社会保障国民会議の最終報告は大きな政府への第一歩か?
本題に入る前に、海外の話題を軽く2点取り上げたいと思います。第1に、昨日投票が行われた米国の大統領選挙では事前の世論調査通りに、オバマ上院議員が地滑り的な勝利を収めました。米国で初めてのアフリカ系大統領の誕生です。アチコチで大いに報じられていますから詳細は割愛します。第2に、欧州委員会は2008年秋季経済見通しを発表し、欧州が景気後退局面に入ったことを事実上認めました。見通しに関するグラフを2点ほど引用すると以下の通りです。上のグラフは赤い棒グラフが実績及び見通しの成長率、青の棒グラフが潜在成長率、黒の折れ線が GDP ギャップです。下のグラフは成長率見通しの確率分布をファンチャートで表示しています。

さて、本題に入って、昨日、社会保障国民会議の最終報告が麻生総理大臣に提出されました。もっとも注目されたのは最終報告の付属資料にある社会保障の機能強化のための追加所要額の試算でしょう。2015年度と2025年度について試算されています。公費ベースの必要額と、ごていねいにも消費税率の換算も計算されています。下の表の通りです。なお、下の表は朝日新聞のサイトから引用しています。

麻生総理大臣が自民党総裁に選ばれた際、9月22日付けのこのブログで「麻生総理大臣の財政政策上のインプリケーションは何か?」と題したエントリーを取り上げ、私から2点主張しました。第1に、大きな政府を志向している可能性と、第2に、行き過ぎた高齢者優遇政策の可能性です。昨日の社会保障国民会議の最終報告については、麻生総理大臣の就任直後といってもいいような時期の提出で、福田前総理大臣の意向の方が強く働いているのかもしれませんが、少なくとも、世間一般はこの最終報告書は小泉政権以来の社会保障給付の削減に力点を置いた改革から、給付を維持しつつ負担増を求める方向に転換したと受け止める向きが圧倒的に多いような気がします。現在進行形の世界的な金融危機や景気後退への対応として短期的に財政支出を増やすのはともかく、中長期的に財政を拡大させるのには私は大きな疑問が残りますし、現在のような手厚い高齢者への所得移転を継続するのであれば、経済社会の活力が殺がれる可能性も小さくないと危惧しています。要するに、私が心配したとおりにコトが進んでいるような気がしてなりません。
もともと投票率が高い上に、今後ますます国民の中で占める比率が高まっていく高齢者をターゲットにした政策は、おそらく、それなりに支持を受ける可能性はあり得ます。しかし、現在でも行き過ぎた高齢者優遇措置と少子化や人口減少が悪循環に陥っていることは明らかで、ホントに大きな政府でいいのか、という気がしているのは私だけなんでしょうか?
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