%と、輸出以上に大きな落ち込みとなることでで、外需寄与度は前期比年率で+1.5%Ptも成長率を押し上げる見込みである。輸入の減少によって成長率は押し上げられるが、これは内需の弱さの反映という面もあるため、決して喜べるものではない。表面上の数字以上に足元の景気の弱さを示す内容になるだろう。
伊藤忠経済研+0.3%
(+1.2%)
輸出が大きく落ち込み、設備投資もマイナスに転じたが、個人消費が減速しつつも増勢を維持したことに加え、公共投資が大幅に増加し、成長を下支えした。前年同期比では10~12月期の+0.3%から1~3月期は+0.6%へ伸びを高めていることもあり、日本経済は緩やかながらも拡大基調を維持していると評価できよう。ただし、内閣府が試算する潜在成長率1.0%とさほど変わらない程度の成長にとどまり、物価上昇圧力を大きく高めるほどではない。依然としてデフレ脱却への道のりは遠い。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲0.0%
(▲0.1%)
2019年1~3月期の実質GDP成長率は、前期比-0.0% (年率換算-0.1%) と前期比で小幅ながらもマイナス成長となったと予想される。外需は3四半期ぶりにプラスに寄与するものの、個人消費や設備投資など国内需要が弱い。
三菱総研+0.4%
(+1.4%)
2四半期連続でのプラス成長を予測する。輸出は減少に転じたものの、内需が緩やかながらも増加したとみられる。

ということで、ほぼほぼゼロ成長が予想されており、しかも、成長率の押し上げ要因が輸入の減少というわけで、かなり仕上がりの悪い姿が予想されています。ニッセイ基礎研のヘッドラインでも引用しておきましたが、2018年中もプラス・マイナスの成長率がジグザグに現れたんですが、これは地震や台風や豪雨などの経済外要因たる自然災害に起因していた面が強く、今年2019年1~3月期の成長率の大幅減速は、自律的、というか、経済の内生的な景気循環の局面変化であり、国内要因というよりは海外要因、すなわち、米中貿易摩擦などに起因する中国経済の減速が大きく影響しているとはいえ、世界経済全体が減速する中での我が国経済の成長鈍化と考えるべきです。かつての米国に次ぐの世界第2位の経済大国も、「中国がくしゃみをすれば風邪をひく」ようになったといえます。ですから、日本経済が、このまま、景気後退局面入りするかどうかも世界経済や中国経済の動向に依存します。米国のトランプ政権の強硬姿勢を見る限り、我が国経済が景気後退にすでに入っている、あるいは、これから短期間の間に景気後退局面に入る確率、は決して小さくないと私は受け止めています。
下のグラフは、実質GDP成長率の推移のグラフをニッセイ基礎研のリポートから引用しています。

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2019年5月16日 (木)

+1%超の上昇続く企業物価(PPI)の先行きやいかに?

本日、日銀から3月の企業物価 (PPI) が公表されています。PPIのヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は+1.3%と前月の+0.9%から上昇率が拡大し、引き続き、プラスの上昇率を継続しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の企業物価指数、前年比1.2%増 米中貿易交渉の進展期待で
日銀が16日発表した4月の国内企業物価指数(2015年平均=100)は101.8で前年同月比で1.2%上昇した。上昇は28カ月連続で、上昇率は3月の確報値の1.3%から縮小した。原油価格の上昇幅が昨年同時期と比べて小さかったため前年比の増加は小幅に縮小したが、米中貿易交渉の進展期待などから企業物価指数は上昇した。
前月比では3カ月連続のプラスで上昇率は前月と同じ0.3%だった。日銀の調査統計局は4月の物価指数上昇について、4月中旬までは米中貿易交渉の進展が期待されており、世界的な景気減速の懸念が和らいでいたとの見方を示した。
円ベースでの輸出物価は前年比で0.2%上昇し、前月比では0.4%上昇した。輸入物価は前年比で1.8%、前月比では0.5%それぞれ上昇した。

