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2008年1月31日 (木)

米国経済の動向と米国大統領候補の景気対策案

今日も朝からいいお天気でしたが、昨日よりもかなり気温が下がったように思います。でも、ランチタイムに外出するのにコートは不精してしまいました。

GDP GrowthFed-Funds Target

米国の GDP 統計と金利の引下げが発表されました。昨年10-12月期の米国の成長率は年率で0.6%と大幅に減速し、米国連邦準備制度理事会 (FED) は定例の連邦公開市場委員会 (FOMC) を開催し、政策金利である FF レートを50ベーシス引き下げて3.0%とすることを決定しました。いずれも上のグラフの通りです。まず、いつもの NIKKEI.NET からこれらの記事を引用すると以下の通りです。

米GDP、0.6%成長に減速・10-12月期
米商務省が30日発表した昨年10-12月期の実質国内総生産(GDP)の速報値は、前期の昨年7-9月期に比べ年率換算(季節調整済み)で0.6%増えた。実質成長率は前期の4.9%を大幅に下回り、急減速した。昨年1-3月期の0.6%以来、3.四半期ぶりの低水準となった。住宅投資が26年ぶりの大幅な減少となり、個人消費と設備投資の伸びも鈍化した。市場では景気後退の懸念が強まりそうだ。
2007年暦年の実質成長率は2.2%。前年の2.9%より減速し、02年の1.6%以来、5年ぶりの低水準を記録した。
昨年10-12月期の実質成長率は市場予測の平均値である1.2%の半分にとどまった。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を発端とする金融不安が長引き、実体経済に幅広い打撃を与えたことが浮き彫りになった。
住宅投資は前期比23.9%減。8四半期連続の減少で、1981年10-12月期の35.1%以来の大幅な落ち込みとなった。住宅ローンの融資基準が一段と厳しくなり、建設や販売の不振に拍車がかかった。
米、0.5%追加利下げ・FF金利3%に
米連邦準備理事会(FRB)は30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、最重要の政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.5%引き下げ、年3%とすることを賛成多数で決定、即日実施した。金融機関向けの貸出金利である公定歩合も0.5%引き下げ、年3.5%とした。
FF金利の引き下げは昨年9月のFOMCから5回目。22日に0.75%の緊急利下げに踏み切ったばかりだが、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を発端とする金融不安や景気悪化に歯止めをかけるため、一段の金融緩和を決断した。
FOMC終了後に発表した声明は「金融市場はかなりの緊張状態にある」と指摘。金融不安が長引き、住宅市場の低迷や雇用の鈍化が鮮明になったとの判断を示した。「景気下振れのリスクがなお残る。必要に応じて迅速に行動する」と述べ、追加利下げの可能性に含みを残した。

引用が長くなってしまいましたが、この米国の経済の大幅な減速に対して、すでに報道されているように、大統領府は rebate check と呼ばれる戻し減税1000億ドルをはじめとする1500億ドル規模の減税を中心とする景気対策を発表しています。すでに、議会下院を通過し上院で審議中なんですが、日本ではそんなに注目されていないものの、対抗する民主党の大統領候補者も以下のように景気刺激策を発表しています。我が同業者のレポートからの丸写しの孫引きですが、各候補者のホームページから取ったものだそうです。

  • クリントン候補 (総額700-1100億ドル)
    • 緊急住宅基金:300億ドル
    • 低所得家庭向け暖房費支援:250億ドル
    • 失業保険の給付延長:100億ドル
    • 代替エネルギー促進プログラム:50億ドル
    • 個人への戻し減税:400億ドル (状況に応じて)
  • オバマ候補 (総額750-1200億ドル)
    • 一律250ドルの戻し減税 (雇用が3ヶ月連続で減少した場合、再度同額給付) :350-700億ドル
    • 年金受給者へ250ドル給付 (雇用が3ヶ月連続で減少した場合、再度同額給付) :100-200億ドル
    • 住宅差し押さえ救済基金:100億ドル
    • 極度に住宅市場が冷え込んだ地域へのインフラ支援:100億ドル
    • 失業保険給付の増額:100億ドル

繰返しになりますが、大統領府の案が1500億ドル規模で戻し減税が中心ですから、即効性を重視していると見られます。極端なことをいえば、年央に集中的な対策を講じて景気後退を食い止めようとする姿勢が見られます。他方、民主党候補者の案はいずれも住宅基金を含んでいます。オバマ候補なんかは Foreclosure Prevention Fund なんて直接的かつ分かりやすい名称を付したりしています。何分、同業者から送られて来たレポートの丸写しで、私も詳細を検討しているわけではありませんので、内容は微妙に違う可能性がありますし、直感的にはやや金額が少ない気もしますが、住宅債権買取機構のようなものを考えているのであれば、かなり根本的な解決策と評価できます。ただし、救済のために qualify するのに時間がかかり、大統領府案のような即効性は望めない可能性が高いと受け止められています。別の観点ですが、戻し減税は消費性向次第で確実性が必ずしも高くないと考えられる一方で、オバマ候補の案に含まれているインフラ整備の公共投資は確実性が高いとも評価できます。他方、私が見た範囲で、現在のブッシュ大統領と同じ共和党の候補者からは、大統領府案に付け加える形で、35%の企業法人税率を25-20%に引き下げるとか、設備投資の償却を加速させる案も示されています。共和党候補者の中でもハッカビー候補からはかなり極端な案が示されています。すなわち、個人及び企業に対する連邦所得税を廃止して消費税に統一することにより、労働へのインセンティブ低下を防止することが提案されています。もっとも、実現性は疑問視されていたりもします。ある意味で当然です。

Economic Concerns

米国経済は年央の景気後退の可能性を含めて、崖っぷちと表現するエコノミストもいたりして、かなり微妙な局面にあるんではないかと見られている中で、大統領選挙でも上のグラフに見られる通り、経済問題に対する米国民の関心は高まって来ており、再び、"It's the economy, stupid." が大統領選挙の争点になる可能性も十分あるんではないかと私は考えています。

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2008年1月30日 (水)

国際通貨基金 (IMF) の世界経済見通しの改定

今日は朝からいいお天気で、久し振りに気温も上がりました。最近、2週間以上にわたって東京の最高気温は10度を下回っていたようですが、今日はかなり気温が上がりました。風も弱くて、ランチタイムに外出するのにコートは不要でした。

Global slowdown

現地時間の昨日、国際通貨基金 (IMF) から世界経済見通しの改定 "World Economic Outlook Update" が発表されました。日本語の仮訳もあります。概要は上の表の通りです。FT.com のサイトから最初の3パラだけ記事を引用すると以下の通りです。

The International Monetary Fund on Tuesday slashed its forecast for US growth and warned that no country would be immune from what it termed a "global slowdown".
The Fund said global growth would fall from 4.9 per cent in 2007 to 4.1 per cent this year, 0.3 percentage points lower than it forecast in October.
US growth would fall from 2.2 per cent to 1.5 per cent, with the eurozone slowing from 2.6 per cent to 1.6 per cent.

IMF は通常であれば4月と9-10月に年2回の世界経済見通しを発表し、この時期に経済見通しを改定するのは極めて異例なんだという気がします。一応、International Comparison Program が2007年12月に新PPPデータを発行したので、試算してみた形となっていますが、昨今の株式市場の下落なんかを織り込む形で改定したんではないかと考えるエコノミストが多いようです。私が同業者と意見交換した感触からすれば、かなり市場で注目されていたんではないかと思います。結果として注目されるのは、上の表から読み取れるところで、2007年の成長率から2008年がどれくらい下がるかで、世界経済の成長率が4.9%から4.1%に▲0.8ポイント、米国が2.2%から1.5%に▲0.7ポイント、欧州が2.5%から1.6%に▲1.0ポイント、日本が1.9%から1.5%に▲0.4ポイント、アジア新興国が9.6%から8.6%に▲1.0ポイント、それぞれ2008年は成長率が低下する見通しとなっています。上の表にはないんですが、昨年10月時点での世界経済見通しとの差分も注目されるところで、2008年の成長率で見て、米国が▲0.4ポイント、欧州が▲0.5ポイント、日本が▲0.2ポイント、アジア新興国が▲0.1ポイントの下方改定となっています。なお、世界経済全体の下方改定幅は▲0.3ポイントとなっています。微妙な評価になりますが、弱気派のエコノミストが見れば IMF が異例の時期に経済見通しを下方修正したということになりますし、次のパラで詳しく見るように、強気派のエコノミストからすれば米国の景気後退は盛り込まれていないとも見えます。しかし、いずれにせよ、IMF は明示的には表明していませんが、明らかにデカップリング論は破綻したと言えます。ひょっとしたら、今回の経済見通しでもっともインパクトの大きいメッセージはこれかもしれません。
米国の2008年成長率は上の表からは1.5%なんですが、IMF の見方はその右側の第4四半期対比で見た0.8%の方が実感に近いんではないかとされています。もっとも、かなり早い時期の米国の景気後退を言い出したゴールドマン・サックス証券のレポートでは、第2-3四半期に▲1.0%のマイナス成長を記録して、2008年を通して見れば0.8%成長との見通しでしたから、直感的には、IMF の経済見通しは米国は景気後退を回避できるとの見方であろうと考えられます。また、私の目から見てやや不可解なのは、欧州の成長率がかなり低いことです。欧州中央銀行 (ECB) では欧州の潜在成長率は2%程度と考えられており、昨年12月時点での2008年の経済成長率見通しは中央値で2.0%でした。最近時点で、次回の3月見通しでは下方修正するとの理事会メンバーの発言も報道されましたが、それにしても、IMF 見通しは思い切って低いような気がします。今回はほとんど数字だけの発表で、フォーマルな分析レポートがありませんので、詳しいことは分かりません。

Big contribution

先ほども書きましたが、今回の世界経済見通しの改定は、International Comparison Program が2007年12月に新PPPデータを発行したためとされており、世間的にはまったく注目されていないんですが、購買力平価 (PPP) で評価した世界のトータル GDP の成長に対する寄与度も再計算されています。上のグラフの通りです。世間的にはともかく、ひょっとしたら、IMF 的にはこれをメインにしようとしていたのかもしれません。IMF の思惑はともかく、もともと、中国の世界経済の成長率への寄与度は市場評価の為替レートでも米国より大きかったんですが、購買力平価で評価するとさらに巨大なものとなるようです。上のグラフの緑色の棒グラフです。今回、購買力平価が再計算されたので、中国やインドの寄与度がかなり下がったんですが、それでも中国の寄与度は購買力平価で評価すると欧米を合計したものより大きいですし、インドの寄与度も欧米と遜色ありません。日本の寄与度は市場評価の為替レートで評価しても中国やインドにも達しませんから、まあ、トータルの GDP の大きさはまだ負けていないとしても、今年の大田大臣による経済演説にあった通り、「世界の総所得に占める日本の割合は24年ぶりに10%を割り、日本は『経済は一流』と呼ばれる状況ではなくなった」のかもしれません。

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2008年1月29日 (火)

日本の雇用はゆっくり悪化に向かいつつあるのか?

今日は朝からが広がり、時折、雨が降りました。気温は上がらず寒かったですが、雪にはならずに雨でした。

失業率と有効求人倍率

今日は、雇用統計が発表されました。すなわち、総務省統計局から失業率、厚生労働省から有効求人倍率の発表がありました。12月の完全失業率は11月と同じで3.8%、同じく12月の有効求人倍率は11月から0.01ポイント下がって0.98倍でした。12月の計数が出たことにより、2007年の雇用統計が出そろったことになり、2007年の完全失業率は前年から0.2ポイント下がって3.9%と10年振りの3%台となりました。また、2007年の有効求人倍率は前年を0.02ポイント下回り、1.04倍となりました。上のグラフは赤の完全失業率と緑の有効求人倍率それぞれの推移を示しています。大雑把な傾向として、2002年の年初や年央から改善傾向にあったのが、完全失業率では改善が足踏みし、有効求人倍率は反転しかかっているのが読み取れると思います。まず、少し長くなりますが、いつもの asahi.com のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

総務省が29日発表した昨年12月の完全失業率(季節調整値)は前月と同じ3.8%だった。07年平均の失業率は前年を0.2ポイント下回る3.9%で、10年ぶりに3%台を回復した。一方で、厚生労働省が同日発表した12月の有効求人倍率(同)は前月を0.01ポイント下回る0.98倍と、5カ月連続で悪化。07年平均も前年を0.02ポイント下回る1.04倍で、5年ぶりに前年を下回り、厚労省は「改善の動きが弱まっている」としている。
12月の完全失業率を男女別にみると、男性が前月と同じ3.9%、女性は前月を0.1ポイント上回る3.7%。雇用者数は前年同月より60万人多い5531万人と34カ月連続で増え、完全失業者数は前年同月より13万人少ない231万人で、25カ月連続で減少した。
失業理由別では、リストラなどの会社都合による失業者が前年同月より3万人減り、自発的な離職者も8万人減と、改善がみられた。
ただ、12月の有効求人倍率は、新規求人数が前年同月比15.1%減と12カ月連続で減少したことなどで、2カ月連続で1倍を下回り、05年10月以来の低水準となった。新規求人数の減少は、9割が従業員100人未満の中小企業の求人減によるもので、厚労省は「原油高や資源高の影響で、中小企業が引き続き採用を手控えている」と分析している。

ごく単純に教科書的な見方を示すと、景気動向指数においては失業率は遅行系列で、有効求人倍率は一致系列ですから、失業率の完全が足踏みを始めて、有効求人倍率が悪化しているんですから、景気は下り坂と見えなくもありません。就業者数も12月は前月から▲4万人減少し、特に、雇用者数が▲23万人減少しています。もっとも、11月には就業者数が54万人の増加を示しましたから、この反動の面も読み取れます。さらに、方向だけでなく水準も加味すると、失業率が3%台で有効求人倍率も1を超えていますから、ややネガティブな印象ながら、現状の統計を見る限り、景気後退というよりも growth recession と評価するのが適当であろうと私は考えています。

業種別雇用者数推移

また、別の観点から2点ほど指摘しておきたいと思います。まず、上の asahi.com からの引用にもある通り、新規求人者数の減少が中小企業に集中し、逆に、雇用者の増加は大企業に依存していることです。格差を重視する観点からはよくない傾向にも見えないことはありませんが、私はまったく逆の見方をしています。すなわち、もしも、地方圏や中小企業が生産性が低いために大都市圏や大企業と格差を生じているのであれば、人的なリソースを生産性の低い地域や産業から生産性の高いセクターに移動することは社会全体の生産性や経済的厚生を高めることが明らかだからです。第2に、これも同じことなんですが、上のグラフに見る通り、ここ数ヶ月で雇用者を増加させている産業に縦縞の情報通信業が上げられます。もっとも、上のグラフは前年同月差ですから、新規求人者数の減少と雇用者数の増加よりも対比に無理があるカンジがしないでもないんですが、大雑把にはそう言えるかもしれません。情報通信業に比べて、やや要因は異なるんですが、先月については斜め縞の建設業が減少しています。私はそんなに確立された stylized fact だとは必ずしも考えていないんですが、生産性や付加価値を高める観点から、建設業から情報通信業に雇用がシフトすることを評価するエコノミストも少なくないと考えます。地方圏や中小企業から大都市圏や大企業に雇用がシフトしているのは、やや誤解を恐れずに言うと、建設業から情報通信業に雇用がシフトしているのと、生産性や経済的な厚生の観点から同じ効果を持つと評価できそうな気がします。

これらを総合すると、日本の雇用情勢はマクロではゆっくりと悪化に向かいつつあるようにも見えますが、よりマイクロに産業別なんかで観察すると、生産性の高い分野へのシフトも見られると言えなくもなく、マクロではややネガティブながらも、経済的な厚生を高めるポジティブな方向とも評価できると考えています。

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2008年1月28日 (月)

