不都合な真実 An Inconvenient Truth
今日の東京はいいお天気でしたが、気温は上がらず寒かったです。
日本時間で今日の午後に、第79回アカデミー賞の発表・授賞式がハリウッドのコダック・シアターでありました。作品賞はマーティン・スコセッシ監督の「ディパーテッド」です。香港映画「インファナル・アフェア」をリメークして、ボストンを舞台にした警察とマフィアの攻防を描いた作品だと報道されています。
でも、夕刊での報道ではノミネートされていた日本人2人、すなわち、、「バベル」で助演女優賞候補だった菊地凛子さんと「もしも昨日が選べたら」でメーキャップ賞の候補だった京都出身の辻一弘さんが受賞を逃がしたことや、音響編集賞を受賞した「硫黄島からの手紙」の話題なんかが取り上げられていたんですが、私は長編ドキュメンタリー賞と歌曲賞を受賞した「不都合な真実」に注目したいと思います。
先日、米国の元副大統領のアル・ゴア氏が本と映画のキャンペーンに来日していたので、ニュースなんかでご覧になった方も多いと思います。その時のキャッチコピーは、「キリマンジャロの雪は解け、北極の氷は薄くなり、各地にハリケーンや台風などの災害がもたらされる。こうした異変はすべて地球の温暖化が原因といわれる。年々、上がり続ける気温のせいで地球体系が激変し、植物や動物たちは絶滅の危機にさらされる。」といったものだったと記憶しています。
この映画では、以下のような事実とこの先の予想が示されています。
まず、現実に起こった事実として、
- 大型ハリケーンの発生数は過去30年間でほぼ倍増
- マラリアがコロンビアのアンデスなどの高地に広まる
- グリーンランドの氷河の流出量は過去10年間で2倍以上に増加
- 少なくとも279種の動植物がすでに地球温暖化の影響で両極方向に移動
さらに、将来に予想される破滅的な事態として、
- 地球温暖化による死者数はわずか25年で倍増し、年間30万人に
- グリーンランドと南極大陸の棚氷の消失により全世界で海面が6メートル以上上昇
- 熱波がその頻度と激しさを増大
- 干ばつや山火事が増加
- 2050年までに夏の北極海から氷が消失
- 2050年までに全世界で100万種以上の動植物が絶滅
これらを防止するために、以下のような行動が提唱されています。
- 自宅で取り組むこと
- 白熱電球を電球型蛍光灯(CFL)に交換する
- 冷暖房を夏は1度高めに、冬は1度低めに設定する
- ボイラーやエアコンのフィルターを清掃・交換する
- タイマー機能のついたサーモスタットを設置する
- 電気製品を購入する際には省エネルギー対応モデルを選ぶ
- 給湯装置を断熱布で覆う
- お湯をなるべく使わない
- 乾燥機の代わりになるべく物干し台を使う
- 使っていない電気製品のスイッチを切る
- 使っていない電気製品のプラグを抜く
- 食器洗い機は容量一杯にして省エネルギー設定で使用する
- 家屋の気密性を高める
- 家庭でのリサイクルを心掛ける
- 再生紙利用商品を購入する
- 木を植える
- 自宅のエネルギー監査を行う
- グリーン電力に切り替える
- 冷凍食品ではなく生鮮食品を購入する
- 地元の農産物直売所(ファーマーズ・マーケット)を支援する
- できるだけ有機食品を購入する
- 過剰包装商品を購入しない
- 肉料理を少なくする
- 外出時に取り組むこと
- 徒歩や自転車、公共交通機関の利用などでマイカーの走行距離を減らす
- 日頃から車の整備を心掛ける
- 週1回の点検でタイヤの空気圧を適正に保つ
- 車を買い替える際には燃料効率の良いモデルを選ぶ
- カーシェアリングを利用する
- 在宅勤務制度を利用する
- 飛行機の利用を減らす
地球環境問題は典型的に市場の失敗により生じていることですので、エコノミストは多くを発言できない分野だと考えられています。それはそれで正しいのかもしれませんが、1人の地球人として出来ることはたくさんあると思います。アカデミー賞の発表から、華やかな受賞作や日本人の候補者ばかり注目するんではなく、地球人類の一員として考えなければならない問題を直視するべき時期に来ているような気がします。
どうでもいいことですが、ゴア氏はもっとスピーチが上手かと思っていましたが、受賞スピーチを聞く限り、ハッキリ言って、そんなに感動的ではありませんでした。ニュースで見ましたので、編集がよくなかったのかもしれません。でも、選挙でもこうだったとしたら、確かに得票は増えないような気がします。
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