昨年10-12月期GDP1次速報は大幅なマイナス成長か?
来週月曜日の2月16日に内閣府から昨年10-12月期のGDP速報、エコノミストの業界で1次QEと呼ばれている指標が発表されます。昨年4-6月期が季節調整済みで前期比▲1.0%、7-9月期も▲0.5%と2四半期連続でマイナス成長を記録しましたので、日本経済は本格的なリセッションに入っていると評価できるんですが、10-12月期も3四半期連続で、しかも、大幅なマイナス成長を記録すると大方のエコノミストは考えています。
この統計について、シンクタンクや金融機関各社の予想が今週に入って出そろいました。金融機関などでは顧客向けに出しているニューズレターでクローズに公表する形式の機関もありますし、私もメールなんかに添付してもらっているリポートもあるんですが、今夜のところはネットに PDF ファイルなどでオープンに公表している機関に限って取り上げています。下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。なお、詳細な情報にご興味ある方は左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールされてあって、別画面が開いてリポートが読めるかもしれません。
機関名 | 実質GDP成長率 (前期比年率) | ヘッドライン |
---|---|---|
日本総研 | ▲2.7% (▲10.4%) | 輸出の急減により、年率▲10.4%の二桁マイナス成長に |
みずほ総研 | ▲2.6% (▲10.2%) | 輸出の急減を主因に年率2桁のマイナス成長に |
三菱UFJ証券 | ▲3.6% (▲13.6%) | 輸出、設備投資が大幅に落ち込んでいる |
第一生命経済研 | ▲3.5% (▲13.3%) | 前期比年率▲13.3%と、過去最大の落ち込みに |
三菱UFJリサーチ&コンサルティング | ▲3.8% (▲14.2%) | 世界的な不況の広がりを背景に大幅なマイナス |
ニッセイ基礎研 | ▲3.0% (▲11.5%) | 輸出が前期比▲13.2%、外需寄与度が前期比▲2.1%といずれも過去最大の落ち込み |
要するに、各機関ともそろって年率2桁マイナスを予想しています。しかも、その主因も輸出の落ち込みですから、円高の進行と世界不況の影響であることは明らかです。ということで、私もまったく同じ見方です。昨年10-12月期はどう考えても2桁マイナスの成長だったようです。長崎には夕刊がないんですが、来週月曜日のGDP1次QE発表後に、かなり前からこれだけ明白に予想されていることながら、新聞やテレビなどのメディア各社は騒ぎ立てることと思います。さらに、現在進行形の今年1-3月期も2桁前後のマイナス成長、控え目に言っても2桁近いマイナス成長と私は考えています。もちろん、まだ1-3月期は半分も終わっていませんから、これから何かがある可能性は否定できませんが、スラッと考えると、財政年度の2008年度は4四半期連続でマイナス成長となる可能性が極めて高いと私は考えています。その中でも、昨年10-12月期と今年1-3月期が現在の景気後退局面の中でも最も低い成長率を記録することになるのは従来から主張している通りです。ただし、今年4-6月期はプラス成長を記録する可能性が残されているのも事実です。例の定額給付金の経済効果次第です。さらにスラッと考えると、再び7-9月期はマイナス成長に舞い戻り、その後、今年10-12月期から来年1-3月期くらいにかけてゼロ近傍からプラスの成長を取り戻し、来年前半には景気の転換点を迎える、というのが私にとってもっとも蓋然性の高いシナリオのように受け止めています。来年になってもプラス成長にたどり着きそうもなかったら、真剣にデフレスパイラルの心配をする必要があるんでしょうが、現在の日銀はこれを回避することが十分可能だと私は考えていることは、先月1月23日付けのエントリーで取り上げたと記憶しています。
最後に、来週発表の1次QEとは何の関係もなく、上の写真はボーイスカウトのスキー合宿に出かける下の子です。ビーバー隊からカブ隊に上進して3年目で3回目のスキー合宿です。今年の秋にはボーイ隊に上進する節目を迎えます。勉強だけでなく、スカウトのいろんな活動に参加してたくましく育てたいと思います。
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