米国の景気後退と日本の不況の違いから景気拡大継続の重要性を考える

今日も朝からいいお天気の冬晴れだったんですが、午後から雲が広がり、明日は雪か雨が降りそうだとの天気予報です。ここ2週間ほどと同じで、気温はそんなに上がらず、冬本番の寒さが続いています。

今年に入ってから、我が同業者の間で米国の景気後退の確率が高まっているとの議論が盛んになっています。特に、今年に入ってから、米国の雇用統計と ISM 指数の発表を受けて、米国がすでに景気後退に入っているとの論調もあったりします。1月26-27日付けの週末版の "Financial Times" では Recession という名の雪崩が Davos に行かないように食い止めている人々のマンガが書かれたりしています。さらに、日本でも米国の景気後退に関する確率が高まっているとのレポートに接することも少なくありません。。例えば、1月11日付けの日本総研の「リサーチアイ」なんかでも、「『景気後退』の領域に近づく米国景気指標」として、たんねんに指標を検討していたりします。しかし、私の目から見て、米国の景気後退と日本の不況を混同している議論も見受けられたりします。私は日米で景気後退や不況に関する認識にかなりギャップがあると感じ始めています。
日本の不況と米国の景気後退の違い、あるいは、米国における景気後退への恐怖感は、まだまだ、日本ではエコノミストですら理解されていない部分があるように感じられます。一言でいうと、米国の景気後退が強烈なインパクトを持つ理由は、レイオフによる雇用調整がメインになるからです。日本でも前世紀の終わりころからリストラという名で雇用調整が始まりましたが、終身雇用制度がある程度の広がりを持つ日本では、まだまだ雇用を失うというより、歴史的に見て、ボーナスなどの賃金=価格調整で乗り切る面が強く、いきなりレイオフ=数量の調整に入る米国との差は大きいと私は考えています。この雇用調整の広がりが米国において景気後退が恐怖感を持って受け止められている大きな要因だと私は考えています。
しかも、米国では五大湖周辺の製造業が典型的なんですが、日本的に言うところの正社員の福利厚生は我が国の公務員もしのぐくらいに手厚く、地域コミュニティが企業に丸抱えされている例も少なくありません。企業が中心となって、病院を経営し、学校を建設し、ショッピングセンターまで運営している例もあったりします。レイオフされると、これらの福利厚生サービスから締め出されるか、締め出されないまでも価格が跳ね上がる例も見られます。不況になってもボーナスが減額されるくらいで済んでいた日本と違って、景気後退になればレイオフで正社員の地位を失うダメージはお給料に止まらず、福利厚生を含めて計り知れないものがあるわけです。
日本でも景気循環が長期化し、景気後退や不況になれば数量的な雇用調整が始まる場合もあり得る時代になりましたが、まだまだ、米国的な景気後退の強烈なインパクトに関する理解が不十分な気がしないでもありません。我が同業者の中でも官庁エコノミストはこの傾向が少し残っているように感じないでもなく、私も昔はそうだったんですが、不況期に効率性の点で劣る企業が淘汰されるのは次の景気拡大期の健全な成長にはマイナスにならない、との清算的な思考回路も残されているように見受けられる場合もあったりします。しかし、日本でも不況や景気後退が壮大な生産要素のムダにつながることは、デフレ期に実感されたように思います。

何とか、雇用調整を伴う不況や景気後退には入らず、政策的には難しい時期に来ている気もしますが、景気拡大を継続することが重要であると私は考えています。

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2008年1月27日 (日)

インドネシアのスハルト元大統領が死去

テレビのニュースで知りましたが、インドネシアのスハルト元大統領が死去しました。86歳だったそうです。長くなりますが、取り急ぎ、いつもの asahi.com のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

インドネシアで32年にわたる長期政権を担ったスハルト元大統領が27日、ジャカルタ市内の病院で多臓器不全のため死去した。86歳だった。東西冷戦下、経済発展と安定をもたらして「開発の父」と称賛されたが、共産党弾圧など力による支配から独裁者とも呼ばれた。民主化要求の高まりで98年に辞任に追い込まれ、不正や圧政の責任追及を受けたが、健康悪化を理由に刑事裁判は打ち切られていた。
スハルト氏は昨年暮れから全身がむくんで血圧が低下し、今年1月4日に入院。肺に浮腫がたまるなどして症状が悪化、多臓器不全に陥った。一進一退を繰り返し、一時快方に向かったが、27日午前に容体が急変。午後1時すぎに亡くなった。
遺体は28日、一族の墓地があるジャワ島中部のソロに搬送され、葬儀が営まれる。インドネシア政府は27日から1週間、喪に服するよう国民に呼びかけた。葬儀委員長に就くユドヨノ大統領は会見で「国家に貢献した偉大なリーダーだった。深い哀悼の意をささげたい」と語った。
21年6月、中部ジャワ生まれ。日本軍政下で郷土防衛義勇軍に加わり、第2次世界大戦後は対オランダ独立戦争で名を上げた。65年、スカルノ政権下で起きた共産党系将校によるクーデター未遂事件(9・30事件)鎮圧を機に、実権を掌握。共産党弾圧の犠牲者は数十万人規模とも言われる。
68年3月に第2代大統領に就任。旧ソ連・中国寄りだったスカルノ外交から、外資導入と外国の援助による経済開発路線に転換し、日本や米国など西側諸国に傾斜した。東南アジア諸国連合(ASEAN)では指導的な役割を果たした。
しかし、家族や取り巻きを重用する縁故主義が目立ち始め、98年の公共料金値上げをきっかけに国民の不満が噴出。同年5月に辞任に追い込まれた。
その後、世論は在任中の不正を追及。最高検は07年7月、計約14億ドル(約1500億円)の不正蓄財の返還と損害賠償を求める民事訴訟を起こし、今も係争中だ。

私は前世紀の末から3年間にわたって、家族とともにジャカルタに赴任していました。インドネシア政府の官庁で計量経済モデルの技術協力に携わっていました。ですから、独身時代に大使館に勤務していたチリとともにインドネシアは親しみのある国です。チリとインドネシアの共通点はもうひとつあって、少し前の指導者の評価が分かれることです。チリでは一昨年2006年12月11日のエントリーでも取り上げたピノチェット元大統領ですし、インドネシアでは今日の午後に死去したスハルト元大統領です。
もっと言えば、インドネシアには第2次大戦後に2人の父がいて、上の記事の引用にもある通り、スハルト元大統領は「開発の父」、そして、独立の英雄であり初代大統領のスカルノ元大統領は「建国の父」です。現在のユドヨノ大統領の前のメガワティ前大統領はスカルノ初代大統領の長女です。どんどんスハルト元大統領から離れて行きますが、ご存じの通り、デビ夫人はスカルノ初代大統領の第3夫人です。ついつい、スカルノ元大統領の縁故者を書き連ねてしまいましたが、スハルト元大統領とともにスカルノ元大統領も立場や時期により評価が分かれるだろうと思います。軍出身の現在のユドヨノ大統領なんかからすれば、引用にもある通り、スハルト元大統領は「国家に貢献した偉大なリーダー」とも言えますし、逆の立場からすれば、別の評価があり得ます。これはスカルノ元大統領についても同じことが言えます。第2次大戦終了直後の世界的に共産党が勢力を伸ばした時期に、インドネシア共産党と国軍とのバランスを巧みな政治感覚で調整したスカルノ元大統領に対して、スハルト元大統領は圧倒的な軍事的実力を背景に、反共・親米路線をひた走って経済開発に成功しながらも、縁故主義に傾いたり不正蓄財疑惑を追及される中で、アジア通貨危機を契機とするインドネシアの経済的混乱により、やや不名誉な退陣を余儀なくされました。このあたりは名誉ある退陣を果たしたチリのピノチェット将軍とは大きく違います。どちらも、私は同時代人に近いんでしょうが、もう少し時間を経て歴史が評価を明らかにするんではないかと思います。

いずれにせよ、2006年12月11日のエントリーでピノチェット将軍の死を取り上げたエントリーと同じ最後なんですが、ひとつの時代が終わったと私は受け止めています。前例に従って、海外生活の思い出の日記に分類しておきます。

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下の子がスキー用品などの買い物から戻る

下の子は2月中旬にボーイスカウトの仲間と行くスキー合宿があります。昨夜にカブ隊の隊長さんからメールで申込書が送られて来て、即刻、記入して返送したりしていました。その買い物なんかのため、女房に連れられて外出していた下の子が帰宅しました。育ち盛りの小学生ですから、ウェアやスキー板なんかは体が大きくなればすぐに使えなくなりますので、スキー合宿ではほとんどをレンタルするつもりだったんですが、スノトレだけは行きのバスの中から着用で、そのまま雪の中を歩いて宿に入るんだそうで、スキー場で借りるわけにもいきませんので買いに行きました。昨年はどうしたのか、私はすっかり忘れていましたが、女房に聞くとウェアとスノトレは事前に誰かから借りたそうです。スキー板だけをスキー場で借りたらしいです。
どうでもいいことなんですが、エコノミストとしての本業の方で昨年は激動の1年、というより、昨年8月のパリバ・ショック以降、先週半ばに東証の株安が一段落するまでが激動の半年でしたので、サブプライム・ローン問題が大きくクローズアップされるきっかけになったパリバ・ショック以前の出来事は遠い過去のように感じてしまいます。思い起こせば、パリバ・ショックの直後の9月に、当時の安倍総理大臣の突然の辞任もあったりしました。政府で働く公務員としては、これにもびっくりさせられました。
それはともかく、昨年下半期を回顧するのはこれくらいにして、昨日に続いて今日も下の子はお出かけで、女房に連れられて買い物に行って、下の写真の通り、スノトレやグローブなんかを買って来ました。それにしても、スキー合宿の買い物はうれしいハズなのに、下の子の表情は冴えません。思ったより買い物に時間がかかったのが不満の理由らしいです。決して本質的ではない男と女の大きな違いに、買い物にかける時間があると私は考えているんですが、我が家の下の子も買い物に時間をかけるのを嫌う男性的な性格が徐々に現れつつあるのかもしれません。

スキー用品を買って来た下の子

これでスキー合宿の準備は万端で、2月中旬にはボーイスカウトの仲間とともにスキーに行きます。下の子はビーバー隊からスカウト活動を始めていますが、カブ隊やボーイ隊に上進してキャンプに行くのが何よりの楽しみでしたから、スキーに行って大いに楽しんで来てくれるといいな、と私も願っています。私とおにいちゃんは留守番だったんですが、何となく気分で、お出かけの日記に分類しておきます。

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今年のスギ花粉の飛散状況やいかに?

今日も、朝から冬晴れのいいお天気でした。今日は少し風が弱まったようで、体感気温は上がった気がします。でも、まだまだ冬本番の気候が続いています。

平成20年スギ花粉前線予測

今でこそ冬本番の気候が続いていますが、そろそろ今週末には2月に突入して、花粉の季節を迎えることになります。と言うことで、少し前のニュースで流れていましたが、1月24日に環境省が「平成20年春の花粉総飛散量等の予測(確定版)について(お知らせ)」を発表しました。この中の平成20年スギ花粉前線予測を抜き出したものが上の地図です。まず、いつもの asahi.com のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

環境省は24日、今春の花粉飛散量の予測(確定版)を発表した。東日本で平年(過去10年平均)並みかやや多く、西日本では平年並みかやや少ない「東高西低」型になると予想。飛散開始は例年より5-10日程度早くなるとしている。
昨春と比べて、飛散量は東日本が1.5-3倍、西日本は同じ程度という。都道府県別でみると、埼玉、山梨が昨春の3倍以上、東京が2倍以上に増える。愛知で40%、福岡でも7%増えるが、大阪は1割程度減ると予測されている。
また、1月末には寒さが緩み、飛散開始は平年に比べ5-10日早くなる見込みだ。南房総や伊豆などの早い地域で1月末、東京や愛知では2月上旬、大阪、福岡でも同中旬までには始まるとみられている。
2月の気温は高めで、飛散が始まるとすぐにピークを迎えるが、飛散期間は昨春より長くなるという。環境省は飛散情報をホームページで2月から公開。花粉症患者に、「外出時はマスクなどを利用してできるだけ花粉をあびないように」と呼びかけている。

我が家では私とおにいちゃんが花粉症のアレルギーなんですが、昨年は10年平均の例年に比べて少なかったものの、今年は例年並みの飛散量で、昨年の倍との予測です。それにしても、都道府県別の花粉飛散量を見ると、北海道だけが桁違いに、しかも、2桁違って少ないのがよく分かります。関東に限れば、大雑把に北関東は南関東の2倍くらいといったところです。花粉症は2月11日の建国記念日から4-5月のゴールデンウィークまでと俗に言われていますが、あと2週間ほどで始まるのかもしれません。体力とか自然治癒力とは関係がないので、ひたすら逃げるか防ぐしかありません。気候的には季節がよくなって行く時期なんですが、花粉症が厳しい季節でもあります。

子供部屋で勉強するおにいちゃん

ボーイスカウトから行くスキー合宿の買い物のため、今日は下の子が女房に連れられて外出し、我が家の花粉症組の私とおにいちゃんとで留守番です。小学校も高学年になると、勉強も忙しいですし、もう親とは遊んでくれませんので、花粉症について取り上げてみました。

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2008年1月26日 (土)

下の子を理科教室に連れて行き、気象について考える

今日も、朝から冬晴れのいいお天気でした。引き続き風は強いんですが、昨日よりは少し気温も上がって、風も弱まった気もします。でも、まだまだ真冬の寒さが続いています。やっぱり、自然の摂理として夏は暑くて冬は寒くないといけないような気がします。

理科教室で白衣姿の下の子

今日は下の子を理科教室に連れて行きました。上の写真は白衣姿の下の子です。写真を撮られる方も撮る方も完全にマンネリです。それはともかく、今日のクラスは気象についてです。雲は西から東に流れるとか、湿度の測り方なんかについて教わったようです。何度か、このブログでも取り上げたことがありますし、サイドのプロファイルにもある通り、私は海外勤務を2回ほど命ぜられて、南米はチリの大使館に外交官として勤務したことがあり、今世紀に入ってからは家族でジャカルタに3年ほど住んでいました。要するに、南半球を回っているわけです。北半球はごく短期間だけ米国の連邦準備制度理事 (FED) のリサーチ・アシスタントをしていただけです。北半球と南半球で違うのは太陽が差し込んで来る方角です。例えば住宅なんかでは、日本のような北半球では南向きがいいとされますが、チリなんかの南半球では北から太陽が差します。もっとも、赤道直下に近いジャカルタでは暑いのでどちら向きでも大きな違いはありません。ジャカルタは赤道と南回帰線の間にありますから、日本で言う冬の今くらいの季節には太陽は南から差し込んで来ますが、大雑把には北から照り付けます。繰返しになりますが、暑いところですから太陽光線は歓迎されない場合もあります。しかし、当然ながら、東西は北半球と南半球で変わりないのを時々間違う人がいたりします。太陽や月は東から出て西に沈みますし、雲は西から東に流れて、お天気も西から東に変化して来ます。もっとも、世界地図で見れば明らかなんですが、チリの場合は南北に細長くて東西はそんなに距離がありませんから、東京などで九州くらいのお天気が1日遅れでやって来るような実感はありませんでした。
それから、この季節、下の子は雪遊びが大好きです。つい先日の1月23日には雪が降って団地で雪遊びをしたらしいです。私の記憶が正しければ、我が家の近所でかなり豪快に雪が降ったのは青山に引っ越してくる直前の2年前の2006年1月20日過ぎです。まだ松戸に住んでいたころで、2006年1月21日と22日のエントリーでは、雪の中を傘を差してお出かけしたり、豪快に雪遊びしている我が家の子供達の写真があります。しかし、青山に引っ越してから昨年の暖冬などもあって、サッパリ雪が降らず、さすがにジャカルタ並みではないことは理解しているものの、青山は松戸より暖かくて雪が降らないのかと下の子なんかは文句を言ったりしていたんですが、先日、ようやくチョッピリ雪が降りました。でも、まだまだ雪が少ないと不満の様子ですので、そんなに雪が好きなら、がんばって勉強して北海道大学に行くように私は下の子にオススメしたりしています。

シャラポワ選手の全豪オープン決勝でのプレー
シャラポワ選手が全豪オープンで優勝

最後に、理科教室とも気象の話とも、何の関係もないんですが、全豪オープン・テニスの女子シングルス決勝があり、イワノビッチ選手を破ってシャラポワ選手が全豪オープンで初優勝です。誠におめでとうございます。グランドスラム大会では2004年のウィンブルドンの全英オープン、2006年の全米オープンに続いて3勝目だそうです。昨年の全豪オープンではシャラポワ選手はセリーナ・ウィリアムズ選手に完敗したと私は記憶していますが、今年は、事実上の決勝戦に近いとも言われた準々決勝のエナン戦を勝ち上がって、順当な優勝とも見えなくもありません。昨年6月28日付けのエントリーに書きましたが、私は日本選手では森田あゆみ選手を応援しているんですが、伊達公子さんが引退した後、日本人選手でグランドスラム大会を勝ち上がって来るプレーヤーもなく、やっぱり、女子ではシャラポワ選手に目が行ってしまいます。力強いプレーや試合中に大声を張り上げたりする勝ち気な様子と試合が終わってからの笑顔の落差も魅力だったりしますので、上にはその2枚の写真をピックアップしてみました。

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2008年1月25日 (金)

予想外の上昇を示した消費者物価はインフレ期待を高められるか?

