公務員志望者のモラルが低いようなので心配です
自慢になってしまうんですが、私はキャリアの国家公務員です。20年余り前に国家公務員経済職上級甲(今はI種と呼ばれているようですが、私のころはこう呼びました)の試験に合格して、昔は経済官庁だった役所に就職しました。蛇足ながら、2001年の中央省庁統合により、この役所は今では経済官庁とはとても思えなくなってしまいました。
それから、これはもっと自慢になるんですが、単に試験に合格しただけでなく、数年前には人事院に併任されて、I種経済職の試験委員もして、大学の先生たちとともに試験問題を作成したことがあります。そろそろ本省で係長さんになるくらいの人たちが私の作成した試験に合格したんだと思うと、今さらながら、それなりの責任感と満足感に浸ったりしています。
そんな関係で、公務員試験に関しては、少々無茶なことを言っても許される気になっています。
と言うことで、ここから本題です。
先日、私が公務員試験の試験委員をやったことがあることを知っている友人からメールが来て、公務員試験に関するブログが割とたくさんあり、公務員志望者が書いているブログも結構あると聞き、いくつかURLを教えてもらったので拝見しました。でも、正直言って、とてもガッカリしました。
私が拝見したサンプルは限られていますから、バイアスがかかっているのかもしれませんが、何だか、試験合格のテクニックばかりで、公務に対する情熱のようなものが感じられないブログがいっぱいあったからです。
言うまでもなく、公務員とは全体の奉仕者であって、国民(あるいは場合によっては、県民や市民など)に奉仕するパブリックの精神にあふれた人に公務員を目指して欲しいのですが、一部のブログを見る限りは、とてもそうは思えないのです。単に、「安定した就職先で、そこそこ給料もよくて、仕事がラクそう」としか考えていないような公務員試験合格者、あるいは、公務員志望者が書いているのではないかと疑いたくなるブログばっかりでした。
今日のランチで笑い話をしていたのですが、地域商店街の活性化なんて話題になると、市役所や県庁の公務員よりも地方銀行の支店の融資担当者の方がよっぽど熱心だったりする場合があるそうです。ホントかウソか知りませんが、そうなると、市役所や県庁の公務員よりも地方銀行の会社員の方がよっぽどパブリックな精神を持っている訳で、笑い話でありながら、とても笑えません。
と言うことで、昨日の私のブログを修正します。
ひょっとしたら、県庁や市役所などよりもプロ野球球団やテレビ放送局の方が、よっぽど大量の公共財を提供してくれている可能性があります。特に、その可能性が高いのはまじめなNPOだろうと思い始めています。ですから、パブリックの精神にあふれた人は公務員よりもNPO職員を目指しているのかもしれません。これが単なるゲスの勘繰りであって、私が間違っていてくれればいいと願うばかりです。
しかし、もし仮にそうでないとすれば、パブリックの精神を持ち合わせない、また、ろくすっぽ公共財を提供してくれない公務員なんてムダ以外の何者でもありません。ですから、そのようなムダな公務員がいっぱいいるのであれば、私は経済財政諮問会議などで検討されている公務員削減を強く支持します。同時に、国だけでなく、地方公共団体の地方公務員も大幅に削減されるべきだと思います。
公務員志望者や合格者の方々の公務に対する熱い情熱や、大いなるパブリックの精神をつづっているブログを、誰か教えてくれませんか?
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