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2005年12月21日 (水)

年末年始休みに考える吉岡のなぞなぞ3題

なぞなぞです。
我が同期を代表する優秀なエコノミストを含めて、何人かにお聞きしているお題を3題、ここに示します。アカデミックなペーパーでは取り上げていないような実践的な経済政策運営上のなぞなぞです。私自身も年末年始休みにでもじっくり考えてみようと思っています。
まさか、そんな人はいないと思いますが、言い出しっぺが私であることを明記していただければ、転送・転載も歓迎します。

(1) 金融政策の波及ラグの対称性
金融政策でコールレートを引き上げた場合と引き下げた場合で、景気や実体経済(GDPギャップに限定して差し支えないでしょう)に及ぼす影響について、波及ラグは対称的でしょうか、非対称的でしょうか?
直感的にはコールレートを引き上げる引締めの場合の方がラグが短くて、引き下げる緩和の場合の方がラグが長いように思われるのですが、正しいでしょうか?
私が大学で経済学を勉強していたその昔には、金融政策は糸のようなものであって、引っ張るのは有効、つまり、経済を引き締める場合には効果は大きいが、押すのは有効ではない、つまり、経済拡大効果は小さい、と言われていましたが、政策効果の波及ラグも同じことが言えるのでしょうか?
さらに言えば、通常のモデル(計量モデルに限らず、エコノミストが分析対象とするモデル)では引締めと拡大は、ラグも効果の大きさもシンメトリーに組んでいる場合が多いのですが、これをアシンメトリーに組むようなモデルは可能なのでしょうか?

(2) ゼロ金利解除に伴うイールドカーブの傾きの変化
日銀がゼロ金利を解除してプラスのコールレートがつけられた場合、イールドカーブは現状よりスティープになるでしょうか、フラットになるでしょうか?あるいは、その条件は何でしょうか?
現時点で、日米のイールドカーブを見ると、相対的に日本がスティープで、米国がフラットとなっています。他方、先日のブログでお示しした内閣府のモデルのシミュレーション結果では、短期金利1%ポイントの引上げで長期金利は0.5-0.6%くらい上昇する結果となっており、イールドカーブはコールレート引上げでフラット化することが示唆されています。この2点を考慮すると、日銀がゼロ金利を解除し、コールレートがプラスになったとすれば、日本のイールドカーブは米国並みとは言わないまでも、フラット化することが予想されます。即ち、コールレートを引き上げても、実体経済(先ほどと同じく、GDPギャップ)により大きな影響を及ぼすと考えられる長期金利への波及の度合いは、短期金利よりも相対的に少ないとも予想されますが、これで正しいでしょうか?また、よりフラットになるとすればそのための条件、逆に、よりスティープになるとすればその場合の条件は何でしょうか?

(3) 単位労働コストとGDPデフレータの関係
日本経団連が来春の賃上げに前向きな態度を示している中、単位労働コスト(ユニット・レイバー・コスト)とGDPデフレータの関係はどのように考えるべきでしょうか?
GDPデフレータを所得面から分解すると、単位労働コスト、単位利益コスト(別の言い方があるかもしれません?謎)、資本減耗、間接税と補助金の差額、の4つのコンポーネントから成っていると考えられます。賃上げにより単位労働コストが上昇するかどうかは労働生産性との関係もありますが、それをひとまず置いておくとして、この分解からすると、単位労働コストが上昇すればデフレータは無条件に上昇することになります。他方で需要面を見ると、単位労働コストの上昇は個人消費の拡大要因であるとともに企業収益の悪化から設備投資の圧迫要因ともなりえます。結局、自律的な(?)賃金引上げショックはGDPデフレータにどのような影響を与えるでしょうか?
直感的には、賃金引上げは直接的にGDPデフレータの引上げ要因となるとともに、間接的にGDPギャップの縮小・マイナス要因ともなりえることから、そうだとすればデフレータの引下げ要因となりますが、どちらがよりドミナントで、結果的に、GDPデフレータにどのような影響を及ぼすのでしょうか?
たぶん、このなぞなぞの正解は、マネーがいかに賃上げあるいは単位労働コストの上昇をアコモデートする形で供給されるかによる、というものですが、それでは面白くも何ともないので、金融政策はコールレートをターゲットとして、賃金や単位労働コストには中立的に運営されると仮定します。

私もじっくりと考えてみたいと思います。

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