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2008年10月 5日 (日)

米国エコノミストは大統領候補者をどう見ているか?

いよいよ来月に米国の大統領選挙を控えて、最近の "The Economist""Examining the candidates" という記事を見かけました。全米経済研究所などと邦訳される NBER (National Bureau of Economic Research) の エコノミスト (research associates) 683人に対して、 "The Economist" から電子メールで質問票を送って、うち142人から回答を得たそうです。回答者はほぼすべてが大学の教授・准教授である学界エコノミストだと考えてよさそうです。その結果が下のグラフです。少し縮小をかけてあるので見づらいかもしれませんが、上のリンクからグラフとともに記事全文を見ることが出来ます。さらに、詳細については PDF ファイルでも提供されており、現在の住宅・金融危機への対応 (Addressing the housing and financial crisis)、長期的な経済成長の加速 (Boosting long-run economic growth)、財政原則の確立 (Promoting fiscal discipline)、所得格差の縮小 (Narrowing income inequality)、自由貿易と国際化への対応 (Free trade and globalisation) などについてのスコアも明らかにされています。

The Economist's poll of economists

回答したエコノミストのうち、半数近い46%が民主党、10%が共和党、残り44%がどちらでもないと回答しています。上のグラフの中では右下に回答者の党派別の属性が示されています。従って、かなり偏りがある可能性は排除できませんから、それなりのバイアスを前提に見る必要はありますが、このブログの7月19日付けの「エコノミストの支持を得る選挙公約は何か?」と題したエントリーでマンキュー教授のコラムを紹介したのと同じく、エコノミストが米国の大統領選挙をどのように見ているかの参考になると思います。
まず、左上のグラフで大統領選挙における経済政策の重要性についての回答があります。NBER のエコノミストにこういった質問をするのはどうかと思いますが、重要でないと回答しているエコノミストが2人もいるのはもっと驚きだったりします。もちろん、全体としては、平均以上に重要との回答が多くなっています。回答者の平均スコアは4.15となっています。左下のグラフから右側にかけてはオバマ上院議員とマケイン上院議員の候補者別に分けての評価が取りまとめられています。まず、左下のグラフでは両候補の経済政策 (economic plan) に関する5段階の評価です。回答者の比率で民主党が共和党を大きく凌駕するとはいうものの、オバマ候補がマケイン候補よりも高い評価を得ています。両候補の平均スコアはオバマ上院議員は3.31と平均を超えているのに対して、マケイン上院議員は2.15と平均以下だったりします。一般にもこの評価が定着しているようで、現在の金融危機などがクローズアップされて経済政策がより重視されるようになればオバマ候補に有利との報道を日本でも見かけるようになりました。
右側のグラフに目を転ずると、オバマ候補がマケイン候補を圧倒します。右上から、経済政策スタッフ (economic team)、経済の現状に対する理解 (grasp of economy)、どちらの候補のために (エコノミストとして) 働きたいか、の3点の質問に対してオバマ候補は70-80%の支持を得ています。回答者の半分近くが民主党とはいえ、その比率を大きく超える支持をオバマ候補は集めており、特に、2番目の経済の現状に対する理解に関しては、詳細な結果を見るとマケイン候補への支持は7.8%ですので、自分自身を共和党であると同定したエコノミストが10%なのに対して、これを割り込んでいます。同じ党内の仲間内からも経済面に関しては信頼されていないマケイン候補の姿が浮かび上がります。

このサーベイでは、まったく "candidate" ではあり得ないんですが、現在のブッシュ大統領の経済政策も候補者と同じように5段階評価を求めていて、平均スコアは1.70となっています。途中で紹介したように、両候補はオバマ候補が3.31でマケイン候補が2.15ですから、少なくとも経済政策の観点からは、どちらの候補が大統領になっても現在のブッシュ大統領よりはマシというのが、いつもややシニカルな見方を提供する "The Economist" の結論のひとつなのかもしれません。

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