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2009年2月28日 (土)

女房の誕生日祝いでブッフェ・ランチに出かける

赤坂プリンスのブルーガーデニア

今日は女房の誕生日のお祝いにブッフェ・ランチに出かけました。ホントの誕生日は明日なんですが、いろいろと都合があり、我が家は子供中心に回っていますので、今日に繰り上げました。出かけた先はグランドプリンス赤坂のブルーガーデニアです。上の写真は、食事を終えてからの一家の記念写真です。お店の人に撮ってもらいました。ホテルの最上階である40階に位置して、それなりに眺望のいいレストランです。ただし、ものすごく眺めがいいというわけでもありません。窓際の席を予約しておいたので、ホテルから北側の眺めの見える席で、ほとんどすぐ前に皇居とか武道館などが見えました。レストランを出ると逆の南側で、六本木ヒルズや我が家の宿舎のある方向なんですが、さすがに、我が家は見分けがつきませんでした。
お料理は標準的と言えます。特別においしいというわけでもありません。もちろん、お値段なりに充実はしています。特に、我が家のグルメ評論家である下の子に欠かせない肉類やアイスは事前にチェックしました。ローストビーフがふんだんにありますし、ビーフシチューもまずまずおいしかったです。アイスは通常のバニラ、チョコ、ストロベリーの3色の他に、ゆずもありました。でもやっぱり、このレストランの場合、お料理とともに眺めも楽しむんだと思います。子供連れでしたからムリなんですが、日が暮れてからの夜景もオススメなのかもしれません。

『ケロロ軍曹』第18巻最後に、大きく話題をケロロ軍曹に転換します。午後から近くの区立図書館に出かけた折に、今秋発売の『ケロロ軍曹』第18巻を買い求めました。毎年この時期と7月に新しいコミックの発売になります。テレビでも毎週土曜日の10時からですから、今日の朝からも見ましたし、先週2月20日のエントリーに書いたように、我が家では春休み映画は「超劇場版 ケロロ軍曹 撃侵 ドラゴンウォリアーズ であります!」に決めていて、すでに前売り券も買ってあります。そのくらい、我が家はケロロ軍曹のファンだったりします。私のカバンにもマクドナルドのオマケでもらったケロロ軍曹のフィギュアが取り付けてあり、長崎の電車の中で小さな子に指差されたことも何度かあったりします。今回のコミック最新刊では、西澤桃華が転校して来た時の最初のお話が面白かったです。春休み映画も楽しみです。女房の誕生日祝いとは別に、ケロロ軍曹に関する軽い話題でした。

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2009年2月27日 (金)

本日発表された経済指標について

今日は短い2月の最終営業日の閣議日ということで、いろんな経済指標が発表されました。その中からこのブログで取り上げるのは、誠に変わり映えしないんですが、鉱工業生産指数、失業率と有効求人倍率などの労働統計、消費者物価指数の3点セットです。まず、いつもの日経新聞のサイトから統計のヘッドラインなどに関する記事を引用すると以下の通りです。

鉱工業生産指数
経済産業省が27日発表した2月の鉱工業生産動向(速報)によると、生産指数(2005年=100、季節調整済み)は前月比10.0%低下の76.0で、4カ月連続の低下になった。同時に発表した製造工業生産予測調査では、2月が8.3%低下した後、3月は2.8%上昇を予測。同省はこうした生産の動向について「急速に低下している」との基調判断を維持した。
鉱工業生産指数(速報)のマイナス幅は、これまで最大だった2008年12月のマイナス9.8%を超え、過去最大を更新した。マイナス幅が2ケタになるのは初めて。
失業率
総務省が27日発表した1月の完全失業率(季節調整値)は4.1%となり、前月に比べ0.2ポイント改善した。完全失業者数は前年同月比21万人増の277万人となり、3カ月連続で増加した。また就業者数は6292万人となり、前年同月より29万人減少、12カ月連続の減少となった。
完全失業率を男女別にみると、男性が前月比0.3ポイント低下の4.2%、女性が0.1ポイント低下の4.1%だった。また完全失業者のうち、勤務先の人員整理や倒産などで失業した「勤め先都合」は82万人、「自己都合」は97万人だった。
有効求人倍率
厚生労働省が27日発表した1月の有効求人倍率は0.67倍で、5年4カ月ぶりの低水準だった。世界的な金融危機と景気後退を受け、生産・雇用情勢が一段と悪化している。
消費者物価指数
総務省が27日発表した1月の全国消費者物価指数(CPI、2005年=100)は変動の激しい生鮮食品を除くベースで100.5と、前年同月に比べて横ばいだった。上昇率は5カ月連続で低下。ガソリンや灯油の値下がりが続いたうえ、食料品の値上げが一巡した。景気後退の影響もあり、先行きの物価は下落基調に入る公算が大きくなっている。
1月の上昇率(0.0%)は07年9月(0.1%下落)以来、1年4カ月ぶりの低さとなる。輸入する原油や素材の値上がりを発端とする物価上昇は一巡した格好だ。酒類以外の食料とエネルギーを除いた指数は前年同月比0.2%の下落で、8カ月ぶりのマイナスとなった。
前年同月比の上昇率が0.0%だった1月のCPIについて内訳を見ると、エネルギーが0.69ポイントの低下要因だった。灯油が26.8%、ガソリンが30.9%それぞれ値下がりしたことが大きい。一方で電気と都市ガスの値上げがあり、物価を0.34ポイント押し上げた。

まず、鉱工業生産指数です。季節調整済み指数の前月比でちょうど▲10.0%減とマーケットの事前予想にミートしました。生産のマイナス寄与が高いのは自動車などの輸送機械が前月比▲17.3%減、電子部品・デバイス▲21.8%減、一般機械▲12.8%減と我が国産業の主要セクターが軒並み枕を並べて討ち死にといった格好です。さらに、先行きについての製造工業だけを対象とする生産予測指数は2月が前月比▲8.3%減と、前月時点の予測であった▲4.7%減から大幅に下方修正されたましたが、3月は+2.8%増と増産に転じる見込みとなっています。この3月のリバウンドの数字は力強さに欠けることはなはだしいんですが、統計的な裏付けはないものの、いくつかの報道を見る限り、自動車などが今年前半で生産調整を終えて増産に転じる可能性が示唆されており、一部に明るい展望も開けて来そうな気がしないでもありません。

