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2007年11月 8日 (木)

機械受注は底堅い動きと言えるのか?

今日は、朝から秋晴れのいいお天気でした。気温も20度くらいまで上がりました。空気が乾燥していて、さわやかなお天気の一日でした。

機械受注の推移

今日、内閣府から発表された9月の機械受注統計は季節調整済みの船舶・電力を除く民需のコアで前月比▲7.6%減と、市場の事前予想の平均である▲1.5%を大幅に下回り、2ヶ月連続の減少となりました。ただし、7-9月期でならして見ると7月の大幅増を受けて前期比2.5%増となり、4-6月期の▲2.4%から3四半期振りに増加となりました。なお、昨日のエントリーと同じなんですが、上のグラフは右下に11月5日更新とあるように、最新時点のデータが入っていません。ご容赦下さい。まず、いつもの NIKKEI.NET のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

内閣府が8日発表した7―9月期の機械受注統計によると、設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」(季節調整値)は3兆1197億円と前期比2.5%増えた。
9月単月では前月比7.6%減だったが、四半期としては3・四半期ぶりの増加に転じた。10-12月期の受注額も前期比3.1%増の見通しで、設備投資は先行きも底堅く推移する公算が大きい。
機械受注は機械メーカーの受注状況を集計。企業による機械投資は設備投資の過半を占め、変動の激しい船舶・電力を除く民需は半年先から9カ月程度先の機械投資の動向を示すとされる。内閣府は機械受注の基調判断を「一進一退で推移」と据え置いた。

機械受注は設備投資の先行指標であり、現在の景気局面では賃金が上昇しない中で消費の足取りが弱いため、設備投資が輸出とともに景気を牽引していることから大いに注目されています。基本的には9月単月の統計としては市場予想を下回ったネガティブ・サプライズで、しかも、かなり減少幅も大きいんですが、明るい材料としては、7月にスパイクしたため7-9月期でならすと前期比でプラスの水面上に出たことと、それだけではなく、引用にもある通り、10-12月期の受注額も前期比3.1%増と増加を維持することです。さらに、少しややこしいんですが、設備投資の先行指標である機械受注の、そのまた先行指標となっている達成率は7-9月期で95.2%と、4-6月期の101.5%は下回ったものの、そこそこ高い水準を維持しています。
もちろん、私は下振れリスクの方が大きいと感じています。第1に、外需が9月の単月で前月比▲7.8%減、7-9月期で見ても▲2.2%減となっていることです。外需は国内の設備投資に結びつくわけではありませんが、海外需要が減退していることが見て取れます。四半期で前期比マイナスとなったのは1年振りですから、日本の機械類に対する海外需要が米国のサブプライム・ローン問題などから減退傾向にある可能性も指摘されています。第2に、ここでも顔をのぞかせるのは建築基準法改正の影響で、住宅着工が大きく落ち込んでいることから、建設業からの受注が8月に減少を始めてから9月には下げ足を速めて▲12.3%減となっていることです。さらに、建材需要については出荷段階で止まっているようで、鉄鋼や窯業・土石の発注に基調的な変化は見られませんが、この先、減少につながるリスクは十分予想されます。統計を離れて一般論としても、建て屋が建設されなければ機械類も搬入できないわけですから、建築着工審査が大幅に遅れている現状では、今後、機械受注にも間接的な影響を及ぼすリスクは十分あります。

昨夜のエントリーでも書いたような景気後退局面入りする確率はともかく、もしも、もしもなんですが、景気後退局面入りするとすれば、私の同業者の間で米国のサブプライム・ローン問題よりも建築基準法問題の方を主たる戦犯と見なすエコノミストが多い確率はかなり高いと思います。

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