再び、日本の株価はどこまで下がるのか?
今日も、朝から少し雲が広がっていたんですが、徐々に冬晴れのいいお天気になりました。しかし、気温は上がらず、ここ数日は寒い日が続いています。冬本番かもしれません。
先ほど、7時からのNHKニュースの最後で、第138回の芥川賞を川上未映子さんの「乳と卵」に授賞することが決まり、直木賞は選考が続いていると言っていました。先週1月8日のエントリーのラインに沿った形で選考委員会が進んだようです。私の知り合いの元文学少女も喜んでいることと思います。誠におめでとうございます。作者の川上未映子さんをはじめ、関係者の方々にお祝い申し上げたいと思います。いつもの通り、私も2月発売の「文藝春秋」で選評とともに拝読するつもりです。
昨年11月21日付けのこのブログのエントリーで「日本の株価はこのまま下がり続けるのか?」と題して、日本の株価を取り上げましたが、その後も、今年に入って東証の日経平均株価の下げが止まりません。左上のグラフは今日の朝日新聞の夕刊に出ていたもので、今日の後場の1時までの東証の日経平均株価と為替レートの推移ですが、年初来、ラクに1,000円近く下げているのが見て取れます。本日の終り値は4日続落で前日比▲468.12円安の13,504.51円でした。特に今日は日本の東証の日経平均だけでなく、香港市場のハンセン指数も含めてアジア株が下げています。我が家がしばらく住んでいたジャカルタの市場でもかなり下げているような報道を見かけました。サブプライム・ローン問題に端を発する金融機関の損失の拡大やクレジット・クランチなどから、米国経済が景気減速から景気後退に入る警戒感が強まる中で、外国人投資家のリスク許容度が低下し、新興国から投資資金が流出する懸念が高まり、アジア株全体の重しとなっているように見受けられます。軟調なアジア株を受けて、東証の株価も後場に入って下げ幅を拡大したようです。
今日は昨年11月の機械受注統計が内閣府から発表されました。船舶と電力を除くコアと呼ばれる統計は先月10月の統計が12.7%増だったことから、11月は反動減で▲4-5%のマイナスが市場で予想されていたんですが、前月比▲2.8%となりましたので、ちょっとしたポジティブなサプライズだったように受け止められています。内閣府は基調判断を「一進一退で推移」とし、昨年5月統計から6カ月連続で据え置いています。上のグラフでは機械受注を名目の設備投資に6ヶ月先行させていますが、まさに、設備投資も含めて一進一退というのが見て取れます。比較的単純な循環を示すIT在庫については、2006年末に生産設備の立ち上げがあった後、下向き加減だったんですが、昨年の夏場にはこの下向きの循環も一巡し、今後は増加基調を取ることが期待されています。総じて見て、企業の生産セクターは決して弱くなっていない気がします。ただし、コア機械受注に1-2四半期先行すると見なされている外需は前月比▲18.4%減となりました。もっとも、単月では何とも言い難く、ならしてみれば増加基調を読み取れる動きとも言えます。
結局のところ、機械受注統計を見ている分には企業部門の底堅さがうかがわれるものの、株式市場を見ている限りにおいては、都市部の大企業中心の生産を起点とする景気拡大が地方や中小企業、あるいは、家計の所得や消費に波及することなく、景気転換点を迎えるシナリオの確率が徐々に高まって来たのかもしれません。今春の賃上げがどの程度に落ち着くかと、その後の景気への波及のラグの長さにもよりますが、株式市場の動向が景気の先行指標であるとすれば、悲観シナリオの確率が高まる可能性を排除できないと私は考えています。
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