鉱工業生産指数の推移

上のグラフは1980年から取った鉱工業生産指数です。月次の季節調整済み指数をプロットしています。影を付けた部分は景気後退局面です。今夜は鉱工業生産指数と労働統計については、1980年までさかのぼってプロットしてみました。どうしてかと言うと、このブログで何度か「時期尚早」と書いたんですが、そろそろ、1990年代前半のバブル後の景気後退局面との対比を考える準備をするためです。1980年代の2回の景気後退期に比べて、バブル後の景気後退は長くて生産の落ち方も激しかったことは明らかですが、期間の長さはまだ及ばないものの、今回の景気後退局面ではバブル後不況の落ち方をはるかに上回っているのが見てとれます。

労働統計の推移

この生産の激しい落ち込みを背景に、労働情勢も極めて厳しくなっています。上のパネルは失業率と有効求人倍率の推移で、月次の季節調整済みの系列です。影を付けた部分は景気後退期です。下のパネルは先行指標の新規求人数です。生産の減産に伴ってさらに悪化する可能性が高いと私は考えています。また、厚生労働省から「非正規労働者の雇止め等の状況について」の2月速報が発表されました。非正規労働者の雇用調整に関して、昨年10月から今年3月まで2,316事業所で157,806人とリポートされています。昨年10月から今年1月までで完全失業者は27万人増加していますが、かなりの部分を非正規労働者が占めると考えられます。いずれにせよ、先行指標の新規求人数も一致指標の有効求人倍率も、一向に底打ちの兆しが見えませんから、雇用は生産と違って明るい展望はありません。

消費者物価の推移

最後に消費者物価です。上のグラフも気持ちだけ2001年までさかのぼったんですが、エネルギーの指数が2005年からしか発表されていないために、前年同月比で見ると2006年からのデータしかなく、寄与度の棒グラフが一貫性を欠いています。悪しからず。原油などの商品市況の高騰に伴う消費者物価の上昇は完全に終わりました。私は消費者物価がマイナスに突っ込むデフレは今年年央からだと予想していたんですが、すでに、今年1月の前年同月比はゼロに達してしまいましたから、早くも1-3月期からデフレに陥るのかもしれません。今世紀初頭のマイナス1%くらいまでは軽く達しそうな気もしますが、私は現在の日銀はデフレに対してそれなりの覚悟を持っているように感じていますので、金融政策さえ誤らなければ大きな心配は無用と期待しています。今年末には結果が出ると思います。

年央あたりに生産調整が終わり、ソロリと増産に転ずる企業も現れ始め、年末には消費者物価もプラスを回復して、来年早々には景気転換点を迎える、というのが私の標準的な景気シナリオです。逆に、年末の時点になっても成長率が一向に回復せず、消費者物価もマイナスを延々と続けていたりすれば、日本経済は極めて大きなピンチだと言えます。

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2009年2月26日 (木)

オバマ米国大統領の施政方針演説より銀行検査 stress tests に注目!

昨日来の日本のメディアではオバマ米国大統領の施政方針演説ばかりが注目されているようです。その陰に隠れて、ほとんど注目されていないんですが、米国財務省、連邦準備制度理事会 (FED) などが合同で大手銀行検査に関する記者発表をしています。 stress tests と呼ばれています。オバマ大統領の施政方針演説はいろんなメディアで報じ尽くされていると思いますので、今夜はエコノミストとしてより大きな関心を寄せるべき stress tests について取り上げたいと思います。まず、銀行監督当局の記者発表と内外メディアの報道について、私は見た範囲のサイトを順不同でリストアップしておきます。

実は、米国の金融安定化策の評価はすでに2月12日のエントリーで取り上げており、繰返しになりますが、おさらいしておくと、第1に官民によるバッドバンク、第2に TARP II に基づく銀行検査と予備的な資本注入、第3に FED からのターム物を担保とする貸出しの1兆ドルへの拡大、第4に住宅ローンの借り手救済、と要約しました。同時に、大手銀行が公的介入の強化を忌避する観点から政府の資本注入を回避するために、大規模なリストラを行ったり市場における資本調達を強引に進めたりすると、逆に、銀行のバランスシートの急激な縮小や貸渋り・貸しはがしの強化につながりかねないとの危惧があることや、TARP を超える資金手当が示されなかったため、財政資金の限界がマーケットから見透かされて、バッドバンクの今後の進捗に疑問符を付け、官民ではなく民間資金だけでバッドバンクを立ち上げることになる可能性も指摘しておきました。
取りあえず、政策の順番としては、stress tests で検査の結果を見て、資本注入をするなり、不良債権をバッドバンクに移すなりするんですから、この順番でいいような気もしますが、規模の点でかなり不足しているような気がします。特に、上のパラの4点の金融安定化策のうちのバッドバンクと資本注入では、次の3点を考慮しつつ進めることが重要だと私は考えています。第1に財政資金投入に対する国民の反発、第2に stress tests の結果、銀行経営の実態が想像以上に悪化していることが明らかになり金融危機を増幅させる可能性、第3に財政資金の余裕です。第1と第2については現時点では何とも言えませんが、第3の財政資金不足はやや心配です。というのは、今日の日経新聞によれば、 stress tests は大手19行くらいが対象と報道されていて、TARP II の残りは3500億ドルですから、すべてを資本注入に注ぎ込むとしても1行当たり200億ドル足らずとなり、バッドバンクを含めると TARP II だけでは財政資金が大幅に不足します。もしも、大手銀行の方で政府からの資本注入を忌避するのであれば、財政資金をバッドバンクに注ぎ込んで、stress tests の結果として自己資本比率の分母の方から資本注入するのではなく、分子の方の不良債権の減額に傾く可能性もなしとしません。でも、自己資本比率は大雑把に10%ですから、分母の資本に注入する金額の10倍の資金がなければ分子の不良債権を買い上げることによって同じ自己資本比率は達成できず、資金効率が悪いことも事実です。
それから、これは私の英語力の限界かもしれませんが、昨日のオバマ大統領のスピーチではやっぱりウォール・ストリート=金融よりもメイン・ストリート=製造業に経済政策の重点が置かれていたように感じました。オバマ政権の最優先の政策目標は雇用であり、金融安定化はそれ自体としては後景に退いているような印象も感じてしまいました。オバマ大統領とガイトナー財務長官の間に温度差がある可能性も否定できません。雇用に寄与するとの観点から金融機関の貸渋りや貸しはがしを防止するのであれば、日本ほどの政策ツールは米国にはないものの、金融安定化よりももっと直接的な資金供給策が模索される可能性もあります。可能性はとても低いと思いますが、そんなことをすれば、さらに大きな金融市場の混乱を招く結果になりそうな気がします。

