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2008年6月30日 (月)

霞が関や永田町は厳戒態勢

今日も、が多いながらも、梅雨の中休みで雨は降りませんでした。陽射しはなく、少し肌寒かったように感じました。

今日、官邸近くに行って少しびっくりしました。警官がいっぱいの厳戒態勢で、総理官邸側の歩道には渡らないように看板が出たりしていました。私が通勤で使っている地下鉄の駅は、当然、国会や総理大臣官邸のある永田町や私のような公務員のホームグラウンドである霞が関に近いんですが、警官が台の上に登って警戒態勢を強めていました。来週に開催される洞爺湖サミットに向けた警戒体制であることは言うまでもありません。5月31日付けのエントリーで、下の子と将棋教室に行った折の渋谷駅がものものしい警備体制だと書きましたが、さすがに、そんなもんではありません。私が記憶している限り、同じサミットでも1986年と1993年に東京でサミットが開催された時の警戒態勢よりも、1984年だったと思うんですが、当時の韓国の全斗煥大統領が来日した際の警戒態勢がものすごかったと覚えています。公務員になって日も浅かったので、エライ世界だと思った記憶があります。でも、今日の警戒態勢はそれ以上かもしれません。

実は、今日、国際決済銀行 (BIS) の年次報告書が発表されて、世界経済は "tipping point" に近づいているとリポートされているんですが、ちょっと、帰りが遅くなってフォローし切れていません。明日は日銀短観の発表ですし、もしも可能であれば、その後にでも取り上げたいと思います。今夜はこんなところでお茶を濁しておきます。

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2008年6月29日 (日)

ゆったり過ごす日曜日

先ほどのエントリーでも書きましたが、今日は、梅雨らしく朝からが降っています。時間とともに小雨になって来たように感じますが、気温は上がらず少し肌寒い気がします。この雨も明日の明け方くらいには止んで、月曜日からはいいお天気に戻るとの天気予報です。

「ウルトラマン・メビウス」のビデオを見る子供達

今日は、一日雨でしたし、私は外出しませんでした。ゆったりと過ごします。上の写真は昼食前に「ウルトラマン・メビウス」のビデオを見る子供達です。かなり以前に録画しておいたものだと思います。特段、どうということはありませんが、何となく写真を撮ってみました。

我がホームグラウンドの霞が関では人事の話題が盛り上がっています。私も今の役所に出向してから、そろそろ3年近くになり、キャリアとしては少し長い気がしますので、そろそろ人事異動です。

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テニスについて訂正と追加

今日は、梅雨らしく朝からが降っています。気温は上がらず少し肌寒い気がします。

昨日のエントリーの訂正と追加です。まず、ウィンブルドンの全英オープンについて、杉山愛選手はまだまだ敗退していませんでした。少なくとも、昨日のエントリーをアップした時点ではシングルスでもまだ負けていなかったというのが正しいかもしれません。でも、昨日の3回戦で負けたようです。それから、同じく杉山選手について、女子ダブルスは2回戦で敗退しているんですが、混合ダブルスではまだ勝ち進んでいるようです。今日の朝日新聞で確認しました。お詫びして訂正します。
それから、全英オープンではないんですが、北京オリンピックのテニス競技に関する追加情報で、男女期待の星が国際テニス連盟 (ITF) の推薦枠 (ワイルドカード) で出場することになりました。男子の錦織圭選手と女子の森田あゆみ選手です。でも、朝日新聞のサイトでは錦織選手と森田選手の扱いが大きく違っているように見受けられます。錦織選手については、「2月のプロツアー優勝で注目を浴びた」と形容詞をつけたり、「96年アトランタ五輪の松岡修造以来」と持ち上げているのに対して、森田選手の出場についてハッキリと「女子の森田は、杉山愛(32)のパートナーとして女子ダブルス出場は内定していた。選手総数を調整するなかで、シングルスも推薦が決まった。」と書いてありました。事実関係はともかくとして、森田ファンの私としては、ここまであからさまに書くのはやや失礼と思わないでもないんですが、まあ、「参加することに意義がある」と称されるオリンピックですから、私は大いに期待しています。バドミントンのオグシオとともに、オリンピックを見る楽しみが増えたような気がします。

なお、朝日新聞のサイトにある関連する記事にリンクを張っておきます。

何はともあれ、
がんばれ森田選手!

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2008年6月28日 (土)

今週の stocktaking

今日は、またまた梅雨の中休みで、朝から雲が多かったものの、この季節にしてはまずまずいいお天気でした。でも、陽射しがなくて、そんなに気温は上がりませんでした。

今週のエントリーは月曜日のオグシオのユニフォーム姿から始まってたにもかかわらず、「骨太2008」原案、貿易統計、原油価格、鉱工業生産や消費者物価などの統計の発表と、経済の話題で通してしまいました。株主総会の話題は経済関係ですから、何とか、木曜日のエントリーに潜り込ませましたが、大ファンのオグシオは何とか取り上げたものの、決勝が近づく来週にでも、と思っていたウィンブルドンでは、早くもシャラポワ選手が敗退したりしました。ということで、今日は週末モードで軽い話題を取り上げたいと思います。なお、昨日の閣議で「骨太2008」が決定されました。火曜日のエントリーで取り上げたので省略します。それから、東証の日経平均株価が7日続落しています。昨日の終値はとうとう13500円ギリギリに迫っています。

ウィンブルドンでのシャラポワのドレス

まず、ウィンブルドンでテニスの全英オープンです。何と、早くも2回戦でシャラポワ選手が敗退してしまい、私は大きく興味をそがれてしまいました。杉山愛選手もシングルス・ダブルスとも敗退です。なお、私以外にはまったく注目されていないと思うんですが、森田あゆみ選手はシングルス・ダブルスとも予選で敗退し大会には出られない予定だったところ、ダブルスで棄権が出て波形純理選手と組んで1回戦に臨みました。大方の予想通り、3-6、3-6 のストレートで負けています。シャラポワ選手の2回戦敗退とともに、誠に残念です。でも、失礼ながら、森田選手はまだ18歳なんですし、昨年のシングルス、今年のダブルスと、ウィンブルドンに出られただけでも財産でしょうから、今後の活躍に期待します。今年のテニスについては、全豪オープンはシャラポワ選手の優勝でしたから、このブログでも写真入りで取り上げた後、ローランギャロスの全仏オープンはこのブログでは取り上げませんでしたし、残すは今年最後の全米オープンに期待です。なお、テニスを離れて、バドミントンに続いて、体操のオリンピックのユニフォームが発表されています。ご興味ある方は朝日新聞のサイトで見かけましたので、そちらをどうぞ。私は特段の興味を持ちません。

3か月予報・平均気温

もうひとつ、この夏に向けて、6月25日に気象庁から3か月予報が出ています。全国の気温の予想は上の通りです。大雑把に緯度の低い地方が暑そうな予報になっていたりします。特に、関東甲信地方の予報では、7月より8月、8月より9月と月が進むに連れて平年との気温の乖離が大きくなるようです。平年に比べてやや晴れの日が多いようで、この夏は暑くて、残暑も厳しいのかもしれません。昨日も今日も梅雨の中休みで、今年の梅雨は雨が少ないとの印象を持っているのは私だけではないような気がしないでもありません。

将棋を指す下の子

最近、2日に1回くらいの割合で下の子と将棋を指しています。今日の昼食後も一局指しました。小学校では毎週クラブ活動があり、我が家の下の子は囲碁将棋部から活動範囲を広げたボードゲーム部に属しています。今週のクラブ活動では6年生の部長と将棋を指して勝ったと威張っていました。実は、私も飛車角の2枚落ちではサッパリ勝てないので、今週から角だけの1枚落ちにしてもらっていたりします。今日は1枚落ちの2回目なんですが、前回に続いて1枚落ちでも負けました。ひょっとしたら、私は小学校のボードゲーム部の部長並みで、我が家の小学4年生に平手で負けるのかもしれないと思ったりしています。

最後にもう一度スポーツの話題に戻って、プロ野球セパ両リーグが交流戦を終えて昨夜から再開されています。なぜか、我が阪神は今夜から秋田球場なんて聞き慣れないところで東京ヤクルトと2回戦だそうです。東京ヤクルトの主催試合で、我が家がオプション契約していないフジテレビ系列のCATVでの中継ですので、私は見られません。ネットで途中経過を確認しながら応援したいと思います。

がんばれタイガース!

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2008年6月27日 (金)

本日発表された経済統計から景気の先行きを考える

今日は、またまた梅雨の中休みで、朝から割合といいお天気でした。昨日が肌寒かったのもあるんですが、今日は気温がグンと上がったように感じます。でも、特に午後は風が強くて、そんなに蒸し暑さは感じませんでした。

今日、いくつか注目すべき経済統計が発表されました。私の注目している順に、鉱工業生産、消費者物価、労働統計です。おそらく、夕刊における取り上げ方を見ても、世間一般では消費者物価をもっとも注目しているように思うんですが、景気動向の観点からは私は鉱工業生産の方に着目していたりします。月末の閣議日である金曜日ですから、ほかにも、家計調査や商業販売統計なんかも出たんですが、そこまでは手が回りません。シンクタンクや金融機関などから大量のリポートを受け取りました。知り合いのいる外資系の証券会社なんか、チーフエコノミストとシニアエコノミストの2人で手分けしてリポートを書いていたりしました。まず、いつもの日経新聞のサイトから統計のヘッドラインに関する報道をそれぞれ最初のパラだけ引用すると以下の通りです。

5月の鉱工業生産、2.9%上昇 基調判断を下方修正
経済産業省が27日発表した5月の鉱工業生産指数(速報値、2005年=100)は109.4と前月より2.9%上昇した。新車販売効果で自動車などが伸びて上昇したものの、先行きは欧米経済の減速や原油高の影響で下振れリスクが強まっている。同省は生産の基調判断を「横ばい傾向であるが弱含んでいる」と5カ月ぶりに引き下げた。
5月の消費者物価、1.5%上昇 10年ぶり伸び率
総務省が27日発表した5月の全国消費者物価指数は生鮮食品を除くベースで前年同月比1.5%上昇し、消費税率引き上げの影響が出て以来、ほぼ10年ぶりの高い水準になった。ガソリン価格の上昇と食料品の値上げが影響した。
5月の失業率、横ばいの4.0% 有効求人倍率は0.01ポイント低下
総務省が27日発表した5月の完全失業率(季節調整値)は4.0%と前月比横ばいだった。同日厚生労働省が発表した5月の有効求人倍率(同)は0.92倍となり前の月から0.01ポイント低下。6カ月連続で1倍を下回った。厚労省は雇用情勢について「注意を要する状態」との判断を据え置いた。

鉱工業生産の推移

ということで、鉱工業生産を最初に取り上げたいと思います。引用した記事にある通り、季節調整済み前月比で+2.9%増と、市場コンセンサスの2%台を少し上回りましたが、サプライズというほどではありませんでした。先行きの製造工業予測指数は6月が▲0.9%減、7月が+2.2%増と、ほぼ横ばい圏内で推移する見通しとなっています。ただし、私が考えるように輸出が生産に少し先行しているとすれば、先行きは楽観できないように思いますし、予測指数から見て、1-3月期に続いて4-6月期も2四半期続けてマイナスの可能性は高まったように見受けられます。単月では回復したにもかかわらず、経済産業省が基調判断を「横ばい傾向であるが弱含んでいる」と5カ月ぶりに引き下げたのも、このあたりが根拠になっているんだろうという気がします。もっとも、3-4月に大きく落ち込んだ生産がやや回復して来ましたので、少なくとも、昨年10-12月をピークに足元は景気後退に入っている可能性は少し小さくなった気がします。その代わり、というわけでもないんでしょうが、調整が長引く可能性が高まったように私は捉えています。

消費者物価の推移

次に、消費者物価(CPI)です。引用した記事にあるように、前年同月比で+1.5%のインフレ率と、ほぼ10年振りの水準に達しました。原油や穀物などの商品市況が高騰を続け、さらに、暫定税率が元に戻されてガソリンなどが値上がりしているんですから当然です。少なくとも、このコアCPIのヘッドラインにはサプライズはありませんでした。また、相変わらず同じ状況なんですが、エネルギーと食料品の寄与度が大きくなっています。むしろ、私のサプライズは酒類以外の食料とエネルギーを除く、いわゆるコアコアCPIが3月に一瞬プラスを付けた後、4月からマイナスを続けていることです。でも、6月中旬の東京都区部の速報ではコアコアCPIが前年同月比で+0.3%ですから、全国のコアコアCPIもそろそろプラスに転ずるのかもしれません。上のグラフは、コアCPIが青の折れ線、コアコアCPIが赤の折れ線、棒グラフがコアCPIに対する寄与度で、黄色がエネルギー、緑が食料、水色がその他になっています。すべて前年同月比のパーセント単位です。エネルギーと食料の寄与率が100%を超え、その他がマイナスになっていて、コアコアCPIもマイナスなのが見て取れると思います。なお、念のためなんですが、通常、物価関係の統計は指数や上昇率が小数点以下1桁、寄与度は2桁で示すんですが、私はラウンドするのがメンドウなので Excel のデフォルトでかなり深い桁数まで計算しています。もしも、新聞なんかのグラフと少し印象が異なるとすれば、この有効数字の関係だと思いますのでご容赦下さい。

失業率と有効求人倍率の推移

最後は労働統計です。上のグラフは赤いラインが左目盛りの失業率で単位はパーセント、青いラインが右目盛りの有効求人倍率で単位は倍です。鉱工業生産や消費者物価より長い期間を対象にグラフを書いており、影を付けた部分は景気後退期です。有効求人倍率のグラフなんかは景気後退局面に入っているといってもおかしくないような下がり方だという気がします。何度かこのブログでも書いたんですが、労働市場はかなり需給が緩和しているように見受けられます。有効求人倍率はすでに反転し、失業率も反転の兆しが見えます。なお、景気動向指数との関係でいうと、上のグラフの有効求人倍率は一致系列、失業率は遅行系列に採用されています。労働統計で先行系列に採用されているのが下のグラフの新規求人数です。これも少し長めにデータを取って、景気後退期に影を付けてあります。この新規求人数の場合、すでに反転し切っているようには見えても、昨年の建築基準法ショックをモロに受けている可能性があり、判断は難しいところなんですが、それにしても、2007年末くらいがピークでしたから、建築基準法ショックの前だったということも出来ます。商品市況の高騰から原材料価格が上昇すれば、企業収益が悪化して雇用にしわ寄せが来るだけに、来週発表される日銀短観の雇用判断DIを私は注目しています。

新規求人数の推移

今夜はかなり熱心に4枚もグラフを書いてしまいました。この週末はゆっくりしたいと思います。

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2008年6月26日 (木)

原油高騰といくつか経済に関する話題

今日は、やや久し振りに梅雨らしく、朝から梅雨空で雨が降りました。昼間は雨が止んでいたり、小雨になっていたり、傘を差さない人も多かったですが、気温は上がらず、蒸し暑いことで悪名高き我が役所のオフィスでも快適だったりしました。午後に外に出た際には、長袖の人の多かったんですが、感性ではなく慣性で服を選んでいる私は半袖で過ごしました。少し肌寒かったです。失敗だったかもしれないと思っていたりします。