今日も、朝から冬晴れのいいお天気でした。一昨日の雪で地上のホコリが洗い流されたようで、昨日今日と空気が澄んでいるようにすら見え、冬ながら陽射しが強烈です。でも、今日は気温が上がらず風も強かったので、とっても寒かったです。昨日と同じようにコートなしで外出したら、交差点で信号待ちをしている時なんかには、筋肉がこわばるように感じてしまいました。

全国コアCPIの財別寄与度分解

今日、総務省統計局から消費者物価指数 (CPI) 統計が発表されました。昨年12月の全国と1月の東京都区部です。全国のベースで生鮮食品を除くコア CPI が前年同月比0.8%の上昇となり、3ヶ月連続でプラスを記録しました。ただし、その中身は上のグラフの黄色い部分に見られるように、ガソリンや灯油をはじめとするエネルギーの寄与度が圧倒的となっています。まず、いつもの NIKKEI.NET のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

総務省が25日発表した2007年12月の全国消費者物価指数(CPI、05年=100)は変動の激しい生鮮食品を除くベースで100.9となり、前年同月と比べて0.8%上昇した。3カ月連続のプラスで、1998年3月以来、9年9カ月ぶりの高い伸びとなった。ガソリン、灯油をはじめとするエネルギー、食料品の値上げが主な要因。賃金が伸び悩む中での高い物価上昇により、個人消費の下押し圧力が強まりそうだ。大田弘子経済財政担当相は閣議後の記者会見で「消費にマイナスになる」と懸念を表明。食料・エネルギーを除いたベースでは前年同月比0.1%の下落でマイナスが続いており、経財相は「デフレ脱却に向けて大きく歩み出したとは言えない」との見方を示した。

まず、注意すべきなのは、繰返しになりますが、エネルギーの寄与度が極めて大きいことです。ですから、米国流の食料とエネルギーを除くコアコアの CPI はまだ水面上には出ておらず、▲0.1%とコアコアはマイナスを続けていることです。下のグラフの通りです。ピンクのコア CPI が急角度で上げ幅を拡大しているのに対して、一番下のマーカーなしの緑色のラインがゼロに達していないのが見て取れると思います。ただし、12月の東京都区部ではゼロに達しています。ですから、今月1月10日のエントリーでも取り上げたように、原油をはじめとする国際商品市況の上昇にともなう物価上昇はデフレを悪化させます。大田経済財政担当大臣の発言の通りです。

3種類のCPIの推移

しかし、他方で、私がここ3ヶ月くらい主張している通り、国民の生活実感として物価が上がっていることは確かで、電通が2ヶ月ごとに発表している消費実感調査のうち、物価上昇感を取り出した下のグラフに見る通り、この1年間で物価について「上がっている」と感じている人の割合は39.8%から86.4%と倍増しています。一番上のグラフの寄与度分解でもピンクの部分の非耐久財が物価押上げ効果を強めていますが、この大きな部分は食料品で、パンを含む穀類、ハム・ソーセージなどの加工肉、カレールーなどの油脂・調味料などで価格上昇が観察されています。

電通消費実感調査: 物価上昇感

上のグラフの消費実感調査はあくまでバックワードの実績であって、今までのところ、先行きのインフレ期待が上昇しているようには見えないと私は感じています。と言うのは、同じ電通の消費マインド指数も内閣府の景気ウォッチャー調査と同様、2006年前半をピークにゆっくりと落ちて来ているからです。しかし、現実にプラスの物価上昇率をメディアなんかで観察して、買い物の際にも実感として物価が上がっていることを感じ取って行くうちに、国民の中にインフレ期待が高まる可能性も否定できないと私は考えています。もっと言えば、そこに希望を感じ取っていたりしないでもありません。

もう何度もこのブログで主張しているところですが、確かに、景気情勢が厳しい局面に差しかかっているところに、1%足らずのレベルでわずかとは言え、実質所得をデフレートさせるような物価上昇を歓迎しないのは言うまでもありませんが、予想以上のプラスを記録した物価上昇率に何とか国民のインフレ期待を反転させる効果を望みたいと私は考えています。

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2008年1月24日 (木)

「日本経済の進路と戦略」を読んで、消費税増税に反対する

今日は、朝から冬晴れのいいお天気でした。気温も上がり、ライチタイムにはコートなしで外出したりしました。でも、風が少し強くて、体感気温はそれほど上がらなかった気がします。

経済成長成長シナリオリスクシナリオ
歳出削減14.3兆円11.4兆円14.3兆円11.4兆円
基礎的
財政収支
GDP比
▲0.1%
GDP比
▲0.5%
GDP比
▲0.6%
GDP比
▲1.0%

やや忙しくして米国経済に目を奪われている間に、先週、経済財政諮問会議と閣議で「日本経済の進路と戦略」が決定されました。その少し前から内閣府の財政試算が示され、「進路と戦略」でも名目成長率3%台前半の成長シナリオ、歳出削減も14.3兆円のケースAだとしても2011年度に基礎的財政収支が黒字化しないとの結果に少し当惑した人もいるかもしれません。財政再建に関する試算結果は上の表の通りです。なお、上の表の基礎的財政収支は2011年度の計数です。それから、この前段として、昨年10月に内閣府が試算した社会保障給付と増税の関係は、やや古いかもしれないんですが、どこかの新聞社のサイトから取ったものは下の通りです。

2025年度の増税必要額

これらの議論をかなり無理やりに総合すると、財政赤字を解消することが重要であり、さらに、このままでは財政赤字が解消できないのであれば消費税を増税すべきであるという結論に達しかねませんが、私は大きく異を唱えます。ごく単純かつ直感的にいえば、消費税の増税は成長率を押し下げるからです。経済学的な用語ですが、消費税はいわゆる効率的な税制であり、直接税である所得税に比べて、経済成長に寄与する労働供給を阻害する部分が小さいといわれていますが、消費に対するペナルティを含んでいるわけですから、経済成長にマイナスのインパクトを有することは言うまでもありません。1997年の例は消費税率の引上げだけでなく、アジア通貨危機とか山一證券をはじめとする金融不安とかの複合的な要因も上げられますが、消費税がわずか3%から5%に引き上げられただけで、多くの国民が消費抑制的な効果を認めたんではないかと私は思います。まだ10年余り前のイベントですから、フォーマルな分析は多くなく、私が知る範囲でも本家本元の財務省の「ファイナンシャル・レビュー」で消費税率引上げが景気を悪化させたわけではないとの反論的な分析があるくらいで、このブログでは直感的な反論しか出来ませんが、国民の素直な受止めとして、消費税率の引上げが、特に、上の表にあるように場合によっては10%を超えるような消費税率引上げが経済に抑制的な影響を与えないハズはないと言わざるを得ません。
私の直感では、成長シナリオとリスクシナリオの差は成長会計で言うところの資本や労働といった生産要素が増加する寄与ではなく、おそらく、全要素生産性 (TFP) で見ているような気がしますし、確かに、TFP を決定する要因は経済学で解明されておらず、これが分かればノーベル賞ものと言われるのも事実ですが、成長を促進する手段はいくつかあると考えています。控えめに言っても、今世紀初頭のデフレは経済政策の失敗による面が大きく、従って、デフレによる成長の阻害は広義の政府、統合政府の経済政策運営の失敗に近いと私は考えています。しかし、現在の経済財政諮問会議をナナメから観察していると、どうも増税に傾斜した議論が行われているような気もしないでもありませんし、再び経済政策の失敗が繰り返される恐れがないとも言えません。

私はそんなにリフレ派のメインストリームではないように感じる時もあるんですが、今夜のようなエントリーを書いていると、やっぱり、私は成長重視のリフレ派なんだろうなと自覚が高まってしまいます。

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2008年1月23日 (水)

米国経済は景気後退に入るのか?

今日は、本当に久し振りに朝からが降りました。当然ながら、気温は上がらずに寒かったです。我が家のある団地でも少し積もって、チョッピリ雪遊びが出来たらしく、我が家の下の子は大いに喜んでいました。

CFNAI-MA3 and Business Cycles

米国時間の昨日、シカゴ連銀が CFNAI (Chicago Fed National Activity Index) を発表しました。3ヶ月移動平均の CFNAI-MA3 は上のグラフの通りです。12月単月の指数は▲0.91となり、景気後退ラインとされる▲0.7を超えてしまいました。CFNAI-MA3 も▲0.67となり▲0.7に迫っています。まず、いつもの NIKKEI.NET のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

米経済が景気後退(リセッション)入りする可能性が高まってきた。景気の強弱を測る物差しとなる12月のシカゴ連銀の全米活動指数(CFNAI)は景気後退の分岐点近くまで急低下した。米市場関係者の間では、米経済は「すでに景気後退局面に入った」または「近く、景気後退する」との見方が増えている。
全米活動指数は85の月次の経済指標から足元の経済情勢を判断するもので、シカゴ連銀が算出する。(1)生産・所得(2)雇用(3)消費・住宅(4)販売・受注--など主要指標を網羅しており、直近3カ月の平均が「マイナス0.7」を下回ると景気後退の確率が高いとされる。
シカゴ連銀の22日の発表によれば、12月まで直近3カ月の平均値は前月より0.17ポイント低い「マイナス0.67」と“景気後退ライン”の寸前まで悪化した。12月の単月の指数は同0.62ポイント悪化の「マイナス0.91」と、“瞬間風速”では景気後退領域に入ってきた。失業率が5%に急上昇するなど雇用の急減速に加え、消費、住宅関連指標の大幅悪化が響いたという。

通常であれば、CFNAI はそんなに注目される指標ではないのかもしれませんが、1月に入ってから ISM 指数と雇用統計の発表を受けて、多くのエコノミストが米国の景気後退を意識し始めたものですから、CFNAI にも注目が集まりました。12月の結果は上の引用にある通りで、景気後退ラインを超えています。米国の景気転換点は2四半期連続でマイナス成長を記録した時点で暫定的にリセッションとし、NBER に設置されている景気日付け検討委員会で確定しますが、ひょっとしたら、昨年2007年12月が米国景気のピークですでに景気後退局面に入っている可能性も排除できないと私は考えています。
米国景気の先行きのシナリオは私が同業者との雑談から把握する限り、以下の3通りあると思います。第1はもっとも楽観的な見方で、連邦準備制度理事会の利下げや政府の景気対策などにより目先については景気後退を回避できるというシナリオです。第2に、私の見方なんですが、今年の初めか年央くらいに、割合と底が浅くて期間も短い1年くらいの景気後退に入り、ただし、その次の景気拡大期は米国にしては短く、1年半か2年くらいで終わって、その後の景気後退はかなり深刻なものになる、というシナリオです。根拠は現在も拡大局面にある設備投資循環が2010年か2011年には反転し、在庫循環の調整と重なると考えているからです。第3に、もっとも悲観的なシナリオは、今年の年初か年央くらいに景気後退局面入りするのは第2のシナリオと同じなんですが、クレジット・クランチが設備投資循環までも反転させてしまい、底が深くて期間も長い景気後退になる、という見方です。最後に、繰返しになりますが、私の考える標準シナリオは第2のケースです。私も官庁エコノミストを自称していますから、同業者のレポートなんかをお送りいただくこともあり、最近見たショッキングな表題で「財政・金融政策を総動員しても景気後退は免れない」というのがありましたが、私も幾分かは同意するところがあります。ただし、その理由はすでに景気後退が始まっている可能性が十分あるからです。
さて、3つのシナリオのうちで、どのシナリオの確率が高くなるかの要因にはいくつか考えられますが、第1に、ほぼ織込み済みとはいえ金融政策の動向です。昨日、緊急に開かれた連邦公開市場委員会 (FOMC) で75ベーシス引き下げ、来週の FOMC でも追加で50ベーシス引き下げ、年央までにはさらに50ベーシスの引下げを見込んで、2.5%まで FF レートは引き下げられるとの見方が一般的です。実際の利下げが始まったのは昨年9月からですが、7-8月くらいから金利引下げを織り込んだ企業行動がみられますから、いくら遅くとも、今年の年央には金融緩和の効果が現れると考えられます。第2に、景気対策の規模と時期と効果です。政府の景気対策は議会との調整の真っ最中で、2月半ばの Washington's birthday を含む連休までの決着が見込まれていますが、一昨日のエントリーに引用した "Wall Street Journal" の表にある通り、議会は食料切符や失業給付を対策に加える意向を示しており、さらに、議会で多数を占める民主党の大統領候補者の対策をどの程度盛り込むかにもよります。政府案が即効性を重視した rebate check と設備投資減税に力点を置くのに対して、クリントン候補の案は対象者を絞った住宅救済基金の創設など、効果の発現に時間はかかるものの、より根本的な解決策を提示していますし、オバマ候補はその中間的な案で、加えて、地方によってはインフラ整備の公共投資も盛り込んでいます。これらの民主党の有力大統領候補者の案も含めて検討される可能性もあり、大統領府と議会でいつごろにどのような結論に達するのかは、景気の先行きシナリオに大きな影響を与えることは言うまでもありません。第3に、株価の動向です。消費に対する資産効果・逆資産効果とともに、金融機関のキャピタル・クランチがクレジット・クランチに進むかどうかも気がかりです。第4に、原油価格などの商品価格の推移です。米国の現在の景気減速で原油価格などは素直に下がっているように見えますが、株式市場の下落との関係で資金が商品市場に流れる可能性は否定できません。現下の局面では FED はインフレよりも景気を重視しているようですが、この重点が移るほどの物価上昇となれば話は別になります。最後に、かなり影が薄くなったデカップリング論の観点から、アジアなどの新興国との景気波及のタイムラグがどの程度長いかもポイントになる可能性があります。これらの総合的な指標としては、引き続き、雇用統計を注視する必要があるのではないかと考えています。

いずれにせよ、日本経済も大きく減速している状況で、米国経済が本格的な景気後退に入ることとなれば、その影響は甚大と言わざるを得ません。そのまま、連鎖倒産ならぬ連鎖景気後退に日本経済が入る可能性も排除できないだけに、「日本ではサブプライム問題の影響は限定的」とばかりは言えないと私は考えています。

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2008年1月22日 (火)

米国の連邦準備制度理事会 (FED) が75ベーシスの緊急利下げ

米国の中央銀行である連邦準備制度理事会 (FED) が来週に予定されている定例の公開市場委員会 (FOMC) に先立って、米国時間の今朝早く臨時の FOMC を開催し、もっとも重要な政策金利である FF レートを75ベーシス引き下げて3.5%にすると決定しました。反対はセントルイス連銀のプール総裁、欠席はミシュキン理事で、バーナンキ議長やガイトナー副議長をはじめ、その他の理事は賛成の賛成多数だったそうです。セントルイス連銀のプール総裁の反対も定例の FOMC 前の政策決定だから反対したという理由らしいです。

取りあえず、以下にリンクを張っておきます。

ごく短いので FOMC のステートメントを引用すると以下の通りです。インフレにも目配りしながら、経済の減速に対応する利下げであるとされています。

The Federal Open Market Committee has decided to lower its target for the federal funds rate 75 basis points to 3-1/2 percent.
The Committee took this action in view of a weakening of the economic outlook and increasing downside risks to growth. While strains in short-term funding markets have eased somewhat, broader financial market conditions have continued to deteriorate and credit has tightened further for some businesses and households. Moreover, incoming information indicates a deepening of the housing contraction as well as some softening in labor markets.
The Committee expects inflation to moderate in coming quarters, but it will be necessary to continue to monitor inflation developments carefully.
Appreciable downside risks to growth remain. The Committee will continue to assess the effects of financial and other developments on economic prospects and will act in a timely manner as needed to address those risks.
Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; Timothy F. Geithner, Vice Chairman; Charles L. Evans; Thomas M. Hoenig; Donald L. Kohn; Randall S. Kroszner; Eric S. Rosengren; and Kevin M. Warsh. Voting against was William Poole, who did not believe that current conditions justified policy action before the regularly scheduled meeting next week. Absent and not voting was Frederic S. Mishkin.
In a related action, the Board of Governors approved a 75-basis-point decrease in the discount rate to 4 percent. In taking this action, the Board approved the requests submitted by the Boards of Directors of the Federal Reserve Banks of Chicago and Minneapolis.

