スペイン語でエル・ニーニョは何を意味するのか?
今日も東京は午後から雲が広がって、にわか雨もあったりしたんですが、昨日と同じように気温が上がって、汗ばむくらいのお天気でした。
先日、私がかなり遅いタイミングで出したクリスマスカードのお返しで、在チリ大使館の現地職員として、私のアシスタントだった人からカードをもらいました。日本でいえば寒中見舞いになるのかもしれません。私がサンティアゴにいたのは、もう15年ほど前のことですし、この人も大使館の現地職員を定年になっていると聞きましたが、15年前と同じ筆跡で懐かしく感じました。
南米はブラジルを除いて、多くの国がスペイン語圏です。チリも例外ではありません。でも、チリは本国スペインからもっとも距離的に遠いスペイン語国ですから、スペイン語の訛りもかなりあると言われています。例えが悪いかもしれませんが、北海道と沖縄は別として、日本の最北端の津軽弁や最南端の薩摩弁が標準語からかなり違いが大きいようなもんだと思います。青森や鹿児島の人には、ゴメンなさい。
実は、とあるブログでスペイン語ネタを発見しました。いろんな言葉をスペイン語で表現しているんですが、私のようなスペイン語圏で住んでいた人間からすれば間違いも散見されます。ハーブティーのカモマイル(カモミール)のことを、スペイン語ではマンサニージャというんですが、mansanija と書いていたので、コメントでミスを指摘したりします。スペイン語読みでホタという j はスペイン語ではハ・ヒ・フ・ヘ・ホの子音だから、mansanilla が正しいとコメントを付けたりしました。でも、そのブログの管理者さんから回答があって、実は、manzanilla が正しい、とのことで、私は少し恥をかいてしまいました。
英語でもサ・シ・ス・セ・ソは2通りの発音がありますが、スペイン語でも同じで、z や c は英語でいうところの th と同じ発音で2通りの発音があり、区別されます。もっとも、これはイベリア半島の由緒正しいスペイン語だけで、南米の発音では区別はありません。ですから、チリでしか暮らしたことのない私も、ついつい z と s のスペルミスをしたりします。ちなみに、どうでもいいことですが、スペイン語にはザ・ジ・ズ・ゼ・ゾの濁音はありません。
前置きが長くなりましたが、タイトルにしたスペイン語の話題を取り上げると、気象の方面でエル・ニーニョ現象があります。海水温が上昇し、これに伴って異常気象が発生する現象です。逆に、海水温が低下するのはラ・ニーニャだそうです。この言葉はもともとスペイン語を語源としています。スペイン語では el niño と書きます。英語に機械的に直訳すると the child となります。でも、単純にチャイルド=子供ではありません。日本語にはない定冠詞がミソです。英語ではいざ知らず、スペイン語でその子供と言えば、そんじょそこらにいる子供ではなく、たった1人を指します。イエス・キリストです。キリスト教の教えで三位一体というをご存じの方も多いと思います。父なる神と子なるイエスと精霊は三位一体、という教義です。この子なるイエスというのがポイントで、子供に定冠詞を付けるとイエス・キリストの意味になります。
どうして海水温が上昇する気象現象のことをエル・ニーニョと称するのかの由来なんかは私も知りませんが、ここまで人口に膾炙したエル・ニーニョという言葉は、実は、スペイン語でイエス・キリストを指しているんだという事実はほとんど知られていないように思います。イスラム教国のインドネシアで現地の人に教えた時はビックリしていました。
今日のエントリーはスペイン語ネタなんですが、海外生活の思い出の日記に分類しておきます。
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