明日の消費者物価と失業率の発表を前に、今夜のエントリーではいくつか最近のトピックを集めて経済を評論しておきたいと思います。

まず、米国の中央銀行である連邦準備制度理事会 (FED) が公開市場委員会 (FOMC) を開催し、政策金利である FF レートを現行の2%に据え置くことを決めました。ステートメントを見ると、4月の FOMC では書出しが "Recent information indicates that economic activity remains weak." だったのが、今回の FOMC では "Recent information indicates that overall economic activity continues to expand, partly reflecting some firming in household spending." に書き改められており、やや強気のスタンスに変更したことが伺われます。さらに、ダラス連銀フィッシャー総裁が利上げを主張して現状維持に反対票を投じたのも同じ流れと考えられます。これから米国では当面は金利据置きが続く可能性が高いんでしょうが、利下げ局面を終えて、徐々に利上げ局面に移行する可能性が高まったと受け止められています。

次に、メインの原油価格の高騰について、コロンビア大学のカルボ教授とプリンストン大学のクルーグマン教授の論争に注目しています。不正確になるのを承知の上で簡単にまとめると、カルボ教授が投機に基づくバブルを主張しているのに対して、クルーグマン教授はこれを否定しています。私が拝見した両教授の主張と、加えて、クルーグマン教授の提示したモデルを見事に解釈した econ-econome さんのブログにリンクを張ると以下の通りです。

結論を先に申し上げると、私はクルーグマン教授のモデルは正しく、だからこそ、現状の原油価格はカルボ教授の言う通りバブルだと考えています。上のリストの中で最後にリンクを張った econ-econome さんのエントリーに示されたクルーグマン教授のモデルの定式化が分かりやすいと思いますので、他人のふんどしで相撲を取りたいとおもいます。併せてご参照下さい。ただし、econ-econome さんのエントリーにある枠囲みのクルークマン教授のモデルの定式化は正確なんですが、(3)式の解釈には疑問を持っています。
econ-econome さんのエントリーに対する私の昼休みのコメントの後に松尾教授がコメントしています。まさにその通りという感じです。『資本論』全3巻を読破していると同じことを考えるのかもしれません。冗談は別にして、econ-econome さんの(3)式が break して、左辺だけで価格が決まると私は考えています。右辺は意味を持ちません。ただし、少し脱線すると、クルーグマン教授は少し混乱していて、自分で "speaking loosely" と書いていますが、裁定に基づく先物価格と期待価格上昇率に基づく投機家が期待する将来価格をほぼ同一視しています。いずれにせよ、 econ-econome さんが自らコメントしているように、Pf=P(1+i+Sc) は投機家の期待価格上昇率に基づく将来価格の決定式です。先物価格を F で表示すると、符号は逆になって、F=P(1-i-Sc) となります。これが通常の裁定式で、先物は現物に対してディスカウントされます。現実も、つい最近まで WTI の先物は現物よりもディスカウントされていました。でも、ここ2-3週間で先物が現物より高くなっています。以上、小規模脱線を終えて、話を元に戻すと、(3)式の右辺が意味を持たないと私が考える根拠は、クルーグマン教授のいう利子率 i は市場利子率ではなく、リスクプレミアムを含んだ概念と考えるべきだからです。ユーフォリアが極めて大きくなればリスクプレミアムは小さくなって、そうでなくても低金利下ではリスクプレミアムを含む利子率 i はゼロに近づき、場合によっては、マイナスになる可能性が示唆されていると私は考えています。マイナスということは、リスクプレミアムが市場利子率の絶対値を超えるマグニチュードでマイナスに突っ込んでいるわけですから、当然ながら、極めて非合理的であると考えられます。もしもリスクプレミアムを含む利子率 i がマイナスであれば、(3)式の右辺は意味を持ちません。左辺だけで、というか、 Pf がそれ自体で原油価格を決定します。

Figure 1

ここで大きく脱線して別の見方をすれば、先にリンクを張ったクルーグマン教授のメモにある上の Figure 1 において、垂直な線で書かれている interests plus storage のラインについて考えると、特定の1時点ではこの通りでまったく正しいんですが、一定の期間、1週間で1ヶ月でも、を考えると、右下がりの downward-sloping になっている可能性があります。上のグラフは私のような頭の悪い人間には分かりづらくて、むしろ、価格変化率を縦軸に取って、原油価格を横軸にした方が理解が早いと思うんですが、この後の Figure 2 と 3 でクルーグマン教授は右側に通常の価格と量のカーテシアン座標を展開していますから、止むを得ないのかもしれません。それはともかく、通常、スポットの原油価格が上昇するとさらにユーフォリアが拡大し、リスクプレミアムがますます小さくなることを想定しても不自然ではないでしょうから、上のグラフの interest plus storage のラインは左にシフトします。従って、一定の期間で観察すれば、右下がりになると私は考えています。均衡点が不安定になり、大幅な価格変動が生じる可能性が高まると考えられますが、これは現実に生じていることのように見受けられます。
大規模脱線を終えて話を戻すと、リスクプレミアムがマイナスになるのは経済合理性の観点から承認しがたいんですが、私が考えるに、このリスクプレミアムの動向こそがカギであり、リスクプレミアムが極めて小さい、場合によっては、マイナスとなって大きなユーフォリアが生じて裁定式が働かない現象がバブルの定義に近いんではないかと思います。従って、繰返しになりますが、私の直感的な結論は、クルーグマン教授のモデルは基本的に正しく、しかし、モデルを正しく解釈した上で現実のデータで検証すると、結局、カルボ教授の結論が正しいんではないかと感じています。もっとも、私はデータで実証していませんので、断言はしません。ただし、1時間ほどで書き上げたことを口実にするつもりはありませんが、そんなにすごく自信があるわけではありません。間違いがあればご指摘下さい。

株主総会集中日の推移

最後に、今週の金曜日、すなわち、明日が3月決算の株式会社の株主総会の集中日らしいんですが、東証のサイトで確認すると、集中の割合は年々下がって来ており、今年はついに50%を割り込んだそうです。上のグラフの通りです。もともとは総会屋対策で始まった株主総会の集中だったような気がするんですが、逆に、総会屋でない株主の総会出席も制約することになるわけで、株式会社のステークホルダーの中で株主の占める比重が高まったことを反映しているんだと思います。逆に、従業員や取引先・顧客などの相対的な比重が低下しているわけですから、いろいろと議論もありましょうが、広く株主の総会参加を促す意味では当然の帰結だという気がします。

久し振りに気温が上がらずに肌寒かったので、体調を崩さないように気を付けたいと思います。

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2008年6月25日 (水)

貿易統計に見る交易条件の悪化

今日も、昨日に続いて朝から梅雨の中休みで、雲は多かったものの、まずまずいいお天気でした。少なくとも雨は降りませんでした。雲が多かったので、気温はそんなに上がりませんでした。我がオフィスの蒸し暑さもやや沈静化していたように感じました。

今日、財務省から5月の貿易統計速報が発表されました。新聞などの報道では貿易収支が前年同月に比べて▲7.6%減少して、3ヶ月連続の減少の3656億円となったことが注目されていたように思います。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

財務省が25日朝に発表した5月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額は前年同月比3.7%増の6兆8095億円、輸入額は同4.4%増の6兆4439億円で、輸出額から輸入額を差し引いた輸出超過額(貿易黒字)は同7.6%減の3656億円となった。貿易黒字が前年同月の水準を下回ったのは3カ月連続。

割合と最近の「週刊エコノミスト」では、2007年の経済構造のままだと原油がバレル160ドルで貿易収支がゼロになるという試算が、シンクタンクのアナリストから示されています。4月8日号のpp.37です。確かに、1980年代半ば以降、毎年10兆円前後の貿易黒字を記録して来たんですが、5月の貿易黒字が3656億円なんですから単純に12倍すると4兆円余りとなり、昨年歴年の10.8兆円から大幅減になる可能性が高くなっていることは明らかです。年初来5月速報までの貿易黒字を累計すると3兆円弱で、昨年同期に比べて大雑把に 3/4 に止まっています。もっとも、マーケットでは5月の貿易収支は数十億円から数百億円に大幅に減少するとの事前コンセンサスがありましたので、この3500億円超の結果でもかなりのサプライズと受け止める向きもあるようです。鉱物性燃料輸出が大幅に増加したのが原因のようです。下にいつもの輸出動向の表を示しましたが、金額ベースで前年同月比3.7%増のうち、半分近い1.6%ポイントの寄与度を示しています。

輸出動向の推移

今月は特に交易条件と交易利得・損失に注目したいと思います。ネットでは見つからなかったんですが、昨日の日経新聞夕刊の1面でBNPパリバ証券のリポートを基に、日本の交易利得が米国や欧州に比較して大幅なマイナスになっているとの記事がありました。私もこのBNPパリバ証券のリポートをちょうだいしていて、リポート1ページの右下のスラッとしたグラフが新聞に掲載される時は、あれほど印象的に書き換えられるものかと感激していたりしました。リポートでは2002年からのグラフだったんですが、日経新聞夕刊ではもっと長く横軸の時間を取って印象的に仕上げていたように感じました。それはともかく、今日発表された貿易統計から最近の交易条件指数をグラフにしたのが下の図です。日経新聞のマネをして、横軸の時間をやや長めに取っています。なお、ついでなんですが、BNPパリバ証券のリポートを基にした日経新聞の記事は各国比較を中心に取り上げていて、今年第1四半期の交易利得・損失が日本ではGDP比で▲4.5%に上るのに対して、米国は▲0.8%、ユーロ圏は▲0.4%に止まる、との趣旨だったんですが、ネット上に置いあって、オープンにアクセス出来るみずほ総研の「今回の交易条件悪化局面の特徴と経済への影響について」と題するリポートは過去のオイルショックとの比較で書かれていて、こちらも参考になります。交易条件の悪化が企業収益の悪化につながり、労働分配率は改善するものの、ホームメイドインフレにより内需の低迷は不可避と結論付けています。

交易条件の推移

さて、上のグラフに示された交易条件指数を見ると、ここ3-4年では2005年1月をピークに下がり始め、さらに、直近時点では2006年11月をピークに下げ足を早めています。ここ1年半ほどで大きく悪化しているのが見て取れます。SNAベースでも同じだと思うんですが、貿易統計の交易条件は単純に輸出価格指数を輸入価格指数で除して指数化してあります。ですから、大雑把に言って、輸出1単位で買える輸入量ということになります。逆数は、輸入を1単位行うのに必要な輸出量ですから、交易条件が悪化しているということは、最近の交易条件指数は70を少し超えたくらいですから、基準年の2000年に比べて、輸出1単位当たりで輸入できる数量は▲3割減くらいになっていて、逆にいえば、輸入1単位を行うのに、2-3割増しくらいの輸出をしなければならなくなっているわけです。諸外国との間の貿易においては、以前と同じ量の輸入するためには、以前に比べてより多くの財・サービスを輸出せねばならないというわけです。これが所得の流出とか、交易損失と呼ばれる現象で、BNPパリバ証券の試算ではGDPの▲5%近くに達しているわけです。

どこかで「石川啄木的景気」という表現を見ました。「働けど、働けど、我が暮らし楽にならざり」という印象は、少し前までは格差問題に関して引用されていたような気がするんですが、現在ではより幅広く、交易条件の悪化と物価上昇からダメージを受ける日本経済をかなり的確に言い当てているような気がします。

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2008年6月24日 (火)

結局、消費税率は引き上げるのか、引き上げないのか?

今日は、朝から梅雨の中休みのいいお天気でした。気温もかなり上がったようです。それ以上にオフィスが蒸し暑いです。我が家の子供達の通う小学校ではプールが始まっているようで、とってもうらやましかったりします。

「経済財政改革の基本方針2008」原案の目次

昨夜、経済財政諮問会議が開催され、「経済財政改革の基本方針2008」の原案が示されました。いわゆる「骨太2008」と呼ばれているものです。目次は上の通りです。本文だけで約30ページ、付属資料の約10ページを含めて、全体で40ページほどの資料です。その本文の最後の30ページにある「平成21年度予算の方向」だけを引用すると以下の通りです。

平成21年度予算は、「基本方針2006」で示した5年間の歳出改革の3年目に当たる。歳出全般にわたって、これまで行ってきた歳出改革の努力を決して緩めることなく、国、地方を通じ、引き続き「基本方針2006」、「基本方針2007」に則り、最大限の削減を行う。予算編成の原則を引き続き遵守するとともに、ムダ・ゼロに向けた見直しを断行し、真に必要なニーズにこたえるための財源の重点配分を行う。

取りあえず、歳出削減を進める意向は示されているものの、この部分には歳入については何ら言及がなく、このエントリーで後に示すように税制改革の部分に分けられています。しかし、我が家で購読している朝日新聞の報道からも、消費税率の引上げに関する福田総理大臣の発言が揺れ動いているように見受けられます。いくつか、最近1週間ほどの朝日新聞のサイトで見かけた関連する記事へリンクを張ると以下の通りです。

ホントによく読めば、決して矛盾しているわけではなく、現時点で決断して実施は2-3年先、とも考えられなくもないんですが、私のような "Simple is beautiful." 志向の人間から見ると、少し矛盾を来たしていて、福田総理大臣の決断が揺れ動いているように見受けられなくもありません。
消費税率を引き上げるかどうかについては、いくつかの考え方があるのはいうまでもありません。かなり現実離れしているんですが、社会保障の財源が確保されて将来不安がなくなって、国民一般の恒常所得が上向くようになれば、ひょっとしたら、個人消費は消費税率を引き上げても増加する可能性もあり得ます。ただし、これは中長期的な経済効果だという気がします。少なくとも、1997年に消費税率を3%から5%に引き上げた際の記憶からすれば、消費税率引上げの直前に仮需が発生して、その後、2-3四半期はその反動が現れるのが通常の理解ですし、現実にも起こったことだという気がします。要するに、少なくとも1年くらいの短期には、消費税率の引上げにより需要は減退すると考えられます。
他方、政府における行政のムダを排除するのがまず取り組むべき課題で、行政のムダを排除するまで消費税率の引上げは国民の理解が得られないとする考え方もあり得ます。道路特定財源でマッサージチェアを買ったり、タクシー券で接待を受けたりという報道を見かけると、特に、そのような意見が盛り上がったりします。しかし、行政のムダをなくすのは結構で、誰も反対できないと思うんですが、ひょっとしたら、それを待っていたのでは永遠に財源手当てが出来なくなる可能性もあったりします。この春先からの長期金利の上昇は、私の知り合いの同業者のエコノミストから送られて来たリポートによれば、日本財政のサステイナビリティに対する不安からリスクプレミアムが付加されている可能性も指摘されていたりします。私は市場参加者の時間的な視野はそれほど長くないと思いますし、5月20日付けのエントリーで書いたように徐々に金利が上がるんではなくてサドンデスではないかと思い始めていますから、この見方にも同意することは出来ませんが、将来的に、人口構成から考えても残された時間は5年ほどだという気がしますので、行政のムダを根拠にした消費税率引上げの反対論は現時点での高齢者の逃切りにつながるという気がしないでもありません。
これらを総合すると、やっぱり、「経済財政改革の基本方針2008」の原案の23ページに示されている税体系の抜本的な改革に向けた4つのポイントはとっても重要だと考えられます。以下の通りです。