最後に、YouTube のサイトから、C-SPAN の提供によるオバマ大統領の施政方針演説のビデオです。

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2009年2月25日 (水)

連夜で WBC を観戦する - 勝ちグセをつけるのもいいもんだ

  RHBE
JPN002502020 111680
AUS020000000 2516

昨夜のダルビッシュ投手と同じで、今夜の松坂投手もイマイチだったような気がしますが、それにしても、打線が好調な上に、あそこまでオーストラリアがエラーを繰り返すんですから、大量点は当たり前の世界になってしまったような気がします。どうしても点が取れずに、昨年は悔しい思いをした阪神ファンとしてはうらやましい限りです。2004年のアテネ・オリンピックでは負けた相手らしいんですが、ちょっと、昨夜と今夜を見る限り、物足りないような感じを持つ本邦野球ファンも少なくないような気がします。でも、慢心につながらなければ、勝ちグセをつけるのはいいもんです。連夜のことですから、今夜は手短かに終わります。

やっぱり、今夜も

がんばれ侍ジャパン!

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貿易統計の暗い面と明るい面?

本日、財務省から今年1月の貿易統計が発表されました。昨年の最終四半期から引き続いて輸出入とも激減しており、輸出は前年同期で品目別・国別とも、あらゆる対象でほぼ半減近くなっています。貿易収支は赤字が定着しつつあるようにも見受けられますが、欧米との景気サイクルのズレにより、今年後半のいずれかの月で黒字を回復することは十分考えられます。まず、いつもの日経新聞のサイトから統計のヘッドラインに関する記事を引用すると以下の通りです。

財務省が25日発表した1月の貿易統計速報(通関ベース)では、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が9526億円の赤字となった。赤字額は統計がさかのぼれる1979年以降で過去最大となった。米欧向け自動車、アジア向け半導体などの出荷が振るわず、輸出金額が前年同月比45.7%減の3兆4826億円となったことが響いた。
貿易収支が赤字になるのは4カ月連続。赤字額は第2次石油ショックの影響があった1980年1月の8248億円を上回った。毎年1月は正月休みの影響で日本の生産が減るうえ、今年は中国の旧正月が1月だったことも響いた。

ということで、いつもの総括的な指標のグラフは以下の通りです。上のパネルは金額ベースの輸出入とその差額の貿易収支です。青の折れ線が輸出額、赤が輸入額、緑色の棒グラフがその差額の貿易収支で、いずれも単位は左軸の10億円です。輸出も輸入も急減しているものの、輸出の減り方の方が激しく、貿易赤字が膨らんでいるのが見て取れると思います。下のパネルは輸出金額の推移を貿易指数の価格と数量に分解したものです。赤い折れ線が数量指数、青が同じく価格指数、両者を合わせた緑色の折れ線が金額指数です。いずれも前年同月比の伸び率で、単位は左軸のパーセントです。輸出の減少は数量が大きな寄与を示していることが見て取れます。

貿易統計の推移

いつも、私は輸入は生産や生活に必要なのだから増えようと減ろうとそんなに注目はせず、輸出を景気の動向と合わせて見ているんですが、およそ、輸出は全滅であり回復を示す数字はどこにも見当たりません。まず、地域別の輸出金額では、対米国が前年同月比▲52.9%減、対欧州が▲47.4%減、対アジアが▲46.7%減で、数量は同じ順番でそれぞれ、▲48.6%減、▲42.0%減、▲39.3%減と、いずれも加速度的な減少が続いています。我が国の主要な輸出先いずれも前年同月比でほぼ半減といったところです。商品別に見ても、話題の自動車が前年同月比▲66.1%減となっただけではなく、半導体等電子部品が▲52.8%減、一般機械も▲40.8%減と主要な加工組立型の輸出セクターが軒並みほぼ半減で、加えて素材関連も化学製品が▲47.0%減、鉄鋼ですら▲21.3%減など、ほとんど全ての品目別輸出額が前年同月比2桁の減少を記録しています。長崎ローカルで注目度の高い船舶もとうとう前年同月比▲3.6%減と減少に転じました。船舶が前年同月比で減少を記録したのは昨年7月の統計以来です。なお、総トンで計った船舶輸出の数量も1月統計では前年同月比でマイナスを記録しています。昨年12月10日のエントリーで機械受注統計を取り上げた際や同じく12月15日付けのエントリーで日銀短観を解説した際には、船舶については資源高の「余熱」が残っていると書きましたが、さすがにそろそろ冷めて来たのかもしれません。

最後に2点指摘しておきたいと思います。第1に、多くのエコノミストが予想している点ですが、今週末に発表される今年1月の鉱工業生産指数は前月比でマイナスの2桁がほぼ確定しました。第2に、そんなに多くのエコノミストが認識しているわけではないように私には見受けられますが、今年後半からは我が国と欧米との景気にズレを生じる可能性が高く、平たく言えば、日本よりも欧米の方が景気回復の兆候が早く現れるでしょうから、今年中に日本の貿易黒字が復活する可能性は控え目に言っても十分あると私は考えています。

