象徴について考える
昨日電話で連絡があって、今日の昼休みに修理を終えた結婚指輪を引き取ってきました。何だか、新品みたいにきれいになって、修理の最大の眼目であったサイズもちゃんと調整されて戻ってきました。
結婚指輪を修理に出してから、左手の薬指に少し違和感がありましたが、もちろん、それも解消しました。最近では、結婚指輪代わりには何もしていませんでしたから、ちゃんと指輪が戻ってきて助かりました。
結婚指輪は、もちろん、結婚の単なる象徴であり、夫婦間の愛情の深さを正確に反映しているわけではありません。結婚指輪をしている人は、していない人より特に夫婦の愛情が深いか、といわれれば、必ずしもそうとはいえないように思います。特に、男性の場合は結婚数年で指輪を外してしまう人が少なくないのも事実です。私くらいの年齢になると、結婚指輪を外していても、周囲の人々は特段の違和感を持たないでしょうし、ましてや、倫理的にいかがわしい目で見られることもありえません。職場や地域によっては結婚指輪をしている中年男性の方がめずらしい場合すらあるかもしれません。
しかし、そうはいっても象徴は象徴ですから、まったく意味がないわけでもありません。結婚指輪をしていることを周囲にアピールし、さらに、本人には、少なくとも、自分が結婚しているんだという自覚はより強くなるような気がします。このような人生でも重要なことを忘れるとはとても思えませんが。
ついでに、自覚を強めるという意味では社員章なんぞを背広につけるのもそうなんでしょう。私も会社の社員章について熟知しているわけではありませんが、三菱や住友くらい有名なら見れば分かります。ちなみに、役所でもシンボルマークやロゴのようなものを取り入れりるところも多くなってきており、私が8月まで在籍していた親元の出身省庁も、ほとんど知名度がなくて全く市民権をえていないシロモノでしたが、シンボルマークがありました。名刺に刷り込んだりしていたものです。しかし、出向している現在の役所ではそういったものはありません。もっとも、私が知らないだけかもしれませんが、少なくとも周囲の同僚で名刺にシンボルマークを入れている人はいないような気がします。
そこで、いよいよ本命の象徴ご一家についてです。ブログのタイトルを見て、どうしてなかなか出てこないんだろうとお考えの向きもあったかもしれませんが、いよいよ本論です。
昨日、秋篠宮妃殿下の紀子さまのご懐妊が宮内庁より発表されました。男のお子さまであれば皇室典範改正案はどうなるんだ、といつもの政府批判が出ています。今日の国会答弁で、小泉総理も軌道修正したように受け取る向きもあります。皇室典範改正案についての私の基本的な立場は少し前のブログにも書きました。エコノミストとして、ひたすら、もめないようにコトを運んでいただきたいと思うだけです。
しかし、エコノミストだから象徴ご一家については、何ら関係ないとも言い切れない可能性があります。例えば、昨日のご懐妊の発表とともにピジョンや和光堂などのベビー用品に関係する企業の株価が上昇したりしています。もしも、9月に男のお子さまがお生まれになったりすると、昨年の黒田さんと紀宮さまとのご結婚よりもさらに盛り上がって、一昔前の言葉で言えば「フィーバー」するかもしれません。象徴ご一家にとって、男のお子さまがお生まれになるのは40年振りだそうですから、エネルギーが溜まっている可能性は十分あります。そうはいっても、「フィーバー」する可能性はとても低いでしょう。ちなみに、我が阪神タイガースが1985年に21年ぶりのセリーグ優勝、日本一になった時には、それまで溜まりに溜まっていたエネルギーが一気に解放されて、たいへんな騒ぎになったことを覚えています。無視し得ない経済効果もあったような気がします。もっとも、蛇足ながら、阪神優勝がバブルの引き金になったと考えるエコノミストは誰もいません。さらに蛇足を続ければ、さすがにそうはいっても、象徴ご一家のお子さまの動向よりも、日銀の動向、すなわち、量的緩和の解除とか、ゼロ金利の解除の方が日本経済に与える影響は大きいに決まっています。
本当に、象徴ご一家に男の子がお生まれになると、どうなるんでしょうか。エコノミストとしてキャリアを積み上げてきただけに、こういった関係の知見が不足しているのを恥じるばかりです。
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