  1. 生産性向上を促し、成長力を強化する。
  2. 税制が社会保障とともに再分配機能を適切に果たすようにし、世代間・世代内の公平を確保する。
  3. 少子高齢化の下で、社会保障を支える安定的な財源を確保する。
  4. 低炭素化促進の観点から税制全般を見直す。

5月26日付けのエントリーでも主張したように、私は政府の財政政策の効率性は、歳入と歳出とでは非対称で、例えば、地球環境保護の課題に対して、カーボン・タックスなどの税制によって特定の財の消費を抑えることはかなり効率的に出来るような気がしますが、逆に、化石燃料に頼らない新エネルギー開発などの対策に政府支出を振り向ける方は、政府の施策によって画期的な対策が出来上がることには大きな期待は持てないと考えており、その意味でも、税制による財政政策に期待する部分は大きいと考えています。

消費税率については国民のコンセンサスが重要で、そもそも議会とは税制を議論するために創設された歴史上の経緯もありますから、正確な情報に基づく選択肢を示した上で、何らかの国民の選択が示されることが必要だと私は考えています。

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2008年6月23日 (月)

北京オリンピックのバドミントンのユニフォーム

今日も、朝から梅雨空だったんですが、結局、1日中雨との天気予報に反して、雨の降出しは夕方の6時ころでした。外はそんなに気温は上がらなかったようなんですが、我が役所のオフィスはかなり蒸し暑いです。聞くところによれば、我が家の子供達の通う小学校はエアコンを入れ始めたようですが、役所は7月からエアコンを入れる予定のようです。不公平感にさいなまれています。

ユニフォーム姿のオグシオ

昨日、北京オリンピックのバドミントンのユニフォームが発表されました。スポーツ新聞は言うに及ばず、全国紙各紙で報道されています。上の写真の通りです。もちろん、着ているのはオグシオです。何度か、このブログでも表明しましたが、スポーツ関係では、私は阪神タイガースとともにオグシオの大ファンです。なお、上の写真は毎日新聞のサイトから借用しています。ついでに、毎日新聞の別のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

バドミントンの北京五輪日本代表が22日、東京都内で会見を開き、五輪への抱負などを語ったほか、日本代表の新ユニホームを披露した。女子ダブルスの小椋久美子、潮田玲子(三洋電機)らが、五輪の日本女子代表では初めて採用したワンピース型のユニホームに袖を通した。
小椋が4月中旬に腰を痛め、約2カ月半ぶりの実戦となった今月19日のインドネシア・オープンでは初戦敗退。小椋は「腰に不安はないが、試合勘がなく、自信を持ってプレーできなかった」と振り返ったが、潮田は「実戦に戻れただけで良かったと、プラスに考えたい」と話した。
昨夏の世界選手権では銅メダルを獲得し、初出場となる五輪でも期待が高まる。二人は「悔いのない戦いをしたい」と口をそろえた。

名のあるデザイナーさんなんかが作ったんでしょうから、当然、カッコいいです。それにしても、潮田さんが髪の毛をまとめていないので、6月2日号の "AERA" の表紙と同じで、少し試合中の写真とは違った印象です。小椋さんは髪の毛の処理により印象が違わないんですが、潮田さんは少し印象が違う気がしないでもありません。なお、ワンピースというのに意外感があったようで、オグシオが会見場に登場した瞬間、集結した約130人の報道陣がザワついたそうです。もちろん、私のようなオグシオ大ファンには大いに評価されるんではないかと思います。例えば、私が見た範囲の2ちゃんねる掲示板では、「北京オリンピックは意地でも見舞いと思っていたが・・・ニヤリ」なんて書込みも見かけたりしました。
なお、オグシオの所属する三洋電機が「オグシオと、挑む。」というサイトを開設していて、基本的には三洋電機の宣伝サイトなんですが、カレンダー付きのオグシオの壁紙を毎月2枚も提供していました。でも、この3月に壁紙の提供を止めてしまい、残念に思っていたところ、さすがに、北京オリンピックが近づいて、6月から壁紙の提供を再開しました。ただし、ウェアは一貫して三洋電機の真っ黒のユニフォームが続いていましたので、次回の壁紙は、このオリンピックのユニフォームにならないものかと期待しないでもありません。ついでに、同じサイトで会員登録制度をオリンピックの8月までの限定で始めています。私はオグシオを応援するために登録していたりします。

先日の水泳のスピード社の水着とか、野球のメンバー発表とか、今夜取り上げたバドミントンのユニフォームとか、北京オリンピックに向けて話題が盛り上がって来ているように思います。今週はプロ野球も少しお休みでしょうし、今夜のところは、
がんばれオグシオ!

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2008年6月22日 (日)

午前中はカブ隊に行く下の子と出かけ、午後は子供達とポケモン・センターと散髪に行く

今日は、午後から本格的なが降りました。やっぱり蒸し暑いです。

カブ隊に出かける下の子

午後一番に突発的に将棋の棋王戦を取り上げましたが、今日は朝から下の子がボーイスカウトのカブ隊の活動に行くのに合わせて、私もいっしょに出かけます。このころはまだ雨が降っていませんでした。私は近くの図書館に行きます。予約しておいた本が届いたことを知ったからです。予約しておいた本が取置き出来た場合、港区立図書館では、葉書、電話、メールなどで知らせてくれるシステムなんですが、私は通常は「連絡不要」でお願いしています。ほぼ毎週のように図書館に出向いているからです。カウンターが空いていれば司書さんに聞いて、端末が空いていれば自分で調べたりします。もちろん、パスワードを取得してインターネットから調べることも出来ます。なお、下の子とは出かけるときはいっしょですが、帰りは偶然いっしょにならない限り別々に帰宅します。今日は私の方が少し早かったです。

レジギガス

午後からは本格的に降り始めた雨の中を、おにいちゃんもいっしょに親子3人で出かけます。目的地はポケモン・センターです。いつだったか忘れましたが、日本橋から浜松町に移転しました。主たる眼目は上の画像のレジギガスをもらうことです。ニンテンドーDSのポケモンのゲーム、ダイヤモンド&パールで使えるポケモンです。昨年もこの時期は、ニンテンドーDS向けのポケモンをゲットしに、何回かポケモン・センターを訪れたことを記憶しています。このレジギガスは、いきなり、レベル100だそうです。ひとつのニンテンドーDSに1体だと思っていたら、何体でもOKだそうで、子供達は2体ずつレジギガスをゲットしました。実は、このレジギガスの引換券は夏休みのポケモン映画「ギラティナと氷空(そら)の花束 シェイミ」の前売り券についています。我が家は当然ながら映画を見るつもりで、早くから映画の前売り券を買ってあったんですが、ポケモン・センターのその場で映画の前売り券を買っている親子も見かけたりしました。レジギガスをもらった後、子供達はポケモン・センターで少し買い物をします。毎月の小遣いから貯めてあったお金を持ち出して来て、ポケモン・カードなんかを買っていました。
雨中のお出かけの最後は散髪です。いつも行っていた渋谷の散髪屋さんがビルの建てかえ工事か何かでお店を閉めてしまったので、今日は同じチェーンの新橋のお店に行きます。ポケモン・センターがある浜松町駅から山手線で一駅です。渋谷のお店はいつも混んでいて待たされたんですが、新橋のお店はガラガラでした。というか、我が家の子供達以外にお客さんはいませんでした。10分でカットのみが売り物のお店ですから、ホントにすぐに終わりました。前回の散髪は4月の新学年が始まる直前でしたし、おそらく、次の散髪は9月から始まる2学期の直前であろうと推測しています。

ポケモン・カードとレジギガスのお土産の子供達

今日は、ポケモン・センターといい、散髪屋さんといい、とても空いていたような気がします。予定よりかなり早くに家に帰り着きました。上の写真は、ニンテンドーDSライトでレジギガスを確かめるおにいちゃんと、いいカードが出てニッコリの下の子です。

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将棋の棋聖戦第2局は佐藤棋聖が制して7連覇に王手

梅雨の中休みも終わって、本格的な梅雨空に戻り、今日は昼前から雨が降り出しました。やっぱり蒸し暑いです。

このところ、急に将棋の話題を取り上げていますが、昨日、産経新聞社主催の第79期棋聖位決定五番勝負の第2局がありました。6連覇中の佐藤棋聖に羽生名人が挑戦しています。でも、昨日は佐藤棋聖が勝って2連勝としました。まず、産経新聞のサイトから記事の最初のパラだけを引用すると以下の通りです。

佐藤康光棋聖(棋王)に羽生善治名人(王座・王将)が挑戦している産経新聞社主催の将棋タイトル戦「第79期棋聖位決定五番勝負」の第2局は、佐藤先勝の後を受けて21日午前9時から、愛知県豊田市の「ホテルフォレスタ」で行われ、午後6時49分、99手までで先手の佐藤が勝ち、2連勝。7連覇にあと1勝とした。持ち時間各4時間の1日指し切り制。残り時間は佐藤1分、羽生9分。立会人は藤井猛九段。第3局は7月2日、兵庫県洲本市の「ホテルニューアワジ」で行われる。

名人戦に比べてグッと注目度が低いんですが、どうして目についたかというと、我が家の下の子が将棋を習ったことのある天野貴元三段が記録係を務めているからです。日本将棋連盟のホームページにも出ていますし、天野三段と安食総子・女流初段のブログ「安食天野の『うちらの将棋はタケコプター』」にも紹介されています。

だからどうだと言うわけでもないんですが、下の子を将棋教室に連れて行ったりして、何となく面識のある人が関係していると親近感を覚えてしまうミーハーな私だったりします。

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2008年6月21日 (土)

朝日新聞夕刊「素粒子」コラムの「死に神」表現の帰結

昨日で梅雨の中休みも終わって、梅雨空が戻ったと思ったんですが、昨日も今日もそんなに雨は降りません。今日の明け方に少し雨が降ったようですが、日中はほとんど雨もなく、夕方になってポツリポツリと降り出し、夜に入って本格的な雨になりました。でも、やっぱり蒸し暑いです。

今日の朝日新聞夕刊の「素粒子」を見ました。例の「死に神」との表現に対して、鳩山法務大臣に対して全面的に謝罪しているように読めました。描きだしは「鳩山法相の件で千件超の抗議をいただく。」で始まり、締めくくりは「表現の方法や技量をもっと磨かねば。」で終わっています。まず、朝日新聞自身がこの件について報じている記事を引用すると以下の通りです。昨日の夕刊だったと記憶しています。

鳩山法相は20日の閣議後の記者会見で、朝日新聞の18日夕刊1面の時事寸評コラム「素粒子」で死刑執行に絡んで「死に神」と表現されたことについて「大変な問題だ。そういう軽率な文章を平気で載せるということ自体が、世の中を悪くしている」と批判、「司法の慎重な判断、法律の規定により、私も苦しんだ揚げ句に執行した」などと述べた。
「素粒子」では「2カ月間隔でゴーサイン出して新記録達成。またの名、死に神」などと表現した。
法相の発言について、朝日新聞社広報部は「『素粒子』は、世の中の様々な出来事を題材に、短い文章で辛口の批評をするコラムです。鳩山氏や関係者を中傷する意図は全くありません」としている。

さらに、意図的でかもしれないんですが、昨日20日の夕刊の4コママンガで、山上たつひこさんの「がきデカ」のギャグ「死刑」のポーズをする、鳩山法務大臣と見られなくもない似顔絵が掲載されていました。これはそれほど取り上げられていませんが、これもどうかという気がしないでもないです。また、産経新聞のサイトでは、民主党の鳩山幹事長もこの論争に加わり、今日の兵庫県加古川市の講演で、弟の鳩山邦夫法相を朝日新聞が「死に神」と表現したことに関し「弟は死に神ではない。わたしは『死に神の兄』といわれたくはない」と擁護し、同時に「法律上の責務に基づいて行動しているだけだ。死刑を執行したいと考えているわけではないと思う」と強調したと報じています。
今の出向中の官庁はそうでもないんですが、私の親元官庁は日比谷公園から国会や総理大臣官邸へ向かうデモの通り道になっています。昨今ではデモも減りましたが、その昔はデモも多くて、霞が関の中で別の役所に打合せに行く時に、交差点を渡るのに延々と時間がかかったり、今のような季節に窓を開けているとシュプレヒコールがやかましかったりして、それでも、表現の自由を守るために必要なコストと考えていたことを思い出します。思想信条や表現の自由が保障された現在の民主制は、歴史上で唯一、自らの体制を否定する思想信条や表現を許容する体制であるだけに、第4の権力と呼ばれるメディアは、思想信条や表現の自由などの基本的人権により敏感であるべきと言えます。

我が吉岡家は、私が物心ついたころから、すなわち、私の親の代から朝日新聞を購読しています。ここ数年の「よいデフレ」報道で毎日新聞の経済的なセンスを疑い、ジャイアンツの親会社である読売新聞には阪神ファンの矜持が許さず、反権力の精神あふれる京都大学を卒業した私には産経新聞の論調には賛成しかねる部分があります。決して消去法ではなく、今回の「死に神」事件でも朝日新聞に対する基本的な信頼は揺らいでいないものの、新聞やメディアが守るべき表現の自由について、少し考えさせられるところがありました。

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2008年6月20日 (金)

地球環境問題に関するメモ

今日は、長かった梅雨の中休みも終わったようで、朝から梅雨空でした。雨が降りそうで、結局、私の帰宅時刻くらいまで雨は降りませんでした。気温はそんなに高くなかったような気もしますが、この季節らしく蒸し暑かったです。特に、私の役所のオフィスはとっても蒸し暑いです。

洞爺湖サミットのシンボルマーク

国会も事実上閉幕し、霞が関官庁街では来月の洞爺湖サミットの最後の準備作業が続けられているようです。サミットのシンボルマークは上の通りです。総理大臣官邸のサイトから拝借しています。今年のサミットの主要な議題のひとつに地球環境問題があるのはいうまでもありません。今夜のエントリーでは、エコノミストの目から見た地球環境問題について少し備忘録的に残しておきたいと思います。
まず、当然のこととして誰も言わないので、このブログでは特筆大書しておきたいと思いますが、明らかに、地球環境問題で市場は失敗します。入会地の悲劇が生じているわけです。誰も所有権を主張できない人類共通の財産である地球環境であるがゆえに、誰もがフリーライドすることが可能になっています。もちろん、現在のエネルギー価格の上昇は市場が地球環境問題を織り込んだからだと考えるエコノミストはいません。ですから、地球環境問題の解決のためには市場の外から何らかの強制力を持って、市場に介入する必要があります。
さらに、地球環境保護のためには、私はいくつかのフェーズがあると考えています。現時点では、いわゆる省エネなんかのように、こまめに電気を消したりして、消費者や生産者の利得になるとともに地球環境の保護にもつながるような第1のフェーズを過ぎてしまったんではないかと考えないでもありません。すなわち、これから先にどれだけのフェーズが待ち構えているのかは明らかではありませんが、少なくとも、今までの便利な生活を犠牲にして、あるいは、有利な生産構造を放棄してでも、いわばコストをかけて地球環境保護に取り組む必要のあるフェーズに達しつつあるんではないかと、直感的に私は考えています。ですから、なおさら強制力ある措置が必要なのではないかと考えられます。
しかし、世界各国で合意に達することを難しくしている要因に、intertemporal な最適化の問題があります。エコノミストの多くは過去については埋没原価だと考えるんではないかと思いますが、途上国や新興国から見れば、現時点での先進国は今まである程度の地球環境にダメージを与えつつ高所得を実現したのに対して、これから高所得を達成すようとする新興国が地球環境にダメージを与えるのに対して、先進国が地球環境保護の観点からストップをかけるのは不当であるとみなす可能性があります。先進国は過去にフリーライドして来たんだから、新興国が一定の所得水準を達成するまでは地球環境にダメージを与える経済成長を黙認すべきであると考える意見もあり得ます。ちょっと観点が違うかもしれませんが、私自身は通商交渉などに参加したことはないものの、実際の GATT や WTO における通商交渉は経済合理性の観点からほど遠いと知り合いから聞いたことがあります。地球環境保護に関する多国間交渉も通商交渉と同じで、経済合理性のパワーは大きくないのかもしれないと思わないでもありません。

地球環境問題は、その名の通り、地球規模での問題ですから、それ相応に規模の大きい国がフリーライダーになってしまえば、実効が上がりません。日本の財政問題とともに、後世の世代に何を残すのかが現在の世代に問われています。

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2008年6月19日 (木)

経済成長は自殺を減らせるか?

