高知空港での全日空機の胴体着陸の報道に見る地域間格差とNHKの役割
今日の東京は時折雲が広がったものの、割合といいお天気でした。でも、気温は上がらず、肌寒い一日でした。春の足音は近づいているんでしょうが、もう少し先かもしれません。
今日の夕刊各紙は、高知空港で全日空機の前輪が下りないままに胴体着陸した記事が並んでいました。10時半ころから各テレビ局でも報道されていたようです。私は昼前に外出の予定があり、11時前に役所を出ましたので、リアルタイムでテレビを見ていたわけではありませんが、ニュースで映像を見る限り、言い方は悪いかもしれませんが、それなりに迫力を感じました。恒例により、朝日新聞のサイトから最初のパラグラフだけを引用すると以下の通りです。
13日午前8時49分ごろ、大阪(伊丹)空港発高知空港行きの全日空1603便(ボンバルディアDHC8―400型機、乗客56人、乗員4人)から着陸の際に前輪が下りないと、高知空港の管制官に連絡があった。同機は上空で旋回を繰り返して燃料を消費した上で、同10時54分、着陸を試み、機首を滑走路にこすりながらも無事に着陸した。国土交通省によると、乗員乗客にけが人はないという。機体に大きな損傷はない模様だ。
私も飛行機に乗っていて、一度だけなんですが、着陸の際にタッチアンドゴーをした後に無事着いて、乗客から拍手が巻き起こった経験があるだけに、飛行機の安全性には一抹の不安がないわけではありません。ですから、家族でジャカルタを往復する際にも、コンマ以下でも生き延びる確率が高くなると考えて、赤道直下の熱帯の生活でサンダル履きに慣れ切った子供達に、無理やりズック靴を履かせたりしていました。
視点を少し変えて、夕刊やテレビのニュースを見ている限り、ボンバルディア機にこのようなトラブルが多いこととか、航空会社の全日空が謝罪したことなど、企業の問題点をそれとなく指摘する一方で、機長の手腕を評価する報道が多かったように思います。乗客を取材した記事でも、同じ方向感覚で書かれていたような気がします。消防隊なんかもよく働いたと思うんですが、公的部門の悲しさで、うまくやって当たり前と考えられているのか、特に、よくやったとする記事はなかったように思います。
さらに視点を変えて、私が夕刊各紙を見て感じたのは、読売新聞はカメラマンの写真を1面で掲載していて、社会面なんかも写真をふんだんに使っていましたが、朝日新聞や毎日新聞なんかは1面でNHKのテレビ画面を借用していた点がやや異様な気がして、地域間格差を実感しました。と言うのは、高知県は経済的な地域間格差の点では景気の悪い方に入るのが明らかで、それだけ、新聞社なんかの記者やカメラマンも少ないような気がします。でも、夕刊とは言え、1面トップ記事の大きな写真がNHKの画面の借用では、少し疑問を感じないでもありません。また、違った面から見れば、受信料の徴収によって運営されているNHKが公共放送としての役割をそれなりに果たした形になったとも言えます。
今日のエントリーは、テレビや新聞で大いに話題になった出来事を取り上げたんですが、少しひねくれた見方をしてみました。
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