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2008年3月 5日 (水)

2007年10-12月期の法人企業統計から2次QEの設備投資を占う

今日は、朝から雲が広がっていたんですが、午後からはいいお天気になりました。でも、ここ2-3日ほどは気温は上がらず、啓蟄にもかかわらず、チョッピリ冬に戻ったような寒さでした。

法人企業統計の設備投資

今日、2007年10-12月期の法人企業統計が財務省から発表されました。私が注目していた全産業の設備投資はソフトウェアを除いたGDP統計と同じベースの季節調整済み前期比で見て、7-9月期の+3.9%増から10-12月期は▲2.7%減となりました。まず、いつもの NIKKEI.NET のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

財務省が5日発表した2007年10-12月期の法人企業統計によると、全産業の設備投資額は13兆253億円で、前年同期に比べ7.7%減少した。国内総生産(GDP)を推計する基礎となるソフトウエアを除いた設備投資額は同7.3%減の12兆2090億円となり、季節調整して前期と比べると2.7%減少した。
ソフトウエアを含めた設備投資の内訳は、製造業が前年同期比0.5%増の4兆8652億円、非製造業は同12.0%減の8兆1601億円だった。
同統計は金融・保険を除く資本金1000万円以上の約2万社が対象。全産業の売上高は同2.3%増の391兆3358億円で、このうち製造業が6.5%増の125兆4175億円、非製造業が0.4%増の265兆9184億円。経常利益は4.5%減の14兆2894億円で、製造業が3.3%減の7兆40億円、非製造業が5.7%減の7兆2854億円だった。

引用にある通り、設備投資は前年同期比でも▲7.3%減となり、季節調整値の前期比▲2.7%減について、単純に、来週3月12日公表のGDP統計の2次QEに引き直すと、実質民間設備投資は1次QEの前期比+2.9%増から大幅に下方改定され、デフレータにもよりますが、場合によってはマイナスに改定される可能性も排除できません。もちろん、設備投資の他にも各需要項目が改定されますから、2次QE全体の仕上がりについては不確定要素はあるものの、設備投資の改定だけで考えても、1次QEで前期比+0.9%増とされていた成長率が、2次QEでは+0.5-6%くらいのゼロパーセント台半ば、あるいは、年率換算で2%くらいに下方修正される可能性が高まったと私は考えています。それでも、潜在成長率近傍の数字であることは言うまでもありません。ついでながら、夏以来の円高の進行や原油をはじめとする原材料価格の上昇もあって、経常利益も減少して来ており、季節調整済みの前期比で見て、4-6月期に+7.8%増を記録した後、7-9月期は▲6.0%減、10-12月期も▲4.9%減と減益が2四半期続いており、キャッシュフローの落込みも寄与して来ますから、設備投資の抑制要因になることが予想されます。設備投資循環の転換が近いとまで断言できる確証は持ち合わせていませんが、少なくとも目先は設備投資がやや弱含むことは避けられないとの感触を私は持っています。
もうひとつ指摘しておきたいのは1次QEの信頼性の問題です。ちょうど半年前も、4-6月期の1次QEから2次QEへの改定で設備投資が大きく下方修正されたことがありました。これを見て、昨年9月11日付けのこのブログで「そろそろ景気は転換点を迎えるのか?」と題したエントリーをアップし、周囲のエコノミストでも8月のパリバ・ショックに始まったサブプライム・ローン問題の広がりもあり、日米景気の先行きに対する悲観論が台頭したことを記憶しています。ちょっと脱線したので問題を1次QEに戻すと、各方面の要請からGDP統計を出来るだけ早く発表することはいいんですが、信頼性を欠いた統計は逆に混乱を生じさせかねません。もちろん、GDP統計はいわゆる2次統計ですから、元データの家計調査や通関統計などの1次統計が改定されれば、それに合わせて修正されるのは当然なんですが、特に、設備投資については1次QEと2次QEで出荷・供給と購入・需要の逆のサイドから推計を行っているという構造的な問題があることも事実です。基本的に、「早さ」と「正確さ」はトレードオフの関係にある場合が多いんですが、GDP統計についてもご同様なのかもしれません。景気が微妙な時期に差しかかっているだけに、私は早いことよりも正確な統計が欲しい気がしないでもありません。

先日のエントリーで表明したように、景気転換については日米ともに半々の確率で、米国が半々よりも少し大きくて、日本が少し小さいとの印象に変わりはありませんが、あくまで事前の予想確率であって、事後的には実際に景気後退に入ったかどうかの0と1しかあり得ません。エコノミストにとって慎重に景気動向を見極めるべき時期が続いているような気がします。

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