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2006年11月 7日 (火)

パレートの法則

今日の午後にある大学の先生とお話をする機会があり、パレートの話になりました。私はどちらかというと、パレートよりもワルラスの方に影響を受けている度合いが強いと思っているんですが、それはともかく、今日お会いした経営学に近い分野の先生からすれば、パレートの説は時代と距離を超えて、今の日本でも成り立つ部分が多いということでした。

パレートはイタリア人の社会学者・経済学者です。ワルラスなんかといっしょにローザンヌ学派を形成して、ローザンヌ大学の経済学教授の地位にありました。経済学を学んだことがあれば、パレート最適とかパレート効率性というのを聞いたことがあることと思います。ある個人の効用を増大させようとすれば、他者の効用を損なわなければ達成出来ない状態をいいます。有限な資源を有効に活用する一定の原理と考えることが出来ます。
そのパレートの名を冠したもうひとつのパレートの法則というのもあります。主として、経済活動を念頭に置いているんですが、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという説です。ホントは違うらしいんですが、80:20の法則と呼ばれたりします。ある会社か、ある会社のひとつの部局を想像して、その売上げや利益の80パーセントは、わずか20パーセントの人によりもたらされている、というものです。逆にいえば、残り80パーセントの人は合わせて20パーセントの売上げや利益しか生み出していないことになります。
ついでにいうと、これはべき乗法則のひとつでもあります。言語学におけるジップの法則、すなわち、サイズがk番目に大きい要素が全体に占める割合は1/kに比例するという経験則とか、労働災害におけるハインリッヒの法則、すなわち、1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異状が存在するという経験則、なんかも同じようにべき乗法則です。いずれも、統計的に一定の有用性が確かめられていたりします。「ダ・ヴィンチ・コード」に出てきた黄金比なんかも経験的に確かめられた一定の比率なのかもしれません。
でも、少し気にかかるのは、このパレートの法則を基に、企業はリストラなんかを進めていたりするとのことでした。私はナイーブなエコノミストであり、かつ、パレートの法則の80パーセントに入っているクチなので、少し違和感を覚えました。
まとまりのないエントリーで失礼しました。

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