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2008年2月14日 (木)

2007年10-12月期GDP統計は大きなポジティブ・サプライズか?

今日も、朝から冬晴れのいいお天気でした。それなりに気温も上がって、風も弱まったので体感気温は昨日よりグンと上がった気がします。

Retail Sales今朝、内閣府から昨年2007年10-12月期のGDP統計が発表されました。前期比0.9%成長で前期比年率に換算すると3.7%成長となりました。米国では1月の小売統計が発表され、左のグラフの通り、12月のマイナスから1月は予想外のプラスの結果となり、景気後退が遠のいたと受け止められて、NY市場でダウ平均株価が大きく上げた流れもあって、今日の東証の日経平均は今年最大の上げ幅を記録し、前日比で558円15銭高の1万3626円45銭で引けました。まず、GDP統計に関して、いつもの NIKKEI.NET のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

内閣府が14日発表した2007年10-12月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影響を除く実質で前期比0.9%増、年率換算で3.7%増と2・四半期連続でプラス成長となった。機械設備を中心とした設備投資や輸出が伸び、内外需がともに成長率を押し上げた。ただ個人消費の伸びは鈍く、住宅投資は大幅な減少が続いた。07年末までの日本経済は底堅く推移したものの、先行きは下振れリスクが増大しつつあり、予断を許さない。
年率1.5%程度と見ていた民間調査機関の予測を大幅に上回った。生活実感に近い名目では前期比0.3%増(年率1.2%増)。4・四半期続けて名目成長率が実質成長率を下回った。総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期比1.3%のマイナスで、前期と比べて0.7ポイント拡大した。デフレ脱却からの足踏みが続いている。

統計表は以下の通りです。基本的には前期比の伸び率で単位はパーセントですが、アスタリスクを付けた民間在庫と外需は成長率への寄与度です。

需要項目2006/
10-12
2007/
1-3
2007/
4-6
2007/
7-9
2007/
10-12
実質GDP+1.0+1.0▲0.4+0.3+0.9
民間消費+1.0+0.6+0.2+0.1+0.2
民間住宅+2.3▲1.3▲4.4▲8.3▲9.1
民間設備+1.5▲0.3▲1.5+1.1+2.9
民間在庫  *▲0.0+0.0▲0.1▲0.1+0.1
公的需要+0.1+1.1▲0.4▲0.4+0.6
外需 *+0.1+0.4+0.1+0.5+0.4
名目GDP+1.1+0.7▲0.5+0.1+0.3
雇用者所得▲0.1▲0.1+0.2+0.0+0.0
GDPデフレータ▲0.6▲0.5▲0.5▲0.6▲1.3

まず、最初に書いたように、市場では大きなポジティブ・サプライズと受け止められています。私も前期比で0.2-0.3%、前期比年率で1.0%前後ではないかと考えていましたが、一昨日2月12日のエントリーで「他機関に比べて突出」と表現した第一生命経済研の予想すら上回りました。市場でサプライズと受け止められて株価が大きく上昇したのもムリはありません。確かに、私が一昨日書いたような10-12月期のマイナス成長は遠のいた印象があります。しかし、額面通りに受け取れない部分があるのも事実で、今日の段階では私は次の3点を指摘しておきたいと思います。
第1に、一昨日の各機関の予想通りに、外需に依存した高成長である点です。内需の寄与度はほぼすべてが民間設備投資によるもので、住宅投資はまだまだ建築基準法ショックから抜け出せませんし、消費も力強さに欠けます。雇用者所得もほとんど伸びが止まっている状態ですから、消費が先行き大きく増加する見通しも立ちません。第2に、今回の民間設備投資の伸びがホントかどうか、やや疑わしいことです。関西方面の大規模工場の建設に伴う可能性を指摘するレポートも見ましたが、昨年も4-6月期の民間設備投資が2次QEで大きく下方修正された前科もありますから、法人企業統計を算入した2次QEまで民間設備投資については判断を留保したいような気もします。第3に、GDPデフレータを見ても明らかな通り、一向にデフレ脱却の兆しが見えないことです。10-12月期については原油価格の上昇の影響から、控除項目である輸入のデフレータが大きく上昇したのが主因ですが、その影響を除いてもなおデフレ脱却が進んでいるとは言えないと考えているエコノミストも多そうな気がします。ですから、昨年4月に今年度に入ってから、景気実感に近いとされる名目成長率が伸び悩んでいて、マインドの低下をもたらしている面があるように思えてなりません。

ただし、私は目先の今年1-3月期にGDPで見た日本経済の成長が大きく減速するとは必ずしも考えていません。理由は単純明快、今年がうるう年だからです。割合と最近になってようやく気付いたんだったりします。四半期は100日足らずなんですから、営業日が1日多いと単純計算でも1%ほどの押上げ効果があります。年率だと4-5%にもなります。もっとも、最近は不勉強なんですが、現在の季節調整法に従えば、うるう年効果まで調整されてしまうのかもしれません。でも、仮定がやや強すぎるかもしれませんが、米国経済の減速の影響については、もう少しラグがある可能性もありますし、今日発表された民間設備投資が2次QEで大きく下方改定されず、それなりのうるう年効果が残るとすれば、GDP統計から日本経済の減速が確かめられるのは年央以降になる可能性もあり得ると私は考えています。

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