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2009年2月24日 (火)

侍ジャパンの対オーストラリア戦勝利を祝す

  RHBE
AUS010000010 2833
JPN02113010x 81060

久し振りにテレビで野球を観戦した気がします。WBC 侍ジャパンの強化試合のオーストラリア戦でした。長崎では TBS 系列で8時前から少し時間差をおいた中継録画で始まり、生放送ではなかったんですが、9時半過ぎの8回表のオーストラリアの攻撃中から突如として生中継に切り換わりました。そのまま生放送は5分ほどで中継を終わってしまいました。長崎だけではなく、全国的にそうだったような気もしないでもありません。まずノッケから、両国国歌吹奏で私には小学生くらいのころからの知識しかないことが暴露されてしまいました。オーストラリアの国家は当然ながら英国と同じ God Save the Queen だとばっかり思っていたんですが、かなり昔から独自の国歌だったと知りました。京セラドームも超満員のように見受けました。結果も完勝でしたから、詰めかけたファンも満足だったんではないでしょうか。
オーストラリアの野球選手と言えば、我が阪神のウィリアムス投手くらいしか知らないんですが、さすがに、侍ジャパンは豪華メンバーでした。投手だけ見ても、ダルビッシュ投手、岩隈投手、岩田投手、小池投手、田中投手、最後に馬原投手と、超豪華リレーでした。藤川投手の出番がなかったのはチョッピリ残念な気もしないでもありませんが、先日の巨人との試合で失点した岩田投手も今夜はゼロに抑えましたので、私の満足度もそれなりに高まりました。打つ方もスタメン下位打線の7番、8番、9番が大リーガーなんですからゴージャスなもんです。打線ではイチロー選手が注目を集めていて、打席でバットを立てた時のフラッシュなんかすごいんですが、私はよく知らないながら、不動の4番に座った稲葉選手もとってもシャープなバッティングを披露していました。それから、北京オリンピックのメンバーから、大リーグに行った上原投手や川上投手が抜けたのは別にして、かなり入替えがあるように感じるのは私だけでしょうか。もっとも、皮肉な見方をすれば、入替えがあっただけにオリンピックよりも期待できるのかもしれません。
それにしても、この2月下旬から野球中継が始まって、今年こそわがタイガースはセリーグを制覇して日本シリーズに出るでしょうから、10月下旬まで8か月もの長きにわたって野球が楽しめるのは有り難い限りです。授業の方を削るわけにはいきませんから、論文を書いている時間がなくなってしまいそうで少し怖い気もします。

何はともあれ、

がんばれ侍ジャパン!

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年金財政検証をざっと見る

昨夜、厚生労働省の社会保障審議会年金部会が開催され、先の2004年の年金改革以来初となる公的年金の財政検証結果が示されました。5年に一度の検証が義務付けられているものです。私も興味がありましたので厚生労働省のホームページを見ましたが、霞が関の第5合同庁舎に入っている厚生労働省で資料を渡すが、ホームページにアップするのはもう少し先とのことで、このところ、週末は東京にいることが多いものの、平日は長崎にいる私は詳しい資料の入手を諦めました。代わりに、メディアから情報を得ることにしました。ですから、今夜のタイトルも「ざっと見る」にしました。なお、私が見たのは順不同で以下の各紙のサイトです。

ということで、これらの情報を参考に書いたグラフが以下の通りです。すべてモデルケースで、横軸には現時点での年齢を取っています。私はアラウンド・フィフティですから、49歳の人のところを参考にしています。灰色の棒グラフが夫婦合わせた年金の受取り額、青い棒グラフが年金受取り時に年金保険料を払い込んでくれる現役世代の平均給与額、いずれも月額です。赤い折れ線が年金を現役世代の給与で除した所得代替率です。出生率や賃金や運用利回りなど、シミュレーションのいろんな前提は上の報道を見るなり、厚生労働省に資料をもらいに行くなり、私のようにアップロードされるまで待つなり、ご自由に。

年金の財政検証結果

要するに、世代が若くなるに従って年金の受取り額は増加するんですが、現役世代との所得代替率は低下し、ギリギリ50%を維持できるとの結果になっています。その裏側で2004年改革で示されたように、現在の年金保険料率15.35%が段階的に引き上げられ、18.3%に達することになります。当然ながら、年齢が若いほど年金受取り時の所得代替率が下がるとともに、現役の時の保険料率の負担も高くなるわけで、給付だけを図示した上のグラフに見られる以上に、負担も含めた世代間の不公平度は高くなっていることを理解すべきです。平たく言えば、年齢が高くなるほど負担が少なく給付が多い一方で、若い世代ほど給付が少なく負担が大きいわけです。私なんかのアラウンド・フィフティはその中間かもしれません。
私の直感的な感想では、2004年の年金改革はかなりの程度に抜本的なものであり、現役世代と年金世代の所得代替率の考え方を導入して、従来の負担がわずかで給付だけがやたらと大きい年金制度からはサステイナビリティが大いに増したと考えているんですが、世代間の不公平はまだまだ残されていることは確かです。しかし、私が不思議なのは、こういった高齢者に有利な制度であるにもかかわらず、その当の高齢者に年金に対する不満が大きいことです。ここまで有利になっているんだから、ちょっとは我慢しなさいよとはいかないもんなんでしょうか?

