貿易統計も月例経済報告も何から何まで不況一色
本日、財務省から貿易統計が発表されました。輸出も輸入も大きく減少して、貿易収支は▲2234億円の赤字でした。輸出入別で見ても、国別で見ても、品目別で見ても、何から何まで前年同月比マイナスが並びました。世界同時不況の典型的な姿を示していると考えられます。下の表の通りです。下の表は、11月の貿易について、貿易相手別、輸出入別、金額・価格・数量別の前年同月比のパーセント表示ですが、ここまで見事にマイナスが並んで、しかも、その多くが2桁マイナスとなっています。
下のグラフは11月だけでなく、最近の貿易の推移です。上のパネルは輸出入と貿易収支の推移で、左軸の単位は10億円です。下のパネルは輸出だけを取り出したもので、価格と数量、そしてその合計たる金額の前年同月比の推移で、左軸の単位はパーセントです。直近の11月については、主として、輸出数量の落ち込みから輸出が減少し、貿易収支がマイナスに突っ込んでいる大きな要因になっているのが読み取れます。上下のパネルとも、左軸のマイナスの範囲を広げなければなりませんでした。
輸出の今後の見通しについては、円高が1ドル90円くらいまで進んでいる一方で、先日の日銀短観では事業計画の前提となっている想定為替レートが今年度下期102.61円でしたから、輸出採算が大幅に悪化しており、私が受け取った範囲でも12月の貿易収支も赤字とする同業者のリポートも見かけました。私は輸入については判然としないので貿易収支についてはイマイチ自信がありませんが、確実に言えるのは、来年1-3月期にかけて輸出は引き続き低迷し前年同月比でマイナスを続けるであろうことと、ついでながら、11月の鉱工業生産指数は前月比で5%を超えるマイナスをつけるだろうということです。
ついでながら、月例経済報告が閣僚会議にて決定されました。12月の景気判断は「景気は、悪化している」でした。景気悪化の判断は2002年2月以来、6年10か月振りです。総論では4点取り上げており、輸出、企業収益、個人消費とともに雇用情勢では「急速に悪化しつつある」となっています。当然です。
以前から繰り返している通り、今年10-12月期から来年1-3月期は景気後退局面の中でも、大底に近いもっとも闇の暗い期間です。経済ニュースはしばらく暗い話題が続くのかもしれません。
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