BP Statistical Review of World Energy, June 2008
今日は、梅雨の中休みで、朝からいいお天気でした。気温も30度近くまで上がったようです。風があったので体感気温はややマシでしたが、やっぱり蒸し暑かったです。この週末のお天気は期待できるようなことを天気予報で言っていたりしました。
6月11日、BP (旧 British Petroleum) から "BP Statistical Review of World Energy, June 2008" が発表されています。私はエネルギー経済は専門外なんですが、先行き経済を考える上で、エネルギー価格の動向は極めて重要なことは明らかですから、少しこのブログでも取り上げてみたいと思います。まず、PDF で提供されているリポートの2007年のレビューを引用すると以下の通りです。
2007 in review
Global energy consumption growth remained robust in 2007, driven by above-average economic growth and despite continued high prices. OECD countries are showing the most significant reaction to continued high energy prices.
Divergent price movements, between fuels and regions, affected energy market developments in 2007. Crude oil prices rose for a sixth consecutive year - the longest unbroken period of growth in our data set. Natural gas prices increased modestly except in Europe, where spotprices fell substantially. For a second consecutive year, steam coal prices fell in North Americabut increased elsewhere.
要するに、価格上昇にもかかわらず、平均を上回る経済成長に牽引され、原油価格は史上初めて6年連続で上昇しているとのことです。繰返しになりますが、私はエネルギー経済は専門外ですし、政府の中では、バイオ・エタノールは農林水産省かもしれませんが、多くの部分は経済産業省の資源エネルギー庁なんかの担当になるんだろうと考えていて、縦割り志向の公務員の悪い面が出たりするので、ごく単純に、いくつか面白そうな図表を引用したいと思います。
まず、注目の石油価格については、16ページに1861年から2007年までの原油価格の推移が、市場価格と2007年固定価格の2本の折れ線グラフで描かれています。上のグラフの通りです。過去にも2007年固定価格でバレル当たり100ドル近辺まで上昇した局面が、1860年代前半や2度の石油危機を経た1980年前後と、2度ほど存在したようです。でも、150年近い超長期の統計のため、2007年平均が70ドル近辺で止まっているんですが、現在の足元ではこの2倍近い130ドルを上回った水準で取引されているわけですから、固定価格で見ても、現在の原油価格は歴史的にも人類未踏の水準と言えそうです。他方、2007年固定価格で100ドル近い水準を記録した後は、5-15年で30ドル近辺に下落しているのも読み取れます。
では、どの国で石油を消費しているのかが、ページ順は逆になりますが、13ページに世界地図で示されています。1人当たりの石油消費がトンで表示されています。上の地図の通りです。緑系の同じ色調の色を使ってあって、ものすごく見づらいんですが、モロの産油国であるサウジアラビアなどの中東の国を除けば、北米をはじめとして、欧州や日本・オーストラリアなどの先進国ということになります。中国の石油消費も注目されるところですが、さすがに、世界一の人口大国ですから、1人あたりの消費はそれほどでもありません。しかし、リポートの本文では、世界の石油消費が2007年で+1.1%増加したことや、エネルギー消費で見て、中国が+7.7%増となった一方で、EU は▲2.2%減を記録していること、あるいは、2007年における世界のエネルギー消費の増分のうち、中国が52%を占めること、などがリポートされていますし、統計表を少し詳しく見ると、香港を含めた中国の石油消費は世界の中で9.7%を占め、日本の5.8%を上回っていることも明らかにされています。
この "BP Statistical Review of World Energy, June 2008" は文字の本文が写真も含めて数ページと短く、残り40ページほどは統計の図表となっています。PDF のファイルサイズは 6MB 余りと大きいんですが、ブロードバンドの発達した日本では、それほどとも思われませんので、ご興味ある方はダウンロードされてみてはいかがでしょうか。ということで、週末前の今夜のエントリーは経済評論の日記に分類しておきながら、大した分析も加えずに少し手を抜いてしまいました。
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