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2007年3月16日 (金)

官庁エコノミストのタイムスパンはどれくらいか?

今日の東京は陽射しがなくて寒かったです。気象庁によれば、早朝に観測史上最も遅い初雪が降ったらしいです。今年の暖冬がウソみたいで、真冬に戻ったようなお天気でした。気象庁はデータのインプットミスで桜の開花予想を大きく外すし、いったい、どうなっているんでしょうか?

今週に入って、米国のサブプライムローンの延滞率の高まりなどから、NY市場で株価が2%近く下落し、東証でも日経平均が大きく落ち込んだりしました。今日も、日経平均終値は前日比116円安の1万6744円でした。まだ、下げ余地があるとの見方もあったりします。私が知っているエコノミストの中には、1万5000円台まで下げる可能性を指摘する人もいます。
株価下げのきっかけのひとつは、先述の通り、米国の住宅ローンのうちのサブプライムローンの延滞率の高まりです。昨年12月に米国カリフォルニアのオウニットというサブプライム・レンダーが破綻した後、今年に入ってから、米国住宅ローン業界のサブプライムローンについては、かなり注目されてきて、新聞や雑誌で報道されたり、いろんなエコノミストが取り上げていたりしました。私も英文と和文を合わせていくつかレポートを読んだりしていましたが、判で押したように楽観的な見通しばっかりだったのに対して、米国の抵当貸付銀行協会(MBA)が3月13日に延滞率の上昇を含むレポートを記者発表したとたん、NYの株価が急落したので、意外に受け止めた向きもあったようです。もちろん、サブプライムローンだけでなく、同日付けで発表された米国の小売売上統計がさえなかったことやポンド円取引で欧州系のファンドが巨額の損失を出したなんて噂もあったりして、NYや東京の株価が下落しました。NYの証券取引所がサーキットブレーカーを発動したりしたこともあって、市場のセンチメントが悪化したため、米国のポールソン財務長官なんかはサブプライムローン問題はコントロール可能だとして、金融市場を沈静化させるべく発言したりしています。
サブプライムローンの問題は世間一般では楽観的な見方がまだ支配的な気もします。一部に、何があっても常に悲観的な見通しを表明するエコノミストはいたりするんですが、株価の短期的な動きを別にすれば、金融システムへの波及はほとんどありませんし、因果の流れは、所得環境の悪化や住宅価格上昇率の鈍化がサブプライムローンの延滞率を高めているんであって、その逆で、サブプライムローンの延滞率の上昇が景気を悪化させているわけではないとの理解が大勢のような気がします。私も基本的には楽観論なんですが、日本国内では米国のサブプライム・レンダーを一昔前の日本の住専になぞらえて悲観的な見方をする向きがないわけではありません。
それよりも、私がそれなりのショックを感じたのは、私の友人の中長期を専門とするエコノミストが、サブプライムローン問題で日本の株価が下落したとしても、5年後の日本経済に何の影響があるのか、と称して超然としていると、人づてに聞いたことです。まあ、証券会社のエコノミストなんかは、ストラテジストとともに営業成績に響いたりするのかもしれませんが、官庁エコノミストとしては、それくらいの少し長めのタイムスパンで経済を見る必要があるのかもしれないと、反省させられるものがありました。特に、経済政策を担当する分野にもよりますが、中央銀行の金融政策が割合と短期的な経済を視野に運営されるのに対して、政府の財政政策や構造政策はもう少し中長期的な視点で考えるべきなのかもしれません。今日のライブドアの堀江被告の判決を聞いていても、同じような感慨を持ってしまいました。
短期的なマーケットにおける売買について分析するエコノミストと中長期的な経済のあり方について分析するエコノミストと、前者の方がお給料がいいのは、昨年2006年2月21日のエントリーでも取り上げたんですが、お給料はよくなくても後者のようなエコノミストも、どちらも必要なんだろうと思います。

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