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2007年12月12日 (水)

米国の連邦準備制度理事会 (FED) の金利引下げは不十分か?

今日は、朝から冬晴れのいいお天気でした。気温も12月にしては上がったような気がします。でも、夕方からは雲が広がり、明日は雨が降るとの天気予報です。

FED-FUNDS TARGET RATE昨日の連邦公開市場委員会 (FOMC) で米国の連邦準備制度理事会 (FED) は政策金利である FF レートと公定歩合を25ベーシス引き下げて、それぞれ、4.25%と4.75%にすることを決定しました。政策金利の引下げは9月と10月に続いて3回連続です。ちなみに、50ベーシスの引下げを予想していた私は外してしまいました。昨日の時点で、25ベーシスが72%、50ベーシスが28%の織込みでしたから、ほぼ市場の予想通りだったにもかかわらず、失望感からNY市場のダウ平均は5営業日ぶりに反落し、前日比294ドル26セント安の1万3432ドル77セントで引けました。 Wall Street Journal の表現を借りると、"Investors sold stocks heavily in disappointment that the Fed rate cut wasn't larger, and that the Fed's statement didn't offer a clearer promise of more rate cuts later." ということになります。ついでに、東証の日経平均もNY市場やアジア市場で下げを確認したこともあって、前日比112円46銭安の1万5932円26銭で終わりました。なお、前回、10月末の FOMC で金利引下げを決定した際にはカンザス・シティ連銀の Hoenig 総裁が金利据置きの反対票を投じましたが、今回の FOMC では逆にボストン連銀の Rosengren 総裁が50ベーシスの引下げを主張して反対票を投じました。
今回の FOMC の声明文で注目されるのは、前回の "rough balance" との文言が消えて、代わりに、"Recent developments, including the deterioration in financial market conditions, have increased the uncertainty surrounding the outlook for economic growth and inflation." との表現になったことです。10月の FOMC の時点では利上げを一度打止めにする方向性が示されたんですが、結局、11月中にバーナンキ議長自らが金融市場環境の悪化のために金利引下げを示唆する展開になりましたから、今回は先行きの不透明感を強調し、さらなる利下げに道を開くものと解釈されています。25ベーシスで先行き金利引き下げ継続か、50ベーシスで打止め感をだすかの選択の結果、後者が選ばれたような気がしないでもありません。すなわち、金融緩和を継続する方向性を重視することで、金利の引下げ幅が25ベーシスに抑えられたんだろうと思います。ですから、必要ならば追加の金利引き下げに踏み切ることに何ら躊躇はないと考えられます。なお、いつもながら、 FED は FOMC 終了後に議長が記者会見したりすることなく、ごく短い声明文を発表するだけですから、ご興味ある方は上のリンクからステートメントそのものをご覧下さい。

月曜日から3夜連続で米国経済を取り上げていますが、実物経済の堅調さと金融市場の先行き不透明感のギャップが生じている中で、正直にこれを反映するように、日経センターの市川主任研究員が 日経の BizPal なんかで明らかにしているような「強気な政府と慎重なFRB」のギャップも明らかになって来ています。この慎重な金融政策当局は、来年年央には FF レートを少なくとも3%台半ばまで下げると私は予測しています。

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