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2009年1月11日 (日)

どうして尾曲りネコが長崎に多いのか?

かなり久し振りで、長崎に関するエントリーです。実は、少し前の毎日新聞のサイトで見かけたんですが、長崎には尾が曲がったり切れたりしているネコが多いそうです。さらに、それを日本「長崎ねこ」学会と称して、楽天ブログで「尾曲りねこを探せ!」というサイトも開設されています。一応、以下はこれらのサイトへのリンクです。

これらのサイトの情報を総合すると、我が母校である京都大学霊長類研究所の野沢謙元所長らの調査結果があって、長崎県内の猫は尾が途中で曲がったり、切断されたように短い猫が約8割を占めていて、鹿児島、宮崎、熊本、福岡の他の九州各県も6-7割だったらしいです。理由は定かでないんですが、尾曲がり猫は東南アジアに多いと言われていて、江戸時代にオランダの貿易船がネズミ捕りのため船に猫を積み、出島を通じて長崎に、さらに全国の港町に広がったとの説もあるそうです。また、一説には、尾が曲がった猫の北限は宮城と岩手あたりとの観察結果もあるらしいです。江戸末期の開国後は木造の帆船から鉄鋼製の蒸気船に切り替わっていて、ネズミの被害が相対的に軽微であったことから船にネコを乗せる需要も少なくなったと考えられますので、尾曲りネコは江戸時代の木造船主流のころに東南アジアから日本に渡って来たとの仮説も成り立つのかもしれません。
長崎市内に位置する本学にも生協の学食があってネコが何匹か住み着いています。ひょっとしたら、意識の問題ではありますが、飼っていると主張する教職員がいるかもしれません。ネコがいるあたりが大学とオフィスの違いかもしれません。経済学部キャンパスの場合、大雑把に、入口から入って最初にもっとも古い建物である本館があって、その奥に新館があり、その次に生協の建物があります。1階が書籍などの売店で2階が学食の食堂です。さらに奥の坂を登った研究所に私の研究室が位置していますので、生協周辺から研究所あたりを縄張りにしているネコとはよく顔を合わせます。このグループに白黒ブチの親子がいて、私が赴任した8月ころは子供の方はまだやたらと小さかったんですが、今では親と見分けがつかないくらいに大きくなりました。私はエサをやらないのでなついてくれませんから、尾っぽをしっかりと観察したことはありません。どうでもいいことですが、本館脇のあたりを縄張りにして住み着いている別のグループのネコもいます。こちらはさらに観察の機会がありません。
私は大学を卒業して就職してからは延々と集合住宅に住んでいますのでペットは飼っていませんが、母親が好きだったので京都ではネコを飼っていたこともあります。ですから、私は実はネコのノミ取りが出来たりします。もっとも、白い毛の部分に限ります。それから、ジャカルタに3年間住んでいた時には、かなり多くのネコを見かけましたが、尾が曲がっているかどうかはまったく気付きませんでした。先ほどの仮説によれば、オランダ船が尾曲りネコを持ち込んだとすれば、ジャカルタあたりを出港していた可能性も十分あり、長崎で8割なんですから、ジャカルタならほぼ100パーセントのネコの尾が曲がっていたり、切れていたりしていてもいいような気がしますが、恥ずかしながら、まったく記憶にありません

江戸時代の鎖国のころはジャカルタと長崎を結ぶ航路が盛んだったであろうことは理解しますが、すでに150年前に終わった鎖国のころの影響が今でもネコに残っているとは知りませんでした。

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