それから、取っつきやすい日本語の報道ということで、NIKKEI.NET のサイトから引用すると以下の通りです。

米連邦準備理事会(FRB)は22日、臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、最重要の政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を緊急に0.75%引き下げ、年3.5%とすることを賛成多数で決めた。実施は即日。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を発端とする米景気の悪化や世界同時株安や米景気の悪化に歯止めをかけるため、29、30日に開く定例のFOMCを待たずに大幅な追加利下げに踏み切った。
FF金利の引き下げは、4年3カ月ぶりの金融緩和に転じた昨年9月から4回目。累計では1.75%の下げ幅となった。臨時FOMCによるFF金利の緊急利下げは、米同時テロ発生直後の01年9月以来となる。
金融機関向けの貸出金利である公定歩合も0.75%引き下げ、年4%とした。昨年8月の緊急利下げから5回目の引き下げで、累計では2.25%の下げ幅となった。

今夜は帰宅が遅かったので、今夜のところは引用に止めますが、必要あれば詳細は改めて取り上げたいと思います。

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世界同時株安は日米の景気後退を先取りしているのか?

今日は、朝から少し雲が多かったものの、まずまずいいお天気でした。ホンの少しですが、ここ数日よりは気温も上がったような気がします。でも、まだまだ気温の低い日が続くようで、明日の午前中は雪が舞うかもしれないとの天気予報です。我が家の下の子は、すっかり天気予報を信頼しなくなり、雪については何の期待も持っていないように見受けられます。

日経平均株価の推移毎晩、同じようなことを取り上げているんですが、今日も日経平均株価が下げ止まりません。新聞やテレビで同じような内容が報じられていることでしょうから、今夜は特に新聞からの引用はしません。左のグラフは夕刊に出ていたもので、昨日までの情報なんですが、今年に入ってからの東証日経平均株価の推移です。今日の終り値は752.89円安の12,573.05円で引けましたから、今年に入ってからの下げ幅はラクに2,000円を超えます。米国は昨日は Martin Luther King, Jr. Day で休場だったんですが、昨日の欧州株式市場が軒並み下げたのを受け、今日の東京市場でも米国の景気減速が世界的に波及するとの懸念や、米国金融におけるクレジット不安、外国為替市場での円高・ドル安の進行から、今日の東証日経平均は前場開始とともにあっさりと13,000円を割り、後場に入っても上海総合指数や香港ハンセン指数などが5%を超える下げ幅を続けていることから、アジア株全面安も重しとなり、終り値まで反発することもなく大きく下げました。アジア株の情報が少なかったランチタイムにはハンドボール効果と称して、クウェートあたりの中東筋が売りに回っているんではないか、なんて冗談も出ていたんですが、ここまで下げれば TOPIX や日経平均に連動する投資信託なんかで運用している個人の中にはグーの音も出ない投資家もいそうな気がします。先週、メガバンクで運用をしている知り合いから大底は東証の日経平均で12,000円くらいまで下げるかもしれないと聞かされた時には、昨日の時点では2月に大底が13,000円とのレポートを発表していた証券会社もありますから、そこまで下げるものだろうかと思っていたんですが、もう大昔のことのようで、今は、12,000円で済むんだろうかと思わないでもありません。改めて時間の流れが加速しているように感じてしまいます。昨日から開催されている日銀の金融政策決定会合もほとんど注目されない中、今日の午後に金利の据置きが決まりました。当然です。それにしても、今月の「金融経済月報 (基本的見解)」では「わが国の景気は、(略)、幾分下振れて推移している」ものの、「生産・所得・支出の好循環メカニズムは基本的に維持」なんて見ているようです。我が政府と同じで、日銀も景気判断の舵を切るのには時間がかかりそうな気がします。
世界主要国株価の推移東証株価の下げに危機感を覚えるひとつの理由は世界の主要国の株式市場と比べて下げ幅が大きいことです。右のグラフは世界主要国株価の推移で、日本の日経平均株価が中国は言うに及ばず、米国や英国と比較して大きくアンダーパフォームしているのが見て取れると思います。中東の反発を買ったかもしれないハンドボール効果は別にして、最近時点では外国人による取引が大きな影響力を発揮しています。大雑把に、日本株の保有主体は国内の金融機関と外国人が3割、事業会社と個人が2割となっていますが、価格が決まる市場での取引額については、日本法人は比較的長期保有の傾向があるのに対して、短期の売買を繰り返す外国人がかなり大きな比率を占め、今年1月第2週の統計では7割を超えています。東証1部・2部・マザーズの東証3市場の価格は外国人トレーダーが大きな決定力を有していることになります。逆に言えば、東証株価が下げているのは外国人が売り越しているからとも言えます。もっと言えば、外国人が本国での損失を埋めるために含み益のある日本株を売却している構図が浮かび上がります。統計的に見ても、東証の分類に従って、法人、個人、外国人、証券会社に分けると、今年に入ってから、1月第1週、第2週で売り越しているのは外国人だけで、第1週128億円、第2週331億円と売越し額も加速しているように見受けられないでもありません。
日本では米国ほど株式市況が個人消費に及ぼす資産効果は大きくないと考えられていますが、株価が景気の先行指標であることは変わりありません。昨夜のエントリーで紹介したように、米国では今年の第2-3四半期がマイナス成長で景気後退局面に入るとの観測もあり、日本でも景気の転換を織り込む形で株価が下げているのかも知れません。再び、昨夜のエントリーで取り上げたように、米国では財政出動に加えて金利引下げの余地もまだありますが、巨大な財政赤字を抱えて、金利を引き下げる糊しろも小さい日本では経済政策を発動させる余地が極端に小さくなっていることも事実です。

株式市場がすべてでないことは言うまでもありませんが、もしも、株式市場が近い将来の景気転換を予告しているとすれば、日米の景気循環が恐ろしいまでにシンクロしている可能性があります。すなわち、現在の景気拡大局面は、米国のITバブル崩壊後、米国では2001年11月を、日本では2ヶ月遅れの2002年1月を、それぞれ底としていますが、年央に日米がほぼ同時に景気転換点を向かえることも無視できない確率で可能性があると私は考えています。一昨年2006年12月7日付けのエントリーで日米景気循環のシンクロ化に関するなぞなぞを出し、その時点では、私は直感的にはシンクロ化に否定的な感触を持っていましたが、外需に依存したままの景気拡大を続けて賃金上昇から個人消費が主導する景気拡大への転換がなされなかった日本経済については、他の人の表現を借りて茶化した言い方をすれば、米国という帝国の属国になってしまったのかもしれません。

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2008年1月21日 (月)

経済対策により米国は景気後退を回避できるか?

今日は、朝からが広がり、陽射しがなくて気温が上がらず寒かったです。昨夜から今朝にかけて雪が舞うかもしれないとの天気予報だったんですが、我が家の下の子の願いも虚しく、東京では少なくとも積もるくらいの雪は見られませんでした。

Rerun

先週金曜日に米国大統領府から経済対策の骨子が発表されました。上の表は2001年対策と比較した "Wall Street Journal" のサイトにあったものです。まず、その WSJ.com のサイトから記事の冒頭の3パラを引用すると以下の通りです。

As President Bush laid out his vision for an economic stimulus that could reach $150 billion, Democrats in Congress and the administration diverged about how to spread around its benefits.
The tension is emerging as a sticking point amid broad consensus that the government should do something quickly to prop up the lagging economy. The White House wants tax cuts to help a wide range of individuals and businesses. Privately, it has floated a plan that focuses on rebates of up to $800 for individuals and $1,600 for married couples.
In addition to tax cuts, congressional Democrats say they also want spending targeted at specific groups such as the unemployed. They have also discussed denying rebates to taxpayers who earn more than $85,000 and offering them to those who don't pay income taxes at all. Both ideas are likely to be opposed by the White House, at least initially.

上の表にもある通り、大きな項目は戻し税で、納税者1人当たり800ドル、共働きなら1,600ドルと2001年のITバブル崩壊時の300-600ドルの3倍近くの規模を確保していることです。米国は日本のような議院内閣制ではなくて大統領制ですから行政府と議会が完全な分権となっているため、まだまだ政府と議会との調整の余地が残っていて、総額は確定していないんですが、大雑把にGDPの1%の規模の経済対策になるとの報道です。その主要なパーツが小切手による戻し税となっているわけです。規模としてはGDP比で1%と報じられていて、問題は時期なんですが、大統領選挙の年でもあり、議会も早い対応を考えているようで、4月の上中旬には可決されるとの見込みだそうです。4月の上中旬に法律として成立すると、行政府の執行から考えて6-7月の年央の実施になると考えられます。前回の2001年や2003年と同様のスケジュール感となる可能性が高いと考えられます。
どうしてスケジュール感が大切かというと、今年の年初に米国の投資銀行が相次いで米国経済が第2-3四半期にマイナス成長を記録して景気後退に入るとのレポートを出したことに関係がありそうな気がしないでもありません。そのひとつはポールソン財務長官の出身母体であるゴールドマン・サックス証券だったりします。もちろん、民間金融機関のエコノミストは言うに及ばず、官庁エコノミストも含めて、エコノミストの経済見通しはポジション・トークの面がありますから、そのまま額面通りに受け取るのはリスクがないとはいえません。でも、ポールソン財務長官の出身の投資銀行であれば、それなりの影響力は持っているのかもしれません。いずれにせよ、GDP1%規模の減税を年央に実施するとして四半期に引き直すと年率で4%に相当します。減税ですからすべてが支出に回らない可能性もあり、大雑把に半分くらいが支出されるとして、GDP2%くらいのインパクトがあるとメノコで計算すれば、年央の第2-3四半期のどちらかがマイナス成長を回避できる可能性が高まるような気もしないでもありません。
それにしても、昨年後半当たりまでは、サブプライム・ローン問題は長引く可能性があって、2008年中か2009年前半くらいまで米国の景気は減速するとの見通しもあったりして、長引く方に注目が集まっていたんですが、世の中の流れはとっても速くて、今年初めには年央に景気後退の可能性があるとのレポートが出て、さらに、ひょっとしたら、今年の第1-2四半期がマイナス成長になって景気後退ではないかとの見通しすらあるよなことも聞きました。そうすると、すでに米国経済は景気後退に片足を入れてしまっていることになり、今回の大統領府の経済対策も遅きに失した、ということにもなりかねません。

経済対策には認知ラグ、実施ラグ、波及ラグの3種類のラグがあるということは大学の初級マクロ経済学でも教えているんではないかと思いますが、実際に体験すると様々な難しい面があることも事実です。今日の東証日経平均株価の500円超の下げも日本の輸出関連企業の下落幅が大きいようですし、改めて、日本でも景気転換点の足音を感じ始めているエコノミストもいるのかもしれません。

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2008年1月20日 (日)

ボーイスカウトの餅つき会に行く

今日は、朝からまずまずいいお天気でしたが、午後から雲が広がりました。東京でも雪が舞うかもしれないとの天気予報でした。我が家の下の子は長らく雪を見ていないので楽しみにしています。風はそんなに強くありません。

ボーイスカウトの餅つき会にて餅をつく子供達 ボーイスカウトの餅つき会にて餅を焼いて食べる子供達

今日は朝から下の子が参加するボーイスカウトの餅つき会があり、私と上のおにいちゃんも行きました。いつもの集合場所の神社ではなく、近くの区立学校の校庭の一部を借りての餅つき会です。しかし、ボーイスカウトが使うのは校庭の端っこの一部だけで、大部分ではペタンクなる競技をしていました。もっとも、旗とのぼりにペタンクと書いてあったのでペタンクという競技なんだろうと思うだけで、私はペタンクという競技をまったく知りません。
10時にスカウトが集合して、10時半にスカウト以外のお友達が集合します。我が家のおにいちゃんはこちらに入ります。いつもの集合場所と違って馴染みのない学校の校庭ですので、私は下の子を集合場所まで連れて行った後、おにいちゃんも迎えに行きます。場所的には、東京ミッドタウンのすぐそばのいいところなんですが、逆に、午前中は東京ミッドタウンの建物のために陽射しが妨げられます。昼前から太陽が見えるようになった気がします。大人が準備している間、子供達はゲームで体を動かした後、餅つきと食べる方に突入します。我が家では下の子がカブ隊に参加していて、私やおにいちゃんはスカウトでも何でもないんですが、そこは兄弟ということで、いっしょに餅つきをします。
ついた後は食べる方です。あんこの入った餅を焼いて食べたり、あんこの入ってない餅を磯部巻きにしたり、お雑煮で食べたりします。我が家の子供達に好評だったのは磯部巻きです。お雑煮はしょうゆ味とみそ味の2通り用意されていました。子供達は東京生まれですからしょうゆ味を選び、私は京都出身ですからみそ味を選びます。シシャモの魚釣りやチョコいちごも好評だったようです。昨年はチョコバナナ食べ放題が人気だったんですが、今年のチョコいちごはすぐに品切れになってしまいました。何しろ、スカウトの団副委員長が赤坂の老舗の和菓子屋さんの若旦那さんですから、あんこやお菓子類は豊富なんではないかと思います。でも、去年はボーイ隊がテントを張ってデモをしていて、カブ隊のウチの子なんかが中に入ったりしていましたが、今年はペタンクに場所を取られてテントは見られませんでした。

ボーイスカウトの餅つき会ですから、私の苦手なお酒は出ませんし、食べる物の方は質量ともに豊富なような気がします。野外で座るところがないのは難点ですが、それなりに充実した新年の行事です。

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2008年1月19日 (土)

おにいちゃんを理科教室に連れて行き、コミック「ドラゴン・クエスト」を読む

朝からのセンター試験のエントリーにも書きましたが、今日は朝から冬晴れのいいお天気で陽射しはタップリあったんですが、気温は上がらず寒かったです。風がそんなにない分だけ、体感気温はここ数日よりもマシだったような気がします。

