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2008年5月16日 (金)

2008年1-3月期GDP統計をどう見るか?

今日も、朝から少し雲が多かったものの、まずまず五月晴れのいいお天気でした。気温も上がりました。週末くらいまで東京ではいいお天気が続くようです。

2008年1-3月期GDP統計

今朝、内閣府から今年2008年1-3月期の GDP 統計、エコノミストの業界で言うところの1次QEが発表されました。ヘッドラインの実質成長率は前期比で+0.8%、前期比年率で+3.3%と、潜在成長率をはるかに上回る高成長となりました。まず、いつもの NIKKEI.NET のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

内閣府が16日発表した2008年1-3月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影響を除く実質で前期比0.8%増、年率換算で3.3%増と3四半期連続でプラス成長となった。アジアや欧州向けの輸出が好調だったほか、物価高の逆風下で個人消費も底堅く推移した。ただ07年度の実質成長率は1.5%と06年度を大きく下回った。原油高や世界経済の減速など、08年度の景気回復には不安材料が山積している。
日経グループのQUICKが民間調査機関に聞いた「コンセンサス・マクロ」(経済予測)による成長率予測の平均値は年率2.6%。速報値はこれを上回り、1%台半ばとされる潜在成長率も大きく上回った。

2008年1-3月期GDP統計・寄与度

少し細かく成長率への寄与度を見ると、上のグラフの通りで、1-3月期には青の消費と赤の外需が大きなプラスの寄与を示したほか、長らくマイナスの寄与を続けて来た白の住宅投資が前期比で+4.6%増となって、久し振りにプラスの寄与を示しています。消費と外需に関しては、先日、5月13日付けのエントリーで示した通りなんですが、住宅投資についてはプラスと出たわけですから、1-3月期は潜在成長率を超えるとの予測を示した多くのシンクタンクの「当たり」ということになるかもしれません。どうでもいいことですが、前期比と前期比年率の両方で、みずほ総研はピッタリ賞でした。もっとも、1-3月期の高成長のウラ側には、昨年10-12月期の成長率が前期比で+0.9%から+0.6%に改定されていることも寄与しています。

2008年1-3月期GDP統計・輸出入デフレータ

今後の先行きに入る前に、私が注目していたのは輸出入のデフレータで、上のグラフの通りとなりました。赤のラインが輸入デフレータで、青が輸出です。1-3月期には、なぜか、輸入デフレータが少し下がったんですが、大雑把な傾向として、輸入デフレータが食糧やエネルギーをはじめとする商品市況の上昇により上がり続けているのに対して、輸出デフレータは昨年年央から下がり始めています。為替レートの変化がすべて転嫁されると仮定すれば、円建ての輸出デフレータが為替による影響を受けることはないんでしょうが、昨年年央以来の円高に対して価格転嫁が進んでいないとすれば、円建て価格を引き下げる動きがあっても不思議ではないと考えられます。原材料価格が上昇しているんですから、輸出価格が下がったりすれば、企業収益を圧迫するのは明らかです。
今後の動向を占う際のポイントは、4月30日付けで鉱工業生産を取り上げたエントリーと同じように、第1に、輸出だと私は考えています。米国の景気後退やこれに伴うアジア向けの輸出がどこまで好調を続けるのか、また、これらの所得要因とともに価格要因となる為替レートがどのように動くのかが注目のポイントだろうと思います。第2に、企業収益です。繰返しになりますが、商品市況の高騰から原材料価格が上昇しているのに対して、製品価格の上昇が伴わない現状では企業収益が圧迫され、雇用者所得はもう諦めの境地にあるのは別にしても、設備投資への影響は見ておく必要があります。昨日、内閣府から発表された機械受注も弱い内容でしたし、日銀短観の3月調査でも設備投資は意外なほど振るわない結果だったと記憶しています。加えて、企業収益が伸びなければ株価の上昇にもつながりません。第3に、やっぱり、GDPの大きな部分を占める消費の動向です。従来からの私の主張ですが、所得のサポートはないものの、年央までは北京オリンピックもあって、消費機会はそれなりにあります。しかし、これも繰返しになりますが、秋口以降はお先真っ暗です。現在の消費は少しムリをして、消費性向を高める形で出ているだけに、どこまでサステイナビリティがあるかどうかは不安が残ります。

個別の需要項目ではないんですが、最後に注意しておきたいのは、この1-3月期は3月になって冴えない指標が増えて来ていることです。例えば、先日の5月13日付けのエントリーで住宅着工統計の息切れを指摘した通りです。2月がうるう年だったので、その反動の面もあるんですが、実は、日米経済ともこれから先が勝負なんだという気がしないでもありません。1-3月期の山が高ければ、4-6月期の谷も深い可能性が残りますし、さらに、年央以降はもっと不透明です。今日、受け取った1次QEのニューズレターのヘッドラインで、「高成長継続だが、危険がいっぱい」と表現した同業者のエコノミストがいましたが、ひょっとしたら、そうなのかもしれません。

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