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2006年7月 5日 (水)

北朝鮮のミサイル発射の金融市場への影響

本日未明に北朝鮮ミサイルを発射したそうです。5発だとか、6発だとか、いや、10発だとかいわれていて、発射実験は失敗日本海に落ちたそうです。それから、夕方にも発射されたようです。発射場所も複数あるように報道されています。私は軍事専門家ではなく、エコノミストを自称していますので、軍事的なことはよく分からないのですが、このミサイル発射が経済的にどういう影響があるのかを考えてみました。
まず、金融市場の反応なんですが、通常の反応でした。マーケット・エコノミスト的にいえばセオリー通りと称したレポートも出回っていました。要するに、軍事的緊張が高まったとして、本日の市場の始まりは、株価は少し下落して、為替は昔の有事のドル買いに沿って円安となり、債券は質への逃避と呼ばれる現象で債券が買われて価格が上昇し、金利は下がりました。有事のドル買いなんて、もう誰もいわなくなっているんですが、軍事的緊張が高まれば、軍事大国である米国のドルが変われるのは当然です。また、質への逃避についても、当然ながら、民間会社の株よりも国債の方が安全性が高いので買われるわけです。
でも、午前中のうちにマーケットは少し戻して、結局、終値ベースでは昨日よりも114円余り下げました。為替も終値ベースで前日比25銭の円安で対ドルでは115円に乗せました。債券は少し下げて金利は少し上がりました。小規模ながらトリプル安になった形です。でも、マーケットには大きな影響はなかったとの反応のように見受けられます。
マーケット関係者は、むしろ、先行きについて考えているようです。まず、今後、北朝鮮に対する経済制裁の発動が考えられます。しかし、北朝鮮船舶の入港禁止はマーケットには何の影響ももたらさないでしょうし、金融制裁やその他の経済制裁があったとしても、我が国経済への影響は極めて限定的と考えられます。むしろ、地政学的なリスクの方をマーケットは重視しているようです。北朝鮮のミサイル発射が日本も含む極東の軍事的緊張を高めると見なされれば、よりいっそうのトリプル安を日本にもたらす可能性があります。私の知り合いのマーケット・エコノミストに教えてもらったんですが、先週のニューヨーカーは限定空爆について触れていたようです。しかし、今回もミサイル発射場所が複数あったようですし、ニューヨーカーでも発射場所が特定されず、限定空爆も難しいと結論付けているようですが、軍事的緊張感がエスカレートするようであれば、外国人投資家をはじめとして日本市場から部分的にせよ撤退する動きもありえるでしょうから、トリプル安のシナリオになる可能性があります。最後に考えるべきポイントは日本経済のファンダメンタルズへの影響でしょうが、これは誰しもまったく影響がないとのコンセンサスがあるような気がします。防衛産業が少し活況を呈する可能性はありますが、とても限定的な影響だと思われます。

いずれにせよ、北朝鮮のミサイル発射については金融市場に対あする影響はとても小さくて、マーケット関係者は今週金曜日に発表される米国の雇用統計や来週の日銀の金融政策決定会合の方を注目しているように見受けられます。

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