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2005年11月16日 (水)

勉強熱心なフリーターは公務員試験に合格するか?

10月14日のブログにも書きましたが、私はキャリアの公務員で、国家公務員I種試験の試験委員をした経験もあります。公務員試験に関連して、昨日のブログの最後のに触発されて、メールをくれた友人があり、フリーターが公務員試験を目指してブログを開設している人が結構多い、と教えてくれました。適当にヒマがあるので、勉強熱心なフリーターが合格する確率は決して低くないように思います。大いにエールを送りたいと思います。

フリーターはともかく、特定の集団でI種の国家公務員試験に合格するグループと言えば東大生です。特に、東京大学法学部です。
よく、国家公務員の仕事は何かと聞かれますが、それは、東京大学に限らず、なぜ法学部出身者が多いのか、という質問に対する答と同じで、国家公務員は法律の案を作成しているからです。どうして案かというと、法律を策定するのは国会の権能であり、行政府の政府は法案を提出する権能しか持たないからです。日本は法治国家ですので、法令は国家運営のもっとも基本となるものです。ですから、ついでながら、私のような経済学部出身のエコノミストはキャリアの国家公務員の中では傍流と見なされます。

話を戻しますと、私が国家公務員試験の試験委員をしていた時には、東京大学出身者が多いことが問題視されており、これを是正すべきだと言われていました。私は試験委員の立場から、そんなことは試験作成の段階で何とかなるものではないし、そもそも私自身が東京大学の卒業生ではないのでよく分からないし、で、東大生の合格比率を操作することは放棄していました。
ついでながら、最近、国家公務員I種の官庁への採用者数が発表されましたが、女性の割合が2割を超えているそうです。私が試験委員をしていた時にも、女性合格者の比率を上げることが課題の一つとされていましたが、これは、ひょっとしたら東大生の合格比率を操作するよりも難しそうな気がします。

すでに退官者が出始めているので時効になりつつあるかもしれませんが、公務員の採用で特徴的なのは1974年の入省者が突出して多いことです。この前年の1973年は第1次石油危機があり、民間企業の採用では内定取消しが発生したために、公務員の方で採用を確保したと言われていますが、実はこれにはウラがあります。1973年入省の人数がとても少ないので、その穴埋めに1974年入省者が多いのです。1973年採用が少ないのは、その4年前の1969年に70年安保に関連して東大紛争があり、安田講堂の火災などの影響により東大入試が中止になり、1969年の東大入学者がゼロだったためにその4年後の1973年の東大卒業生が極端に少なかったためで、中央官庁のキャリア入省者がこの1973年にガタ減りしたのです。
私がまだ大学生にもなっていない大昔の話を伝聞で聞いただけですので、どこまでホントかウソか、定かではありませんが、真実であるとすれば、公務員試験の合格者から東大生の比率を減らそうとする努力にも一定の理解を示すべきかもしれません。

フリーターの公務員試験合格から話が始まって、結局、東大生の合格比率で終わってしまい、申し訳ありませんでした。

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