いつもながら、コンパクトによく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業物価(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。一番上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、真ん中は需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、上2つのパネルの影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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ということで、基本的に、ヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は前月の3月統計の+1.3%からほぼ横ばいの+1.2%となっています。日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは+1.1%の上昇でしたので、これとも大きな違いはありませんでした。同時に、国際商品市況における石油価格にも連動した動きと考えています。すなわち、輸入物価のうち、石油・石炭・天然ガスは円ベースの前年同月比で見て、3月の+7.3%の上昇から、4月統計では+6.4%にやや上昇幅を縮小させています。加えて、季節調整していない原系列ながら、国内物価の前月からの上昇幅+0.3%に対する寄与度で見て、ガソリンをはじめとする石油・石炭製品が+0.22%、エチレンなどの化学製品が+0.06%、などとなっており、エネルギー価格と中国をはじめとする新興国経済の減速懸念が和らいだ点を背景とした価格上昇の色彩が強いとの報道もうなずけると私は考えています。もっとも、十分な情報はありませんが、4月の新年度に入って価格改定が進んだ部分もあるんではないかと想像しています。企業物価(PPI)ではなく消費者物価(CPI)なんでしょうが、少なくとも、スーパーマーケットなどにおける商品を見ている限り、一部分ながら価格改定が進んでいるような印象を私は持っています。まあ、個人的な印象論です。ただし、ただしなんですが、引用した記事にもある通り、世界経済の減速懸念が4月時点で和らいでいたのは、あくまで米中貿易交渉の進展に対する期待でしたので、現時点では、この交渉進展は望み薄との見方もありますから、来月統計の際には逆の見方が支配的になっていても不思議ではありません。ですから、とても無責任な見方ながら、4月統計の+1%超えの国内物価上昇率は、世界経済要因か、新年度価格改定要因か、来月の統計でヒントが得られるのかもしれません。

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2019年5月15日 (水)

菅野投手から4ホームランのメッタ打ちで巨人に爆勝!!!

  RHE
阪  神320014120 13180
読  売011200310 8132

乱打戦を制して巨人に連勝でした。特に、巨人の先発菅野投手には4ホーマーを浴びせて10点を奪い、完全に打ち崩しました。ヒーローインタビューに登場した守屋投手の初勝利も目出度い限りです。ただ、阪神生え抜きの能見投手は失点しましたし、私が強く応援している鳥谷選手が三振に倒れたのは悔しい限りです。

甲子園の広島戦も、
がんばれタイガース!

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マクロミル調査による今夏のボーナスの使い道やいかに?

もうすでにかなり前のことのように思えてきますが、4月22日付けで「今夏のボーナスは増えるのか?」と題して、シンクタンク4機関のややビミョーな予想を取りまとめましたが、ゴ0ルデンウィークの10連休が終わって、マクロミル・ホノテから昨日5月14日付けで2019年夏のボーナス、支給見込みや使い道に関する調査結果が明らかにされています。まず、マクロミル・ホノテのサイトから調査結果のTOPICSを4点引用すると以下の通りです。

TOPICS
  • 2019年夏のボーナスが「支給される予定」は84%。昨年から4.9ポイント上昇
  • 夏ボーナスの見込み額は、平均466,326円。昨年より12,805円増加
  • 夏ボーナスの使い道は「預貯金」が7割でダントツ。その理由は「安心感を持つため」が最多
  • 夏のボーナスで奮発したいこと、1位は「旅行」。奮発したいと思わない人も3割

支給額などはシンクタンク予想と比べるべきではないような気もしますが、グラフを引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、上のグラフは夏のボーナスの受給予定と予想金額を結合させています。いずれも最近3年間ですが、今年2019年は支給される予定が83.7%と、昨年より4.9%ポイント上昇しており、予想金額についても昨年より+12,805円増の平均466,326円に上っています。シンクタンク予想の民間企業平均は40万円に届きませんでしたので、大盤振舞いな気がするんですが、正社員対象の調査でもあって、かなりいい結果ということなのかもしれません。