私の年金に対する見方は従来から変わっておらず、初期段階で政府が途方もない借用書を書いてしまった上に、その間違いを認めず、少なくとも2004年度年金改革までは小手先の制度変更でごまかしつつ、受け取る側の高齢者は桁間違いの借用書を基に厳しく取り立てる、という構図でした。若年層は意識的ではない可能性は大いにあるものの、この年金制度への態度表明として保険料の未納・滞納で対抗しているように受け止める向きがあっても私は不思議に思いません。いつも同じ結論ですが、世代間の醜い争いを避けるためにも、年金制度が高齢者に極めて有利な制度であることを理解した上で、高齢者層の要求水準を下げることが必要であると考えます。

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2009年2月23日 (月)

滝田洋二郎監督「おくりびと」がアカデミー賞外国語映画部門賞を受賞

滝田洋二郎監督と「おくりびと」出演者

映画界最大の祭典である第81回アカデミー賞の発表式と授賞式が現地時間昨日の夕刻からハリウッドのコダックシアターで開催され、外国語映画部門で滝田洋二郎監督の「おくりびと」、短編アニメーション部門で加藤久仁生監督の「つみきのいえ」がそれぞれ受賞しました。誠におめでとうございます。上の写真は滝田洋二郎監督と「おくりびと」の主要な出演者がオスカーを受けたところのようです。どこから引用したのかは忘れました。悪しからず。「おくりびと」は私のこのブログでも1月25日付けのエントリーで取り上げたんですが、「つみきのいえ」の方はよく知りませんでした。まず、アカデミー賞のホームページから、主要な賞の受賞者は以下の通りです。

  • Actor in a leading role
    Sean Penn, Milk
  • Actor in a supporting role
    Heath Ledger, The Dark Knight
  • Actress in a leading role
    Kate Winslet, The Reader
  • Actress in a supporting role
    Penélope Cruz, Vicky Cristina Barcelona
  • Directing
    Danny Boyle, Slumdog Millionaire
  • Foreign Language Film
    Departures
  • Best Picture
    Slumdog Millionaire
  • Short Film (Animated)
    La Maison en Petits Cubes

何でも、SLUMDOG MILLIONAIRE「スラムドッグ$ミリオネア」が監督賞や作品賞など8部門を受賞したようです。私が数えたわけではありませんが、どこかに出ていました。ついでながら、「つみきのいえ」は英語ではなくフランス語のタイトルで報じられています。これまた、まったくどうでもいいことですが、私がちょくちょく参照するOscar Ballot - The New York Timesでは、「おくりびと」も「つみきのいえ」も必ずしも投票のトップではありませんでした。外国語映画部門では Waltz with Bashir が一般投票ではダントツだったんですが、結局、「おくりびと」が受賞したようです。

全米企業エコノミスト協会(NABE)の米国成長率見通し

最後に、映画のアカデミー賞とは何の関係もなく、全米企業エコノミスト協会 (NABE) の米国成長率見通しが発表されました、上のグラフの通りです。米国経済は今年下半期には景気後退を抜け出して、来年年央には潜在成長率水準に戻ると見通しています。日本の景気回復は2-3四半期ほど米国に遅れるのかもしれません。

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2009年2月22日 (日)

WBC の侍ジャパンを応援する

昨日は出かけていてよく知らなかったんですが、WBC の日本代表が巨人と練習試合をやって大勝したそうです。きょうも練習試合があり、雨で途中コールドながら、やっぱり、巨人にボロ勝ちだそうです。まずは、昨日のスコアボードから。

  R
巨  人000000000 0
日本代表312200002 10

[巨] 東野、古川、栂野、ロメロ、木村正 - 鶴岡、実松
[日] 和田、田中、内海、馬原、藤川 - 城島、細川

まあ、練習試合ですから、勝ってても9回裏までやるのは一案でしょう。勝負ではなくプレーして練習すること自体が目的なんですから。最後は我が阪神の藤川投手が登場したんですが、9回表のスリーアウト目は青木外野手の本塁好返球でタッチアウトだったらしいです。ひとつ間違えば、唯一の失点を記録しかねない場面だったようです。

ということで、今日は降雨7回コールドながら、スコアボードは以下の通りです。

  R
巨  人0010000   1
日本代表0412330   13

[巨] 金刃、歌藤、西村健、福田 - 加藤、実松
[日] 涌井、岩田、渡辺俊、山口 - 阿部、石原

当たり前といえば当たり前なんですが、日本代表は強いです。このメンバーでボロい試合をやっていたんでは困ります。それにしても、3回表から登板した我がタイガースの岩田投手がいきなりノーアウト満塁と攻められて1点を献上したのは困りものです。まあ、ショートゴロ併殺打の間の失点とはいうものの、いきなりのノーダン満塁はいただけません。

まったく試合を見ていませんし、適当にネットで情報を収集しただけなので、実は、よく分かっていなかったりしますが、何はともあれ、

がんばれ侍ジャパン!

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2009年2月21日 (土)

子供達とリスーピアに行き振り子の衝突の実験をする

今日は、気温は上がりませんでしたが、まずまずいいお天気でしたので、子供達とお台場のパナソニックセンターにあるリスーピアに行きました。「かっちん、こっちん、不思議な衝突」と題して、振り子の衝突の実験機を工作して、いろいろと実験して来ました。丸い球がいくつか上から吊り下げられていて、1つだけを衝突させると逆側から1つだけが弾き出され、2つの球を衝突させると2つ逆側から飛び出す、というアレです。私は全く専門外で疎かったんですが、東京理科大学の教授が講師で、小学5年生のカリキュラムの振り子と衝突で習う内容とのことでした。我が家の子供達はおにいちゃんが今春から中学ですから、やや物足りなかったかもしれませんが、下の子は4月から5年生ですからピッタリという気もしました。

