仏教徒から見たキリスト教のハロウィーンとイスラム教のラマダーン
最初にお断りしておきますが、私は仏教徒です。親鸞聖人がお始めになった浄土真宗を信じています。浄土真宗は一向宗とも言い、信者は門徒と称します。ですから、人が亡くなることは死去とか逝去とか言わずに、「往生」と言います。
それはさておき、今日はキリスト教的に言えばハロウィーンです。ご存じの方も多いでしょうが、11月1日の諸聖人の日 All Saints' day の前夜祭です。All Saints' day は日本では「万聖節」と呼ばれたりもしますが、とっても日本的な訳なので、私は直訳した方がいいと思っています。また、All Saints' day は All Hallows とか Hallowmas とも呼ばれ、ハロウィーン Halloween とは Hallowmas Eve がなまったものだと言われています。「イブ」が付くのはクリスマスと同じです。
我が家も海外生活をしていましたので、10月31日のハロウィーンは子供達が大いに楽しみました。たしかに、米国ではパレードや仮装大会があったり、日本では東京ディズニーリゾートやUSJのイベントを思い浮かべますが、身近には、子供達が "Trick or Treat" と言いながら、お菓子を求めてご近所さんを訪ねて歩くのです。
仏教徒から見ても、かわいくて楽しい子供達のちょっとしたイベントであり、宗教色もとても薄くて、日本でクリスマスほど定着しないのは、お菓子業界の怠慢であるとしか思えません。チョコレート業界がバレンタインに注いでいるエネルギーと比べて、お菓子業界のハロウィーンを宣伝する努力が格段に落ちるのだと思います。
しかし、それにしても、我が家がハロウィーンを楽しんでいたのはジャカルタにいた時のことです。仏教徒の日本人がイスラム教国のインドネシアでキリスト教のハロウィーンを楽しむのは、とても違和感があります。
そこで、イスラム教のラマダーンの話題に転じます。今現在、イスラム教徒はラマダーンにあるからです。ラマダーンは、本来は、イスラム暦(ヒジュラ暦)の9月を意味します。イスラム暦は太陰暦で、今年は1426-27年に当たります。今年のラマダーンは太陽暦の10月5日に始まり、11月3日に終わる予定です。もっとも、これはサウジアラビアのカレンダーであって、太陰暦で定められるイスラム暦は月の見え方によって、国により微妙に違いがあります。インドネシアでは宗教省がラマダーンの開始・終了の日付を決めていました。
太陽暦のキリスト教と異なり、太陰暦のイスラム教では太陽暦表示のラマダーンは毎年移動します。我が家がジャカルタに赴任した2000年のラマダーンは11月終わりから始まり、クリスマスに終わりました。2001年、2002年もラマダーン明けは12月の中旬と上旬でした。1年に10日くらいずつラマダーンが早くなるのです。
言うまでもなく、ラマダーンは断食月であり、太陽がある昼間は食べ物や飲み物などを摂ることをことが禁じられています。宗教的な戒律の厳しさにもよるのですが、タバコはもちろん、唾を飲み込むことも差し控える場合があります。
仏教徒の私からは、ラマダーンで断食しているイスラム教徒はとても非合理的と映り、また、かわいそうに見えました。もっとも、だからこそ精神鍛錬に役立つと言われると、そうかもしれないとも思います。しかし、ハロウィーンと違って、とてつもなく宗教色が濃厚で、どんな産業界が宣伝したところで、日本に定着どころか、マネゴトをする人が現れるとすらとても思えません。
振り返って見て、今日の日本は、何と言っても内閣改造がメーンイベントでした。
昨年は、私は、9月下旬の内閣改造でとても大きなダメージを受けましたので、思うところがいっぱいあり、明日にでも改めて感想を書きます。
合掌
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