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2007年10月29日 (月)

ハードは強いが、ソフトに弱い?

今日も、朝からまずまず秋晴れのいいお天気でした。特に午前中は陽射しもかなり強くて、気温もこの季節にしては上がったようです。

何度も私のブログで取り上げているように、賃金が上がりません。この根底には、日本経済の労働生産性と資本生産性の格差があるように私は考えています。正確な表現ではないんですが、もっと分かりやすく言うと、資本の生産性が高いのに対して、労働の生産性が低いとも言えます。ただし、現状の世界経済を見ていると、国際市場へのアクセスにより生産性に差が出ているように見受けられます。つまり、資本は国際市場へのアクセスが近いけれども、労働はそれほどでもないと言い換えることも出来ます。これを拡大して無理やりに解釈すると、国際的な面におけるヒトとモノ、それから、タイトルのようにハードとソフトの問題に行き着くような気がします。
この点について、私が少し考えているのは国際的に活躍する人材の不足です。別の複数の知り合いが嘆いていたことなんですが、経済大国となり国際機関への拠出金の比率も大きい日本なのに、国連やその他の国際機関に勤務する日本人が少ないという現実があります。他方、私はよく知らなかったんですが、国際機関に勤務したいと希望する日本人は少なくないそうです。ミスマッチと称する向きもあるようですが、誠に表現がキツくて申し訳ないながら、希望している人のスキルが国際機関の要求する水準に達していない、というのが割合と素直な解釈であるような気がします。少し前までは、学歴をひとつの原因と考えて、博士号の学位の取得を拡大したりして、確かに、学位取得者は増加したようですが、国際機関への就職が大いに進んでいるかというと、そうでもないような気がします。能力のひとつのメルクマールとして、学位の取得状況というのはとっても分かりやすいので、これはこれで、私は博士号の取得を拡大するのはいいことだと思うんですが、国際的な競争の中で日本の学位がどのように評価されているのかは私には不明です。逆に言って、国際的に能力を認められた人は日本国内で希少性がありますから、国内での評価は高いといえます。日本経団連の御手洗会長などはキャノンの米国の現地法人に長くお勤めだったそうですし、商社なんかでも海外勤務、特に、米国の現地法人から帰国した人が出世するコースがある会社も少なくないと聞きます。もちろん、これだけ貿易黒字をたたき出しているんですから、諸外国との比較優位が試される競争の場で、モノのクォリティは十分なハズなんですが、ヒトの方はそうでもないのかもしれません。別の言葉で言えば、国際的な分野ではハードには強いが、ソフトに弱い、とも言えそうな気がします。
ただし、キチンと理解していただきたいのは、私は日本の労働力一般の生産性が低いことを示唆しようとしているわけではありません。国際的な活躍の場における労働の生産性を取り上げているつもりですので、そこは微妙な違いがあります。それはともかく、国際分野におけるハードとソフト、資本と労働の格差については、これが顕著に現れている傍証が、国際機関での日本人比率の低さの他に、もう2つあると私は考えています。第1は、すでに書いた製造業での輸出競争力の強さと対象的な金融サービス業での国際競争力の低さ、第2に、ハコモノに強みを発揮する国際協力の分野です。もちろん、国際機関も含めた3点に共通する通奏低音のひとつとして、言葉の問題を忘れることは出来ません。今さら、どうしようもないんでしょうが、日本語を母国語とするハンディは相当なものがあると言わざるを得ません。ハードはしゃべりませんが、ソフトの分野では英語をしゃべる必要があります。国際機関の日本人比率を別掲にしたのは、こちらには別の要因があって、それは日本がそれなりに豊かな国であることです。我が家が盛んにやっている人生ゲームでも、国際感覚が認められてランクアップというのがありますが、国際的な活躍が出来る人材は国内で大いに高く評価され、それなりに豊かな国内で処遇されてしまうもんですから、国際機関で働く限界的なペイオフが小さい可能性、すなわち、割に合わないことも考えられることを指摘する必要もあると思います。もう死語になった表現かも知れませんが、ハングリー精神に欠けると言うことも出来るかもしれません。

誤解のないように、最後に重要な点を付け加えておくと、第1に、金融以外のソフト産業そのものの日本の競争力はそれなりに強いと言うことです。分野にもよりますが、アニメやゲームソフトなんかです。第2に、私はソフトの弱点は質的なものではなく量的な問題だと考えています。この意味で、途中でヒトとモノの「クォリティ」と表現したのは、日本語にして「品質」と表現するのが不適切だと考えたからです。ですから、ややエラそうな言い方で誠に申し訳ありませんが、平たい表現をすると、為せば為る、とか、やれば出来る、ということを強調しておきたいと思います。

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