今日は、朝から少しが多くて、夕方にはさらに雲が厚くなりましたが、結局、雨は降りませんでした。気温もそれほど上がりませんでしたが、私の役所のオフィスはとっても蒸し暑いです。

07年の自殺者の原因と動機別の内訳

今日の朝日新聞の夕刊で自殺に関する記事が取り上げられていました。上のグラフを引用した記事です。まず、この記事を朝日新聞のサイトから最初のパラだけ引用すると以下の通りです。

昨年1年間に全国で自殺した人が前年比2.9%増の3万3093人で、統計が残る78年以降では03年に次いで過去2番目に多かったことが19日、警察庁のまとめでわかった。60歳以上の高齢者や、働き盛りの30歳代がいずれも過去最多だった。自殺者が3万人を上回ったのは98年以降10年連続。

痛ましい結果だと思います。最初のグラフに示されている通り、自殺者のうち、原因・動機を特定できた2万3209人を見ると、健康問題が1万4684人で最も多く、経済・生活問題が7318人、家庭問題が3751人、勤務問題が2207人と続いています。経済・生活問題と勤務問題を合計すると1万人近くになります。ある意味では、これらは経済問題と分類できると思わないでもありません。

男性自殺率と経済成長率

今日発表のデータは含まれていませんが、少し前に私が作成したグラフが上の通りです。経済成長率が左目盛りの赤い棒グラフ、男性の自殺率が右目盛りの青い折れ線グラフで示してあります。エコノミストの目から見るのが正しい問題の把握につながるかどうかは少し自信がありませんが、それでも、バブル経済を謳歌した1980年代後半には自殺率が低下し、バブル崩壊とともにジワジワと上昇を示した後、山一證券の破綻などの金融危機があった直後の1998年に大きく急上昇しているのが見て取れると思います。その後、力強さに欠ける経済成長が続いて、自殺率はなかなか低下してくれません。なお、東京新聞のサイトに見られるグラフでは、なぜか、女性の自殺者は1998年の急上昇が見られません。男性の方に経済的な負担が大きいのかもしれません。それから、別の観点なんですが、同時に発表された硫化水素による自殺は、今年1-5月で489件、517人にのぼり、昨年1年間の27件、29人から急増しているようです。報道でもよく見かけるように思わないでもありません。

10年連続で3万人を超えた自殺は大きな社会問題ですが、残念ながら、私にはそれほどの知見はありません。しかし、経済社会環境を改善することは微力かもしれませんが、自殺を減少させる効果があるんではないかと思わないでもありません。今夜のタイトルの疑問文に対しては、"Partly, it does." であると信じたいと思います。その意味で、今夜のエントリーは「経済評論の日記」に分類しておきます。

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2008年6月18日 (水)

羽生名人の復位を祝し、ついでに、米国経済の早期回復も祝す

今日は、朝から少し雲が多かったものの、この季節にしてはまずまずいいお天気でした。雲が多かった分、気温は上がらなかったように感じました。

名人戦第6局投了図

昨夜、山形県天童市で開催されていた将棋の第66期名人戦七番勝負の第6局が終局し、羽生二冠が105手で森内名人に勝って、名人位に返り咲きました。これで通算5期の要件をクリアして、第19世永世名人を引退後に名乗ることが決まりました。なお、森内18世永世名人は最後のタイトルを失いました。2004年には竜王・名人・王将の三冠のタイトルホルダーだったこともありますが、とうとう無冠になり、今年3月25日に第21期竜王戦5位決定戦1回戦で中原誠16世名人に敗れた時に2組への降級が決まっていましたから、これからは無冠かつ2組で厳しい闘いになるのかもしれません。でも、羽生19世永世名人も1991年には棋王のタイトルを持ちながら、やっぱり2組に降級していましたから、羽生名人と同じように捲土重来を期して欲しいものです。森内第18世永世名人は羽生第19世永世名人とまったくの同世代で、誕生日が1ト月と違いませんし、チャイルドブランドとか、羽生世代と呼ばれていた30代後半なんですから、まだまだ先は長いです。
我が家では、実は、私と下の子が羽生名人のファンだったりします。どちらも、決して将棋に対する造詣が深いというわけではないんですが、何となく、「鉄板流」と呼ばれる鉄壁の受けを特徴とする森内第18世永世名人と違って、羽生名人は天衣無縫の攻めに特徴があり、特に、20年前の1988年度NHK杯戦で繰り出した▲5二銀はいまだに伝説として語り伝えられているほどですから、羽生名人のファンになっています。かつて1996年には、羽生名人は名人・棋聖・王位・王座・竜王・王将・棋王の七冠すべてのタイトルホルダーになったりして、とっても華のある棋士だという気がしています。羽生名人が永世位をもっていないのは竜王だけだそうです。もちろん、好き嫌いなんですから合理的な理由があるわけではありません。なお、将棋のタイトルホルダーについては、Wikipedia の将棋のタイトル在位者一覧 (2)に詳しいです。リンクを張っておきますから、ご興味ある方はどうぞ。

サンフランシスコ連銀成長率見通し

サンフランシスコ連銀インフレ見通し

大きく話題を切り換えると、米国のサンフランシスコ連銀が6月12日に "FedViews - June 12, 2008" で米国の経済見通しを発表しています。成長率見通しは上のグラフの通りです。PDF で公表されている Corresponding charts から取っています。今月初めの6月5日付けのエントリーで取り上げた OECD の "Economic Outlook No.83" と似通っていて、上のグラフでも明らかなんですが、"For 2009, growth is expected to pick up to around 3 percent at an annual rate" ということで、来年年央には潜在成長率近傍の3%水準に達するような見通しになっています。さらに、インフレは今年の年央から秋口をピークに急速に収束する見通しとなっています。インフレについては原油や穀物などの商品市況次第で何とも言えないんですが、私は従来から米国経済の現在の景気後退局面は底は浅いが期間は長いと考えていて、少し違和感がないでもないです。でも、サンフランシスコ連銀の経済見通しの通りだとするとご同慶の至りだったりします。

今夜は、かなり異質な話題を無理やりにつなげたエントリーだという気がしますが、いろいろな興味を持った個人が運営しているブログですので、ご勘弁下さい。なお、一応、将棋の方に重点があったりしますので、「普通の日記」に分類しておきます。

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2008年6月17日 (火)

トラブル相次ぐ副都心線を応援する

今日は、朝から雲が広がり、午前中にが降りましたが、午後からは引き続き雲が多いながらも、お天気は回復して気温も上がりました

私は日曜日に下のkといっしょに副都心線に乗って来ましたが、その後、副都心線はトラブル続きのようです。一番最新のニュースとして、朝日新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

17日午前7時半ごろ、東京メトロ和光市駅付近で停電が起きた。30秒ほどで復旧したが、この停電と通勤ラッシュの影響で有楽町線が最大29分、副都心線が最大17分それぞれ遅れた。
東京メトロによると、同社の電車と、相互直通運転をしている東武鉄道の電車が同駅付近に集中。電気を大量に消費したため、変電所のブレーカーが落ちた。近くの東京メトロ車庫でポイントが自動制御できなくなり、電車の出庫が10分ほど遅れたという。
副都心線は14日に開業。16日には駅係員が出発順の調整に手間取るなどミスが続出、ダイヤは終日乱れた。
引用した記事の停電によるダイヤの遅れを含めて、私が新聞・テレビやネットなどで見かけた範囲だけでも、順不同で以下の3つのトラブルが報じられています。
  • 小竹向原駅で西武線からの乗り入れ電車が遅れたことから、和光市方面から来る直通上り電車との出発調整にもたつき遅れ。
  • 渋谷発和光市行き各駅停車が東新宿駅を通過し、次の西早稲田駅で乗客を降ろす。
  • 停電によって車両を車庫から出す作業が出来なくなり17分遅れで運転
東武線と西武線の両方と相互乗入れしているんですから、それなりに副都心線のオペレーションは複雑なんだと思います。加えて、急行運転をしているんですし、新しい路線でいろいろと慣れない面もあるんでしょうから、初めのうちは大目に見てもいいような気もしますが、メディアは厳しいといったところでしょうか。それから、忘れていましたが、日曜日のエントリーで副都心線は池袋から東武線に乗り入れていると書きましたが、同様に、西武線にも乗り入れているらしいです。池袋方面に詳しくなくて失礼しました。お詫びします。さらに、もう少しすると渋谷から東急東横線に乗り入れるらしいです。 東京メトロの地下鉄は、丸の内線と銀座線を除いて私鉄や JR と相互乗入れを実施しています。どうでもいいことながら、どうして、丸ノ内線と銀座線は他の線との乗入れをやっていないのかというと、パンタグラフではなく第三軌条と呼ばれる独特の集電用の装置を用いているために、その他の鉄道路線との互換性がないからです。20年以上も前に銀座線や丸ノ内線に乗った経験のある人なら、その昔は、丸ノ内線や銀座線では一瞬停電で車内の明かりが1-2秒くらい消えるのはめずらしくなかったのを記憶していると思いますが、アレも第三軌条だったために生じていたらしいです。詳しいことは私も知りません。 私が地下鉄に乗っていても、ヨソの鉄道からの入線や進入の遅れを地下鉄の遅れとして上げている車掌さんのアナウンスを何度か聞いたことがあります。この相互乗入れのオペレーションを東武線と西武線の2路線と実施しているんですから、オペレーションの複雑さは2倍以上になっていると思いますし、たぶん、埼京線との競合のためだと思うんですが、地下鉄で駅を通過する急行運転をしていますから、他の東京メトロの路線に比べて副都心線のオペレーションは想像を絶する複雑さになっているんではないかと私は想像しています。でも、この点を考慮して、東京メトロや副都心線に同情的なのは私だけかもしれません。これだけ複雑なオペレーションを必要とすることは事前に十分分かり切っているハズなんですから、営業免許を得て営業している限りは、ちゃんと営業するべきであることはいうまでもないといったところでしょうか。

ここはひとまず冷静に、
がんばれ、副都心線!

もうすぐ終局するであろう将棋の名人戦は、必要に応じて、明日以降に取り上げたいと思います。

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2008年6月16日 (月)

swatch をして役所に行く

今日も、梅雨の中休みが続いていて、朝からは少し雲が多かったものの、まずまずいいお天気になりました。特に午後からは気温も上がって蒸し暑かったです。

名人戦第6局第1日目指了図

さて、今夜のエントリーのタイトルとは無関係に、今日から将棋の第66期名人戦七番勝負の第6局が山形県天童市で始まりました。挑戦を受けて立つ森内名人も挑戦者の羽生二冠も堂々の相がかりの布陣で、盤上は決戦模様、長考合戦の気配もあると報じられています。もう少しすれば、封じ手を立会人にあずけて、本日の部はひとまずおしまいになるんだと思います。明日の夜に終局する予定だそうです。上の画像は、毎日新聞とともに共同主催の朝日新聞のサイトから引用しています。封じ手前の名人戦第6局第1日目指了図だと思います。将棋には詳しくないので、間違っていたらゴメンナサイ。

さて、今日は少し腕時計について考えます。と言うのは、先週、私の腕時計をオーバーホールに出しました。オメガのスピードマスターとコンステレーションです。前回のオーバーホールから3年半余りを経過し、そろそろ時期ではないかと考えて、銀座のいつもの時計屋さんに持って行きました。他にないので、現在は swatch で役所に通うようにしていたりします。それから、少し前のエントリーで、我が家のおにいちゃんがカシオの G Shock のデジタルを買ってもらったと書きましたが、実は、その少し前から、出かける時なんかに下の子も swatch をするようになっていたりします。でも、G Shock を新しく買ったのと違って、 swatch については、もう15年ほども前に私が在チリ大使館勤務のころに買い求めたコレクションの中から、下の子が気に入ったのを選んで腕にしています。おにいちゃんの G Shock を見ていると、いかにも中高生くらいが欲しがりそうなアイテムだという気がしますし、swatch は小学生の少し小さい子でも気軽に腕に出来るような気がします。いずれにせよ、まだまだ、小学生ではオメガを身に付けるのは早い気がしますが、少なくとも、コンステレーションは私が父親から受け継いだ我が家に伝わるものですから、おにいちゃんが成人して就職するくらいまで成長すれば、我が家の中で次の世代に受け継ぐのかもしれないと思ったりしないでもありません。そうすると、スピードマスターは下の子にやることになるんだろうか、なんてことも考えないでもありません。
話を今夜のタイトルの swatch に戻すと、どうしてサンティアゴで swatch をコレクションしたかというと、基本的に、スポーツ用です。サンティアゴの大使館勤務になる前の時点で、私は父親からオメガのコンステレーションを譲り受けていましたので、基本となる腕時計はコンステレーションだったんですが、サンティアゴで体重コントロールの必要もあって、ゴルフとテニスにフィットネスなんかをせっせとやるようになり、オートマチックのコンステレーションにはスポーツの際の振動の負担が重いような気がして swatch を買い始めました。ゴルフは適当な格好でやっていたんですが、特に、テニスは Sergio Tacchini のウェアを買い込んだりして、まだ若かったですから、それなりにオシャレにも気を使っていたりしました。当時のスタープレーヤーでチリの隣国のアルゼンティン出身のガブリエラ・サバティーニ選手が Tacchini のウェアを愛用していたりしましたし、1990年の全米オープンでサバティーニ選手が初優勝した直後に私はチリに赴任したものですから、1990年代前半には Sergio Tacchini のウェアはチリでも大流行だったりしました。いろいろとテニスウェアを買い求めるうちに、その流れで swatch に目が行ったような気がしないでもありません。なお、どんどん swatch から離れるんですが、サバティーニ選手はヤマハのラケットを使っていて、私も何本か持っているんですが、何と、私がチリから帰国するとヤマハはラケットの製造を止めてしまいました。私はヨネックスも持っているんですが、今ではヘッドが一番と考えなくもありません。