ゆりかもめに乗ってリスーピアに向かう子供達
リスーピアのあるパナソニックセンター前で子供達

我が家からでしたら、新橋からでもいいんですが、より確実にゆりかもめの先頭席を確保するために、有楽町線の豊洲からゆりかもめに乗ります。上の写真の通り、しっかりとゆりかもめの先頭の席を確保します。有明の駅で下りてパナソニックセンターに行きます。上の写真でいうと、1階右奥と3階のディスカバリー・フィールドがリスーピアとなっていて、その他の部分がパナソニックセンターです。ニンテンドーの提供するゲームフロントもあります。
リスーピアに着くと、まず、振り子の衝突実験機の工作から始めます。私は今回の予約をした折には実験だけで工作はないと思っていて、子供達にもそう伝えていたんですが、実は工作がありました。我が家の下の子はリスーピアの工作は少し難しいと思っていて敬遠気味なので、怖い顔をしてにらまれてしまいました。でも、順調に実験機は仕上がります。もちろん、いろんな実験もします。下の写真は実験機を持ち帰って、帰宅してから撮った写真です。その後、子供達は3階のディスカバリー・フィールドにも行きます。首からディスカバリー・スコープを提げてエージェントに案内してもらいます。子供達が小さかったころは私もいっしょにディスカバリー・フィールドに入っていたんですが、ここだけは大人500円と大人だけながら有料ですので、私は2階の喫茶室でその半分の代金のお茶を飲んで時間を潰します。今となっては、その方が私にも子供達にも有意義な時間の過ごし方だという気がします。

リスーピアから帰宅し振り子の衝突の実験機を持つ子供達

我が家はリスーピア以外にも、やっぱりお台場のゆりかもめ沿線にある科学未来館、もはや科学館の定番になっている皇居北の丸公園の科学技術館はもちろんのこと、リスーピアと同じように電機会社が運営するソニー・エクスプローラサイエンス、我が家からほど近い渋谷にある東京電力の電力館、同じくエネルギー会社の東京ガスが運営しているガスの科学館、はては上野の国立科学博物館などもひと通り行き尽くしました。もちろん、2回以上行ったところも少なくありません。いずれにせよ、このあたりの科学館や文化施設の充実度が東京都心と長崎の大きな差のひとつではないかという気もしないでもありません。ということは、今しばらくの間、私の単身赴任は致し方ないような気がします。

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2009年2月20日 (金)

春休み子供向け映画のレビュー

我が家では、この春からおにいちゃんが中学に進学し、受験も終えてややのんびり過ごしています。塾通いの中心は下の子に移った感があります。この春休みは昨年ほど忙しくない気もします。ということで、冬休み映画はサボったんですが、春休み映画については2本だけ取り上げたいと思います。先週の日曜日にはやや先走って夏休みのポケモン映画を取り上げてしまいましたので、順序が逆になりました。2本とは「超劇場版 ケロロ軍曹 撃侵 ドラゴンウォリアーズ であります!」「ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史」です。まず、上の画像がケロロ軍曹の映画のポスターで、下がドラえもんです。我が家ではケロロ軍曹の映画を見ることに決めていて、すでに前売り券も買ってあります。

「超劇場版 ケロロ軍曹 撃侵 ドラゴンウォリアーズ であります!」

「ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史」

今夜のエントリーは映画が封切られる前に Yahoo からコピペで済ませていますのでネタバレはないと思います。まず、ケロロ軍曹の映画ですが、大人から子どもまで世代を問わず、幅広く愛されている超人気アニメーションの劇場版第4弾です。原作コミック10周年を迎える本作では、フランスの世界遺産モン・サン・ミシェルを舞台に、謎の少女シオンも加わって巨大物体“竜のしっぽ”の謎に立ち向かうケロロ軍曹たちの活躍を描きます。主題歌を担当するのは、人気デュオのKiroroだそうです。ケロロ軍曹が地球へ出発する日を描く同時上映の短編も必見ということのようです。あらすじは、くだらない侵略作戦を実行しては夏美たちに邪魔される日々を送るケロロ軍曹だったんですが、ある日、謎の巨大物体“竜のしっぽ”が世界中に突如現われ、その正体を探るため、世界各国へでケロロ小隊は調査活動を開始しますが、タママ二等兵がパリで行方不明になってしまい、消息を追うケロロ一行たちも、フランスへとやってくることになります。
次に、ドラえもんの映画ですが、1980年以来、春映画の顔として国民的な人気の「映画ドラえもん」シリーズの、声優陣やキャラクターデザインを一新した新シリーズの劇場版第4弾です。1981年の『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』をベースにした本作では、とある異世界で起こる陰謀から友だちと星を守るため、ドラえもんたちが奮闘します。謎の美少女モリーナ役を香里奈が、クレム役をアヤカ・ウィルソンが演じるほか、柴咲コウが歌う物語のラストを感動的に彩る主題歌も聴き逃せないとのことです。あらすじは、ある日、部屋の畳が突然跳ね上がりドラえもんとのび太は驚きますが、のぞき込むと、そこははるか宇宙の彼方を航海する宇宙船につながっていました。宇宙船を操縦しているロップルと宇宙ウサギのチャミーは、「コーヤコーヤ星」という星に移り住んで開拓している途中で、その資源豊かな星をガルタイト鉱業の一味が狙っていると告げられます。
もちろん、この2本以外にも、「ヤッターマン」や「ドラゴンボール」の実写版の映画、ディズニーでは「マダガスカル」の続編、なんかも春休みの子供向け映画で人気が出そうだという気がします。また、ポケモン映画との間を埋めるという観点からは、毎年、ゴールデンウィークに上映される「クレヨンしんちゃん」や「名探偵コナン」の映画もあります。我が家では一昨年までゴールデンウィークには「クレヨンしんちゃん」の映画を見続けてきたんですが、昨年は子供達が「名探偵コナン」の映画を見ると言い出して、チョッピリながら成長を実感したりしました。見る方の子供達といっしょで、映画の方も進化して行くものだという気がします。例えば、ケロロ軍曹の映画はいまだに2本立ての同時上映ですが、最初の劇場版では2本立てにするもんだという初期条件がまだ続いているような気がします。すでに流行のピークはとっくに過ぎた「ムシキング」なんかでも、我が家が2005年12月に見た時には2本立てで、結局、ポケモンやドラえもんなどのように同時上映がなくなるまで人気は続きませんでしたが、ポケモンも最初のころは2本立てで、「ピカチュウたんけんたい」とかの短編といっしょに上映されていました。2001年の劇場版第4作目まで2本立てでしたが、今では1本だけの堂々のロードショーです。ケロロ軍曹も今年が劇場版第4作で今まで2本立てが続いていますが、そのうちに同時上映なしに進化する日が楽しみです。また、配給する映画会社にもよるんですが、映画が上映される映画館の格もあります。ドラえもんやポケモンは押しも押されもせず、例えば、東京では有楽町マリオンで上映されていますが、名探偵コナンはまだマリオンには進出していません。ケロロ軍曹に至ってはもっと小さな映画館で上映されています。ケロロ軍曹の映画が同時上映なしの1本だけでマリオンで封切られる日が来るのか、それとも、その前に人気が落ちるのか、私はとっても興味があったりします。