理科教室で白衣姿のおにいちゃん

今日は午後からおにいちゃんを理科教室に連れて行きます。上の写真はもう見飽きた気もする理科教室で白衣姿のおにいちゃんです。今日は午後一番からのクラスだったので、取りあえず、理科教室の近くまで行ってからマクドナルドで昼食にし、食後、マンガを読んで時間調整しながら理科教室に滑り込みました。何のマンガを読んだかというと、なぜか、港区立図書館に寄贈されて置いてある「ドラゴン・クエスト」です。私が午前中のうちにワイシャツをクリーニング屋さんに持って行くついでに赤坂図書館に立ち寄って借りておいたものです。このエントリーのタイトルはやや不明瞭なんですが、「おにいちゃんを理科教室に連れて行き」の前半は私が主語で、後半の「コミック『ドラゴン・クエスト』を読む」の主語はおにいちゃんというか、子供達です。それはともかく、1月5日付けのエントリーでも紹介したように、一応、我が家の子供達は37巻まで読了したハズなんですが、よくよく考えると、1-3巻がまだ読んでなくて、今朝から借りに行きました。でも、なぜか、3巻だけは返却期間を過ぎても返さない人がいるらしく、今日の10時半時点では延滞中と聞きました。さすがに、「なくしたんじゃないですよネ?」と図書館で聞くのは、少し躊躇するところがありました。我が家の子供達も最後まで読んだんでしょうが、最初の方のストーリーの始まりを知らないのが気にかかるのはごもっともで、早くに第3巻も借りたいところです。
おにいちゃんが勉強をしている午前中に第1巻を下の子が早々に読み終えて、おにいちゃんは理科教室に出かける時に第1巻を受け取ります。地下鉄の電車の中から読み始めて、マクドナルドでの昼食中も読み続け、理科教室を終えて家に帰ると早々に第2巻を下の子から取り寄せて読み始めます。下の子はおにいちゃんから第1巻を返却してもらって読み返します。下の写真は子供部屋でコミック「ドラゴン・クエスト」を読む子供達です。先週末は下の子を中心に写真を撮りましたので、今日はおにいちゃんを多めに撮ってみました。

マンガ「ドラゴン・クエスト」を読むおにいちゃん マンガ「ドラゴン・クエスト」を読む下の子

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今年も寒い最中にセンター試験始まる

今日は朝から冬晴れのいいお天気で陽射しはタップリなんですが、気温は上がらず寒いです。湿度もかなり下がるらしくて、体調管理に気をつけたいと思います。

いよいよ今日からセンター試験が始まりました。昨年は大寒の日から始まったんですが、今年は大寒が1月21日だそうで、少しズレたようです。全国736の会場で開催され、約54万人が明日まで2日間に渡り、6教科28科目の試験に臨むそうです。お天気がいいので交通機関の乱れも少なく、秋田県内のJR花輪線で車両故障が起こった影響で秋田看護福祉大の試験が20分間繰り下げられたそうなんですが、この他は天気や交通の乱れによる大きな混乱は報告されていないと asahi.com のサイトで見かけました。
私にも我が家の小学生にも何の関係もないんですが、何となく、

がんばれ受験生!

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2008年1月18日 (金)

日本経済の比較優位はどこにあるのか?

今日も、朝からが広がり、陽射しがなくて気温が上がりませんでした。東京の今日の最高気温はこの冬最低だったそうで、ここ数日と同じで、真冬の冬本番の気候が続いています。明日からセンター試験が始まるんですが、日曜日の午後には雪が舞うかもしれないとの天気予報でした。

1人当たりGDPの各国比較

昨夕、経済財政諮問会議が開催されました。しかし、これほど、注目されなかった諮問会議もめずらしいのではないでしょうか?少なくとも、私が見た範囲では、新聞の扱いがとっても小さかった印象があります。主として、来年度の経済見通しや中期計画の「日本経済の進路と戦略」に関する記事がありましたが、今までになく後ろの方の紙面で扱いが小さかったような気がしないでもありません。その中で、まったくメディアには注目されなかったんですが、甘利経済産業大臣が「各国の一人当たりGDPと主要産業について」と題する資料を提出しています。そのエッセンスが上のグラフです。つい最近まで日本の1人当たりGDPは世界でも指折りの水準にあったのに、内閣府が昨年12月に発表した「国民経済計算確報」ではOECD諸国の中で18番目となりました。もちろん、米ドル換算ですから為替レートの問題が大きいんですが、諸外国を眺め渡しても我が国の経済力が落ちていることを実感している国民が多いことも事実だろうという気がします。また、本日の政府3演説の経済演説においても大田大臣がこの事実について触れていました。
しかし、上のグラフは典型的な経済学の誤りを体現しているように思います。1人当たりGDPの高い国を金融、IT産業、資源国と分析し、フランス、ドイツ、日本の3国を製造業国と分類した上で、いかにも高付加価値産業への移行を促すような政策意図を感じさせるグラフになっていると言わざるを得ません。比較優位を無視した議論だという気がします。その意味では、典型的に経済学を誤解している可能性があります。もちろん、一国の産業構造を分析して世界と比較し、その国の比較優位がどこにあるかはフォーマルな分析をしても容易に議論出来るものではありませんし、かつての幼稚産業論はすでにサポートされなくなっているとしても、戦略的貿易論などを誤用して比較優位を作り出せると誤解されている場合もありますから、仕方がない面もあるんでしょうが、ややお粗末な議論だと受け止めるエコノミストもいそうな気がしないでもありません。ただし、フォーマルな分析抜きに、さらに、日本に比較優位があるかどうかは別にして、あくまで私の直感として、金融サービスは上のグラフにあるようなOECD諸国との生産性ギャップが大きいと言う理由で、キャッチアップの余地が残されているような気がしていることは確かです。でも、これは比較優位とはまったく別の観点です。

かなり昔の2006年7月27日付けのエントリーで私は観光立国に大きな疑問を呈しましたが、今でも所管産業を含めて、何らかの特定の産業の育成を官庁の仕事だと考えているのだとすれば、余りにも時代錯誤なものですから危機感を覚えます。やや私の拡大解釈かもしれませんが、官庁からの育成補助策がなければ育たない産業を育成しようとするのはムダ以外の何ものでもないような気がしてなりません。

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2008年1月17日 (木)

第138回の芥川賞は川上未映子さんの「乳と卵」

今日も、朝から少し雲が広がっていたんですが、すぐに冬晴れのいいお天気になりました。しかし、ここ数日と同じで気温は上がらず、加えて、風も強かったので、とっても寒かったです。

文學界12月号

このブログの昨夜のエントリーでもチラリと触れたんですが、川上未映子さんの「乳と卵」が第138回の芥川賞を受賞することが決まりました。同じく直木賞は桜庭一樹さんの『私の男』(文藝春秋)が受賞しました。誠におめでとうございます。詳しくは「文藝春秋」の」芥川賞のホームページなどをご覧下さい。候補作も含めて作者の略歴などが紹介されています。贈呈式は2月22日に東京丸の内の東京会館で開催されるそうです。ということで、取りあえず、asahi.com のサイトから、申し訳ないですが、長くなるので、直木賞の部分を割愛して芥川賞に関する部分だけを引用すると以下の通りです。

第138回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に川上未映子(みえこ)さん(31)の「乳(ちち)と卵(らん)」(文学界12月号)が、直木賞に桜庭一樹(さくらば・かずき)さん(36)の「私の男」(文芸春秋)が選ばれた。中国人で初の芥川賞候補となった楊逸(ヤン・イー)さん(43)は次点で受賞を逃した。副賞は各100万円。授賞式は2月22日午後6時から、東京・丸の内の東京会館で開かれる。
川上さんは大阪市生まれ。同市立工芸高校卒。07年「わたくし率イン歯(は)ー、または世界」で初めて芥川賞候補になった。東京都世田谷区在住。
「乳と卵」は、30代の女性が、大阪から上京してきた姉とその小学生の娘と過ごす3日間の物語。大阪弁のノリのよい語りで母娘の愛憎や肉体への違和感を描き出す。
川上さんは会見で「びっくりしています。受賞前も受賞後も、人に何か切実なものを感じてもらうために書くことに変わりはないが身の引き締まる思いです」と語った。
芥川賞選考委員の池澤夏樹さんは「声が聞こえてくる滑らかな文体、たくらみがある構成が非常に良くできている」と評価した。楊さんについては「勢いはあるが、文章が芥川賞のレベルに達していない、という理由で見送られた」と述べた。

まあ、芥川賞も直木賞もフタを開けて見れば本命で決まった、といったところでしょうか。私がいつも参考のために拝見にしている大森望さんと豊崎由美さんが繰り広げる文学賞メッタ斬り!のサイトでも川上未映子さんの「乳と卵」と桜庭一樹さんの『私の男』が大本命に推されていましたし、私の知り合いでも、少なくとも芥川賞に関しては「乳と卵」の独走という感想を聞きました。意外だったのは、失礼ながら、文学賞メッタ斬り!なんかで最低の評価だった楊逸さんの「ワンちゃん」が次点と報道されていることです。話題作りの人寄せパンダで候補に入れたというウワサも耳にしましたし、新人賞枠だとしても「ワンちゃん」よりは文藝賞を受賞した磯崎憲一郎さんの「肝心の子供」の方がいいとの評価もあったりしたんですが、芥川賞の選考委員からは高い評価を受けたようです。いずれにせよ、私は読んでいないので何とも言いようがありません。
もちろん、報道だけでなく、川上未映子さんのブログ「純粋悲性批判」でも今朝の10時過ぎにご報告のエントリーがアップされていたりします。やや不思議なのはトラックバックを受け付けていないのか、とっても数が少ないことです。記念に私のこのエントリーからはトラックバックを飛ばしてみようと思います。善良なる大多数の方々にはどうでもいいことです。

昨夜のブログにも書きましたが、私はいつもの通り、2月発売の「文藝春秋」3月号で選評とともに拝読したいと考えています。特に、前回の選評では他の作品と並べて「わたくし率イン歯ー、または世界」の表題について「作品の表題がいい加減」と評していた石原慎太郎さんの選評が楽しみだったりします。なお、今夜のエントリーも本を読んだ感想文ではないんですが、文学界の話題ということで読書感想文の日記に分類しておきます。

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2008年1月16日 (水)

再び、日本の株価はどこまで下がるのか?

今日も、朝から少し雲が広がっていたんですが、徐々に冬晴れのいいお天気になりました。しかし、気温は上がらず、ここ数日は寒い日が続いています。冬本番かもしれません。
先ほど、7時からのNHKニュースの最後で、第138回の芥川賞を川上未映子さんの「乳と卵」に授賞することが決まり、直木賞は選考が続いていると言っていました。先週1月8日のエントリーのラインに沿った形で選考委員会が進んだようです。私の知り合いの元文学少女も喜んでいることと思います。誠におめでとうございます。作者の川上未映子さんをはじめ、関係者の方々にお祝い申し上げたいと思います。いつもの通り、私も2月発売の「文藝春秋」で選評とともに拝読するつもりです。

日経平均と為替レートの推移昨年11月21日付けのこのブログのエントリーで「日本の株価はこのまま下がり続けるのか?」と題して、日本の株価を取り上げましたが、その後も、今年に入って東証の日経平均株価の下げが止まりません。左上のグラフは今日の朝日新聞の夕刊に出ていたもので、今日の後場の1時までの東証の日経平均株価と為替レートの推移ですが、年初来、ラクに1,000円近く下げているのが見て取れます。本日の終り値は4日続落で前日比▲468.12円安の13,504.51円でした。特に今日は日本の東証の日経平均だけでなく、香港市場のハンセン指数も含めてアジア株が下げています。我が家がしばらく住んでいたジャカルタの市場でもかなり下げているような報道を見かけました。サブプライム・ローン問題に端を発する金融機関の損失の拡大やクレジット・クランチなどから、米国経済が景気減速から景気後退に入る警戒感が強まる中で、外国人投資家のリスク許容度が低下し、新興国から投資資金が流出する懸念が高まり、アジア株全体の重しとなっているように見受けられます。軟調なアジア株を受けて、東証の株価も後場に入って下げ幅を拡大したようです。

設備投資と機械受注の推移

今日は昨年11月の機械受注統計が内閣府から発表されました。船舶と電力を除くコアと呼ばれる統計は先月10月の統計が12.7%増だったことから、11月は反動減で▲4-5%のマイナスが市場で予想されていたんですが、前月比▲2.8%となりましたので、ちょっとしたポジティブなサプライズだったように受け止められています。内閣府は基調判断を「一進一退で推移」とし、昨年5月統計から6カ月連続で据え置いています。上のグラフでは機械受注を名目の設備投資に6ヶ月先行させていますが、まさに、設備投資も含めて一進一退というのが見て取れます。比較的単純な循環を示すIT在庫については、2006年末に生産設備の立ち上げがあった後、下向き加減だったんですが、昨年の夏場にはこの下向きの循環も一巡し、今後は増加基調を取ることが期待されています。総じて見て、企業の生産セクターは決して弱くなっていない気がします。ただし、コア機械受注に1-2四半期先行すると見なされている外需は前月比▲18.4%減となりました。もっとも、単月では何とも言い難く、ならしてみれば増加基調を読み取れる動きとも言えます。

結局のところ、機械受注統計を見ている分には企業部門の底堅さがうかがわれるものの、株式市場を見ている限りにおいては、都市部の大企業中心の生産を起点とする景気拡大が地方や中小企業、あるいは、家計の所得や消費に波及することなく、景気転換点を迎えるシナリオの確率が徐々に高まって来たのかもしれません。今春の賃上げがどの程度に落ち着くかと、その後の景気への波及のラグの長さにもよりますが、株式市場の動向が景気の先行指標であるとすれば、悲観シナリオの確率が高まる可能性を排除できないと私は考えています。

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2008年1月15日 (火)

やっぱりデカップリング論は成り立たないか?

今日は、朝から冬晴れのいいお天気でしたが、一昨日ほどではないものの、特に午前中は風が強くて気温も上がらず寒かったです。

今朝の Financial Times (FT) アジア版の1面トップは "US woes spark Asia slowdown warning" と題して、アジア開発銀行 (ADB) の黒田総裁へのインタビューを基にした記事が掲載されていました。また、日経金融新聞でも今日付けの1面右側の記事でデカップリング論が成り立つかどうか、いろんなエコノミストの論調を紹介していたりしました。ということで、取りあえず、 FT.com のサイトから記事の冒頭の3パラグラフだけを引用すると以下の通りです。

Growth in Asia's developing economies is likely to slacken this year because of the US slowdown and higher fuel prices, the president of the Asian Development Bank said on Monday.
Haruhiko Kuroda told the Financial Times that the ADB's next set of forecasts, due to be published in March, would put regional growth - including China but excluding Japan - at "slightly less than 8 per cent."
This compares with a forecast of 8.2 per cent in September, when the Asian lender raised its forecast for 2008 from 7.7 per cent and predicted that the region would weather any slowdown generated by the credit squeeze because of its reduced reliance on international lending.
The ADB's growing pessimism about the regional economy confirms that it has rejected the theory that emerged last year that Asian economies had "decoupled" from the rest of the world and could continue growing even in the face of a US recession.

