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2007年6月11日 (月)

長期金利の上昇は何を意味するのか?

今日は昨夜からのが朝のうちに止んだ後、一瞬だけ太陽が出ましたが、昼前にはが広がりました。でも、午後にはいいお天気になったりしました。気温は太陽が出た午後まで上がらなかったんですが、湿度は高かったような気がします。

先週は週末に書き貯めておいたエントリーをいくつか引っ張り出して来たりして、態度にマジメさが見られなかったので、今週は少し経済についてしっかり論じようと思います。まず、最近考えてきた米国経済について、日本では見落としがちなトピックを取り上げようと思います。
といいつつ、いきなり米国ではなく日本経済なんですが、今朝早くに1-3月期GDPの2次速報が発表されました。設備投資が1次速報の前期比-0.9%から+0.3%に上方修正され、GDPでも前期比年率で1次速報の2.4%から3.3%成長に修正されました。法人企業統計季報の結果を受けた改定で、市場予想では3.1%程度だったんですが、ほぼこれにジャストミートしサプライズはありませんでしたので、マーケットを動かす要因とはなりませんでした。
先週後半からマーケットを動かしているのは債券です。米国を震源地として債券市場がミニ・パニックを起こして、長期金利が急上昇しました。私は公務員ですから金融市場には参加していないんですが、先週後半の債券市場では狼狽売りに近いパニック状態があったと聞きました。米国の10年もの国債が5%を超え、日本でも2%をうかがう動きになっています。これに伴って、日本では定期預金や住宅ローンの金利を引き上げる銀行もあるかもしれません。しかし、他方で、債券価格の下落と金利の上昇に伴って、大きく株式市場も下げています。NY株式市場は最高値を記録してから軽い調整局面に入っているようですし、世界市場に比べて冴えなかった東証では金曜日は274円下げて、アッサリと18,000円を割り込みました。今日は少し反発しているようですが、18,000円の水準には遠く及びません。
どうして米国の長期金利が急上昇したかと言うと、基本的には、1-3月期の経済成長率が大きく低下したにもかかわらず、米国経済が年後半に再加速するとの見通しに基づくものだと私は観察しています。経済指標を検証すると、1-3月期のGDP統計は冴えなかったんですが、雇用統計なんかは雇用の増加と賃金の高止まりを示していますし、原油は上がっていないのにガソリン価格は昨年のピークを超えて上昇していますからインフレに対する警戒感が引き続き強くなっているなど、米国の中央銀行である FED が早期の金利引下げ局面に入ることを難しくしているように見受けられます。 FED のバーナンキ議長はサブプライム・ローンの問題については強気な見方を示していたりしますし、経済指標と併せて金利引下げが遠のく印象があります。米国市場で債券安になっているので、日本市場でも債券が連れ安になり、結果として金利が上昇しています。債券の投売り状態に近くなり、ミニ・パニックを起こしたと考えられています。米国では FED の金利引下げが遠のいたんですが、日本では日銀の金利引上げの条件が調いつつあるような気がします。
言うまでもないことかもしれませんが、今回の金利上昇はマーケットの需給要因によるものではないように見受けられます。と言うのは、米国に限らず、最悪の金利上昇は財政破綻によるものだからです。財政が破綻して国債発行に歯止めがかからなくなり、市場に国債があふれかえって需給が悪化した結果、国債価格が暴落したというわけではないようです。ですから、逆の面から見れば、流動性の不足によるものでもありません。国際的な流動性が不足すれば、まず、エマージング市場が崩壊します。ホントに流動性不足が生じれば、上海市場なんかがもっとも危ない、なんて言う人もいたりします。でも、今回はそうなっていません。ですから、実現のタイミングは別にして、先週の米国長期金利の上昇は市場のイベントではなく、マクロ経済のイベントだと私は考えています。
マクロ経済のイベントだとすれば、期待成長率の上昇か期待インフレ率の上昇のどちらかです。この2つの要因はコインの表裏であって、現時点ではどちらとも言えません。実質金利が期待成長率に収斂するのだとすれば、フィッシャー方程式の2つの構成要因と同じになるわけですから、この2要因を区別する意味はあると思うんですが、現時点では確たることは言えそうもありません。ただし、期待成長率のコインの裏側には期待インフレ率があるんですが、その逆は成り立ちませんし、加えて、直感的には株式市場が下げているんですから、期待インフレ率上昇の要因が大きいんではないかという気がしないでもありません。でも、多くのエコノミストのコンセンサスと同じく、米国経済は年後半から再加速する可能性が高いと私も考えています。

いずれにせよ、米国の長期金利が上昇したのは、マクロ経済のイベントを反映した市場の自然な動きと私は考えています。決して、市場のイベントがマクロ経済を悪化させるような形で、経済や市場の先行きを悲観する材料ではないと思います。日本経済についても同様で、今年初めから私が主張して来たように、1-2月の株価上昇はピッチが早過ぎるので、年央までもたついた後、夏休みくらいから株価が本格的に上昇するんではないかと予想しています。今年1月24日付けの「日経平均が17500円に乗せる」と題したエントリーから、私の相場に対するスタンスはそんなに変化していません。

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