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次に、夏のボーナスで奮発したいことのグラフは上の通りです。もっとも多かったのは旅行35%で、次いで、レジャー19%、趣味18%と続き、電化製品や洋服などを購入したいという人はどちらも15%以下という結果となっています。他方、奮発してやりたいことや買いたいものはない、という回答も34%に上っています。ただ、グラフはありませんが、夏のボーナスの使い道について複数回答でたずねると、1位は預貯金が70%でダントツとなっています。その理由は、まず、安心感を持つため47%、次いで、老後の生活費として45%などが多くなっています。定年退職して、私も判るようになった気がします。

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2019年5月14日 (火)

現状判断DIが上昇した4月の景気ウオッチャーと黒字が続く経常収支!

本日、内閣府から4月の景気ウォッチャーが、また、財務省から3月の経常収支が、それぞれ公表されています。景気ウォッチャーでは季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から+0.5ポイント上昇の45.3を記録した一方で、先行き判断DIも▲0.2ポイント低下の48.4となり、また、経常収支は季節調整していない原系列の統計で+2兆8479億円の黒字を計上しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の街角景気、現状判断指数は2カ月ぶり改善 10連休に期待
内閣府が14日発表した4月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、街角の景気実感を示す現状判断指数(季節調整済み)は45.3と、前の月から0.5ポイント上昇(改善)した。改善は2カ月ぶり。10連休を控え、消費の増加に対する期待や生産を上乗せする動きが指数を押し上げた。内閣府は基調判断を「回復に弱さがみられる」に据え置いた。
企業動向関連は1.1ポイント上昇の46.0だった。調査時点では「米中貿易摩擦に対する懸念が和らいでいた」(内閣府)ことも心理を上向かせたとみられる。「連休に備えるための注文が例年以上に多い」(東北の食料品製造業)との声があった。家計動向関連は0.5ポイント上昇の44.7だった。「新元号に関連した商戦、10連休など消費が活発になるきっかけがあった」(北海道のスーパー)との声があった。
2~3カ月後を占う先行き判断指数は48.4と、前の月から0.2ポイント低下した。雇用関連が2.5ポイント低下の47.4だった。「製造業中心に求人が減少している影響がある」(内閣府)という。企業動向関連も低下し、燃料価格などコストの増加を懸念する声が目立った。内閣府は先行きの基調判断について「海外情勢等に対する懸念がみられる」とした。
3月の経常収支、2兆8479億円の黒字 57カ月連続黒字
財務省が14日発表した3月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は2兆8479億円の黒字だった。黒字は57カ月連続。QUICKがまとめた民間予測の中央値は3兆515億円の黒字だった。
貿易収支は7001億円の黒字、第1次所得収支は2兆564億円の黒字だった。
同時に発表した2018年度の経常収支は19兆4144億円の黒字だった。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がしますが、2つの統計の記事を並べるとやたらと長くなってしまいました。続いて、景気ウォッチャーのグラフは下の通りです。現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。いずれも季節調整済みの系列です。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期です。