最後のパラにありますが、米国の景気後退からデカップリングされてアジアの高成長が続くという説が reject されて、3月に公表予定の ADB によるアジアの経済見通しも8%弱に下方修正されるような記事になっています。私がブログで取り上げた範囲だけでも、昨年9月18日付けのアジア開発銀行 (ADB) の "Asian Development Outlook 2007 Update"、同じく昨年9月25日付けの国際通貨基金 (IMF) の "Global Financial Stability Report"、先月12月7日付けの経済開発協力機構 (OECD) の経済見通し "Economic Outlook No. 82, December 2007"、最後に、先日1月9日付けの世銀の "Global Economic Prospects 2008" などで数え切れないほど、国際機関がデカップリング論に立脚する世界経済見通しを展開して来ましたが、その先陣を切ってアジア開発銀行 (ADB) の黒田総裁がデカップリング論を reject したようです。
Recession risk左のグラフは1月11日付けの Wall Street Journal の A2 面の記事、"Odds of Recession Seen Rising" から取ったものですが、米国でもこの先1年間で景気後退に陥るリスクが42%と弾き出されているようです。グラフを見る限り、記事のタイトルにもある通り、この Recession odds は上昇を続けています。気前のいいエコノミストによれば、このオッズは60%くらいに達していたりします。最近では、米国の投資銀行が米国経済見通しに関して、今年第2-3四半期に米国の成長率は2四半期連続でマイナスを記録し、NBER 的な定義の上からも景気後退に入るとするレポートを出したと聞いたこともあります。もちろん、逆のことを主張するエコノミストもいて、日本と違って米国では金利を下げる余地が大きいことや、過去の1987年10月のブラック・マンデーや1998年9月の LTCM ショックの際にも、単純なクレジット・クランチだけでは景気後退には至らず、さらに、何かが加わらないとリセッション入りはしないとの見方もあります。しかし、米国が景気後退に入る可能性も無視し得ないのは事実で、欧州経済は取りあえず別としても、日銀の福井総裁が「アジア経済はへその緒が米国とつながっている」と表現したこともありますし、米国の景気後退からのタイムラグがそんなに長くなく、アジア経済がデカップリング出来ないとなると、当然ながら、外需に依存する度合の高い日本経済は金利の引下げ余地も少ないことですし、内需への景気エンジンの転換が進まないなら景気後退に突入するリスクは高まります。

景気ウォッチャー調査の推移

昨年来、このブログでも日本経済の景気転換について注視して来ましたが、日本のエコノミストの中にも先週1月10日付けのエントリーで紹介したように、すでに、実体上は景気後退が始まっているとする意見もあります。特に、ソフトデータの方ではマインドの悪化が顕著に現れており、上のグラフに見る通り、内閣府が先週発表した「景気ウォッチャー調査」では DI が40を切る水準まで低下して来ています。米国だけでなく、日本でも景気後退に入る確率は無視し得ない水準まで上昇して来ているように感じているエコノミストも少なくないと思います。2年2ヶ月振りに終り値で14,000円を割り込んだ東証平均株価は日本の景気後退を織り込み始めたのかもしれません。

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2008年1月14日 (月)

年末年始のテレビを振り返る

今日は、朝から少しが広がりっていたんですが、雨が降りそうな様子もなく、まずまずのお天気でした。でも、気温は上がらず、昨日と同じくらい寒かったです。風が弱まったので、昨日ほど体感気温は低くありませんでした。

3連休最終日の今日は特に外出もせず、。昨日一昨日と下の子といっしょに理科教室に2日連続で行ったりしたこともあり、家族で家でのんびりしました。特に、ブログに書くような出来事もないので、今日のエントリーは年末年始休みに見たテレビについて取り上げたいと思います。もっとも、私が熱心に見たのはお正月の「のだめカンタービレ」の海外ロケの特番と先日の地上波のテレビでやっていた「バブルへGO!!」くらいなんですが、チョコチョコと見ていたクイズ番組もあったりします。なお、ネタバレはないように意識して書いているつもりですが、読み進む場合は十分にご注意下さい。また、人名については敬称略で書いていますので、ご容赦下さい。

「バブルへGO!!」

先日、地上波のテレビで「バブルへGO!!」をやっていたので、録画して拝見しました。ご存じの通り、公開された2007年春の時点から17年前の1990年3月にタイムマシンで時代をさかのぼって、バブル崩壊を食い止めるストーリーです。同業者の親しいエコノミストから最後の結末まで含めて事前に教えてもらったりしていたので、映画館で入場料を払ってまで見ようとは思いませんでしたが、テレビの放送があったので録画してみました。ストーリーは荒唐無稽としか言いようがありませんが、1990年前後のバブル華やかなりしころの雰囲気や風俗なんかが当然のように大きく誇張されていて、バブルを体験した私なんかには面白かったです。主人公の広末涼子が「バブルってサイコー!」と叫ぶ場面があり、共感する人は少なくないような気がしないでもありません。なお、エコノミスト的に考えれば、バブルの崩壊を食い止めるのではなく、発生の方を何とかしてくれればよかったのにと思わないでもありませんが、そこは映画ですから娯楽作品と割り切るしかないんでしょう。今から考えれば、私はバブルが崩壊した直後に在チリ大使館に赴任してしまい、冷夏長雨の後の外国産米も食べたことはなく、ひょっとしたら、いい時代を通り抜けたのかもしれません。映画に戻ると、財務省・大蔵省はもとより、長銀や日立などの企業名が実名で出ているのも興味深いです。長銀などは今ではパソコンの辞書に登録されていますが、我が家の子供達が成人するころには辞書から抹消されていたりするかもしれないと思ってしまいました。

「のだめカンタービレ」

放映された日付は前後しますが、「のだめカンタービレ」の海外ロケ特番も面白かったです。普段は実写のドラマもアニメも見たことはないんですが、いずれも原作がマンガですから、マンガチックな場面もふんだんにあり、バックグラウンドの音楽もよかったです。改めてクラシック音楽のファンになった人も多いと聞きます。海外ロケなので言葉をどう処理するのか、少し気になっていたんですが、かなり強引に日本語で進めていたのには笑ってしまいました。この「のだめカンタービレ」が面白かったので、ブログのサイドにアクセサリーを置いてみました。プレイバックの三角ボタンをクリックすると音楽が始まります。お試し下さい。
これら以外にも、我が家の子供達が好きなものですから、クイズ番組なんかもよく見ました。少しは勉強の足しになるかと考えないでもなかったんですが、出演者がおバカな回答を出すのを笑い飛ばすような番組の構成になっていたような気がします。それから、私はそもそもテレビをほとんど見ないのでよく知らなかったんですが、CM もいっぱい見ました。ソフトバンクの携帯電話の CM なんか、モノクロの暗い表情のキャメロン・ディアスの写真を見ていると60歳過ぎのバーサンに見えたりしていたんですが、音楽に合わせて踊っているテレビを見て、大きく印象が違ったりしました。

今までも、これから先の、私はテレビを見る機会は少ない方の人間だと思うんですが、たまの休みにはテレビを見てみようと思わないでもありません。

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2008年1月13日 (日)

下の子を理科教室の渡り鳥の観察の野外実習に連れて行く

今日は、朝から少し雲が広がっていたんですが、だんだんと時間がたつにつれていいお天気になりました。でも、気温は上がらずこの冬一番の寒さだったような気がします。さらに、風も強くて体感気温はとっても低かったです。

またまた、今日も下の子を理科教室に連れて行きます。今日は渡り鳥の観察の野外実習です。いつもの理科教室貸切りのバスで東京港野鳥公園に行ったようです。もちろん、行ったのは下の子だけで、私は集合場所までの送り迎えだけです。東京港野鳥公園の場所は羽田空港の近くだということは私も知っていましたが、東京湾の埋め立て地に人工的に作られた公園だということは知りませんでした。24.8ヘクタールの広さがあるそうです。毎年、シギ・チドリ類、カモ類といった水鳥や小鳥類、オオタカなどが公園に飛来し、年間120種類前後、開園以来214種類(2007年2月現在)の野鳥が観察されているそうです。また、2000年6月17日には、「シギ・チドリ類重要生息地ネットワーク」の参加湿地となり、シギ・チドリ類の重要な生息地であることが国際的に認められましたし、野鳥観察のほか、水辺の生物、カニをはじめとする干潟や磯場の生物の観察にも適した場所となっているとのことです。なお、昼間だけのようですが、ネイチャーセンターとアジサシ島周辺の2か所にライブカメラを設置しているようです。ご興味ある方はご覧ください。
この季節で、しかも、理科教室のねらいが渡り鳥ですから、シギとカモが観察対象なんでしょうが、下の子から聞いたところによれば、シギは見当たらずカモばっかりだったそうです。カモといっても種類はいっぱいあり、ハジロ、マガモ、オナガカモなんかがいたそうなんですが、小学3年生から見たら、結局、みんなカモだったようです。ハジロなんかは、その名の通りに羽が白いですから、カモとは少し違うような気もするんですが、色を別にすれば全体の印象はやっぱりカモなのかもしれません。実は、我が家の子供達が生まれたのは杉並区なんですが、近くに善福寺川が流れていて、渡り忘れたカモが夏でも川を泳いでいるのを見かけた記憶があります。でも、ジャカルタに行く前のことですし、おにいちゃんすら忘れてしまっています。それから、羽田飛行場の近くですから、渡り鳥だけでなく飛行機もずいぶんと観察して来たようです。
下の写真では、昨日今日とおにいちゃんの写真を撮っていなかったので、やや無理やりに勉強するおにいちゃんを記録に残しておきます。これも成長の記録のひとつです。

理科教室の渡り鳥の観察に行く下の子  理科教室の渡り鳥の観察から戻った下の子
勉強するおにいちゃん

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2008年1月12日 (土)

下の子を理科教室に連れて行き、待ち時間にブログのテンプレートを変更する

今日は、朝からが降りました。午前中は降ったり止んだりだったんですが、午後は降り続きました。明日はいいお天気が戻るんですが、気温が大きく下がるとの天気予報です。

理科教室で白衣姿の下の子

今日は午前中に下の子を理科教室に連れて行きます。今日のクラスは星の観察で、北斗七星や星座なんかを勉強したようです。この間、私はマンガ喫茶でインターネットに接続して、ブログのテンプレートを変更します。覚悟はしていたんですが、お正月テンプレートは有効期間が短い気がします。html や css については知らないわけでもないので、画像をいつものところから入手して、下の子の理科教室が終わるまで、ものの2時間もあれば、この手の作業は一応の完成を見たりします。もっとも、ヘッダーなどの見た目を大きく変更した後、注意して見ないと気付かないような細かい修正点がいっぱいありますので、実は、最終的な完成まで1週間くらいかかったりします。今回は、メインの「吉岡家一同おとうさんのブログ」は扇のイメージに千社札をあしらってみました。「官庁エコノミストのブログ」やその他のミラーは適当です。今度のテンプレートはいくら短くてもゴールデンウィークくらいまで持ち堪えさせようと考えています。

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2008年1月11日 (金)

「ハリー・ポッター」の最終巻に書かれていない周辺事情

今日は、朝からが広がり夜になって雨が降り出すとの天気予報だったんですが、現時点ではまだ雨は降っていないようです。陽射しはなかったんですが、まずまず気温は上がったように感じました。降るとしても今夜は雨だそうですが、明日まで降り続いて、明日は雪かもしれないとの天気予報です。

「ハリー・ポッターと死の秘宝」

ハリー・ポッター最終巻の「死の秘宝」も邦訳出版まで半年余りとなりました。上の画像は私が読んだ米国版と異なり、英国版の表紙です。一般の報道にはこちらが使われていた気がします。金庫破りのためにグリンゴッツに押し入って滝に打たれたあたりのイメージのように見えなくもありません。それにしては、グリップフックの姿が見えなかったりします。それはともかく、今夜は、3連休の週末前の軽い話題として、ハリー・ポッターの最終巻「死の秘宝」の本には書かれていない周辺事情について、作者のローリング女史が話したことを中心に取り上げたいと思います。もっとも、ポッターマニアのサイトに取りまとめられている情報の孫引きだったりします。少し前に発見したんですが、主要な10人の登場人物別にその後の生活振りなんかについて紹介されていましたので、私の方で部分的に解説を加えつつ引用すると以下の通りです。

ハリー・ポッター魔法省の闇祓い部 (Auror department) の部長に。ジニーと結婚し、ルーピン・トンクス夫妻の遺児テディを引き取るとともに、ジェームス、アルバス・セブルス、リリーの子供に恵まれる。
ロン・ウィーズリージョージと一緒にウィーズリー・ウィザード・ウィーズを経営。ハーマイオニーと結婚し、 Rose と Hugo の2人の子供が出来る。
ハーマイオニー魔法省の魔法生物規制管理部で屋敷しもべ妖精の地位向上に尽力。その後、魔法法執行部に異動し、純血びいきの法律の撲滅を推進。
ジニークィディッチのプロ選手となりホリヘッド・ハーピーズで数年間活躍。その後、ハリーとの結婚のため引退し、『日刊予言者新聞』のクィディッチの記者に。
ネビル・ロングボトムホグワーツの「薬草学」の教授に。
ハンナ・アボット「漏れ鍋」の女主人に。ネビル・ロングボトムと結婚。
ドラコ・マルフォイアストリア・グリーングラスと結婚。子供はスコーピウス。なお、アストリアはパンジー・パーキンソンの友人(スリザリン)のダフネ・グリーングラスの妹で、ハーマイオニーは OWL の呪文学の実技試験をダフネといっしょに受けている。
チョウ・チャンマグルと結婚。
テディ・ルーピン父親の方の人狼ではなく、母親の方の七変化に。
キングズリー・シャックルボルト終身魔法大臣に。

最後のキングズリー・シャックルボルトについては第7巻「死の秘宝」の最終章で臨時の魔法大臣に就任することが明らかにされていますが、終身魔法大臣になるようです。実は、第6話の「謎のプリンス」の冒頭で、シャックルボルトはマグルの首相の秘書官として魔法界から送り込まれていて、その事務処理能力の優秀さからか、マグルの首相にとっても気に入られているような記述があります。マグルの首相の秘書官はもちろん、魔法大臣としても行政的な能力が秀でているのかもしれません。その他の登場人物についても、とってもありそうな展開だと感心してしまいます。登場人物ではないので、上には含めませんでしたが、Elder Wand の芯はセストラルの尻尾の毛だそうです。これはどこで見たのかは忘れてしまいました。なお、職業は別にして、婚姻関係と子供については「死の秘宝」のエピローグでほとんど明らかにされていますし、このブログでも11月22日付けのエントリーで取り上げていたりします。
私は常々「ハリー・ポッター」はプロットがよく練られたストーリーだと感心していましたが、もちろんフィクションながら、ここまでありそうな展開を頭に描いた上で本を執筆してたんだとすれば、ローリング女史の想像力には感服せざるを得ません。日本を代表する小説家の村上春樹さんの作品も原語で読めますし、ひょっとしたら、私は文学史上でいい時代を生きているのかもしれません。

今夜のエントリーも火曜日に続いて、本を読んだ感想文ではないんですが、読書界での話題ということで、読書感想文の日記に分類しておきます。

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2008年1月10日 (木)

国際商品市況の上昇と国内景気の減速は表裏一体

今日は、朝から冬晴れのいいお天気でした。でも、昨日や一昨日と比べると急に気温が下がったような気がします。逆に、今の真冬の季節にふさわしいカレンダー通りの気温なのかもしれません。

今日の日経新聞の夕刊に出ていたんですが、日銀の武藤敏郎副総裁が札幌市で講演し、国内景気について従来の日銀の見解を下方修正するような発言をしたと報じられています。取りあえず、NIKKEI.NET のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

日銀の武藤敏郎副総裁は10日、札幌市で講演し、国内景気について「当面減速が続くものの、その後は緩やかな拡大を続ける」と述べた。足元の世界経済に不透明感が増すなか、原油を中心とする原材料価格の高騰や住宅投資の急減が響くとの見方を示した。今後の金融政策運営は「経済・物価情勢を虚心に評価した上で慎重に判断したい」と指摘した。
武藤副総裁は日本経済に関し「生産、所得、支出の好循環メカニズムが一時的に弱まっている」と言及。米経済についても信用力の低い個人向け住宅投資(サブプライムローン)問題を背景に「減速感が幾分強まりつつある」との考えを示した。世界経済全体では「地域的な広がりを持ち高成長を続けるがダウンサイドリスクが増している」と語った。
経済は下振れる一方、物価は上振れるとの懸念も表明。「原油価格が1バレル100ドル台まで上昇するなど国際商品市況は高値圏で推移している」と語り、国内の消費者物価指数(CPI)は「上昇幅が拡大する」との見通しを示した。

