合理的な消費生活とは ?
今日は、朝夕に雲が多かったものの、日中は秋晴れのいいお天気でした。私は午後からセミナーに外出したんですが、プレゼンをするわけでもなくフロアで聞かせてもらうだけでしたから、上着を失礼してワイシャツにネクタイ姿で出席しました。ホントは午後の第2セッションから参加する予定だったんですが、少し時間的な余裕があったので、ランチ直後の午後一番から出席しました。

今日発表された機械受注統計や国際収支などは市場予想の範囲内で、特にサプライズはありませんでした。機械受注は上のグラフの通りで、スラッとみれば少しピークアウト気味にも見えますが、内閣府の基調判断は変わらずで「一進一退」だそうです。だからと言うわけでもないんでしょうが、日銀の金融政策決定会合でも金利は据置きでした。反対票が2-3票入るかと思っていましたが、相変わらず1票だけでした。これもサプライズなしです。また、4月の S&P に続いてムーディーズによる日本国債の格付けの引上げの報道がありましたが、それがどうしたと言うカンジです。市場が動くようなタマではないような気がしますが、今日の東証の日経平均は元気よく上げて、17,500円に迫る勢いでした。でも、官庁エコノミストは相場には一喜一憂しません。それよりも、村上春樹さんがノーベル文学賞の選に漏れたことの方が私には大きなサプライズでした。
本日のニュ7-スの概観はさて置き、私自身は飲まないにもかかわらず、ついつい、夕刊各紙に出ていたビール消費量に着目してしまいました。いつもの NIKKEI.NET のサイトから最初のパラグラフだけを引用すると以下の通りです。
ビール大手5社が11日発表した1―9月のビール系飲料(ビール、発泡酒、第3のビール)の出荷量(課税ベース)は3億6347万ケース(1ケースは大瓶20本換算)で、前年同期比1.3%減少した。現行の統計が始まった1992年以降で最低。8月こそ猛暑がプラスに働いたが、飲食店需要が下げ止まらず、7-9月でも同0.3%減にとどまった。
私はビールと発泡酒と第3のビールの区別は判然としないんですが、まあ、要するに、ビールの需要が減っているわけです。8月は猛暑だったので売上げが伸びたようで、9月も地域によってはかなり残暑が厳しかったので、それなりの売上げではないかと想像されるんですが、7-9月期の四半期でならすと前年比割れだそうです。
多くの人が知っているように、ビールとタバコとガソリンは税金の塊のようなもので、これらを消費するのは合理的ではないと私は考えています。得られる効用に比較して税金のために市場価格が大きく歪曲されているからです。ビールとタバコについては嗜好品なので、得られる効用が大きい人とそうでない人がいます。効用が大きい人にとっては受け入れられる価格であっても、そうでない人には重い税金を負担するのは合理的ではありません。ガソリンの主たる用途である自動車については、公共交通機関の発達した地域に住む人には必要不可欠なものではありません。私なんかはお給料が安い、すなわち、機会費用の低い公務員をしていますから、電車やバスなんかの公共交通機関で十分だと考えています。
海外旅行なんかに行って外国で買い物をするようなケースは別にして、日本国内での消費を考える場合、貿易財と非貿易財の区別の重要です。世界で競争している貿易財は非貿易財に比べてお安くなっているのは事実です。さらに、人件費の比率なんかも関係するのではないかと思います。例えば、インドネシアのジャカルタなんかの人件費の安いところでは、牛肉なんかの素材の価格はそんなに日本と変わりない場合もあるんですが、それに手が加えられて行ってレストランで出されるお料理になると、日本よりも格段にお安くなる経験をしたころがあります。逆に言って、人件費の高い日本では素材を買って自分で処理するほうが安上がりな場合もあるんではないかと思います。1人当たり GDP の大きな先進国で DIY が流行するのも当然です。
なんとなく、まとまりのないエントリーになってしまいました。税金や人件費の比率に関係なく、当然に、各経済主体は市場の相対価格に従って合理的な消費行動を行っていると考えられるんですが、一時流行した家計のリストラのように、自分自身の嗜好に基づきつつも、相対価格で有利な財を選択するという方向で、より合理的で豊かな消費生活が送れるような気がしないでもありません。
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