PASMO 定期券に買い替え、電子マネーについて考える
今日もいいお天気でした。でも、暑さは引き続き一服している感じがします。特に今朝は風が強かったです。電車が止まったりしていました。オフィスにこもっていては仕事にならない場合もあるので、チョコチョコと上着なしで外出したりしているんですが、週前半の汗ばむほどの陽気ではありませんでした。こんなお天気が週末まで続くような予報です。
昨夜のエントリーが不首尾に終わりましたし、週末前ですので、経済を評論しつつも、軽い話題で今週を締めくくりたいと思います。実は、5月に入って通勤用の定期券が切れるので PASMO 定期券に切り替えました。ここで公務員の世界の一口ネタで、私の知り合いの金融機関のエコノミストなんかは驚いたりするんですが、私のような国家公務員は通勤用の定期券も名刺も自分で買いに行く必要があります。多くの大手企業ではどちらも現物支給ではないかと思いますが、公務員の世界ではそんな便宜はありません。もちろん、通勤手当はお給料といっしょに現金で振り込まれるんですが、最も単価の安い6ヶ月定期券の金額しかもらえませんし、何よりも自分で買いに行かねばなりません。名刺に至っては手当もなく、自腹で買い求める必要があります。
と言うことで、定期券を買いに行きます。霞ヶ関官庁街にある職場から最寄の地下鉄の駅に行くと、 PASMO 定期券は販売していなくて、近いのは銀座駅だと教えられて銀座まで出ます。向こうの都合で銀座まで行かねばならないわけですから、一応、無料切符をくれます。銀座駅の定期券売り場に行くと、すでに20人ほどが列を成していますので並んで待ちます。途中で駅員さんが回って来て、申込み用紙をチェックしてくれます。私のは不備はありませんでした。しかし、私のすぐ前に並んでいた人は、 PASMO の払戻しをしたいらしいんですが、他人名義の PASMO だったので、委任状なんかがないとダメだと言われて列から抜けます。拾得した PASMO を不正に換金しようとしていたとは思いませんが、少なくとも、列から1人抜けたのでラッキーと思ってしまいました。ほどなく待つうちに私の順番が来て、 PASMO 定期券を買えました。銀座に来た時と同じで、職場の最寄り駅までの帰りの切符もくれます。
私は今まで地下鉄の定期券とパスネットを併用していたんですが、 PASMO 定期券にして、とっても便利になりました。と言っても、一番便利なのは定期入れから出す必要がないことなので、そんなに大したことではないように見えますが、実は、それなりの意味があります。従来から、私はアクリル面が空いていて、自動改札のために定期券を出しやすくなっている定期入れはやや下品だと考えていましたが、こういった非接触式のICカードが普及すれば、私には下品に見えるこの手の定期入れのシェアが低下するんではないかと期待しています。
軽い話題ですので、ここで知らない人のための PASMO 講座です。詳しくは PASMO のホームページを見れば分かるんですが、一口で言うと、 PASMO は交通機関や契約店で使えるプリペイドの電子マネーです。私のように定期券と一体化させることも出来ます。基本的に、JR東日本の Suica と同じです。 Suica よりもチャージ出来る場所が多いので、より便利だと言う人もいます。記名と無記名の両方があり、記名 PASMO には定期券を合体させた定期券 PASMO もあります。パスネットには子供用はないんですが、 PASMO には大人用とともに子供用もあります。当然ながら、大人用・子供用のどちらも記名と無記名があります。
例外はあるかもしれませんが、私の行動範囲では、ほぼすべての公共交通機関で使うことが出来るような気がします。公共交通機関とは見なしにくいタクシーは別にして、電車、バス、ゆりかもめ、モノレールなんかです。それから、プリペイドの電子マネーですから、運賃なんかに使うためにはカード内にチャージ(入金)する必要があり、この金額をストアードフェア (SF) と呼びます。1000円単位でチャージ出来ます。貯めておけるのは20000円が上限だったと記憶しています。利便性とセキュリティのトレードオフを考えると、いいセンなんではないかと思います。それから、ついでに、 SF 以外にデポジットと称して500円かかります。クレジットカードからのオートチャージも可能です。もっとも、 使えるクレジットカードは PASMO の発行機関で違いがあり、私のは東京メトロの発行ですから、東京メトロのファミリー企業が発行する To Me Card なるクレジットカードしかオートチャージ出来ません。それ以外の一般的な VISA や MasterCard なんかはダメみたいです。このあたりで東京メトロからの天下り先を確保しているような気がしないでもありませんが、そのうちに対象を拡大するのかもしれません。
報道をご覧になった方はご存じの通り、3月半ばに売り出された PASMO なんですが、売れ行きが好調過ぎて、1ヶ月もたたない4月半ばに PASMO 定期券を除いて8月まで発売を中止する旨の発表がありました。カードが不足する危険があるためです。需要が供給を超過すれば価格を引き上げればいいんですが、それが出来ないために発売をストップせざるを得なかったわけです。このため、ネットオークションで高値がついています。 SF がゼロでデポジットの500円だけの無記名 PASMO がネット上で1500-2000円で取引されています。昨年の今ころのニンテンドーDSライトと同じです。
PASMO 講座が長くなってしまいましたが、PASMO や Suica のような交通系だけではなく、先月4月からは流通系でもプリペイドの電子マネーが発行されました。アイワイ・グループの nanaco とイオン・グループの WAON です。 PASMO とともに、この両者の重要なポイントはプリペイドである点です。同じ電子マネーの QUICPay やクレジットカードなんかのポストペイと違って、信用状態の事前審査や与信が存在しないため、誰に対しても発行できて、誰でも使えます。ですから、 PASMO には子供用があったりします。もちろん、無記名も可能です。無記名や子供向けなんて、クレジットカードなんかでは考えられないことでしょう。もちろん、こうした電子マネーの利便性は、使える店舗がどこまで広がるか、に決定的に依存します。エコノミスト的に言うと規模の経済が働く場面です。ですから、PASMO や Suica などの交通系と nanaco や WAON のような流通系なんかが入り混じって、どの電子マネーが有利かは一概に言えませんが、少なくとも、ポストペイよりもプリペイドの方が普及は早いんではないかと私は推測しています。それから、いろんな電子マネーが発行されると、そのうちに、規格を統一したら、との話も出るかもしれません。でも、私はそもそも規格を統一することは、電子マネーにとっては、そんなに重要ではないと考えていますし、もしも、規格を統一する場合であっても、政府や公的機関の介入を出来るだけ減らすとうまく行くような気がします。大した根拠はありませんが、直感的に、電子マネーのような先進的な分野には政府や公的機関は強くない印象があります。民間の知恵の出しどころだと思います。
いずれにせよ、これらの電子マネーはこれからの消費生活の中で重要な位置を占めるものだと考えられますので、上手に付き合っていきたいと思います。
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