私のこのブログの12月19日付けのエントリー「景気拡大が企業から家計へ波及する日銀シナリオは崩れるのか?」でも取り上げましたが、同様の内容を武藤副総裁は「好循環メカニズムが一時的に弱まっている」と表現しています。一時的な弱まりと崩壊の間には大きな差があるようにも見えますが、日銀のような大きな船が方向転換を始めたのかもしれませんから、表現振りほどは大きな差がないのかもしれません。
それから、物価上昇の捉え方なんですが、原油をはじめとする商品市況の上昇に端を発する物価上昇はデフレを悪化させます。単純な話で、輸入デフレータの上昇は輸入が GDP の控除項目であるがゆえに、国内デフレータを下げる方向に作用します。円高の進行も同じで、交易条件は悪化します。当然です。しかし、輸入デフレータに起因するものであったとしても、それが波及する形で国内の一般物価水準を上昇させることにつながれば、それはそれでオッケーだという気がします。さらに、11月30日付けや12月28日付けのエントリーで論じたように、国民のインフレ期待が変化すれば、もっとオッケーのような気もします。何度もこのブログで表明しているように、私は賃金の上昇がデフレ脱却の十分条件であると考えていますが、物価上昇が賃金上昇につながる形でも、それはそれでオッケーだと私は考えています。しかし、他方で、実際には物価上昇が賃金上昇につながるよりも、例えば、その昔にグランジャー因果を分析したりした際には、賃金上昇が物価上昇に先行するのが日本の歴史的事実だということも認識しているつもりです。非伝統的な政策手法も含めて、何とかデフレから脱却してマイルドなインフレを実現させようとするのがリフレ派だと私は認識していますから、ややトリッキーに見える方法でもマイルドなインフレをもたらすのはオッケーだと思いたい気がします。私の勝手な思い込みかもしれませんが、需要超過の GDP ギャップに起因するインフレだけにはこだわらないのがリフレ派だと認識しています。その点から、よいデフレと悪いデフレ、同様に、よいインフレと悪いインフレを区別するのはまったく意味がありません。
脱線してしまったので少し話を戻すと、私の見解からすれば、今夜のエントリーのタイトルにしたように、原油価格などの国際商品市況の上昇と、部分的にはこれに起因する国内景気の減速は同じコインの裏表なんですが、日経新聞の記事では日銀から見れば相反する事象のように取り上げられています。私は大いに違和感を覚えますが、国民の実感からすれば物価は確実に上がって来ているというのは事実だろうと思います。このあたりが官庁エコノミストとしては悩ましいところで、一昨年の2006年9月22日付けのエントリーでも取り上げましたが、日銀の金融政策にも国民の意志や判断が反映される仕組みが必要と主張する一方で、国民の間にコンセンサスのないインフレ・ターゲッティングの採用にも少し消極的にならざるを得ないわけですから、どのあたりに経済政策の軸足を置くのかは、私自身もフラフラしているのが実情です。

でも、虚心坦懐に考えれば、景気の現状からすればデフレ脱却が最優先課題とされるべきだと考えています。長くなるので引用しませんでしたが、今日の毎日新聞夕刊の特集記事にある三菱UFJ証券景気循環研究所の嶋中所長の主張のように、すでに景気後退が始まっているかどうかは別にして、控えめに言っても、現下の景気情勢からは日銀に利下げを求めるエコノミストがいてもおかしくないような気がします。

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2008年1月 9日 (水)

世銀の "Global Economic Prospects 2008"

今日は、朝から少し雲が広がっていたんですが、昼前から冬晴れのいいお天気になりました。気温も昨日ほどではなかったんですが、この季節にしてはかなり上がりました。

昨日、世銀から "Global Economic Prospects 2008" (GEP2008) が発表されました。よく分かりませんが、世銀の本部があるワシントンではなく、ロンドンでの発表となっています。いつもの通り、フルテキストが世銀のホームページからダウンロード出来ます。まず、NIKKEI.NET のサイトから記事を引用すると以下の通りです。なお、ネットには見当たらなかったんですが、夕刊には経済見通しの表が掲載されていました。どうでもいいことで、世銀の発表文はロンドン発だったんですが、なぜか、日経新聞ではワシントン発となっています。

世界銀行は8日、最新の世界経済見通しを発表した。2008年の実質経済成長率については、日本が1.8%、米国が1.9%にとどまると指摘。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を発端とする金融不安などの世界的な打撃を織り込み、昨年5月時点の予測をそれぞれ0.6ポイント、1.1ポイント下方修正した。
世銀は昨年8月9日に本格化した金融不安を受けて「国際市場は不確実性の高い局面に入った」と強調。08年の日本と米国の成長率もその影響で減速し、07年実績見込みの2.0%、2.2%をいずれも下回ると予測した。
米国の住宅価格が大幅に下落し、金融不安が悪化すれば、米景気が後退局面に突入する可能性もあるとみている。08年のユーロ圏の成長率も2.1%にとどまり、07年実績見込みの2.7%を下回ると予測した。
08年の中国は10.8%、インドは8.4%。新興国の高成長は続くものの、世界全体では3.3%と07年実績見込みの3.6%を下回るとの見通しを示した。

全体で200ページを超える分量で、当然ながら正本は英語なもので、私には全部を読み通す能力も気力もありませんから、10ページ余りの Overview のチャートを中心に、プリントアウトもせずにモニター上でザッと目を通しただけです。また、取りあえず、2009年までの成長率見通しのサマリーは、レポートの22ページにある Table 1.2 The global outlook in summary, 2005-09 で確かめることが出来ます。もちろん、フルテキストだけでなく、Overview だけのファイルをダウンロードすることも出来ます。
日本の新聞で取り上げられている経済見通しの数字は別にして、全体の論調として見ておくべきは、特に強調している点が2点あり、ひとつめは好調な途上国経済が世界を支えるというデカップリング論です。私のブログでも昨年9月18日付けのエントリーで「国際機関のエコノミストはデカップリング論がお好き?」と題して、アジア開発銀行 (ADB) から出された "Asian Development Outlook 2007 Update" を取り上げて以来、その後も、9月25日付けの「国際通貨基金 (IMF) の Global Financial Stability Report」、12月7日付けの「経済開発協力機構 (OECD) の経済見通しにおけるデカップリング論」などで盛んに出現しています。もはや、見飽きた気がしないでもありません。GEP2008 でも、Overview の最初に現れるグラフが "Figure 1 Robust growth among developing countries should cushion the developed country slowdown" というタイトルになっていて、高所得国の成長率が2-3%程度であるのに対して、途上国では7%前後に達するという現状を明らかにしていたりします。
もうひとつ注目すべき論点は、途上国に対する technology diffusion です。自然科学や工学的な狭い意味での技術の波及だけでなく、慎重なマクロ経済政策運営も含めて、途上国において過去15年間で全要素生産性 (TFP) と所得の向上がもたらされていると結論付けています。全部で3章構成のうちの第2章と第3章で、Chapter 2 Technology and Technological Diffusion in Developing Countries と Chapter 3 Determinants of Technological Progress: Recent Trends and Prospects と題して、かなりの分量を割いて分析しています。従来は、高所得国の技術進歩が途上国に波及しにくかったのに対して、最近時点では、広い意味での技術革新が途上国に所得の増加と貧困削減をもたらしているとの前向きの評価です。特に私が印象的だったのは、Overview の5ページにある "Figure 5 Technological achievement tends to level off at different income levels in different regions" のチャートです。繰返しになりますが、自然科学や工学的な技術だけでなく、経済政策運営なども含めていますから、Figure 12 のタイトルは "Developing regions have much poorer governance than do OECD countries" だったりします。それから、技術が波及して行く経路として、貿易と直接投資以外に8ページの Figure 8 では "Diaspora and other networks" という言葉を使っていて、この方面の用語に詳しくない私なんかはちょっとドキッとしたりしました。
最後に、仕上がりの経済見通しの数字については、まず、上の引用では2008年までしか触れられていないんですが、GEP2008 では2009年まで明らかにしています。日本を見ると2008年1.8%に続いて、2009年は2.1%ですから、カレンダー通りの歴年と財政年度の違いはありますが、政府経済見通しとかなり似通った数字だと言う印象を持ちました。ということは、逆に見れば、少なくとも日本に関してはかなり楽観的な見通しと言えるのかもしれません。国際機関が大好きなデカップリング論に基づいた見通しであれば、なおさら楽観的な傾きを有しているように受け取られがちな気がしないでもありません。しかし、米国経済についてはかなり慎重な見方で、第1章では "Risks and uncertainties: Danger of a banking crisis and a U.S. recession" と題した節を設けて分析していますし、随所に、「米国が景気後退に入ったら…」との表現が見られることも事実です。しかし、最終的には米国についても2008年1.9%、2009年2.3%と徐々に上向いていくシナリオを考えているように見受けられます。

いずれにせよ、私のブログでも何度か言明しているように、日米ともに今年から来年にかけて景気転換点を迎えるかどうか、経済政策運営の点から重要なポイントに差しかかっているような気がしてなりません。

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2008年1月 8日 (火)

第138回芥川賞と直木賞の候補作品が決まる

今日は、朝からいいお天気で気温も平年の春先くらいの水準まで上がったようです。風も弱かったですし、体感気温としてもかなり高かったような気がします。今夜は親元官庁の新年賀詞交換会があり、私も出向してから長くなったので出席しました。年配の方がいっぱいで、私のような参事官なんてまだまだ駆出しのような気分になってしまいました。

昨日の新聞に記事があったように思うんですが、新春の話題として、先日、第138回の芥川賞と直木賞の候補作品の発表がありました。今夜は少し趣向を変えて、事実関係だけを報じている時事ドットコムのサイトから引用すると以下の通りです。

第138回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の候補作が6日発表された。芥川賞では津村記久子さんら3人が初候補、直木賞は井上荒野さんが初。選考会は16日午後5時から東京都内で開かれる。候補作は次の通り(敬称略)。
【芥川賞】川上未映子「乳と卵」(「文学界」12月号)▽田中慎弥「切れた鎖」(「新潮」12月号)▽津村記久子「カソウスキの行方」(「群像」9月号)▽中山智幸「空で歌う」(「群像」8月号)▽西村賢太「小銭をかぞえる」(「文学界」11月号)▽山崎ナオコーラ「カツラ美容室別室」(「文芸」秋号)▽楊逸「ワンちゃん」(「文学界」12月号)
【直木賞】井上荒野「ベーコン」(集英社)▽黒川博行「悪果」(角川書店)▽古処誠二「敵影」(新潮社)▽桜庭一樹「私の男」(文芸春秋)▽佐々木譲「警官の血」(新潮社)▽馳星周「約束の地で」(集英社)。

ついつい、芥川賞の方に目が行くんですが、今回の話題は、日本語を母国語としない中国人の楊逸さんの「ワンちゃん」が芥川賞の候補作品に入ったことではないでしょうか。私が見た範囲だけでも、朝日新聞毎日新聞などで報じられています。詳しい略歴なんかは他の候補者とともに文藝春秋社のホームページに出ています。約20年前の1987年に来日し、お茶の水女子大学の卒業だそうです。候補作「ワンちゃん」は日本に嫁いだ中国人女性が主人公で、中国へのお見合いツアーなどを描いているようです。
でも、私が注目したのは川上未映子さんで、作家が本業でもないのに、前回137回の芥川賞にも「わたくし率 イン 歯ー、または世界」がノミネートされたのに続いて、またしても連続で「乳と卵」が候補作に上げられています。もちろん、ココログの彼女自身のブログにもレポートされています。私の知り合いで少し前まで文学少女をやっていた人は、今回の芥川賞の本命は川上未映子さんの「乳と卵」であろうが、選考委員の一部に強烈な反対意見が出る可能性があるので、結局のところ、受賞するかどうかは分からない、とのご意見でした。

いずれにせよ、私は候補作はどれも読んでいないので、よく分かりませんが、引用にもある通り、来週水曜日の16日の夕方から開催される選考委員会で授賞作品が決定されるようですから、また、決まった後で「文藝春秋」の2月号で書評とともに読みたいと考えています。なお、いつもの通り、やや無理やりなんですが、今夜のエントリーは読書感想文の日記に分類しておきます。

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2008年1月 7日 (月)

雇用統計から米国の金融政策を考える

今日は、朝から少し晴れ間が見えた後、昼前からが広がりました。夕方にはにわか雨も降りましたが、すぐに止みました。陽射しはなかったんですが、気温はそこそこ上がったような気がします。先週の金曜日4日から正月明けだったんでしょうが、新年の挨拶回りなどもありましたから、今日から本格稼働のサラリーマン諸氏も多かったんではないでしょうか。私は今年もがんばってお国のためにお仕事します。

米国・失業率と非農業部門雇用者数の推移

先週末に発表された12月の米国の雇用統計で単月統計ながら実体経済の大幅な減速が確認されました。非農業部門の雇用者数の増加は1.8万人に止まり、失業率は5.0%にハネ上がりました。いつもの通り、 NIKKEI.NET のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

米労働省が4日発表した昨年12月の雇用統計(季節調整済み)によると、非農業部門の雇用者数は前月に比べて1万8000人増えた。増加幅は雇用回復の目安といわれる10万-15万人を大幅に下回り、2003年9月以降の雇用拡大局面では最も低い伸びとなった。失業率(軍人を除く)は5.0%。前月より0.3%上昇し、2年1カ月ぶりの高水準を記録した。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を発端とする金融不安が響き、雇用の減速も鮮明になってきた。
昨年12月の雇用者数は52カ月連続で増加したが、増加幅は市場平均予測の7万人を大きく割り込んだ。昨年10月の増加幅は17万人から15万9000人に下方修正、昨年11月の増加幅は9万4000人から11万5000人に上方修正された。

まず、引用にもある通り、10月15.9万人増、11月11.5万人増を受けての12月1.8万人増となり、四半期でならしてみると月平均で9.7万人増を少し上回る水準ですから、12月の雇用統計だけを見て大騒ぎすることは差し控えたい気がします。特に、8月の雇用者が▲0.4万人減と発表された後で、翌月には9.3万人増と修正されていますからなおさらです。しかし、官民で分類すると、政府サービスが12月は3.1万人増となっていますから、民間部門では純減に転じているわけで、公共部門が雇用を下支えしている構図は好ましくないと見る向きもあるかもしれません。
さらに、セクター別にいくつか注目すべき業種については以下の通りです。まず、住宅バブル崩壊の影響をモロに受けている建設業では、10月▲2.0万人減、11月▲3.7万人減に続いて、12月も▲4.9万人減と下げ幅を拡大しています。ある意味で当然かもしれません。住宅を震源にしたサブプライム・ローン問題で収益を大幅に悪化させている金融業も10月▲0.2万人減、11月▲1.6万人減、12月▲0.4万人減となっています。クリスマス商戦がまずまず好調だったと伝えられている小売業も10月▲2.0万人減、11月3.2万人増の後、12月は▲2.4万人減とクリスマス商戦の前倒しと11月増の反動により12月は減少しています。
米国の金融政策当局である連邦準備制度理事会 (FED) はこの雇用統計をマクロ経済指標の中でかなり重視していると言われていますが、今回の統計発表を受けて、次回の連邦公開市場委員会 (FOMC) で利下げに踏み切る可能性が非情に高くなったといえます。Wall Street Journal なんかでも、1月4日付けで "Weak Jobs Data May Spur Rate Cut" と報道されたりしています。注目は引下げ幅なんですが、私の同業者からのニューズレターによれば、FF レートの先物で見た市場の織込みは大雑把に1月3日の時点では25ベーシスが 2/3 で50ベーシスが 1/3 だったんですが、雇用統計発表直後の1月4日の時点ではこの比率が逆転したらしいです。

