« IMFの世界経済見通しにおけるデカップリング論の採用 | トップページ | スポーツの春? »

2007年4月13日 (金)

デカップリング論は成り立つか?

今日も朝からいいお天気で、気温も上がりましたが、が強かったです。

昨夜のエントリーでIMFの世界経済見通しはデカップリング論をサポートしていて、米国経済が住宅価格の低迷から減速するとしても、日欧経済が堅調であったり、やエマージング諸国をはじめとする途上国経済が高成長を続けることから、世界経済全体としては大きな減速感がないとしていると紹介しました。他方で、IMFの見通しは同時に米国の住宅分野の低迷がさらに大きくなることもダウンサイド・リスクとして指摘しています。
ここで、デカップリングについておさらいしておきたいと思います。私がこの言葉を初めて聞いたのは環境経済学の講演会か何かでした。環境負荷と経済成長についての関係で、通常は、経済成長が続くと環境への負荷が高まるとされているんですが、経済成長を続けながら環境負荷を高めないように、経済成長と環境への負荷を分離することが出来るかどうか、が大きなテーマとなっており、この分離を英語にしたのがデカップリングでした。リンケージと逆の概念として登場したんだと記憶しています。環境分野ではそうなっていて、経済で言い替えると景気循環のシンクロの逆なんだろうと思います。
このデカップリングという言葉を昨年あたりから盛んに世界経済に当てはめる論調が出て来たように思います。すなわち、米国、欧州、アジアなんかの間で、景気循環がシンクロせずに主役が交代するような形で、例えば、米国経済が減速や景気後退に陥っても、日欧や途上国が成長を続けることにより、永遠の経済成長が続くとは言いませんが、世界経済は比較的長期に好調を続けることが出来る、との論拠にされているように思います。もっと言えば、好調な世界経済が米国経済へもリパーカッションして回復につながることから、またまた世界経済が好調を持続するというわけです。
実は、昨年12月7日のエントリーで取り上げたなぞなぞはデカップリングの視点からも考えることが出来ます。第1の方は日米景気のシンクロ化でしたが、これはデカップリング論を否定しています。米国経済の減速は日本経済を直撃して、アジア途上国や欧州とデカップリングされないということです。他方、第2の方は景気の振幅が小さくなったことですが、これはデカップリング論をサポートしています。景気がピーク・ボトムをつけずに、何回か踊り場を迎えつつも景気拡大が長期化しているのは、米国経済以外の中国などの途上国経済成長にも支えられている可能性が高いからです。昨年12月7日のエントリーでも表明した通り、私は第1の方には否定的、第2の方には肯定的ですから、ついつい、昨夜のエントリーでは賛成しかねると書きましたが、実は、デカップリング論の観点からはデカップリングをサポートし、グローバル化された世界経済がデカップリングされている考え方に近いのかもしれないと、改めて考え直したりしています。

確かに、我が阪神タイガースの昨夜の中日戦を見ても、金本選手のタイムリーヒットで先制した後、野手陣が打てなければボーグルソン投手がホームランをかっ飛ばして、誰かが打てば点が入って、このリードを万全の態勢のリリーフ陣が抑え切れば、引分けを挟んで中日に連勝出来たりするわけなんですが、勝ちゃあいいとは言うものの、阪神ファンからすると危うさを感じるわけです。
話を経済に戻すと、だから米国経済にがんばってもらわないけない、ということではなく、日本も今までの円安に助けられた輸出頼みの成長ではなく、賃金が上昇して消費が盛り上がって来るような形で、内需中心の成長を実現することが求められるんだろうと思います。ですから、IMFのデカップリング論が成り立つのかどうかは、今のところ、私には何とも言えませんが、成り立つとしても、それだけでは日本経済には不安が残ることになります。

|

« IMFの世界経済見通しにおけるデカップリング論の採用 | トップページ | スポーツの春? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/207184/8614573

この記事へのトラックバック一覧です: デカップリング論は成り立つか?:

« IMFの世界経済見通しにおけるデカップリング論の採用 | トップページ | スポーツの春? »