最初の将棋の名人戦は別にしても、スポーツ用腕時計の swatch からいろいろとチリの大使館にいたころを思い出してみました。最初のタイトルからは想像も出来ませんが、話がアチコチに飛んだりしましたので、エントリーの内容に従って「海外生活の思い出の日記」に分類しておきます。

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2008年6月15日 (日)

東京メトロ副都心線に乗る

今日も、梅雨の中休みが続いていて、朝からいいお天気でした。気温は昨日ほど上がらなかったように思います。夕方に少し雲が広がりました。

副都心線ポスター

今日の午後、下の子と東京メトロの副都心線に乗って来ました。昨日開業したばかりの新線です。イメージカラーは茶色のようです。我が家を中心に考えると、渋谷から明治通りの下を通って池袋に達し、その先は東武線に乗り入れています。ルートや駅は上のポスターの通りです。

副都心線の車両イメージ

私と下の子が乗ったのは標準的な東京メトロの車両だったんですが、地下鉄ながら急行運転している車両は10000系と呼ばれて、イメージは上の画像の通りです。私が乗った範囲の駅ではホームドアが完備されていて、車両を写真に撮るのが少し難しかったです。もちろん、こんな最新式の車両が走っているのはごく一部で、私と下の子が乗ったのは行きも帰りも旧来からの東京メトロの他の線と同じ車両でした。

副都心線神宮前駅にて下の子

私と下の子は我が家の最寄駅から、神宮前の駅で副都心線に乗り換えます。上の写真の通りです。さすがに、ホームは新しいです。でも、繰返しになりますが、車両はそんなに新しいわけではありません。急行運転している10000系を別にすれば、私が普段から乗り慣れている他の東京メトロの車両と同じように見えました。

新宿ぶラリーキャンペーン

新宿三丁目の駅で下りて、「新宿ぶラリーキャンペーン」に参加します。スタンプラリーの IC カード版といったところで、PASMO か Suica を使って、新宿近辺のデパートなどに設置してある端末に IC カードにタッチして、5ブロックすべての端末にタッチすると、最後に、新宿南口の高島屋で抽選をするというものです。しかし、商品に当たる確率がメチャクチャ低くて、私が見ていた範囲では10%に満たないようでしたし、さらに、我が家の下の子が酷評していたのは、自分で何もしないことです。基本的に、ルーレットなんですが、自分でスタートやストップのボタンを押すわけではなく、コンパニオンが勝手に操作して、しかも、結果がほとんどハズレですから、とってもフラストレーションが高まります。私も子供も「新宿ぶラリーキャンペーン」に参加したのは失敗だと、見解が一致しました。多くの方にはオススメしません。時間のムダです。

副都心線北参道駅にて下の子

「新宿ぶラリーキャンペーン」で大きくストレスを溜めたので、帰り道は副都心線の北参道駅で下りて少し歩きます。上の写真の通りです。私の場合、ストレス解消には散歩でブラブラが一番です。北参道は今までなかったので新しく出来た駅です。副都心線の中では我が家の最寄駅だという気がしないでもありません。新宿三丁目の駅に比べてホームの横幅が極めて狭かったです。ストレス解消を別にして、北参道の駅で下りたもうひとつの理由は、私の見立てによれば、将棋会館道場の最寄駅ではないかと考えたからです。副都心線は渋谷から池袋の間では、ほぼ明治通りの下を走っているんですが、その明治通りから少し東側に入り、鳩の森八幡を目印に探すと、すぐ近くに将棋会館がありました。我が家から将棋会館は少し中途半端な位置にあり、歩いて行くには遠いものの、電車に乗ると大きく遠回りになって、今までは、自転車で往復することが多かったんですが、これで地下鉄のルートが確保されたような気がします。
その後も、明治通りにお散歩して、「新宿ぶラリーキャンペーン」のストレスを解消しながら帰宅しようと考えたんですが、下の子が「散歩で体のストレスは発散するが、心のストレスは晴れない」と言い出し、下の子のストレス解消のために、明治通りを原宿まで副都心線1駅分歩いて、いつものキディランドでポケモン・カードを買って帰宅しました。おにいちゃんにもお土産として2パックずつ買い求めます。下の子にいいカードが出てニコニコでした。心のストレスも発散したようです。

ポケモン・カードのお土産の子供達

梅雨の晴れ間に東京メトロの副都心線に乗って少しお出かけして来ました。でも、「新宿ぶラリーキャンペーン」だけは失敗だったような気がします。千葉ロッテとともに私のストレスを増やしてくれているように思わないでもありません。

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2008年6月14日 (土)

学校公開日に小学校へ行き、算数や数学の能力と10進法について考える

今日も、梅雨の中休みが続いていて、朝からいいお天気でした。気温もかなり上がりましたが、風があったので昨日ほど蒸し暑いという感じはしませんでした。

今日は、我が家の子供達の通う小学校の学校公開日でしたので小学校に行きました。2週間前に運動会で行ったばっかりなんですが、私はこの手のイベントには必ず参加するようにしています。8時半を過ぎて、そろそろ出かけようかと考えていると、NHK で緊急地震速報が流れて、直後に、東京ではそんなに揺れは感じませんでしたが、夕刊1面トップで報じられているような地震がありました。ひょっとしたら、余震か何かがあるかもしれないと思って、また、地震の報道を少し見ていたために、1時間余り出かけるのを遅らせてしまいました。
我が家の子供達は4年生と6年生ですので、アチコチ教室をのぞいて回ります。もちろん、写真やビデオの撮影は禁止です。子供の気が散るから当然でしょう。ですから、今日のエントリーは画像はナシです。
さて、小学生ですから国語や算数の授業があります。私の持論として、諸外国に比べて、日本語は10進法だから子供達は算数や数学がよく出来るんではないかというのがあります。でも、最近では国際的に見ても日本の小中学生の算数・数学力が高いとはいえない状況のようです。もちろん、日本が10進法なのは中国の影響であるのはいうまでもありません。でも、欧州系の言語では12進法や15進法の数え方がめずらしくありません。例えば、英語は12のtwelve の次の13は thirteen になりますし、ラテン語系の言語では、スペイン語では15のquince の次の16は dieciseis になります。スペイン語の dieciseis なんかはモロに diez y seis を短くしたものですから、10と6という意味だったりします。英語の thirteen もよく似たものでしょう。ついでにいえば、私が赴任した国では、インドネシアのマレー語も10進法でした。もっと所得水準が上がって教育投資を行えるようになれば、インドネシアの子供達の算数や数学の実力がさらに発揮される時代が来るような気がしないでもありません。
しかし、他方で、日本は中国の影響が大きいので、桁区切りが4桁になっています。万億兆というカンジです。世界の標準が3桁区切りでコンマを打つようになっているので、この点は少し不便を感じないでもありません。数の数え方はそんなに変化するものではないと思いますが、この先、グローバル化がもっと進むと変わるような気がしないでもありません。というのは、フランス語なんかでは流行り廃りがあるようで、大昔に読んだので忘れてしまいましたが、スタンダールの『赤と黒』で95の数え方が昔風の人が出て来たように記憶しています。200年ほど前の小説ですから、ホンのすぐ最近時点で数の数え方が変化したことになります。私自身は慣れてしまったせいもあるんでしょうが、3桁区切りでコンマを打つのが便利なように思わないでもありません。

子供達の学校公開日に小学校に行って、のんびりと過ごした土曜日でした。でも、少し追い上げているとはいうものの、我が阪神がロッテにボロ負けしているのが少し不愉快だったりします。

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2008年6月13日 (金)

BP Statistical Review of World Energy, June 2008

今日は、梅雨の中休みで、朝からいいお天気でした。気温も30度近くまで上がったようです。風があったので体感気温はややマシでしたが、やっぱり蒸し暑かったです。この週末のお天気は期待できるようなことを天気予報で言っていたりしました。

6月11日、BP (旧 British Petroleum) から "BP Statistical Review of World Energy, June 2008" が発表されています。私はエネルギー経済は専門外なんですが、先行き経済を考える上で、エネルギー価格の動向は極めて重要なことは明らかですから、少しこのブログでも取り上げてみたいと思います。まず、PDF で提供されているリポートの2007年のレビューを引用すると以下の通りです。

2007 in review
Global energy consumption growth remained robust in 2007, driven by above-average economic growth and despite continued high prices. OECD countries are showing the most significant reaction to continued high energy prices.
Divergent price movements, between fuels and regions, affected energy market developments in 2007. Crude oil prices rose for a sixth consecutive year - the longest unbroken period of growth in our data set. Natural gas prices increased modestly except in Europe, where spotprices fell substantially. For a second consecutive year, steam coal prices fell in North Americabut increased elsewhere.

要するに、価格上昇にもかかわらず、平均を上回る経済成長に牽引され、原油価格は史上初めて6年連続で上昇しているとのことです。繰返しになりますが、私はエネルギー経済は専門外ですし、政府の中では、バイオ・エタノールは農林水産省かもしれませんが、多くの部分は経済産業省の資源エネルギー庁なんかの担当になるんだろうと考えていて、縦割り志向の公務員の悪い面が出たりするので、ごく単純に、いくつか面白そうな図表を引用したいと思います。

Crude oil prices 1861-2007

まず、注目の石油価格については、16ページに1861年から2007年までの原油価格の推移が、市場価格と2007年固定価格の2本の折れ線グラフで描かれています。上のグラフの通りです。過去にも2007年固定価格でバレル当たり100ドル近辺まで上昇した局面が、1860年代前半や2度の石油危機を経た1980年前後と、2度ほど存在したようです。でも、150年近い超長期の統計のため、2007年平均が70ドル近辺で止まっているんですが、現在の足元ではこの2倍近い130ドルを上回った水準で取引されているわけですから、固定価格で見ても、現在の原油価格は歴史的にも人類未踏の水準と言えそうです。他方、2007年固定価格で100ドル近い水準を記録した後は、5-15年で30ドル近辺に下落しているのも読み取れます。

Consumption per capita 2007

では、どの国で石油を消費しているのかが、ページ順は逆になりますが、13ページに世界地図で示されています。1人当たりの石油消費がトンで表示されています。上の地図の通りです。緑系の同じ色調の色を使ってあって、ものすごく見づらいんですが、モロの産油国であるサウジアラビアなどの中東の国を除けば、北米をはじめとして、欧州や日本・オーストラリアなどの先進国ということになります。中国の石油消費も注目されるところですが、さすがに、世界一の人口大国ですから、1人あたりの消費はそれほどでもありません。しかし、リポートの本文では、世界の石油消費が2007年で+1.1%増加したことや、エネルギー消費で見て、中国が+7.7%増となった一方で、EU は▲2.2%減を記録していること、あるいは、2007年における世界のエネルギー消費の増分のうち、中国が52%を占めること、などがリポートされていますし、統計表を少し詳しく見ると、香港を含めた中国の石油消費は世界の中で9.7%を占め、日本の5.8%を上回っていることも明らかにされています。

この "BP Statistical Review of World Energy, June 2008" は文字の本文が写真も含めて数ページと短く、残り40ページほどは統計の図表となっています。PDF のファイルサイズは 6MB 余りと大きいんですが、ブロードバンドの発達した日本では、それほどとも思われませんので、ご興味ある方はダウンロードされてみてはいかがでしょうか。ということで、週末前の今夜のエントリーは経済評論の日記に分類しておきながら、大した分析も加えずに少し手を抜いてしまいました。

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2008年6月12日 (木)

梅雨のシーズンに傘について考える

今日は、梅雨らしく朝からが降りました。夕方に止んで陽射しが戻りました。雨が降っていた間は気温が上がらず、かなり肌寒かったです。我が家ではエアコンを解禁したんですが、今日のところは不要だった気がします。

月曜日から3日連続で経済の話題を取り上げて、昨夜なんかは自分で Excel のグラフを作成したりしましたので、今夜は軽い話題で、梅雨らしくについて取り上げたいと思います。と言うのは、今日の午後に外の講演会に出席した後、雨が止む直前でしたので、傘を差して地下鉄の駅まで歩いていると、前を歩く人が2人とも16本骨の傘を差していました。実は、私も今年に入ってから梅雨に備えて16本骨の傘を2本ほど買ったものですから、ひょっとしたら、16本骨の傘に流行の兆しがあるんではないかと勝手に考えています。
ネットで調べると、当たり前ですが、通常の8本骨の2倍あるのが16本骨で、何と、通常の3倍の24本骨の傘もあるそうです。知りませんでした。現在の出向中の役所の地下の廊下で、時折、眼鏡や傘やネクタイなんかを売っている時があって、私はそこで買ったんですが、売りに来ていたオジサンにいろいろと講釈を聞かされました。それによると、皇室御用達の前原光榮商店というのがあって、そこで16本骨の傘を作っているそうです。でも、私はホームページを見た範囲では、トップページには10本骨の傘の画像があったりしました。浅草にお店があるらしいんですが、私は浅草暮らしをしていたことがあるにもかかわらず、行ったことはありません。サイトには地図と営業日のカレンダーだけしか見つかりませんでした。楽天市場のとあるネットショップを見ると、16本骨ではないんですが、前原光榮商店製の傘の中には、20万円を超えるのもあります。さすがは皇室御用達という気もしますが、傘をよく無くして、消耗品に近い考えをもっている私にはちょっとビックリでした。
私が買った16本骨の傘は前原光榮商店製のではないと思うんですが、確かに、風が吹いても強いですし、もちろん、雨もしっかり防いでくれます。重厚な感じがするといえばそうかもしれません。逆に考えると重いです。骨が通常の2倍あるんですから当然です。でも、役所に売りに来ていたオジサンは、私が買ったのは16本骨にしては軽い方だと言っていました。私の場合、家から最寄の駅まで、あるいは、地下鉄を下りてから役所までは、どちらも10分も歩かないですし、それなりの体格の中年のオッサンですから平気なんですが、お子さんや華奢なご婦人向けではないかもしれません。

1年中でもっとも傘が活躍する季節にふさわしいエントリーだったと自画自賛しておきます。最後にお断りしておきますが、このブログにはアフィリエイトも置いていませんし、特定の商品を推奨や勧誘したり、あるいは、その逆のことをする目的はいっさいありません。

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2008年6月11日 (水)

四半期別GDPの1-3月期2次速報と4月の機械受注から景気の先行きを考える

今日は、梅雨の中休みが続いていて、朝から雲が広がりましたが、午後からは陽射しもあり、気温も上がりました。梅雨の季節らしく、湿度が高くて蒸し暑かったです。役所のオフィスでは7月かららしいんですが、我が家ではそろそろエアコンを解禁しようと考えています。