先月12月12日付けのエントリーで主張した通り、FED は金利引下げに打止め感を出すことなく、金融緩和を継続する方向性を重視しているんだと、12月の FOMC での25ベーシスの利下げについて私は理解しているんですが、今月29-30日の FOMC もやっぱり利下げを続けることは間違いないと予想しています。年央までに3%台半ば、ひょっとしたら、それ以上の低水準に米国の政策金利である FF レートは引き下げられるとの私の予想通りにコトが動いているような気がしないでもありません。

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2008年1月 6日 (日)

渋谷でランチ・ブッフェの後、子供達を散髪に連れて行く

今日は、朝から冬晴れのいいお天気で風も弱くて暖かでした。昨日の上海からのメールの通りになったような気がします。穏やかなお天気が続いています。

今日は昼前から子供達と渋谷に外出し、まず、ランチです。下の子が食べ放題を熱望しますのでランチ・ブッフェのお店を探します。昨年9月1日に行って、当日のエントリーでも取り上げた CELEB にしようかと思ったんですが、ホームページを見てランチブッフェのメニューがないことに気づき、昨夜のうちに確認の電話を入れると、もうランチブッフェはやっていないと言うので諦め、結局、 chef's V に行きました。最後の V は野菜 (vegetables) の V だそうです。これは非常に重要な意味を持つことが後に明らかにされます。
場所なんかはホームページにリンクを張ってありますからご覧いただくとして、CELEB よりも店内は広くて明るいですし、我が家以外にも子連れのお客さんや家族連れがいたりして、幅広い層に人気があるお店だという気がします。60分コースと90分コースがあり微妙に料金が違いますし、小学生料金とそれより小さい子向けの料金設定もあります。しかし、我が家のグルメ評論家の下の子の評価は少し厳しかったです。ポイントは、第1に、デザートにはアイス食べ放題が欠かせないのに、chef's V ではクッキーやケーキが主体となっていて、アイスが置いていない点と、第2に、ここが鋭いんですが、下の子からすれば大好きな肉料理が少ないと言うことでした。ローストポークは大量に食べましたが、小学3年生のくせに、野菜中心のランチブッフェということを的確に見抜いていたので、ややびっくりしました。おにいちゃんはともかく、この子には食べ物のことでごまかしは利かないと実感してしまいました。

ランチの後、散髪に行きます。いつものお店で済ませましたが、ものすごく混んでいました。1月4日の金曜日に年休を取ったサラリーマンも明日からは通常勤務の人が大部分でしょうし、明日からではないものの、小学校なんかも今週半ばくらいまでに始業式を迎えるところがほとんどだろうと思いますから、初仕事や初登校前に散髪を済ませておきたいという人が多いのは当然です。我が家もそうですから。余りに混んでいるので明日にしようかという声も出ましたが、しかし、ここで帰ってしまうとランチ・ブッフェだけで帰宅したことになりますから、意地でも列に並んで散髪を済ませました。でも、覚悟したほどには待ち時間は長くありませんでした。下の写真は散髪を終えて帰宅した子供達です。おにいちゃんと並ぶと太さが目立つので、下の子はジリジリとおにいちゃんから遠ざかって行って端っこになってしまいました。

散髪を終えた子供達

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2008年1月 5日 (土)

下の子と図書館に行って「ドラゴン・クエスト」のコミックを借りる

今日は、朝から雲が広がっていましたが、午後から冬晴れのいいお天気になりました。風も弱くて穏やかなお天気でした。陽射しが少なくて気温が上がらず寒かったんですが、上海に駐在している大学時代の同級生から届いたメールには「本日はかなり暖かい気候です。上海の気候は一日後には日本に移りますので明日は日本も暖かいことと思います。」とありましたので、明日のお天気に期待しています。

図書館で「ドラゴンクエスト」のマンガを借りた子供達

今日は午後から下の子と図書館に行きました。実は、冬休みのヒマ潰しにと思って、年末に図書館に行った折に、「ドラゴン・クエスト」のコミックをかなり大量に借りたんですが、その続きを借りに行きました。「ドラゴン・クエスト」、あるいは単にドラクエと言えば、今となっては、日本と世界を代表する RPG であることは言うまでもないんですが、10年余り前、正確には1989年から1996年までマンガとして「少年ジャンプ」に連載されていたりしました。テレビでアニメにもなりましたが、短命だったように聞いています。もちろん、大ブレークしたのは RPG のゲームの方です。マンガの方は原作が三条陸さんで、原画は稲田浩司さんによる冒険ファンタジーものに仕上がっています。副題は「ダイの大冒険」です。
ストーリーの方は知っている人は知っているんでしょうが、要するに、怪物の島デルムリン島に難破船から流れ着いたたった1人の人間であるダイが、鬼面道士ブラス老に育てられ伝説の勇者アバンに弟子入りしたりします。「竜の騎士」の末裔であるダイが仲間のポップやマァムらとともに大魔王バーンとその手下の魔軍司令ハドラーなどを倒す旅に出かけるというものです。いろんな武器や技も盛りだくさんです。人によっては荒唐無稽と感じるものもあるかもしれません。そこはマンガですからドラえもんと同じで、荒唐無稽と感じるか夢を見出すかは感受性による部分が大きいんではないでしょうか。コミック本では全37巻で完結しています。壮大な一つの物語を形成しています。映画化もされたようですが、一話完結の映画では語り切れないのが魅力なんですから、映画ではそんなにヒットしなかったように聞き及んでいます。

なぜ、港区立図書館にこんなマンガ本が置いてあるかと言うと、どうも篤志家から寄贈を受けたらしいです。でも、寄贈本であるがゆえに古いのは仕方ないんですが、私の目から見ると管理がずさんで、抜けている巻もあったりします。でも、小学生の冬休みのヒマ潰しにはうってつけだったりします。一応、今日のエントリーはお出かけの日記に分類しておきます。

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2008年1月 4日 (金)

東証の日経平均が昨年来最安値を付けた日に「志村けんのバカ殿様」を楽しむ

今日も、朝から冬晴れのいいお天気で風も弱くて、穏やかなお正月の三が日明けでした。気温もそこそこ上がったような気がします。今日から出勤のサラリーマンも多いと思いますが、今日を休んでしまえば、さらに3日の連続した休みになるので、年休を取った人も少なくないと思います。統計発表がなかったせいもありますが、同業者からのニューズレターは少なかった気がします。

海外相場の動きからすれば当然なのかもしれませんが、今日の大発会で東証の日経平均株価が昨年来最安値を付けて終わりました。まあ、大発会ですから半ドンでしたので、午後も開けていればアジア株の続伸によって、少しは戻したのかもしれませんが、原油価格の高騰を受けて、企業業績の悪化が見込まれる中で、さらに、円高も進みましたから、ある意味で、当然の結果かもしれません。いつもの NIKKEI.NET のサイトから引用すると以下の通りです。

2008年最初の取引となる4日の東京株式市場の大発会で日経平均株価が急落。取引時間中の下げ幅は一時765円となり、終値でも昨年11月に付けた安値(1万4837円)を割り込んだ。大発会の株価下落は7年ぶり。東京市場が休場だった年末年始に海外で為替の円高が進んだ上、原油高騰による企業業績の悪化が警戒された。外国為替市場では円相場が上昇。一時1ドル=108円台まで円高・ドル安が加速し、波乱の幕開けとなった。
日経平均の終値は07年末に比べて616円37銭(4.03%)安の1万4691円41銭と、昨年来安値で取引を終えた。大発会で取引は午前中のみ。大発会1日の値下がり幅としては過去最大だった。
急速な円高に加え、2日のニューヨーク原油先物市場で原油価格が初めて1バレル100ドルの大台に乗せたことから、企業業績の先行きに慎重な見方が広がった。午前9時の取引開始直後から幅広い銘柄に売り注文が膨らみ、東京証券取引所第一部では値下がり銘柄が全体の9割を超える全面安。買い手不在のなか、欧米の主要株式相場に比べて下げ幅が大きくなった。

1年の始まりとしては嫌な相場展開だと受け止める向きもあるかもしれません。特に、外国人投資家が東証の売買の中で占める比率は6割くらいと過半に達していると言われる中で、引用の最後のパラにある通り、東証の下げ幅が欧米の主要株式市場に比べて大きいのは、東証の斉藤社長の年頭挨拶のように「東京市場が投資先として魅力を失いつつある」可能性を否定できないとも考えられます。しかし、2008年度経済見通しが我が同業者の間では2%前後に集中している中で、大雑把な展開としては年度前半がもたついて、後半から盛り返すと言うパターンを描いているエコノミストも少なくないような気がします。もしも、この経済見通しのパターンが正しいのであれば、冬の間は株価が低迷しても、春先から株価の上昇が見込めるのかもしれません。でも、原油価格や為替などの考慮すべき要因が多過ぎて、やっぱり、相場は難しいとなるのは「貯蓄から投資へ」という流れに水を差すような気がしないでもありません。デイトレーダーはともかく、投資信託で間接的に株を持っている人の中には、しばらくは塩漬けという人もいるかもしれません。ある程度の長期保有は株式投資にとって好ましいとも考えられなくもありませんから、オマハの賢人ウォーレン・バフェットのマネッコをして長期に保有するのも、ひょっとしたら、現下の株式市場動向から考えればオススメなのかもしれません。

フジテレビ「志村けんのバカ殿様」

というような経済の話題とは何の関係もなしに、我が家の子供達はフジテレビの「志村けんのバカ殿様」を見ています。朝のうちから、夜になって「バカ殿様」を見たいのであれば、夕食までに宿題などの勉強を終えるように、と言い渡してありましたので、ちゃんと勉強を済ませておいたようです。テレビの力は偉大なのかもしれません。この年末年始に何枚かアップしましたが、今夜も大笑いしている子供達を写真に撮ってしまいました。

「志村けんのバカ殿様」を見る子供達

一応、今夜のエントリーは経済評論の日記に分類しておきます。

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2008年1月 3日 (木)

お正月のゲームといえば人生ゲームで決まり

今日も、朝から冬晴れのいいお天気で風も弱くて、穏やかなお正月の3日目でした。気温もそこそこ上がったような気がしますが、ほとんど外を出歩いていませんので、よく分からなかったりします。

穏やかなお正月のお天気が続いています。どこかに出かけてもいいんでしょうが、我が家は寝正月です。昨日は書初めで大騒ぎしましたし、今日は、昼食前に私と下の子がバドミントンをしたものの、元旦の初詣のほかは本格的な外出はありません。団地の外に出たのは、せいぜい、年賀状を出しに行った時くらいのものです。私はお正月写真の整理を終えました。ブログのサイドに置いてあります。
と言うことで、今日も寝正月を決め込んで外出もせず、人生ゲームを楽しみます。やっぱり、お正月に家族で楽しむゲームと言えば人生ゲームで決まりでしょう。我が家も一家4人でプレーします。もっとも、楽しむのは楽しむんですが、子供達は真剣そのものです。ちょっとしたイベントごとに騒いだりします。親はそっちのけで子供達の間で熱い火花が走ります。やっぱり、人生ゲームでも、ホントの人生でもフリーターは決して得にならないような気がしてなりません。あいまいな表現ですが、人生でいい職業に就くことの重要性を学び取ってほしいと思います。
下の写真は、今日の人生ゲームのヒトコマで、真剣な表情でルーレットを見つめる子供達です。

人生ゲームで遊ぶ子供達

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2008年1月 2日 (水)

笑う門には福来たる

昨年12月23日や30日にも同じような写真を撮りましたが、やっぱり、年末年始の特番はおバカなのが多くて、ついつい笑い転げてしまいます。ちょっとアサッテの方を向いたタレントさんが理解不能な発言をしたりしますから、中には、メディアの質の低下を嘆く意見もあったりして、私は理解を示す場合も少なくないんですが、他方、「笑う門には福来たる」ということわざがあるのも事実ですから、正月くらいは大目に見たいと思います。明後日のフジテレビの「志村けんのバカ殿様」についてもご同様です。
ということで、下の写真は正月特番で笑い転げる我が家の子供達です。

笑う門には福来たる

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子供達が書初めに臨む

今日も、朝から冬晴れのいいお天気でした。気温もまずまず上がったような気がします。風もなくて穏やかなお正月です。

今日はお正月の二日です。私は根拠をよく知らないんですが、何となく昔から、書初めに臨む日とされています。我が家の小学生も3年生と5年生ですから、書初めをします。というか、小学校の冬休みの宿題だったりします。もちろん、学習した漢字のレベルが違うのは当然ですし、兄弟でお題は異なっています。実は、私も書道を習っていたことはあるんですが、書初め会に出席したり、書初め展に出品したりしたことはありません。もっとも、書初め展以外の展覧会に出品するような腕前ではありませんでした。
今日は、子供達が書初めをしますから、なるべく黒っぽい服装をさせたりします。新聞紙をアチコチに大量に敷き詰めて準備をします。実際に書く段になると個性が出て、おにいちゃんは自分の部屋の床に紙を広げ、下の子は自分の学習机で始めようとするのを押し止めて、人生ゲームをする時にしか使わないテーブルを引っ張り出して、そこにやっぱり新聞紙を広げたりします。おにいちゃんの部屋は下の子より少し広いので床に広げたりするんですが、「片膝で書けるのは小野道風くらいのもんだ」と言って、おにいちゃんには両膝をつかせて、下の子には練習として半紙を少し与えたりします。練習の時はともかく、提出用のを書く時には親も部屋に入らず集中させます。
何とか、精神集中の結果なのかどうか、小学校に提出する分が出来上がりました。下の子の夏休みの宿題の読書感想文の時も思いましたが、キーボードで文字を打って、フォントを選びプリンターで打ち出す文書が多くなった時代に、自分でペンを取って原稿用紙を埋めたり、毛筆で書初めをしたりする機会も必要もめっきり少なくなりましたが、日本のよき伝統として子供達の世代にも何とか残って欲しいと思うのは私だけではないと願いたいものです。

書初めに臨む下の子  書初めに臨むおにいちゃん

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2008年1月 1日 (火)

乃木神社に初詣に行く

明けましておめでとうございます

ひと眠りしましたので、改めまして、
明けましておめでとうございます

今日は、朝から冬晴れのいいお天気だったんですが、午後からは少し雲が広がりました。気温は上がらず、真冬らしく寒かったです。

昨夜は少し夜更かしをしたので、今朝はゆっくり寝た後、昨年と同じように乃木神社に初詣に行きました。私は少し足を延ばして湯島天神あたりまで行こうかとも考えなくもなかったんですが、距離がやや遠いのに加えて、おそらく、長い行列が出来ていることでしょうから、時間がかかるよりは近場で済ませました。私は一向宗の門徒ですから、仏教徒の中でも阿弥陀仏に対する一神教に近い宗教観を持っていますので、特に、初詣の行き先は気にしません。
乃木神社に行く前に、近くの大松稲荷にもお参りします。おそらく、表参道の交差点からもっとも近いところにある神社だという気がします。乃木神社に着くと、明治神宮や湯島天神ほどではないんでしょうが、それでも行列が出来ていて、10-15分ほど並ばなければ参拝できませんでした。いつもの通り、家族で参拝して、おみくじを引いて、破魔矢を買い求めて家に帰りました。おみくじの結果は私は中吉だったんですが、子供達は大吉でした。今年はどんな年になることやら。

乃木神社に初詣の子供達  乃木神社の初詣でおみくじを引く子供達

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明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます

いよいよ2008年が明けました。今年もよろしくお願い申し上げます。
では、そろそろ寝ます。

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