邦画のシェア回復で日本文化の復活は進むか?
今日の東京も快晴で、気温は昨日よりもさらに上がって暖かだったです。
昨日の夕刊なんかに、昨年は21年振りに映画の興行収入で日本映画が洋画のシェアを上回り、1077億円で53%だったと報じられていました。いつもの朝日新聞のサイトから最初の2パラだけを引用すると、以下の通りです。
大手の映画会社で作る日本映画製作者連盟が30日、映画館の入場料を合計した興行収入(興収)の06年分は、日本映画が1077億円(前年比31.8%増)、外国映画が948億円(同18.5%減)だったと発表した。市場に占める邦画の割合は53.2%で、85年以来、21年ぶりに洋画を上回った。
06年の公開作品の総数は821本で、映連が集計を始めた55年以降で最も多かった。作品別の興収の順位をみると、上位3本は洋画。だが、興収10億円以上をあげた作品の数は、邦画が28本、洋画は22本だった。
よくよく考えると、我が家が昨年1年間に見た映画は、春休みにケロロ軍曹と怪傑ゾロリの2本立て、ゴールデンウィークにクレヨンしんちゃん、夏休みにポケモンとスタジオ・ジブリの「ゲド戦記」、冬休みにディズニーの「ライアンを探せ!」となり、やっぱり、邦画の方をたくさん見ています。もっとも、「ゲド戦記」はおにいちゃんが塾の夏期講習だったので、私と下の子だけで見に行きました。もちろん、我が家は小学生がいるので、洋画の字幕を追うのが難しいのは事実で、ディズニー映画も日本語吹替え版を見ていますから、洋画よりも邦画の方にバイアスがかかるのは当然です。
しかし、もっと長い目で見て、戦後の日本は世界標準として米国文化を受け入れる中で、日本的な文化を失って行ったような気がしないでもありません。我が家の昨年1年を考えても、風俗・風習については、ハロウィンやクリスマスで少し特別なことをしたりしますが、我が家には男の子しかいないので雛祭りは別としても、端午の節句には鯉のぼりも上げませんでした。もっとも、これは今の団地のベランダが鯉のぼりを上げられない構造になっているせいで、松戸の団地の時は鯉のぼりだけでなく、兜も飾ったりしていました。でも、端午の節句の菖蒲湯や冬至の日のゆず湯なんかもしなくなりました。
服装については、私が子供のころは死んだ父親なんかは家では丹前姿で、寒い季節には私も半纏を着ていたりしましたが、今の子供達はカーディガンで過ごしています。でも、我が家では、先日の元旦には着物を着て初詣にも行きましたし、それなりに日本の服飾文化を重視しているのかもしれません。我が家を離れれば、年に1回なりとも着物を着るのは、ひょっとしたら、めずらしくなりつつあるような気がしないでもありません。
食生活についても西洋化が進み、脂肪分の割合の高い食生活になってきているような気がします。私なんかはその影響をモロに受けているのか、メタボリックが止まりません。しかし、文学作品なんか、私が高校生や大学生だったころは、サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」とか、フィッツジェラルドの「グレート・ギャッツビー」を読んでいて、もう少しすると、ヘミングウェイなんかだったりで、米国のいわゆるロスト・ジェネレーションのハードボイルドな文学作品ばっかりだったんですが、今では村上春樹さんなどが若者向けにいい作品を書いていますので、そんなのも見直されているのかもしれません。映画も原作は文学作品に依存する部分があるような気がしますので、アニメや文学なんかの分野で日本文化が元気になると、同時に、映画の方も邦画が勢いを盛り返すような気がします。その昔の日本映画が活況を呈していた時は、日活映画で現在の東京都知事の石原慎太郎さんの作品なんかを原作に、その弟の石原裕次郎さんが主演していたりしたようなことを聞いたこともあります。
日本映画とともに、その源流となる日本の文学界やアニメにもがんばってほしいと思います。特に、映画に続いて、私は愛読者なものですから、今年こそ村上春樹さんにノーベル文学賞を取ってほしいです。
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