世銀 GDF 2008 の経済見通し

まず、今夜のエントリーのタイトルにはないんですが、世界銀行が "Grobal Development Finance 2008" を発表しました。この GDF 2008 では世界経済の成長率が2007年の3.7%から2008年には2.7%に減速すると見通されており、同時に、途上国では2007年の7.8%成長から2008年には6.5%に減速するものの、引き続き、先進国よりも高い成長率を実現すると見込まれています。上のグラフの通りです。米国経済や日本経済が途上国への輸出によって景気後退局面を免れるかどうかは別にして、途上国経済が高成長により世界経済の全面的な減速を回避できるという意味ではデカップリングが成立していると解釈することも可能です。でも、上のグラフに見られる通り、今世紀に入ってから途上国の成長率は先進国をかなり上回っているとはいえ、ある程度の連動性は見られます。その意味ではデカップリングは控えめに言っても完全ではないのは明らかです。詳しくは上のリンクに譲ります。

需要項目2007/
1-3
2007/
4-6
2007/
7-9
2007/
10-12
2008/1-3
1次QE2次QE
実質GDP+1.1▲0.6+0.2+0.7+0.8+1.0
     民間消費+0.7▲0.9▲0.3+0.3+0.5+0.7
     民間住宅▲1.6▲4.5▲8.0▲9.2+4.6+4.6
     民間設備+0.6▲2.5+0.8+1.2▲0.9+0.2
     民間在庫 *+0.2▲0.2▲0.1+0.1▲0.1▲0.1
     公的需要+0.7▲0.4▲0.3+0.9▲0.4▲0.2
     外需 *+0.4+0.1+0.5+0.3+0.5+0.5
名目GDP+0.8▲0.8+0.1▲0.1+0.4+0.5
雇用者所得▲0.4+0.4+0.1+0.2+0.6+0.6
GDPデフレータ▲0.6▲0.5▲0.6▲1.3▲1.4▲1.5

タイトル通り、今夜の本題に入りますと、今日、内閣府から四半期別GDP速報の1-3月期2次速報が発表されました。エコノミストの業界で2次QEと呼ばれているものです。需要項目別の数字は上の表の通りです。基本的に下の3行を除いて、実質の季節調整済み前期比のパーセント表示ですが、アスタリスクを付けた民間在庫と外需だけは寄与度表示になっています。下の名目GDPと雇用者所得は季節調整済みの前期比のパーセント表示で、最後のGDPデフレータだけは前年同期比のパーセントです。なお、注意はしているつもりですが、転記ミスがあるかもしれませんので、完全性は保障しかねます。ご容赦下さい。正確性を期す向きは上のリンクから直接データを取るようにオススメします。
マーケットの予想通り、設備投資を主因として1次QEから少し上方改定されています。設備投資以外の需要項目は小幅改定ばかりで、大きな修正はなかったように私には見受けられました。ですから、我が同業者のエコノミストの中には経済見通しを改定しないと宣言した人もいたりします。それにしても、昨年10-12月期、今年1-3月期と潜在成長率水準をやや上回る成長が続いていますので、単純に逆の見方をすれば、ongoing の4-6月期は大幅に減速したり、場合によっては、マイナス成長になる可能性が高まった気がします。4-6月期のすべてのデータが出そろったわけではありませんが、特に、鉱工業生産や貿易統計は4-6月期の大幅減速やマイナス成長を示唆していると私は考えています。消費がどこまで下支えするかがポイントだという気がします。消費が減速するようだと4-6月期はマイナス成長となる確率が高まると考えられます。

成長率の寄与度の推移

今回も、4月から始まる財政年度で少し長めの寄与度のグラフを書いてみました。上のグラフの通りです。一見して、特徴として指摘できるのは、第1に、2007年度はとうとう設備投資の寄与度がゼロになったことです。要するに、2006年度まで高い伸びを続けてきたんですが、2007年度は設備投資の伸び率がゼロだったわけです。そろそろ、設備投資が何らかの転換点に差しかかっているのかもしれません。第2に、外需の寄与度が大きくなっていることです。私は内需主導の成長が「いい成長」で、外需主導の成長が「悪い成長」だとはまったく思いませんし、必ずしも、外需に頼るのは不安定だとも思いません。しかし、ここ数年の景気拡大が外需に支えられて来たのは事実ですし、グローバル化の恩恵を受けたセクターや企業が経済成長を牽引して来たのは明らかです。その逆を見れば、グローバル化を進められなかったセクターや地域に格差のしわ寄せが生じている可能性もあります。第3に、公的需要が2007年度に久し振りにプラスに転じたことです。詳細は承知しませんが、評判の悪い「バラマキ」がすでに始まっているのかもしれません。

機械受注の推移

最後に、昨日、内閣府から発表された4月の機械受注統計について、上のパラで第1に指摘した設備投資動向に関連して見ておきたいと思います。グラフは上の通りです。コア機械受注と呼ばれている船舶と電力を除く民需です。縦軸の単位はグラフを書く都合から1兆円となっていて、青いラインが季節調整済みの各月の統計で、赤いのが後方6ヶ月移動平均です。影が付いているのは景気後退期です。季節調整済みの単月でピークを付けた1-2四半期後に景気後退局面に入っているのが見て取れると思います。機械受注がピークを付けたのは、1990年11月、1997年2月、2000年8月となっていて、すべて、その4ヵ月後に景気後退局面に入っています。今回のピークは上のグラフで右端の方で上に飛び出している2点、すなわち、2006年6月と2008年1月を指摘できると思います。後者であれば、今年年央からの景気後退局面入りが示唆されている可能性があります。いずれにせよ、広く認識されているように、機械受注は設備投資の先行指標であり、設備投資が2007年度に伸び率ゼロだったことを考えあわせると、今回の景気減速局面が設備投資の不振から景気後退につながる可能性は決して小さくないと私は考えています。

教科書的に考えても景気循環にはいくつかの波があります。消費は少なくとも大きく循環しないと考えられている一方で、在庫投資・設備投資や建設投資には循環が見られます。ですから、景気循環を主導するのはフローの消費ではなく、ストックを形成する何らかの形の投資です。2004年後半から2005年にかけての景気減速期は、2004年度+6.8%増、2005年+6.7%増の高い設備投資の伸びによって景気後退を回避しただけに、今回の景気減速期に設備投資が循環的に減少する局面にあるとすれば、あるいは、循環的な減少ではなくても、今日、日銀が発表した5月の国内企業物価が前年同月比で27年振りに4.7%の高い上昇率になったことに象徴されているように、商品市況の高騰から企業収益が圧迫されて設備投資が伸びなければ、足元の現時点で景気後退局面に入っていなくても、景気減速からそのまま後退局面に入る可能性は2004-05年よりも高いと考えるべきです。

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2008年6月10日 (火)

景気動向指数についてのメモ

今日は、朝から梅雨の中休みのいいお天気でした。気温も上がり、蒸し暑かったです。

CI 時系列グラフ

昨日の午後に内閣府から景気動向指数が発表されました。4月速報です。今回の発表からコンポジット・インデックス (CI) になりました。上のグラフの通りです。今夜のエントリーでは、直近の統計データの解説だけでなく、統計としての特徴なんかも含めてメモを残しておきたいと思います。なお、最初にお詫びしておきますが、昨夜のエントリーの最後のパラで景気動向指数の基調判断が「弱含み」から「局面が変化している可能性もある」に下方修正したと書きましたが、実際には以前の基調判断は「一進一退」でした。お詫びして訂正します。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

内閣府が9日発表した4月の景気動向指数(CI、2005年=100)は、景気の現状を示す一致指数が101.7と前月に比べて0.7ポイント低下した。生産や雇用の動きが鈍かった。内閣府は過去7カ月の指数の平均などを勘案し、基調判断を3月の「一進一退」から「局面が変化している可能性もあるとみられる」に下方修正した。
「局面変化」はその月から数カ月前までに、景気が転換点を迎えたかもしれないという「警報」だと説明した。02年2月からの回復局面が後退局面に移行したと認める可能性が出てきたが、実際に判定するかどうかは今後の経済指標次第となる。

この景気動向指数は基調判断の定義や基準が明確です。経済統計のデータにしてはめずらしいのかもしれません。私はかつて昨年2007年5月29日付けの「エコノミストの文学表現」と題するエントリーでエコノミストの文学的な表現能力を嘆きましたが、文学的な美しさは別にしても、定義や基準が明確なことはいいことだと多くの人が考えるんではないでしょうか。詳しくは、内閣府から「CI を用いた景気の基調判断」の基準が公表されていますから、そちらに譲りますが、基調判断は次の6段階があるようです。詳しい定義と基準はリンク先をご覧下さい。なお、リンク先の PDF ファイルには、一致 CI の振幅の目安として標準偏差まで示されています。

  1. 改善
  2. 悪化
  3. 弱含み・下げ止まり
  4. 局面変化
  5. 基調判断は変えず
  6. 横ばい(一進一退)

景気動向指数の利用方法や作成方法なんかは内閣府の「景気動向指数の利用の手引」に詳しいですから、リンクを張って譲るとしても、目的を引用しておくと以下の通りです。

景気動向指数は、生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感な指標の動きを統合することによって、景気の現状把握及び将来予測に資するために作成された統合的な景気指標である。
CI(コンポジット・インデックス)は景気に敏感な指標の量的な動きを合成した指標であり、主として景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定することを目的としており、DI(ディフュージョン・インデックス)は景気に敏感な諸指標を選定し、そのうち上昇(拡張)を示している指標の割合を示すものであり、主として景気転換点(景気の山・谷)の判定に用いる。

要するに、CI は量的な把握に資するものであり、DI は方向感の把握に用いることが想定されています。景気転換点の判定には CI ではなく、引き続き、DI が利用されることになります。CI にせよ、DI にせよ、基準や定義が明確であるとともに、統計作成方法もガラス張りで、いわゆる2次統計としては、極めて透明性が高いといえます。採用系列は内閣府から「個別系列の概要」として公表されています。季節調整方法や作成機関の URL までごていねいに公表されています。透明性が高ければそれでいいと言う問題でもないでしょうが、ここまで明らかにしていると、エコノミストも含めた各方面からのピアプレッシャーを感じるでしょうから、結果としても悪くないように思います。なお、CI は別かもしれませんが、以前の DI であれば計算方法も単純そのものですから、特に市場の事前コンセンサスなんかは成り立ちようがありませんでした。それでも、計算間違いする人はいたと聞いたことがあります。

さて、最初の日経新聞から引用した記事にもある通り、昨日の統計データ発表では「景気は局面が変化している可能性もある」と、先月の「一進一退」から基調判断が下方修正されました。内閣府から発表されている「CI を用いた景気の基調判断」の基準における定義によれば、「局面変化」は「事後的に判定される景気の山・谷が、それ以前の数か月にあった可能性が高いことを暫定的に示す」とのことで、基準としては、「7ヶ月後方移動平均の符号が変化し、1ヶ月ないし3ヶ月の累積で1標準偏差分以上逆方向に振れた場合」ということになります。従って、私の同業者のエコノミストからは「景気後退へ一歩」と題したリポートが送られて来たりしました。さすがに、「一歩前進」ではありませんでしたが、すでに、景気後退局面に入っている可能性が高いとの判断なんでしょう。
私の実感としても、景気動向指数の示す通り、もう少し先まで統計データを分析する必要はあるものの、米国経済と同じように、日本経済も昨年10-12月期をピークに景気後退局面にすでに入っている可能性は十分あります。さらに、現時点で景気後退局面に入っていなくても、原油や穀物などの商品市況次第という面はあるにせよ、この先、景気後退局面に入る可能性も排除できません。最初に掲げた CI のグラフを見ても、先行指数は2年近く下がり続けていますし、なぜか、遅行指数が一致指数に先行して下がり始めています。この遅行指数の動きは、少し採用系列に疑問を生じさせないでもありませんが、遅行指数を別にして、先行指数と一致指数だけからでも、景気後退の雰囲気を感じ始めているエコノミストは少なくないと思います。

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2008年6月 9日 (月)

失業率の急上昇は米国経済の悲観論を強めるか?

今日は、朝のうちから雲が広がり、昼過ぎから少し雨が降りました。雨が止んでも梅雨空は変わりありません。天気予報では雷雨の可能性が示唆されていたんですが、私は幸運にも激しい雨には遭遇しませんでした。でも、雷鳴は聞きました。気温はそれほど上がらなかったような気がするんですが、湿度が高くて蒸し暑かったです。

The Labor Picture in May

先週の金曜日に米国の雇用統計が発表されました。ヘッドラインの5月の非農業部門雇用者数は前月差で▲49千人減、失業率は前月から0.5%ポイント上昇して5.5%となりました。上の画像は、いつもの "New York Times" のサイトから "The Labor Picture in May" を引用しています。オリジナルより少し縮小をかけてあります。日本と違って米国の雇用統計では、通常、雇用者数の増減の方が失業率よりも注目されるんですが、今回だけは「失業率ショック」と呼ぶエコノミストもいて、失業率が大幅に上昇したことを悲観的に受け止める向きもあるようです。特に、先週金曜日は失業率だけでなく、原油市況も大幅に上昇しましたから、米国経済に関する悲観論が強まって、株式市場なども大幅に下落しました。下のグラフの通りです。これも、"New York Times" のサイトから引用しています。

Economic Indicators Worsen

基本的には、私は5月の米国の失業率の大幅な上昇はそんなに悲観していません。と言うのは、米国労働省の発表資料の統計データを少し詳しく見ると、今年4月から5月にかけて労働力人口が153,957千人から154,534千人に577千人増加したうち、16-19歳が261千人とかなり大きな部分を占め、失業率でいうと、16-19歳が4月の15.4%から5月に18.7%と急上昇したのに加えて、20-24歳も8.9%から10.4%に上昇しています。この年齢層以降は10歳刻みになるんですが、0.3%ポイントを超える上昇を示した年齢層は存在しません。ですから、25歳以上の失業率は4月の3.9%から4.1%に上昇したに過ぎません。5月の失業率の急上昇は早くも夏休みに入った学生が大量に労働市場に流入した結果と指摘する同業者のエコノミストのリポートも送られて来たりしました。統計データは季節調整されているんでしょうから、この意見には少し疑問を感じないでもないですが、ごく簡単な私の観察の結果にマッチすることも確かです。若年層の失業率の高まりはもちろん問題なんでしょうが、少なくとも、家計を支える年齢層の失業率が大きく高まっていないことはポジティブに捉えるべきだと私は考えています。もっとも、最近1年間で2007年5月の4.5%から5.5%に失業率が1.0%ポイント高まったんですから、米国経済の状況を楽観視すべきではないのは言うまでもありませんが、石油市況の大きな上昇を含めて考えても、株式市況や報道ほど悪くないと私は受け止めています。
いずれにせよ、日本はもちろんのこと、米国の経済も微妙な段階にあることは確かで、昨年10-12月期をピークに米国経済が景気後退局面に入っていることは確実だと私は考えていますが、深さと長さについては議論のあるところだと思います。直感的にいえば、浅くて長いと私は考えていますが、見方はさまざまです。今年2月22日付けのエントリーでも主張した通り、エコノミストのツールであるところの経済学は、一応、科学ですから、因果関係を明らかにすることをひとつの目標にしています。インプットが違えばアウトプットは当然に異なりますし、やや強引に関数形で表せば y=f(x) ということになります。右辺の x にインプットするデータにより、左辺の y の結果が異なるのは当然ですし、現在のように景気局面に関する判断が微妙な時期には、振り子が振れるように見方が行ったり来たりすることもあり得ます。例えば、"Wall Street Journal" の論調を引くと、5月14日付けの1面で "Recession? Not So Fast, Say Some" と楽観論に構えていたかと思えば、今回の雇用統計を受けて、6月7日付けの紙面では "Recession Fears Reignited" と題して、"The likelihood that the U.S. is in a recession appeared to increase Friday, following weeks of hopes that the country might be skirting one." と正直に書き始めて、大きく悲観論をプレーアップしています。なお、記事はウェブ魚拓に保存しておいたのにリンクを張っています。目を日本に転ずると、4月半ばから月末にかけて、鉱工業生産指数統計の基準年の改定に従って、悲観論と楽観論がジェットコースターのように上下したような気がします。私のこのブログでも鉱工業生産指数の統計データに基づいて、今年4月17日付けのエントリーでは楽観論に傾いた後、2週間後の4月30日付けのエントリーでは悲観論に戻っています。

