小学生に必要とされる基礎学力は何か?
毎度おなじみ、朝日新聞の夕刊からの話題なんですが、今日は教育に関する話題が2点ありました。ひとつは、東京都区部で国立や私立の小学校、要するに、区立以外の小学校に通わせる比率が朝日新聞の独自調査で明らかになり、渋谷区なんかは国立・私立の小学校への進学比率が24%に上るというもので、もうひとつは三笠宮寛仁親王殿下の長女彬子さまがオックスフォード大学マートン・カレッジへの留学期間を延長して、修士課程から博士課程に進まれる、というものです。
後者については、世間一般の高学歴化に宮様も対応されたということなんでしょうが、前者の国立・私立の小学校への進学比率がとても高いのには驚きました。渋谷区の24%というのは、要するに、4人に1人ということで、これはとても高い比率だと思います。というのは、大手総合商社のガバナンスやCSRを担当している部長さんから聞いたことがあるんですが、最近では、東証に上場している企業の株主構成が、大雑把に、金融機関、事業会社、外国人、個人投資家で25%ずつくらいになっていて、この1/4の比率に達するとゲームのルールが変更される場合がある、とのことでした。その時に聞いた例えがいいか悪いか分からないんですが、4人で麻雀をしている時に、1人が外国人となり、もう1人が個人投資家となると、株式持合いのころから明らかに株主対応のルールが変化したといっていました。大学時代の哲学の講義でヘーゲルの弁証法というのがあり、量的変化が質的変化に転化する、というのがあったんですが、この質的変化に転化するカタストロフィックなポイントは1/4、25%くらいだそうです。もっとも、私は今年1月26日のブログでも表明した通り、確率的なズレを伴いつつ微分方程式に沿った連続的な変化で歴史は進んでいると考えていますので、ヘーゲル弁証法で考えるようなカタストロフィックで質的な変化は想定していないんですが、まあ、それにしても、25%の比率に達すれば微分方程式の傾きである偏微分係数がかなり大きくなる可能性は十分に理解できます。
国立・私立の小学校への進学比率は渋谷区以外では、我が港区と文京区で高くて15%以上、それに次ぐのが千代田区、目黒区、世田谷区で、逆に、低いのが東部の区のようです。朝日新聞のサイトにある地図を見れば一目瞭然です。朝日新聞の記事にはないんですが、文京区が地図上で非連続的に高いのは筑波大学付属小学校がある影響ではないかと思われます。我が港区が高いのは、これも記事には分析がないんですが、慶応義塾幼稚舎があるからかもしれません。朝日新聞の記事は基礎的な事実関係だけを報道していて、その分析は示していないので、少し物足りない気がします。
私自身は京都府宇治市の市立のすぐ近くの小学校に通っていましたし、我が家の子供達もすぐ近くの区立の小学校に通わせています。そもそも、上のおにいちゃんが小学校に上がるころに我が家はジャカルタ在住でしたから、選択肢もなく、日本人学校に入れて、日本に帰ってきた時には小学1年生の途中でしたから、お受験の何のは通過してしまった後でした。下の子は、当然のように、おにいちゃんと同じ小学校に通わせています。
こういった事情で、我が家にはお受験はそもそも無理だったんですが、今の小学校にはとても満足しています。元来、私は小学生の基礎学力は古くからの読み書き算盤であると考えているからです。計算能力については、全国的に百マス計算がはやったりしていますが、中学に上がって算数が数学になって、実際の数字ではなく文字式で抽象度の高い数学能力を身につける前に、その前提として実際の数字による計算能力を高めることはとてもいいことだと思います。私の現在の出向先の職場ではエコノミストは少なくて、財政再建のためのドーマー方程式について微分方程式を展開することにも拒否反応を示す人もいたりしますが、抽象度の高い理論を扱うためには、その基礎となる実務的な計算能力は欠かせません。
また、国語能力のうちでも、しゃべったり、聞いたりは、当然のように出来ると思うんですが、読み書きは別です。小学校の図書館からよく本を借りてきますので、読書が重視されているように見受けられます。それから、特に、書くことはもっと重視されてしかるべきであると思っているんですが、今の小学校では、週に3回も日記の作文の宿題が小学校2年生に出されています。下の子はそれなりにこの宿題に苦しんでいるようで、親の方も日記のネタになるように、週末なんかにはアチコチに連れ歩いたりせねばならないんですが、日本人として当たり前の文章能力を重視することはとても大切だと思います。
ということで、この週末も親バカの私は子供達とともに遊びに行きたいと思います。
| 固定リンク
コメント