« 再び子供の安全を守る | トップページ | 午前中の片付けの後、午後からはゲーム喫茶で遊ぶ »

2006年2月17日 (金)

2005年10-12月期の四半期別国内総生産統計の発表に見るデフレの現況

今日、内閣府から昨年2005年10-12月期の四半期別国内総生産の統計が発表されました。
前期比で1.4%成長、年率で5.5%成長でした。また、2005年暦年の実質成長率は2.8%でした。ただし、デフレータは引き続きマイナスを続けています。
早くも横道にそれるのですが、この四半期別国内総生産の統計はエコノミストの間ではQE(キューイー)と呼ばれています。なにを省略したものかについては諸説があり、Quick Estimationであるとか、Quarterly Estimationであるとか、いわれています。口の悪い人は精度が悪いことを取り上げて、Quick Errorともいいます。

さて、本題に戻ると、高成長を記録した要因は雇用者所得の伸びに支えられた個人消費の増加と円安を背景とする輸出の増加です。
夏のボーナスに続いて、冬もボーナスは好調で、雇用者所得がかなり伸びました。さらに、有効求人倍率の上昇に見られるように雇用情勢が好転し、消費者マインドも上向いています。これに加えて、今年の冬がとても寒かったため、衣料などの売上も増加しました。さらに、株式相場の上昇により資産効果も出始めているのではないかと考えられます。このため、個人消費は7-9月期の0.4%増から10-12月期には0.8%増に伸びを高めました。
民間住宅投資も1.9%増と伸びています。団塊ジュニアのマンション購入と都心での賃貸住宅の増加といわれていますが、耐震偽装問題から今年に入ってマンションの売上がやや伸び悩んでいるともいわれており、今後の動きは予断を許しません。
民間設備投資は2005年に入って増加を続けており、1-3月期3.9%、4-6月期2.4%、7-9月期1.8%、10-12月期1.7%と伸び率は鈍化していますが、引き続き高い伸びになっています。円安による輸出の伸びとデフレ予想の後退による先行き見通しの改善が主因です。マイナスを続けていて、10-12月期にはデフレータのマイナス幅が拡大したものの、方向としてはデフレータがじわじわとマイナス幅を小さくなる方向にあり、実質金利と資本コストが低下してきています。
政府消費と政府投資を合わせると、ほぼニュートラルな政策運営がなされているように見受けられます。
輸出入については円安から輸出が増加し、輸入が減少したため、外需が実質成長率をかなり押し上げる要因となっています。特に、輸出は円安に加えて、米国や中国の経済が好調を持続しており、実質輸出は2桁増となっています。輸入については円安と原油高から価格効果により減少したのではないかと考えられます。

マーケットは発表が予想通りだったので、ほとんど、反応らしい反応を見せませんでした。これだけの成長率になったにもかかわらず、東証の日経平均は330円ほど下げました。

トピックとしてはデフレータの動きが上げられます。成長率は7-9月期0.3%成長よりも10-12月期1.4%と大きく上向いているのですが、なぜかデフレータは-1.3%から-1.6%と下落幅を拡大しています。
2月2日のブログにも書きましたように、デフレが続いているかどうかは定義の問題に帰着すると思うのですが、GDPベースのデフレギャップは今日の10-12月期の成長率を見る限り、完全に解消したと考えられます。成長率が上昇して、デフレギャップが解消したにもかかわらず、GDPデフレータが下げ幅を拡大しているのは、一見するとパズルのように見えます。
これに対して、原油高などの輸入物価の上昇が大きかったからであると説明されています。すなわち、国内総生産(GDP)の控除項目である輸入において大幅なデフレータの上昇があれば、逆に、輸入を控除した国内総生産ではデフレータが下がるように見えるからです。しかし、私はこれに対してやや疑問を持ちます。つまり、輸出入を除いた国内需要でもデフレータが下落幅を拡大しており、もっといえば、個人消費も民間設備投資も0.1ポイントながらデフレータが下げ幅を大きくしているからです。
これは基本的にはヘドニック・アプローチを取っているからであろうと考えられます。ヘドニック・アプローチとは、品質を考慮した価格を考えることです。例えば、性能を高めたパソコンが性能の低い旧来型のと同じ価格で売られていれば、性能を調整した価格が下がっていると考えるわけです。設備投資にはこの影響がかなり出ることは理解できますが、個人消費においてもデフレータの下げ幅を拡大しているのは少し理解に苦しみます。
ですから、これはパズルです。

繰り返しになりますが、デフレギャップは完全に解消したと考えられますが、何かよく分からないながらも、「物価の持続的な下落」と定義したデフレを脱却するには、いま少し時間が必要になるような気がします。もう一度明確な形でお断りしておきますが、私の直感的な印象です。竹中大臣の「デフレはしつこく続いている」とのコメントが正しいのかもしれません。

|

« 再び子供の安全を守る | トップページ | 午前中の片付けの後、午後からはゲーム喫茶で遊ぶ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/207184/38493494

この記事へのトラックバック一覧です: 2005年10-12月期の四半期別国内総生産統計の発表に見るデフレの現況:

« 再び子供の安全を守る | トップページ | 午前中の片付けの後、午後からはゲーム喫茶で遊ぶ »