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2008年11月14日 (金)

来週発表の7-9月期GDP1次速報はマイナス成長か?

来週月曜日の11月17日に内閣府から今年7-9月期のGDP統計、エコノミストの業界で1次QEと呼ばれている指標が発表されます。4-6月期が季節調整済みで前期比▲0.7%のマイナス成長を記録しましたので、7-9月期も連続でマイナスになるのかどうか、大いに注目されています。
この統計について、シンクタンクや金融機関各社の予想が出そろいました。実は、一昨日に微修正をかけたシンクタンクもありました。金融機関などでは顧客向けに出しているニューズレターで公表する形式の機関もありますし、私もメールなんかに添付してもらっているリポートもあるんですが、今夜のところはネットに PDF ファイルなどでオープンに公表している機関に限って取り上げています。下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。なお、詳細な情報にご興味ある方は左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールされてあって、別画面が開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研▲0.1%
(▲0.2%)
2四半期連続のマイナス成長
みずほ総研+0.3%
(+1.0%)
7-9月期の成長は住宅投資と在庫投資に押し上げられた面が強い
三菱UFJ証券▲0.2%
(▲0.6%)
デフレ・ギャップはさらに拡大へ
第一生命経済研+0.3%
(+1.0%)
在庫投資による押し上げでプラス成長
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+0.3%
(+1.1%)
住宅と公共投資の反動増が成長率の押し上げ要因
ニッセイ基礎研+0.2%
(+0.8%)
年率ゼロ%台の低成長を予測

私自身の予想はというと、スラッと考えるとマイナス成長なんでしょうが、みずほ総研や第一生命経済研のリポートにあるように、在庫投資の動向次第だという気もしています。10月29日付けのエントリーで在庫循環図を描いてみて、前年同期比では在庫調整に入っていて在庫は減少を始めていますが、前期比ではまだ後ろ向きの在庫が積み上がっている状況です。もっとも、これは鉱工業生産指数レベルでの在庫ですから、流通段階での在庫については情報が不足しているのも事実です。この在庫の積上がりが成長率にプラスで寄与するのであれば、全体のGDPを押し上げてプラスの成長率になることも考えられます。ただし、プラスになったとしてもわずかで、潜在成長率と目されている1.5-2%の水準に遠く及ばないことは明らかです。さらに、7-9月期に在庫の積上がりが見られると、8月13日付けの4-6月期1次QEを取り上げたエントリーで指摘したように、次の10-12月期か来年の1-3月期くらいにドカンと大きく在庫投資がマイナスになる可能性も残されています。

OECD 経済見通し

同じ成長率予想ということで、ついでながら、昨日、経済開発協力機構 (OECD) が日米欧の経済見通しを発表しました。上の表は記者発表資料から引用しています。このブログの11月7日付けのエントリーで取り上げた国際通貨基金 (IMF) の見通しと同様で、来年は日米欧ともマイナス成長を予測しています。OECD の見通しは IMF と違って2010年まであり、しかも四半期別の計数が示されていることで、これに従えば、米欧は今年年末から来年年初にかけて大きなマイナス成長を記録した後、2010年の最終四半期にほぼ潜在成長率水準に回帰するのに対して、我が日本は景気回復が遅れるとの見通しになっています。加えて、来年年央からインフレ率が再びマイナスを記録し、日本はデフレに舞い戻ることが予測されています。私が10月30日付けのエントリーなどで指摘したように、この OECD の経済見通しが正しいとすれば、年が明ければ日銀がゼロ金利に入り、さらに量的緩和を模索するのは確実だと言えます。

最後に来週発表の7-9月期の1次QEに無理やり話題を戻すと、10月31日付けのエントリーで米国のGDP統計を取り上げた時と同じで、7-9月期については月を追うごとに景気が悪化していることから、日本の7-9月期のGDPについても1次QEがプラス成長であったとしても、2次QEではマイナス成長を含めて下方改定される可能性が高いことを指摘しておきたいと思います。

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