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2008年7月 7日 (月)

政府の規模と経済パフォーマンス

今日は、梅雨に逆戻りしたようで、朝からが降りました。昼前くらいから止んで、その後も、細かい雨が降ったり止んだりになりました。陽射しがなかったため気温は上がらなかったんですが、この季節ですから動くと汗をかいて蒸し暑かったです。

政府の規模と経済パフォーマンスについては、直感的に考えられなくもないんですが、キチンと計量的に処理すると、より正確な評価が可能になります。当然です。最近、私が見かけた中で、セントルイス連銀の "Review Part II""Inflation and the Size of Government" と題するペーパーが発表されています。米国の連邦準備制度理事会 (FED) のシニアエコノミストのハン博士とシカゴ大学のマリガン教授の共著となっています。英米のデータを中心に、18世紀からの超長期時系列データを用いて、Ramsey theory に基づくモデルが fail することを実証し、戦時にはともかく、"The authors find a weak positive peacetime timeseries correlation between inflation and the size of government and a negative cross-country correlation of inflation with non-defense spending." と結論付けています。要するに、平時における政府の規模とインフレの相関は、各国別で見ると正の相関ながら小さく、各国横断的に見ると負の相関になっているらしいです。もちろん、税制にも大きく依存しますが、これはこれでひとつの統計的なエビデンスだという気がします。

なお、我が日本では、政府の規模と経済成長率には負の相関があることがリポートされています。かなり前のペーパーですが、内閣府の経済社会総合研究所からディスカッション・ペーパーが出ていて、「政府の規模と経済成長-先進国パネル分析に見る負の相関の再検証-」において、茂呂君がOECD諸国を対象にしたパネルデータの回帰分析を行い、政府の規模と経済成長の間に統計的に有意な負の相関があることを実証しています。何となく、実感とも整合的であるような気がしないでもありません。

七夕の月曜日に、北海道で洞爺湖サミットが始まり、政府の中でも忙しくしている部局と、福田総理大臣が東京にいなくなって一気にヒマになった部局とがあるんではないかと、私ながらに想像していますが、最近、見かけたペーパーからの政府の規模と経済パフォーマンスに関する感想でした。官庁エコノミストとしては気にかかる分野だったりします。

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