年越しのカウントダウン
今日の朝のNHKおはよう日本で海ほたるでの年越しのカウントダウンについてのニュースがありました。私の京大の同じゼミの同級生がNHKに就職して、今、おはよう日本を担当していますので、我が家でも子供達が大きくなってきたこともあり、朝見るのはお子さま番組から、少しずつニュース番組にシフトしています。海ほたるでは、大晦日から元旦に向けてカウントダウンするのだそうです。また、海ほたるに限らず、大阪のUSJやディズニーリゾートなどでも、大晦日から元旦にかけてのカウントダウン・イベントが開催されるようです。もちろん、我が家は小学生の子供をかかえていますので、このような深夜のイベントには参加できません。
カウントダウンで思い出すのは、やっぱり、チリにいた時です。
在チリ大使館に勤務していた時は独身でしたので、まとまったお休みが取れる場合、日本人仲間でリゾートなどに行くことが多かったです。チリではさすがに私のような独身者は少なかったですが、単身赴任の駐在員はいっぱいいました。そのような独身者・単身赴任者が4人集まって、近場なら誰かの自動車で、遠いところなら飛行機で、珍道中を繰り広げます。特に、年末年始は日本人しかまとまった休暇を取らず、チリ・ローカルのオフィスは営業していましたので、現地に駐在する日本人にとっては混んでもいないので、とても重宝な休暇シーズンでした。チリは南半球ですから日本とは季節が逆で、年末年始は日本では6月終わりから7月初めころの夏の気候に当たります。もちろん、梅雨はなく、梅雨どころか、地中海性の気候ですので、夏はまったく雨は降りません。カンカン照りながら、とても乾燥した天気が続きます。日中は陽射しがあるので30度を超えますが、夜になるとアッという間に気温が下がり、最低気温は15度くらいまで下がります。ほとんど砂漠の気候でした。
なお、どうでもいいことですが、どうして4人で出かけるかというと、自動車に同乗するのにちょうどいいサイズであるとともに、昼はゴルフ、夜はマージャンとなるからです。ジャンケンで犠牲者を決めて、ホテルの一室をマージャン部屋にします。チリではブリッジなどのカードゲームやチェスが盛んでしたので、ホテルで簡単にゲーム用のテーブルを借りることが出来ました。
チリはラテンの国ですので夕食がとても遅いです。早くて9時ころから、普通で10時か11時ころから食べ始めます。ですから、大晦日も10時か11時ころから食べ始めて、ダラダラと食べていると12時になります。大晦日ですからいろんなテレビ局やラジオ局が新年のカウントダウンを始めるのですが、レストランに持ち込めるのはラジオくらいです。しかし、なぜか、ラジオ局によって微妙に時刻が違います。こちらのテーブルではあと20秒くらいなのですが、別のテーブルでは「新年おめでとう」とばかりに騒ぎ出す人たちもいます。
そうなんです。私が外交官として駐在していた10年以上も前には、チリではラジオ局やテレビ局によって時刻がマチマチで、チリ標準時というか、統一的な時刻がなかったんです。
年末年始のカウントダウンから話はそれますが、チリではテレビの放送開始時刻が朝の10時くらいと遅く、私が赴任した1991年3月の時点では、朝食時にテレビ放映をしている局は1局だけでした。選択の余地がないので、私はそのテレビ局の番組を見ながら出勤の支度をしていました。その後、10月に新しいテレビ局が開局して、ここも朝早くからの放送を始めました。朝食時に見られるテレビが2局になったわけです。朝の支度をしている時にはテレビの時刻表示は重宝しますので、私は毎朝テレビをつけていました。
どちらの局も時刻を秒単位で流していました。時間に厳しい日本でも朝のテレビで秒単位の時刻を表示することは余りないのに、とても時間にルーズなラテンのチリでこんなに精密に時刻を表示するとはと、びっくりしたりしていましたが、2つのテレビで表示される時刻が違うんです。それも、常に同じ時間差を保っているわけではなく、ある日は2つのテレビ局でほんの2-3秒しか違っていなかったのが、次の日には2分近くも違っていたりします。2つのテレビ局が時刻を表示するようになって、初めてこの差が明瞭に認識されるようになった訳です。
さらに不思議なのは、このようにテレビ局の時刻表示が微妙に違っていても、誰も気にしないことです。実は、チリでのホントに正しい気象情報は軍事機密扱いで、一般に報道される天気予報は微妙に操作されているとのうわさがありましたが、ひょっとしたら、正しい時刻についても軍事機密だったのかもしれません。
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