もちろん、エコノミストには節操がないとのご意見もありましょうし、エコノミストの1人として素直に受け入れてもいいんですが、少なくとも、10年近くも「1ドル100円」を言い続けて、それをもって「為替を当てた」と言うのは少し違うと感じていることは2月22日付けのエントリーで取り上げたところです。不正確な科学である経済学を用いて分析しているエコノミストが持っている、未来を見通す水晶玉は常に渦巻いているものなのかもしれません。

なお、本日午後に発表された景気動向指数は4月速報から CI となり、いきなり、内閣府は基調判断を「景気は局面が変化している可能性もある」と、先月の「弱含み」から下方修正していますが、今夜のエントリーは長くなりましたし、もう少し勉強した上で、必要に応じて、日を改めて取り上げてみたいと思います。CI 一致指数は下のグラフの通りです。

CI 一致指数の推移

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2008年6月 8日 (日)

三田地区まちぐるみ大運動会に行く

今日は、朝のうちは今にも雨が降り出しそうな雲行きだったんですが、昼ころからいいお天気になりました。気温も昨日と同じくらい上がりました。湿度が高くて蒸し暑かったです。昨日の天気予報では午後から雨が降るとのことで、「折畳み傘を持って出れば安心でしょう」と聞いたような気がしますが、今さらながら、折畳み傘ならば雨が降っても降らなくても、どちらに転んでも便利だと感じてしまいました。

今日は、朝から三田地区のまちぐるみ大運動会に行きます。我が家は青山に住んでいて、三田地区とは必ずしも関係はないんですが、下の子がボーイスカウトのカブ隊の奉仕活動で出向きますので、私も少し見に行きます。ありていに言えば、親バカ丸出しで子供の写真を撮りに行きます。上から順に、プラカード持ちの奉仕活動の後でカブ隊の仲間とプログラムを見ながら出場する種目を検討する下の子、まだ制服姿です。同じく、カブ隊の仲間とキン・ボールの競技に出場して奮闘する下の子、もうTシャツに着替えています。この競技では3着に入りました。それから続いて、サバイバル競争でトップを独走する下の子、そして、この競技で1着に入った番号札を私に見せてニッコリの下の子です。

カブ隊の仲間とプログラムを検討する下の子

カブ隊の仲間とキン・ボール運びに挑戦する下の子

サバイバル競争でトップを走る下の子

サバイバル競争で1着に入った下の子

私が記憶しているのは2年前の三田地区のまちぐるみ運動会です。今年は大運動会と「大」の字が付きました。一昨年はなかったような気がします。2年前の2006年6月11日付けのエントリーで取り上げています。当時は下の子がまだビーバー隊だったので、親も子供の活動に付いて回っていたことを覚えています。去年は記憶にも記録にもありません。親バカの私のことですから、このようなイベントがあれば駆け付けて写真を撮っていたハズです。下の子も記憶にないと言います。そこで、下の子と考えていたんですが、カブ隊に上進してからウサギの1年間は欠席することなく、毎回の活動に欠かさず参加しましたから、昨年はボーイスカウトとして参加しなかったんであろうとの結論に達しました。今回も、2年前のビーバー隊のころと同じく、プラカードを持ったりして奉仕活動をした後、上の写真にある通り、上半身の制服をTシャツに着替えて、運動会の競技に参加していました。このまちぐるみ大運動会は3着までに入ると賞品がもらえます。2年前に1着賞品でもらった洗面器は我が家の風呂場で今でも使っていたりします。実は、我が家の下の子はこの運動会で好成績を収めて、いろいろと賞品をもらって来ています。今回もいくつかゲットして来ました。どうして下の子が好成績かというと、雨天決行で田町駅前の港区スポーツセンターの体育館での開催ですから、広い運動場で走り回ったり俊敏性が要求されるんではなく、狭い体育館で馬力の必要な競技が多く、これがウチの子の好成績につながっているんではないかと私は見ています。いずれにせよ、好成績なんですから、下の子は大満足です。

家で読書するおにいちゃん

朝kら始まって夕方まで続く運動会ですから、私もすべての競技を拝見したわけではありません。適当に切り上げて家に帰りました。家に帰ると、おにいちゃんが読書に励んでいます。体育会系の下の子と、文化サークル系のおにいちゃんと、同じように育てたつもりの兄弟でも個性はあるものです。

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2008年6月 7日 (土)

週末の軽い文化の話題

今日も、朝から梅雨の中休みのいいお天気で、気温も昨日と同じくらい上がりました。昨日と違うのは、クールビズとはいえ、昨日はオフィスに行く前提の服装だったのに対して、今日は週末らしい格好で、短パンの着用に及んでいますから、そんなに蒸し暑さは感じません。

U.S. Unemployment Rate一応、右のグラフの通り、昨日発表された米国の雇用統計で非農業部門雇用者が49千人減少して、失業率が5.5%にハネ上がったのは認識しているんですが、週明けにオフィスに戻ってから、いろいろと情報収集した上で、必要に応じて、米国経済を考える中で取り上げたいと考えています。今日と明日は週末モードで過ごしたいと思います。

名人戦第5局投了図

ということで、最初は一昨日から昨日まで甲府市内で開催されていた第66期将棋名人戦七番勝負第5局の結果です。上の投了図の通り、昨夜8時半過ぎに先手の森内名人の109手目の▲7八歩で決着しました。森内名人の2勝3敗となり、ひとまずカド番を脱したところです。まず、我が家で購読している朝日新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

第66期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の第5局は6日、甲府市の常磐ホテルで2日目が指し継がれ、同日午後8時34分、先手の森内俊之名人(37)が挑戦者の羽生善治二冠(37)に109手までで勝ち、対戦成績を2勝3敗とした。中盤からの意欲的な指し回しでリードを奪った名人がそのまま押し切り、カド番をしのいで逆転防衛に望みをつないだ。持ち時間各9時間のうち、残りは名人22分、挑戦者7分。第6局は16、17の両日、山形県天童市で。
先手7五歩と駒がぶつかった局面で挑戦者が封じた50手目は、堂々と受けて立つ後手7五同歩だった。名人は7筋で歩を成り捨てて後手の攻め味をなくし、1筋に戦線を拡大する。これに挑戦者が強く反発して激しい戦いとなった。名人ややリードで迎えた終盤、検討室で「決め手がなければ形勢は入れ替わる」と言われた局面から、角を交換して金の両取りをかけた87手目先手4一角が好手。一気に挑戦者を受けの利かない形に追い込んだ。挑戦者は最後に王手をかけたが先手玉に詰みはない。
解説の鈴木大介八段は「森内さんが自分らしい将棋を貫き通し、悪くならないように微差を保って押し切った会心局。羽生さんも最善を尽くしたんですが、序盤の後手7四歩をうまくとがめられました」と話した。

将棋を指す下の子

私は将棋はサッパリで、棋譜を拝見していて、せいぜい、新聞記事の引用にある通り「角を交換して金の両取りをかけた87手目先手4一角が好手」なのが分かるくらいです。私の観察するところ、我が家で一番将棋が強いのは下の子ではないかと考えています。実は、昨夜、お風呂上りにおにいちゃんと下の子が駒落ちなしの平手で将棋を指していたんですが、下の子のボロ勝ちでした。私は今日も昼食後に下の子と将棋を指しました。上の写真の通りです。しかし、私も飛車角の2枚落ちでは下の子にボロ負けでした。平手で対局しても勝てる自信はありません。まあ、冷静に観察すると、下の子が一番強いと言うよりも、おにいちゃんはともかく、私がそれだけ下手なのかもしれません。

スピード社水着で日本新をマークした選手の記録

将棋に続いて、次の話題は、今朝の朝刊紙上で取り上げられていた競泳の水着の話題です。この画像は読売新聞のサイトの記事から引用しています。これら5選手は、いずれも英国スピード社の新作水着「レーザーレーサー (LZR)」を着用して日本新記録を連発したそうです。報じられているように、日本水泳連盟はミズノ、デサント、アシックスの国内3社と、2017年まで独占的に物品提供を行う「サプライヤー契約」を結び、現行規定では、日本選手が五輪で着用できる水着はこの国内3社製品に限られているそうなんですが、いくらなんでも、ここまで違いを見せつけられては水連も考慮せざるを得ないと言ったところではないでしょうか。先日、ギリシャの首都アテネで開かれた国際オリンピック委員会 (IOC) の理事会で立候補都市に関する第1次審査をトップで通過した東京の石原知事なんかも 「選手にとってはむごい話」と記者会見で述べていたと報じられていましたし、ここまで実績で示されては、選手も世間もスピード社の水着を選ぶんではないでしょうか。国内3社は下手にゴリ押しすれば、かえって売上げが減りそうな気がしないでもありません。もちろん、平泳ぎのエース北島選手のように、ミズノなんかの国内メーカーと水着のアドバイザー契約を結んでいたりする選手もいるんでしょうから、流動的な要素も残されていると思います。なお、どうでもいいことですが、アテネの IOC 理事会に提出した2016年オリンピックの立候補に関する東京都の申請ファイルが web 上に公開されています。私は必ずしも2016年の東京オリンピックに全面的に賛成するわけではありませんが、東京都民としては、少なくとも、新銀行東京なんかに何百億円ものムダ金をつぎ込むよりはマシだと考えないでもありません。

何となく、ゆったり過ごす週末に、将棋と競泳用水着の話題を取り上げたてみした。今日はいいお天気ですので、これから少し近場で外出しようかと考えないでもありません。

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2008年6月 6日 (金)

米国大統領予備選挙がほぼ終わる

今日は、朝から梅雨の中休みのいいお天気で、気温もグングン上がりました。今日の閣議はクールビズで閣僚が集まったようで、福田総理大臣も黒っぽい長袖のシャツ姿で閣議に現れました。昼休みに CATV を見ていると、閣議後の記者会見でクールビズ姿の大臣ばっかりだったような気がします。今週は昨日まで長袖だったんですが、私も今日は半袖にしました。それでも、今日は蒸し暑かったです。

How the Contest Was Decided

米国の民主党と共和党の大統領予備選は、早くにマケイン上院議員で決着がついていた共和党に続いて、民主党もオバマ上院議員で決まりました。上の図表の通りです。明日にでもクリントン上院議員が撤退表明を出すと報じられています。注目は民主党・共和党ともに副大統領候補に向かいつつあるように見受けられます。今日の夕刊の報道では、クリントン上院議員は副大統領候補になることは求めないが、オバマ上院議員から要請があれば受けなくもないといった微妙なカンジです。私がちょくちょく見ているブックメーカーの William Hillのサイトでは、民主党の副大統領候補で10倍を切るのは以下の5人でした。

候補者名倍率
Hillary Clinton2.50
Kathleen Sebelius4.00
Ted Strickland6.00
Bill Richardson8.00
Tim Kaine9.00

実は、私はクリントン上院議員のほかはよく知らない人ばっかりだったりします。知っているのいはせいぜい肩書きだけで、Ms. Kathleen Sebelius はカンザス州知事、Mr. Ted Strickland はオハイオ州知事です。Mr. Bill Richardson はさすがにもう少し知っていて、現在はニュー・メキシコ州知事ですが、前のビル・クリントン政権では国連大使やエネルギー省長官などの要職を務めています。名前からはうかがい知れませんが、私は顔を覚えていて、見るからに完全なヒスパニック系だと記憶しています。最後の Mr. Tim Kaine は米国の首都であるワシントン DC 南部に広がるバージニア州の知事です。要するに、William Hill のノミネートはクリントン上院議員以外はズラリと州知事が4人並んだことになります。

ホントは、私ももう少しオバマ上院議員の経済政策なんかも勉強しておきたいところですが、2月18日付けのエントリーで「オバマ上院議員の経済政策パッケージ」と題するエントリーを書いてからはサッパリです。日米両国ともに景気局面が微妙な時期だけに、11月の本選挙に向けて、どのような経済政策が打ち出されるのかを見守りたいと思います。

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2008年6月 5日 (木)

OECD "Economic Outlook No.83" は楽観的過ぎるか?

