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2007年12月26日 (水)

景気の現状から必要な経済政策を考える

今日は、朝から冬晴れのいいお天気でした。しかし、気温は上がらず、ランチタイムにコートなしで外出した際には、寒々としていました。もう冬至を過ぎて12月も下旬の師走なんですから当然ですが、完全に真冬のお天気でした。

今日の日経ネットPlusで日本総研調査部ビジネス戦略研究センター所長の山田さんが先日の日銀の金融政策決定会合を評価し、インタビューに応じる形で、「日銀は『金利正常化の停止』宣言を」と題したコラムを掲載して、期待に働きかけるリフレ政策の必要性を論じています。なお、上のリンクを開くためには無料の登録が必要です。念のため。山田さんは私の同業者で、京都大学経済学部の後輩筋に当たったりします。卒業してかなりの年数になりますが、まだ、関西弁のアクセントが少し残ったしゃべり方をしていたりします。それはともかく、インタビュー形式ですので、丸ごと引用することはしませんが、私なりに要約すると、日銀が「金利正常化」を進める根拠として、「企業収益→家計所得」および「大企業収益→中小企業収益」という波及を暗に前提としていたものの、最近時点では変調を来たしており、日銀は「金利正常化プロセスの停止」を宣言して、政府に経済の体質強化に向けた総合政策を実施するよう促すべき、とのご意見です。途中に、サブプライム・ローン問題なんかも挟まっているんですが、議論の肝は上の通りだという気がします。
私のこのブログでも12月19日付けのエントリーで、同様に、「景気拡大が企業から家計へ波及する日銀シナリオは崩れるのか?」と題して、政府の月例経済報告の表現振りの観点から、ESP フォーキャスターの2月利上げ説を批判したことがあります。現時点で、リフレ政策が必要であるのは私もそう思います。リフレ政策ポータル Wiki のバナーは貼っていないからといって、もちろん、リフレ政策に反対しているわけではまったくありません。ただし、インフレ目標の採用はリフレ政策のもっとも強力な手法だということは十分に理解しつつも、それだけに限定するのもやや違う気がするというのは、11月15日のエントリーで書きましたので再論しません。もちろん、インフレ目標が国民にスンナリ受け入れられて、金融政策当局が実際に採用するのであれば、それに越したことはありません。来年度予算ではプライマリー赤字が少し増えて、財政政策にややストレスをかけた形になっていますが、金融政策は金利の正常化を進め、財政政策は増税を模索するというのでは、現在の景気の現状から見て最適なポリシー・ミックスからほど遠いように受け止めているエコノミストも少なくないと考えられます。財政政策にこれ以上ストレスをかけると、逆に将来リスクを高める可能性が強いのであれば、金融政策の面からリフレ政策を進めるべき選択肢しか残らないいような気がしないでもありません。

日銀の政策決定が政策委員会における合議制であり、宣言のような将来コミットメントは難しいのは十分に理解していますが、実は、上でも強調表示した通り、山田さんのコラムの肝は宣言にあると私は理解しています。理解の不十分なメディアなんかには評価されない可能性も高いんですが、実際に何らかの政策行動を取るよりも、リフレ政策採用の宣言により期待に働きかける政策を実行する選択肢もあり得ることを理解すべきだと私は考えています。

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