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2008年9月10日 (水)

景気動向指数から景気の現状を確認する

本日の午後、内閣府から7月の景気動向指数が発表されました。前月6月から大きな変化はない結果でした。基調判断にも変更はありません。従って、報道でもそんなに注目されなかったように思います。世間的には国際収支や企業物価の方が注目が高かったのかもしれません。まず、内閣府の発表から統計のヘッドラインと基調判断を引用すると以下の通りです。

① 7月のCI(速報値・平成17 年=100)は、先行指数:91.6、一致指数:103.3、遅行指数:100.9となった。
先行指数は、前月と比較して0.6 ポイント上昇した。3 ヶ月後方移動平均は0.27ポイント下降し、2ヶ月振りの下降、7ヶ月後方移動平均は0.31ポイント下降し、23ヶ月連続の下降となった。
一致指数は、前月と比較して0.9ポイント上昇した。3ヶ月後方移動平均は0.43ポイント上昇し、9ヶ月振りの上昇、7ヶ月後方移動平均は0.15ポイント下降し、5ヶ月連続の下降となった。
遅行指数は、前月と比較して0.2ポイント上昇した。3ヶ月後方移動平均は0.76ポイント下降し、
4ヶ月連続の下降、7ヶ月後方移動平均は0.52ポイント下降し、4ヶ月連続の下降となった。
② 一致指数の基調判断
「景気動向指数(CI一致指数)は、悪化を示している。」という前月の基調判断を変更する状況にはない。

景気動向指数

先行指数

一致指数

やや雑にグラフを3枚並べました。一番上が1980年からの長期の先行指数と一致指数です。最近時点で先に右下がりになっている赤の折れ線グラフが先行指数で、やや遅れて右下がりになった青が一致指数です。下の2枚は最近時点での推移を示したもので、真ん中のグラフが先行指数、一番下のグラフが一致指数です。それぞれ、青が原系列、赤が後方3カ月移動平均、緑が後方7カ月移動平均です。最近の推移の下2枚のグラフは縦軸と横軸のスケールを合わせていますので、特に、一番下の一致指数のグラフが平坦に見えるかもしれません。一番上のグラフの影は景気後退期です。最近時点では私が勝手に昨年10月がピークだったと考えて影を付けてあります。
7月の結果を見ると、単月では先行指数も一致指数も前月比プラスとなり、特に、一致指数は3カ月後方移動平均でも9カ月振りにプラスとなったのは引用にもある通りです。どうして7月がプラスになったのかというと、私は猛暑効果だろうと考えています。これを確かめるために、一致指数の前月差の寄与を見ると、もっとも大きいプラスの寄与を示したのが商業販売額(卸売業)で+0.36ポイント、次が大口電力使用量で+0.32ポイントとなっており、その次からは+0.2を下回っています。逆に、マイナス寄与が最大だったのが学卒を除く有効求人倍率で▲0.26ポイントでした。7月に続いて8月も猛暑でしたので、8月までこの傾向が続く可能性はありますが、猛暑だけで景気が回復するハズもありません。もしそうだったら、エコノミストよりも気象予報士に景気の先行きを尋ねることにもなりかねません。
少し前に DI から CI に切り換わってから、私が注目していたのは、バブル崩壊後の景気後退期と今回だけは、一致指数が先行指数の水準を追わないということです。比喩的に言うと、一致指数が先行指数をオーバーシュートしているように見えます。CI ですから、大雑把な計算として、前月比や前年同月比の累積とパラレルに動くハズなんですが、もちろん、採用系列が大きく違っていますから、CI とはいっても一致指数と先行指数で水準が一致しないことはあり得ます。もっとも、1990年代初めのバブル崩壊後のシェイプを見ると、先に下降を始めた先行指数の水準に向けて急速に一致指数が追いましたので、モメンタムとして大きな不況感があったことも確かです。従来から主張しているように、今回の景気後退期は浅くて長いと私は考えていて、場合によっては、長さはバブル崩壊後と同等としても、深さや不況感の強さはバブル崩壊後とは比較にならないくらいに軽くて済むと予想していたんですが、もちろん、原油などの商品市況次第とはいうものの、猛暑効果があるにもかからわず、少し心配が増して来ているのも事実です。ちょうど1年ほど前から景気ウォッチを強化し始めたんですが、もう少ししっかり見る必要があるのかもしれません。

最後に、景気ウォッチの一環でもないんですが、大学の研究室のホームページがほぼ完成しました。左のサイドにリンクを置いてあります。何らご参考まで。

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