今日も、朝からが降り、しばらくは止んでいましたが、夕方から再び雨の梅雨らしいお天気でした。午後に外を出歩いていると少し蒸し暑く感じられましたので、明日あたりから半袖に切り替えようかと考えている今日このごろです。なお、今日から甲府市内で将棋の第66期名人戦七番勝負の第5局が始まりました。何かの機会があればこのブログでも取り上げたいと思います。

Summary of projections

昨日、経済協力開発機構 (OECD) が閣僚理事会の開催にあわせて、半年に一度の経済見通し、"Economic Outlook No.83, June 2008" を発表しました。主要な見通しは上の表の通りです。今夜のエントリーの表は、上のとすぐ下のは OECD の記者発表資料から取っています。なお、OECD 東京事務所から日本語サマリーも提供されています。まず、私の印象にマッチする内容だったので、読売新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

日米欧など先進30か国が加盟する経済協力開発機構(OECD)は4日、2008年の経済見通しを発表した。
加盟国全体の成長率見通しは08年が1.8%、09年が1.7%で、それぞれ昨年12月時点の見通しから大幅下方修正した。米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」の焦げ付き問題をきっかけに減速してきた世界経済は、08年4-6月に底を迎えた後しばらく低迷し、09年後半にかけて徐々に回復していくとのシナリオを示した。
OECDは「金融市場の混乱はピークを過ぎた可能性が高まっている」との見方を示したものの、今後しばらくは経済成長の足を引っ張ると指摘した。米経済に対する見方が特に厳しく、08年の成長率見通しを前回の発表(昨年12月)よりも0.8ポイント下方修正し、1.2%とした。
日本については08年の成長率を1.7%と予想。「賃金の上昇と住宅投資の回復が景気拡大を支える」として、前回より0.1ポイント上方修正した。ただ、ガソリン・食料品価格の高騰が個人消費の伸びを抑えることに加え、これまでの成長を支えてきた設備投資や輸出も減少していることから、09年の成長率も1.5%と低水準にとどまると予測した。
日米欧の中では比較的堅調さを維持しているユーロ圏も、08年に1.7%、09年に1.4%と、次第に成長率が鈍化していくとの見方を示した。
上の表からは削りましたが、OECD の記者発表資料には四半期別の見通しが公表されています。それによれば、OECD加盟国全体では引用した読売新聞の記事にもある通り、今年4-6月期が世界経済の底で、成長率は+0.5%を記録した後、ゆるやかに加速するシナリオを描いています。日本は今年7-9月期が成長率のボトムとなっていますが、それでも+1.0%成長で、2009年にかけて成長率がゆっくりと高まる形になっています。ただし、成長率の回復がもっとも急ピッチなのは米国で、見通しの最終期である2009年10-12月期には+3.0%成長に達するのに対して、日本では2009年10-12月期でも+1.7%と、潜在成長率の中ほどから下半分の成長に止まるとされています。欧州はこの日米の中間的なシナリオとなっています。単純に見ると、谷深ければ山高し、谷低ければ山もまた低し、という見通しです。特に、米国については、今年年央がボトムで3-4四半期の間ゆるやかな成長が続いた後、来年下期に急ピッチで成長率が高まるとしています。 世界経済や米国経済については、少し楽観的ではないかという疑問がなくもないでしょうが、従来から、比較的強気かつ楽観的な経済見通しを提供している国際機関ですから、割合と標準的な予想ではないかと私は考えています。米国の住宅資産価格についてはケース・シラー指数の先物の動きから見て、今年中から来年早々にかけて下げ止まると考える向きも少なくありませんし、世界経済も徐々に持ち直す動きが見られることも確かです。しかし、考えられるリスクでもっとも大きなものは原油をはじめとする商品市況の動向です。OECD では他のリスクとともに、センシティビティ・アナリシスの結果を発表しています。以下の表の通りです。

Estimates of impacts if risks materialise

OECD の Interlink Model によるシミュレーションン結果だろうと思うんですが、原油価格については一番右の欄で示されています。ベースラインのバレル120ドルに対して、10%すなわち12ドルの価格上昇のケースの試算結果です。これによれば、先進国ではかなり影響は軽微だということになります。モデルがリニアだとは思えませんが、仮にリニアだとすれば、50%すなわち60ドルの原油高でも、消費者物価や成長率への影響は1%ポイント程度ということになります。私の直感では、ベースラインの経済見通しは acceptable なんですが、モデルはリニアではないと考えられるものの、このリスク・シナリオの試算結果は少し楽観的過ぎるような気がしないでもありません。
最後に、日本の見通しですが、米国経済と違って、少し楽観度が欠けているように私は見ています。2009年末まで、ほぼ潜在成長率の下半分で推移するとされています。米国などとの平仄があっていないような気がしないでもありません。特に、下のグラフのように、米国の需要が落ちたとしても、少なくとも日本の輸出については新興国との間でデカップリングされて、輸出の伸びが高く維持されるとの見方を取っているとすれば、もう少し成長率のピックアップがあってもよさそうな気がしないでもありません。なお、このグラフだけは OECD 東京事務所から発表されている日本語サマリーから引用しました。

Export growth remains resilient despite weak US demand

いずれにせよ、全体としての経済見通しは、少なくとも私には acceptable な気がしますし、日本経済がこの先2009年末くらいまで潜在成長率の下限から下半分で推移し、逆に言うと、景気後退局面には入らないとするのは、十分蓋然性が高いと思っているんですが、個別のパーツの整合性については少し疑問に思わない部分がないでもありません。

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2008年6月 4日 (水)

法人企業統計調査結果から何を読み取るか?

今日は、雲が多かったものの、晴れ間も見えてまずまずいいお天気でした。昨日よりもずいぶんと気温は上がったように感じます。でも、感性よりも慣性で服装を選んでいる私は今日も長袖でした。

財務省から今年1-3月期の法人企業統計調査の結果が発表されました。ヘッドラインの全産業の設備投資額は16兆8648億円となり、前年同期に比べ▲4.9%減少でした。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

財務省が4日発表した1-3月期の法人企業統計によると、全産業の設備投資額は16兆8648億円で、前年同期に比べ4.9%減少した。国内総生産(GDP)を推計する基礎となるソフトウエアを除いた設備投資額は同5.3%減の15兆5327億円となり、季節調整して前期と比べると1.3%増加した。
ソフトウエアを含めた設備投資の内訳は、製造業は前年同期比0.9%増の6兆250億円、非製造業は7.8%減の10兆8398億円だった。
同統計は金融・保険を除く資本金1000万円以上の約2万社が対象。全産業の売上高は同1.5%減の390兆6315億円で、このうち製造業が5.9%増の122兆6771億円、非製造業は同4.5%減の267兆9544億円。経常利益は17.5%減の13兆7548億円で、製造業が15.7%減の5兆3893億円、非製造業は同18.6%減の8兆3655億円だった。

通常、法人企業統計調査は2次統計であるGDP統計の基礎統計となりますから、どうしても、設備投資の数字が注目されます。ですから、今日発表された法人企業統計調査の結果を単純に当てはめると、来週の6月11日に発表される2次QEへの寄与が+0.1%ポイントくらいあるので、その他の条件を同じと考えれば、1次QEで前期比+0.8%増だったGDP成長率は2次QEで少し高まると試算した結果が私の同業者のエコノミストから送られて来たりしました。もちろん、2次QEで改定されるのは設備投資だけでなく、消費や貿易などもありますから、そんなに単純な話ではありません。

経常利益の推移

私が今回の法人企業統計調査で注目したのは、設備投資もさることながら、商品市況の高騰のあおりで原材料費が上昇する中で経常利益がどうなっているかです。上のグラフの通りです。直感的にもゆっくりと減益に向かっているのが読み取れると思います。少し細かな計数を追うと、全産業の経常利益は前年同期比で見て、昨年上期は1-3月期+7.4%、4-6月期+12.0%と順調に拡大して来ていたのが、7-9月期に▲0.7%減と減少に転じた後、10-12月期▲4.5%、今年に入って1-3月期▲17.5%と減少のペースが急加速しています。今年度については、私は企業収益は▲5-10%くらいの減益で、2桁を大きく上回る減益は想定していませんでしたが、ひょっとしたら、▲10%を超える減益もあり得るかもしれないと思い始めています。特に、統計を詳しく見ると、原材料高の影響をモロに受けている製造業ではなく、非製造業の建設業、卸小売業、不動産業などの減益幅が大きくなっています。今後、原材料高の影響を受けて交易条件が悪化する製造業が減益幅を拡大すれば、全産業でより大きな減益になる可能性も否定できません。
もちろん、企業収益が減益になると、第1に、資金面から設備投資の減少要因となり、第2に、株価の下落要因ともなります。ひいては、賃金を抑制する方向に向かいかねないとも考えられるんですが、実は、この1-3月期には逆の現象が起きているように見受けられます。すなわち、先日発表された毎月勤労統計にも現れているんですが、賃金の上昇が少しずつ実現されているようです。大きな要因はいわゆるパートタイム労働者法が4月から施行されることで、3月くらいから前倒しで正社員化の効果が現れていると見るのが適当な気がします。もうひとつは、原材料価格上昇の負担について、製品価格に転嫁されないとの前提の下では、限界的な労働分配率に従うとの説を紹介しましたが、平均的な労働分配率がかなり低位にある現在の局面では、逆に、限界的な労働分配率が高くなっている可能性があります。この両者が相まって、労働分配率を押し上げる方向に作用しているような気がします。もしもそうだとすれば、企業収益の減少はそんなに悲観する必要はないのかもしれません。いずれにせよ、もう少し長い期間で観察しなければ確定的なことは言えないように思います。

今日発表された法人企業統計調査の結果は、現在の景気局面下で生じているいろんな事象を凝縮しているように私は感じています。いずれも現時点では確定的なエビデンスを見出せるわけではありませんが、今年の上半期は何らかの意味で潮目が変化する時点に当たっているのかもしれません。

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2008年6月 3日 (火)

スタートからクールビズが冴えない

今日は、朝からでした。気温は上がらず、季節が逆戻りしたようです。昨日から梅雨に入って、早くも台風が接近してきていますし、本格的な雨のシーズンを迎えたようです。

昨日から始まったクールビズですが、かなり多くの公務員は上着が手放せないようです。気温が上がらないので致し方ないんですが、もうひとつの要因は福田総理大臣がクールビズにするかどうかが不明な点です。町村官房長官はネクタイなしで記者会見に現れたようですが、我々公務員からすれば、総理大臣は究極のボスということになり、欧州歴訪や食糧サミットから帰国した総理がクールビズで現れるかどうかに注目する幹部がいてもおかしくありません。ここ何年かはクールビズを始めた当時の小泉総理大臣や昨年の安倍総理大臣などは文句なしのクールビズ推進派でしたから、総理大臣官邸にご説明に行った役所の幹部が、総理大臣秘書官のオススメで上着やネクタイを外して、そのまま官邸に忘れて帰った、なんて笑い話もありましたが、現在の福田総理大臣はクールビズ推進派なのかどうか、私のような参事官クラスはそんなに関係ないとしても、総理大臣官邸に足繁く通う幹部は気にしているんではないかと勝手に想像しています。
昨日今日と冴えないお天気で気温も上がっていませんので、私も2日とも長袖で出勤しました。周りを見渡しても、いまだに上着を着ている人は多いように感じます。ネクタイは外している人の方が多いんでしょうが、中にはまだネクタイ着用の人も少なくありません。今日なんかは、「これくらいの気温ではネクタイは必要」と言い出す人もいて、私から経済政策の政策割当てを援用して、公共投資を地方経済の格差対策に割り当てるのと同じで、ネクタイで防寒するのは衣類の割当てを間違っていると指摘すると、「エコノミストはそう考えるのか」と感心されたりしました。

天気予報とともに周囲を、さらに、福田総理大臣を気にしながらクールビズを進める今日このごろの霞が関官庁街です。天候は別にしても、冴えない発進だという気がしないでもありません。阪神は楽天にボロ負けのようですし、将棋の方も下の子に連日連夜の連戦連敗です。コチラも冴えないこと、この上ありません。

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2008年6月 2日 (月)

エネルギー価格上昇は地球環境保護に役立つか?

今日は、朝からが広がり、私の帰宅時には雨は降っていませんでしたが、時折、夕方からポツポツと雨が降り始めました。気象庁によれば、今日、近畿、東海、関東甲信は梅雨に入ったと見られるとのことです。東京で言うと、平年より6日早く、昨年よりも20日も早い梅雨入りだそうです。私のブログのピカチューもテルテル坊主を作っています。

ガソリン価格の推移エネルギー価格の高騰が続き、国内でも価格転嫁の動きが進んでいます。左のグラフはガソリン価格の推移を示しています。朝日新聞のサイトから引用しています。4月には国会のアクシデントもあって、ガソリン暫定税率が一時的に中断されたこともあり、120円台を記録したガソリンなんですが、最近では、170円台後半もめずらしくないそうです。もっとも、私はエコノミストを自称していながら、車に乗らずにママチャリで近場を走っているだけなのは仕方ないとしても、スーパーの店頭をのぞいて見ることもそんなにしませんので、最近のエネルギーや食料品の価格動向には疎かったりします。でも、生活実感として食料品やガソリン価格が上昇していることを肌で感じている人も多いと思います。
食料品価格については別にしても、エネルギー価格の上昇は地球温暖化対策になっているかもしれないと思わないでもないんですが、それにしても、現在のエネルギーと食料の価格上昇は、私の言うところの広義のエンゲル係数の高い国や家計を直撃していることは確かです。下のグラフは読売新聞の5月半ばの記事から引用したんですが、サイトは閉じられてしまったようです。

アジアで進行するインフレ

先週金曜日に発表された日本の消費者物価上昇率が1%ほどですから、広義のエンゲル係数が高い順にインフレ率も高いといえるかもしれません。大雑把に、多くの人が経済発展の段階としてイメージしている各国の経済状況に対応しているような気がしないでもありません。韓国ではまだ5%に達しておらず、シンガポールでも5%をわずかに上回る程度なんですが、多くの国は2桁に近づいており、ベトナムでは20%を超えています。さらに、エネルギーや食料の輸出国に対する所得の流出が続いているでしょうから、景気も悪化の方向に進んでいるであろうことは言うまでもありません。

このまま商品市況の上昇が続けば、日本においても夏か秋口には消費者物価が2%に近づき、状況次第では日銀の物価安定の理解の上限である2%を超える可能性も排除できません。その場合、日銀が利上げを実行する確率は低いと私は思うんですが、エネルギー価格の上昇が地球環境保護に期せずして役立っている側面は否定しないものの、政府や中央銀行の政策が発動しづらい状況であることは確かだという気がします。

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2008年6月 1日 (日)

藤本サマサマの勝利

さきほどのエントリーでも書きましたが、今日は新井選手がブレーキだった気がします。特に、8回なんかは代打の桧山選手を敬遠して来ましたから、日本ハムの方も新井内野手の調子を正確に把握していたように思います。それにしても、藤本サマサマの勝利でした。三塁打は言うに及ばず、セカンドゴロの本塁突入のスタートも見事でした。
投手陣はいろいろとバリエーション豊かでした。江草投手はしっかり打ち込まれましたが、渡辺投手やウィリアムス投手は抑えました。藤川投手はイマイチ感が漂います。アッチソン投手の交代時期が岡田監督にしては早かったような気がしないでもありません。特に、昨日、岩田投手を引っ張れるところまで引っ張ったのに比べれば、やや見切りが早かった気がします。
まあ、いずれにせよ、札幌で二連敗では困ってしまいます。

がんばれタイガース!

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ゆったり過ごす休日にタイガースをテレビ観戦する

今日は、朝からいいお天気でした。ここ2日に比べて気温は上がりましたが、イマイチ感があって、明日からのクールビズを考えると、6月なんですから、もう少し上がってもいいような気がします。

今日は特に外出の予定もなく、午前中に近くの図書館に出かけたくらいで、ゆったり過ごします。子供達は小学6年生と4年生の違いをモロに反映して、おにいちゃんは勉強に励みます。下の子は私と将棋を指して過ごします。下の写真の通りです。なお、昨日買ったばかりの G Shock を、渋るおにいちゃんに私が無理やり頼み込んで、左手にしてもらっています。昨日の将棋教室以来、昨日今日と下の子と将棋を指していますが、飛車角の2枚落ちでは、私はまったく勝てなくなりました。何度か将棋会館のビギナーズセミナーや将棋教室に通って、本人も実力が上がって来たと自覚しているようです。

勉強するおにいちゃん

将棋を指す下の子

夕方からは CATV で札幌ドームの日本ハム戦をテレビ観戦しています。2時の試合開始から2時間余りたち、中継ぎの江草投手が打ち込まれて同点に追いつかれてしまいました。今日は何となく新井内野手がブレーキになっているような気がしないでもありません。昨日の200号ホームランでお疲れなのでしょうか?

がんばれタイガース!

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