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4月の景気ウォッチャー全体としては、引用した記事にもある通り、足元から目先についてはゴールデンウィークの10連休に期待して現状判断DIは上向くも、さらに2~3か月先の動向については米中貿易摩擦などからやや不透明感が残って先行き判断DIは下向き、といったところでしょうか。ということで、4月の景気ウォッチャーの現状判断DIを前月差で少し詳しく見ると、3項目のコンポーネントのうち、第1の家計動向関連は住宅関連を除いておおむね前月から上向いており、家計全体で+0.5の上昇を示し、第2の企業動向関連でも製造業がけん引して+1.1の上向きとなっていますが、第3の雇用動向関連が▲0.6とマイナスを示しています。これは、先行き判断DIについても同じ傾向が見受けられ、雇用動向関連が前月差でもっとも大きなマイナスをつけています。世間一般では、雇用はまだまだ堅調であり、人手不足が続いていると考えられていますが、引用した記事と違って、私が景気判断理由集を見る限り、南関東の民間職業紹介機関から「一部の電機、部品メーカーから採用抑制の意向が出てきている。携帯電話の販売状況や米中貿易摩擦の影響が出ており、これまでの採用計画を抑える状況にある。」とか、東海の民間職業紹介機関からも「大手メーカーの一部で中途採用の求人がストップし始めている。」といった見方が出始めています。例の米中間の貿易摩擦に伴う両国の関税率引き上げについては、我が国の実体経済に対して製造業などに影響を及ぼすのはまだまだ先だろうと考えるべきなんですが、米中貿易摩擦が企業マインドを通じて、先行きの不透明感や悲観的な見通しから雇用にマイナスのインパクトを及ぼしているように見えます。消費者者マインドだけでなく、企業マインドも米中貿易摩擦で悪化する可能性がありますし、そうであれば、雇用よりも設備投資への影響も出る懸念があります。もちろん、貿易摩擦だけでなく、実体経済に関して、昨日公表された景気動向指数の「悪化」への基調判断修正も、消費者マインドだけでなく、企業マインドにも否定的な影響を及ぼすのは明らかです。

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続いて、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいているため、少し印象が異なるかもしれません。月次の季節調整済の系列で見て、安定的に1~2兆円の黒字を計上してます。2018年度の統計が利用可能となり、したがって、年度の経常収支が+19兆4144億円の黒字を記録しています。前年度から▲2兆7,605億円の黒字縮小となり、特に、貿易収支が2018年度は+7,068億円と▲3兆8,328億円の大幅な黒字縮小となっています。基本は、国際商品市況における石油価格の上昇ですから、この2018年度の貿易黒字縮小は我が国産業の国際競争力に起因するものではない、と私は受け止めています。また、2018年度経常黒字+14兆円余りの中で、第一次所得収支が+21兆652億円に上っており、さらにそのうちの約+20兆円ほどは直接投資の収益で、かつて大きかった証券投資の収益は+7兆円弱に過ぎません。いずれにせよ、海外投資による収益の黒字が、財サービスの輸出入に基づく貿易黒字よりもはるかに大きくなっています。

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2019年5月13日 (月)

基調判断が「悪化」に引き下げられた3月統計の景気動向指数をどう見るか?

本日、内閣府から3月の景気動向指数が公表されています。今年に入って1月統計でCI一致指数が大きく下降して、基調判断が「事後的に判定される景気の谷が、それ以前の数か月にあった可能性が高い」とされる「下方への局面変化」に下方修正されて注目が集まっていたところ、CI先行指数は前月差▲0.9ポイント下降して96.3を、CI一致指数も▲0.9ポイント下降して99.6を、それぞれ記録し、基調判断は「下方への局面変化」から「悪化」に下方修正されています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