何となく、おにいちゃんの中学受験が過ぎてから、早くも春休み体制に入っている我が家だったりします。のほほんとした雰囲気を味わっていただければ幸いです。

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2009年2月19日 (木)

恩田陸『きのうの世界』(講談社)を読む

恩田陸『きのうの世界』(講談社)先月1月5日付けのエントリーで、第140回直木賞候補としてチラリと取り上げましたが、恩田陸さんの『きのうの世界』(講談社)を読みました。実は、直木賞を受賞した天童荒太さんの『悼む人』(文藝春秋)と山本兼一さんの『利休にたずねよ』(PHP研究所)はまだ読んでなかったりします。右に示した表紙もそうなんですが、実に幻想的なファンタジーでした。「塔と水路のある町」を舞台に、1年前に失踪して半年前に殺された市川吾郎という男性の謎を解き明かす形でストーリーは進みます。この男性が何でも目で見たものを画像的に正確かつ詳細に記憶できることがひとつのキーポイントになります。まあ、これくらいはネタバレではないと考えるべきです。読み始めればすぐに分かると思いますし、これすら分からないのであれば文学を鑑賞しようとする資質に欠けると受け止められかねません。それはともかく、ノッケから2人称で書き出された小説はめずらしいような気がします。しかも、「あなた」は読者ではなく、とある登場人物の系塁だったりします。しかし、その後はずっと3人称で書かれています。最後の最後で、市川吾郎の死の謎が作者自身によって解き明かされ、この「塔と水路のある町」の本当の秘密も明らかにされます。作者の恩田さん自身が「集大成」と言うだけあって、恩田ワールドをたっぷりと堪能できます。ただし、一部のサイトで書かれているようなミステリではありません。推理小説の要素は全くありませんから、間違った読み方をしないようにご注意です。

恩田さんの世界観を楽しむ本だという気がします。ですから、万人にオススメできる小説ではなく、評価も分かれるだろうことは私も理解します。特に、結末を難を付ける人がいるようにも聞き及びます。このエントリーを書き上げる直前に Amazon のサイトを見ると、13件のレビューがアップされていて、ものすごくバラついています。1ツ星こそいませんが、5ツ星3人、4ツ星2人、3ツ星と2ツ星が4人ずつです。見事にバラバラです。ということで、私の評価は4ツ星半くらいで、Amazon の平均と比較すれば高い方だという気がします。

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2009年2月18日 (水)

エコノミストか、プログラマか?

今週は今日まで東京にいて、特別研究員をしている研究所に通っています。基本的に、私はどのエコノミストのタイプかと言われると、計量分析をするプログラマです。マンガの「ケロロ軍曹」に出て来るクルル曹長が、軍人でありながら、自らを技術者と考えているのと同じで、私はエコノミストなんですが、自分はプログラマであろうと考えています。数式に沿ってプログラムを組んでいくわけですが、少なくとも出来ないよりは出来た方がいいと私は考えています。というのは、計量の分野はエコノミストの間でも極めて格差の大きい分野で、出来る人は想像を絶するくらいに出来ますが、縁のない人はまったく縁がなくて、数式を見るだけでも嫌悪感を覚えるエコノミストもいないわけでもありません。私はほどほどのレベルだと思います。何せ、ついこの間までサラリーマンをしていましたので、トップクラスということはあり得ませんが、普通のサラリーマンよりは大いに出来ることは確かです。この格差の大きい計量分析の世界で、スキルの高いエコノミストが重宝されると考えられがちですが、必ずしもそうでもありません。レベルが高過ぎると一般人から見て何をやっているのか、まったく理解できないからです。私くらいの何のひねりもない基礎的で素直な計量分析だと、特別研究員として雇っても何をやっているのかが明確に理解でき、しかも、勉強熱心な若手などから見れば「これぐらいなら出来るんではないか」と向上心をくすぐることも可能です。でも、今行っている研究所にそんな殊勝な若手は見かけません。
プログラマですから、計量ソフトがインストールしてあるのが前提なんですが、まだ手当てが済んでいません。プログラムを組んではフロッピーにコピーして、周囲の人を煩わせて計量ソフトをインストールしてあるパソコンでプログラムを走らせてもらいます。古今東西でプログラムはテキストであると決まっており、テキストエディタは計量ソフト本体の次に重要なんですが、これもまだ適当なのがなく、何と Windows 標準のメモ帳で作業しています。これはいくらなんでもひどいので、近く私がライセンスを取っているシェアウェアのエディタをインストールしてもらう手はずになっています。以下は、約2年前、2007年5月25日付けのこのブログで紹介した私の考えるテキスト・エディタの条件です。

  1. モノクロではなく、文字色や背景色を選択できる。
  2. タブ式で複数のテキストを開ける。
  3. EOF や改行記号などを表示できる。
  4. 行番号とルーラを表示できる。
  5. 設定した任意の文字数で折り返しできる。
  6. ドラッグ & ドロップで編集できる。
  7. 拡張子別に色分けできる。
  8. HTML のタグなどの強調表示ができる。
  9. s-jis 以外のコードのテキストも編集できる。
  10. フォントの選択ができる。
  11. 大きなファイルサイズのテキストも開ける。
  12. 範囲を指定した文字列置換ができる。
  13. 出来ることであれば、マクロを実装している。
最後の12番目と13番目の2つの条件は新たに付け加えました。この2年間での私の進歩かもしれません。まあ、いずれにせよ、Windows 標準のメモ帳はこの条件のほとんどすべてを満たしていないわけです。テキスト・エディタは私のように計量分析に取り組んで、プログラミングをしなければならないタイプのエコノミストにはきわめて重要なツールですので、早く何とかしたいと思います。

