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2008年10月28日 (火)

メゾスコピックな景気対策は何をもたらすか?

今日の東証の日経平均株価は5営業日ぶりに反発しましたが、まだまだ底を脱したとまではとても言い難く、円レートも少し戻したとはいえ、1ドル95円近辺の水準で推移しています。世界経済は底の見えない「暗黒の時代」に向かっている様相を呈して来ています。昨日、私が地元新聞に取材された結果が今日の紙面に掲載されていましたが、メゾスコピックな県市町レベルでの景気対策に疑問を呈しています。実は、今日も地元テレビ局から取材を受けて、一般的な経済へのダメージとともに、同じような趣旨のお話をしました。すなわち、私は従来から部分均衡的な対策に疑問を持っており、例えば、このブログでも今年7月4日付けのエントリーで欧州中央銀行 (ECB) の金利引上げを批判していたりしますし、まったく別の観点からではありますが、少し前までの原油高を終息させるために世界的な流動性を絞る目的で、協調利上げの模索を提唱したこともあります。事態は全く逆方向に進んで、世界的な金融危機に対応した協調利下げが実施されたりしました。昨夜のエントリーの最後のパラで今日開催されている米国連邦準備制度理事会 (FED) の公開市場委員会 (FOMC) で想定されている50ベーシスを超える利下げの可能性を示唆しましたが、ここまでグローバル化が進んだ世界経済においては、ユーロ圏という意味での欧州や、あるいは、米国でさえメゾスコピックな存在になってしまったのかもしれないと考えないでもありません。我が日本についてもほぼ同様で、サブプライム・ローン問題の余波を受けなかったがために、円資産の相対的な安全性に着目されて、大幅な円高が進んでいます。先週からの株安は円高の寄与が半分を超えているんではないかと私は考えていますが、世界的な金融危機の難を逃れたと思ったら、自国通貨の増価により国内経済にダメージを受ける、という形で、結局、日本も世界的な金融危機からは逃れることが出来なかったりします。

Link by link

上の画像は、先週号の "The Economist" の "A short history of modern finance | Link by link" にあるイメージ画像を連結して少し縮小したものです。実は、記事の中身はかなり趣旨が違っているんですが、イメージ的な観点からだけ言うと、世界的な危機の鎖から逃れたと思っても、結局、また捕まってしまった日本の現状を表しているような気がしないでもありません。もはや、経済大国と言われた我が日本も米国や欧州とともに世界経済の中のメゾスコピックな存在になってしまったことは明らかです。

目を日本からさらにそのサブセットたる長崎に向けると、私は長崎県や長崎市が経済対策に積極的なのかどうかは全く知りませんが、このグローバル経済の荒波の中で何が出来るかは全く不透明です。県や市町村のレベルで、先週金曜日の10月24日に主張したような「現時点で苦しい産業や地域にそのまま生産要素を張り付けておくのを補助するようなバラマキではなく、まったく別の産業や地域に生産要素が流れるような財政資金の投入」などは出来るハズもありません。もともと、私は公務員ですから少し清算主義的な傾きがあるのは承知していますが、今回についても、その傾向が強まり、メゾスコピックなレベルでの対策には大いに疑問を感じざるを得ません。

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