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2006年7月20日 (木)

夏休みの推薦図書にソフトウェアを!

今日は我が家の子供達が通う小学校の終業式でした。明日から夏休みが始まります。通信簿とともに夏休みの宿題を持ち帰ってきました。本を読んで感想文を書くのも含まれています。
ということで、今夜のブログは夏休みの読書についてです。でも、さすがに、小学生の夏休みの課題図書はよく分かりませんので、主として、エコノミストや大学の経済学部生の読むような本に関してです。
我が家の子供達の課題図書だけでなく、今年に入ってから開設されたようなんですが、最近発見したハーバード大学マンキュー教授ブログでも夏休みの推薦図書を取り上げていました。5月10日のブログと、夏休みよりかなり早い段階のブログで取り上げたりしていました。
以下に引用します。

  1. Milton Friedman, Capitalism and Freedom
  2. Robert Heilbroner, The Worldly Philosophers
  3. Paul Krugman, Peddling Prosperity
  4. Steven Landsburg, The Armchair Economist
  5. P.J. O'Rourke, Eat the Rich
  6. Burton Malkiel, A Random Walk Down Wall Street
  7. Avinash Dixit and Barry Nalebuff, Thinking Strategically
  8. Steven Levitt and Stephen Dubner, Freakonomics
  9. John McMillan, Reinventing the Bazaar
  10. William Breit and Barry T. Hirsch, Lives of the Laureates

1冊目と2冊目はエラく古い本だったりしますが、まあ、マンキュー教授にしてみれば、古典に近い扱いで考えているのかもしれません。割りと最近に私が読んだことがあるのが3冊ほど含まれています。赤い色で色付けしてあります。3冊目のクルーグマン教授の本は、和訳では、「経済政策を売り歩く人々」として発行されています。6冊目のマルキール教授の本も「ウォール街のランダムウォーク」として和訳されていますし、8冊目は割りと最近に少し話題になった「ヤバい経済学」です。
この季節ですから、日本評論社から出ている「経済セミナー」やいろんな経済学系の雑誌なんかでも夏休みの推薦図書を特集していたりします。もちろん、大学の先生方も講義の受講生やゼミ生なんかに推薦図書や課題図書なんかを出したりしているのかもしれません。それとも、すでに前期試験を終えた大学なんかでは、すっかり夏休み体制に入っていたりするんでしょうか。
こういった推薦図書や課題図書は学部生を対象にしている場合が多いからなんでしょうが、ソフトウェアの図書が全然取り上げられないのを、昔から私は不思議に思っています。学部生レベルであればともかく、経済学は経験科学であり、実証科学なんですから、世間に出回っているデータを基に、何らかのソフトウェアの助けを借りて、実証しなければつまらないと私は考えています。もちろん、延々と理論で詰めていくのもそれなりに面白いんでしょうが、私は平凡な公表データから小難しげな数式のモデルを組み立てて、大向こうがあっと驚くような実証結果を示すような研究が大好きです。
ここの肝は、第1に、平凡な公表データを基にすることです。独自アンケートを実施したりして、自分しか持っていないようなデータを基にするんでは、とてもオリジナリティあふれる分析が可能なのは当然で、そういうんではくて、ありふれたデータを基にすることを重視しています。第2に、数式を基にしたモデルを組み立てることです。ジャカルタでエコノミストの活動をした記憶で、やっぱり、数学や数式は英語を上回る国際言語だということを実感しました。お互いに母国語ではない英語でやり取りするよりも、数式で書き表すことの便利さを実感した次第です。

経済学をより深く理解するためには実証が必要であり、そのためにはソフトウェアに関する知識が欠かせません。経済学でよく利用されるソフトウェアは、SPSS、SAS、TSP、RATS、EViews、GAUSSなどでしょうが、昔のフォートランなんかと違って、これらのソフトウェアの解説本は経済学の入門書としても、それなりの役割を果たす場合があります。でも、夏休みの推薦図書に入らないのは、私にはとても不思議です。せめて、Excelなどの表計算ソフトくらいは使いこなせるように、それなりに、大学などで勉強する必要があるようにも思います。

ひょっとしたら、日本では実証よりも理論を重視する傾向があるのかもしれませんが、私は経済学の世界で実証の占める役割をより重視し、その観点から、ソフトウェアへの理解をより進めるべきであると考えています。
一応、今夜のブログは経済評論の日記にしておきます。

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