3月の景気動向指数、判断「悪化」に 6年2カ月ぶり
内閣府は13日、3月の景気動向指数(CI、2015年=100)速報値を発表した。景気の現状を示す一致指数は99.6と前月より0.9ポイント下がった。指数の推移から機械的に決まる基調判断は下方修正され、2013年1月以来6年2カ月ぶりに「悪化」となった。この表現は景気が後退局面にある可能性が高いことを示す。
政府は5月中にまとめる月例経済報告で公式の景気認識を示す。これまで「回復」としてきた表現を修正するかどうかが焦点になる
一致指数が低下したのは、中国経済の減速で中国向けの輸出が落ち込んだ影響が大きい。特にアジア向けの半導体製造装置の出荷などが低迷した。
内閣府が指数に基づく機械的な景気判断を示すようになったのは08年4月以降。指数の動きに照らして「改善」などの基調判断を示す。近年は16年10月から18年8月まで23カ月連続で「改善」だった。18年9~12月は「足踏み」、19年1~2月は「下方への局面変化」となっていた。
過去に判断が「悪化」となった局面は08年6月~09年4月、12年10~13年1月の2回ある。いずれも専門家が事後的に判定した景気後退期と重なる期間が多い。
ただ一致指数以外にも景気の状況を示す指標はある。例えば雇用情勢は依然として堅調との見方が多い。内閣府の担当者は「政府としての正式な景気判断は月例経済報告で行う」と説明した。政府は参院選や消費増税を控える今後の政治日程も念頭に、慎重に経済情勢を見極める。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。でも、景気局面がビミョーな時期に入りましたので、かなり熱心に取材したのかインタビュー結果も多く、通常の月に比べてとても長い記事になっています。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

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ということで、引用した記事にもある通り、3月のCI一致指数に基づく景気の基調判断は「悪化」に下方修正されています。内閣府の「CI の『基調判断』について」に従えば、先月までの「局面変化」は、「事後的に判定される景気の山・谷が、それ以前の数か月にあった可能性が高いことを示す。」と定義され、基準は「7ヶ月後方移動平均の符号が変化し、1ヶ月、2ヶ月、または3ヶ月の累積で1標準偏差分以上逆方向に振れた場合。」とされています。他方で、「悪化」については、「景気後退の可能性が高いことを示す。」と定義され、基準としては「原則として3ヶ月以上連続して、3ヶ月後方移動平均が下降した場合。」に適用されることとされています。そもそも、景気判断は景気動向指数のCI一致指数だけで決まるのではなく、総合的に判断されるものですし、中でも、統計的には景気動向指数よりもヒストリカルDIの方が重視されます。
本日公表の3月統計では、投資財出荷指数(除輸送機械)、耐久消費財出荷指数、生産指数(鉱工業)、有効求人倍率(除学卒)、商業販売額(卸売業)(前年同月比)などのマイナス寄与が目立っています。引用した記事には雇用はまだ「堅調」との評価が見られますが、有効求人倍率がマイナス寄与しているのも事実です。また、単月統計ではあるものの、やっぱり、消費者向けの需要が弱い気もします。いずれにせよ、先週木曜日5月9日付けで消費者態度指数を取り上げた際にも言及しましたが、実体経済の景気動向指数とマインドが相乗効果をもって低下する可能性は否定できません。他方で、10月からの消費税率引き上げ前には何らかの規模での駆け込み需要が発生することも予想され、決してサステイナブルではないながらも、一時的な需要の高まりは発生します。やや景気動向は複雑になってきたようです。

最後に、私の方で簡単に取りまとめた「CIによる景気の基調判断」の基準のテーブルを以下に記しておきます。あくまで私自身のメモですので、正確には内閣府の資料をご参照ください。

基調判断定義基準
① 改善景気拡張の可能性が高いことを示す。原則として3か月以上連続して、3か月後方移動平均が上昇した場合。
② 足踏み景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高いことを示す。3か月後方移動平均の符号が変化し、1か月、2か月、または3か月の累積で1標準偏差分以上逆方向に振れた場合。
③ 局面変化事後的に判定される景気の山・谷が、それ以前の数か月にあった可能性が高いことを示す。7か月後方移動平均の符号が変化し、1か月、2か月、または3か月の累積で1標準偏差分以上逆方向に振れた場合。
④ 悪化景気後退の可能性が高いことを示す。原則として3か月以上連続して、3か月後方移動平均が下降した場合。
⑤ 下げ止まり景気後退の動きが下げ止まっている可能性が高いことを示す。3か月後方移動平均の符号が変化し、1か月、2か月、または3か月の累積で1標準偏差分以上逆方向に振れた場合。

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