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2007年9月11日 (火)

認知ラグをどのようにミニマイズするか?

今日も、朝からが広がり、時折が降る、ぐずついたお天気でした。昨日ほどではなかったようですが、気温もそこそこ上がって蒸し暑かったです。

今日、内閣府から7月の機械受注統計が発表されました。7-9月期以降の設備投資の動向を占う上で、重要な指標だと考えられています。いつもの朝日新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

内閣府が11日発表した7月の機械受注は、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」(季節調整済み)が1兆1235億円で、前月より17.0%増えた。今回の景気拡大期では03年10月についで2番目に高い伸び率だ。ただ、鉄道車両や携帯電話端末などで大型の受注が入るなど特殊要因による伸びが大きく、内閣府は「一進一退で推移している」という基調判断は2カ月連続で据え置いた。
製造業では、電気機械が前月比34.4%増、化学工業が30.7%増と好調だった。非製造業では運輸が80.6%、通信が17.8%伸びた。一方、外需は10.8%減と2カ月連続で減少した。
4-6月期の国内総生産(GDP)2次速報では設備投資が大幅に落ち込んだが、内閣府は「(今回の機械受注の伸びは)今後の設備投資について明るい材料だ」としている。

マーケットの予想は1ケタの半ばでしたから、機械受注統計をスラッと読めば報道の通りなんでしょうが、ヘッドラインの数字をそのまま受け取ることに私はやや躊躇しています。理由は3点あります。第1は、機械受注統計はもともと振れが大きい統計で、短月で判断するのは危険だと考えているからです。7月の結果は6月のリバウンドの部分も含まれており、そのまま受け取ることにはリスクが伴います。第2に、6月に続いて7月も外需が落ちていることです。現時点では、賃金上昇が低い水準で推移している日本経済は、GDP項目の大きな部分を占める消費に盛上がりを欠き、外需に頼る部分は少なくありませんし、米国経済が大きく減速しているだけに、気がかりな傾向と言えるかもしれません。第3に、携帯電話がスパイクしていることです。大型受注が入ったようです。携帯電話がどうして機械受注統計に組み込まれているのか不明ですが、耐久消費財ですから設備投資の増加につながる部分は決して大きくない可能性があります。
1990年代初めのバブル経済崩壊の時も、1990年代後半の金融不況の時も、いずれも不況に対する認知ラグが大きく、景気循環の振幅を大きくした可能性が指摘されています。一般に、経済政策のラグは3種類あり、認知ラグ、実施ラグ、波及ラグと呼ばれます。マクロ経済の安定化を図るために金融政策が割り当てられるのが先進国のスタンダードになりましたから、かつての財政出動のような実施ラグはグンと短くなった可能性が高いですし、波及ラグも経済のIT化とともに短くなっているように受け取られていますが、認知ラグが大きければ、どうしようもありません。

昨夜のエントリーでも書きましたが、ここしばらく、年内いっぱいくらいの日本経済の方向性を見極める必要があります。認知ラグをミニマイズするため、エコノミストの力量が問われているような気がしてなりません。

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