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2007年1月16日 (火)

日銀の政策金利引上げ

明日の1月17日(水)から明後日の18日(木)にかけて、日銀の金融政策決定会合が開催され、先週末あたりから、日銀は政策金利を現行の25ベーシスポイントから50に引き上げるんではないかと報道されています。それに対して、与党自民党の中川幹事長が政府は議決延長請求を行使すべきであるなんて発言をしたりしています。
結論をいえば、私はニュートラルです。日銀のいうように、好調な企業部門から家計に景気の主役がバトンタッチされ、順調に家計所得や消費が伸びて行くとはとても思えませんが、逆に、25ベーシスの引上げがデフレへの逆戻りや、ましてや、景気の調整局面入りをもたらすとも思えません。将来の不況に備えた金利引下げ余地を作るという、中央銀行独特のメンタリティである糊代論はバカげているとしても、政府が議決延期請求を行うほどの大事とも思っていません。
日銀が政策金利を25ベーシス引き上げるとすれば、もっともダメージを受けるのは地方と中小企業です。高齢者を除く、いわゆる経済弱者がダメージを受けることと思います。マージナルな経済主体といい換えてもいいと思います。もっとも、資産保有主体と考えられる高齢者は利子所得が増加する可能性があります。資産保有の少ない、あるいは、資産がない高齢者は弱者中の弱者ともいえ、ダメージはそれなりにあるものと考えられます。
現在の景気を引っ張っていえる主役の製造業大企業は資金需要主体ではあり、金利引上げによるダメージは考えられるんですが、25ベーシスくらいの金利引上げで大きな影響はないといえます。それよりも、設備投資計画の精査が進み、より健全で収益性の高い投資が実行されるメリットすらあるかもしれません。
金融市場では昨年末から株価が続伸しています。最近では典型的な金融株主導の株価上昇と私は見ています。金利上昇局面では、銀行から見て調達金利よりも貸出金利の上昇の方が早く、時間的なラグがありますので、銀行の利益を増加させる要因になるからです。ここ数日でも、証券業界の合併話もありましたし、メガバンクの株価が株式市場をリードしているといえます。ごく常識的な動きだと私は理解しています。

今日の夕刊各紙では尾身財務大臣の本日の閣議後会見を引いて、政府が日銀の金利引上げに対して議決延期請求をせず、容認すると報じています。NIKKEI.NETのサイトから引用すると、以下の通りです。

尾身幸次財務相は16日の閣議後の記者会見で、日銀が17日、18日の金融政策決定会合で追加利上げを提案した場合の政府の対応について「議決延期請求権を使う局面ではない」と語った。「金利などの政策は日銀が判断するべきだ」とも述べ、日銀の判断を尊重する考えを示した。ただ、大田弘子経済財政担当相は「(請求権行使を)見送るのか請求するのか、なんら検討していない」と強調。政府内の温度差があらわになった。

私は官庁エコノミストとして、引用の最後にある政府内の温度差にとても注目しています。

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