最後に、今日気づいたんですが、食堂で全国の名物ラーメンを週代わりで提供しています。札幌の味噌ラーメンから始まって、今週は富山のブラック・ラーメンだそうです。私はこの歳まで知りませんでした。最後は九州長崎のチャンポンだそうです。私は今までチャンポンがラーメンの一種だと思ったことがありませんでしたから、やや新鮮な視点だったような気がします。

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2009年2月17日 (火)

中川財務・金融担当大臣の辞任

ローマでの G7 会合の後の記者会見でもうろうとしたまま受答えして世界に醜態をさらしたためか、予算案が衆議院を通過したら辞任すると今日の会見で発表したんですが、結局、今夜のうちに中川財務・金融担当大臣が官邸に辞表を提出したそうです。各紙とも予算案の衆議院通過後の辞任が夕刊の1面トップだったんではないでしょうか。その後、急転直下、本日中の辞任で決着したようです。いろんなメディアで報じられていますので、このマイナーなブログでは特定のメディアからの引用はしませんが、アチコチの海外サイトでも話題になっていて、Financial Times では明確に "Nakagawa accused of being drunk at G7" と書かれていたことだけは紹介しておきたいと思います。
私も薬とお酒の影響でかなりおかしくなったことがあります。もう15年以上も前のことですが、在チリ大使館に経済アタッシェとして勤務していた時のことです。正確な年月はすっかり忘れました。サンティアゴから100キロほど離れた太平洋岸のビーニャ・デル・マールという街にカジノがあり、カジノに行って適当にギャンブルを楽しんでお酒を飲んだまではいいものの、その前に何か薬を飲んでいて、すっかりおかしくなったことがあります。日本では処方箋薬ではないという意味の市販薬や大衆薬はそんなに強い作用はないようなんですが、チリなんかではやたらと効き目の強い薬が市販されています。その上に、カジノで慣れないお酒を飲んだりすると強烈な相互作用があるようで、自動車を運転していたはずのサンティアゴへの帰り道はまったく記憶にありません。車のバンパーなどには接触した跡などもないので、何事もなかったんだろうと思うほかありませんし、外交官特権があるので飲酒運転くらいでは逮捕されたりしませんから、取りあえず、無事に100キロを運転して帰宅したんだろうと想像するしかありませんが、よくよく考えると薬とお酒の組合せは恐ろしいことです。もちろん、だからと言って、中川財務・金融大臣を擁護するつもりもありません。

いろいろな経済政策に関する国民の意見が芳しくない折に、しかも、財務大臣がもっとも大きな責任を問われる予算案の衆議院審議中に辞任ですから、経済政策に対する信頼感にさらに大きなダメージを与えかねないんではないかと懸念しています。

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2009年2月16日 (月)

2008年10-12月期GDP速報に見る日本の景気後退

本日、内閣府から昨年2008年10-12月期のGDP速報が発表されました。エコノミストの業界で1次QEと呼ばれている総合的な景気指標です。このブログでも先週2月13日付けのエントリーでこの指標の予測を取り上げましたし、日経QUICKをはじめとする大方の事前の予想通り、季節調整済みの実質GDPで見た前期比年率の成長率はマイナスの2桁に達しました。まず、いつもの日経新聞のサイトから統計のヘッドラインに関する記事を引用すると以下の通りです。

内閣府が16日発表した2008年10-12月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影響を除いた実質で前期比3.3%減、年率換算で12.7%減となった。3四半期連続のマイナス成長で、減少率は第1次石油危機時だった1974年1-3月期の年率13.1%減に続く約35年ぶりの大きさ。金融危機をきっかけにした世界不況の影響で輸出が過去最大の落ち込みとなり、個人消費、設備投資も大きく減った。日本経済は外需を中心に総崩れの状態で、深刻な景気後退に入った。
3四半期連続のマイナス成長は、IT(情報技術)バブルの崩壊で景気が後退した01年4-6月期から10-12月期にかけて以来。10-12月期の実績は日経グループのQUICKが「コンセンサス・マクロ(経済予測)」で民間調査機関30社に聞いた直前の予測の平均値(前期比年率11.8%減)を下回った。

次に、いつものGDPコンポーネントごとの成長率や寄与度を表示したテーブルは以下の通りです。基本は、雇用者所得を含めて季節調整済み実質系列の前期比をパーセント表示したものですが、表示の通り、名目GDPは名目ですし、GDPデフレータだけは伝統に従って前年同期比となっています。また、アスタリスクを付した民間在庫と外需は前期比伸び率に対する寄与度表示となっています。なお、計数は正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、完全性は保証しません。正確な計数は上の内閣府のリンクからお願いします。

需要項目2007/
10-12
2008/
1-3
2008/
4-6
2008/
7-9
2008/
10-12
国内総生産GDP+1.1+0.2▲0.9▲0.6▲3.3
   民間消費+0.3+0.7▲0.7+0.3▲0.4
   民間住宅▲10.7+4.6▲1.9+4.0+5.7
   民間設備+2.2▲0.6▲2.3▲3.4▲5.3
   民間在庫 *+0.1▲0.4+0.1▲0.2+0.4
   公的需要+1.4▲1.1▲0.9▲0.0+0.9
   外需 *+0.5+0.3+0.1▲0.1▲3.0
     輸出+3.0+3.0▲2.3+0.6▲13.9
     輸入+0.4+1.5▲3.1+1.7+2.9
国内総所得GDI+0.3▲0.4▲1.5▲1.0▲1.4
名目GDP+0.5▲0.1▲1.4▲0.7▲1.7
雇用者所得+0.5+1.2▲0.1▲1.2▲0.4
GDPデフレータ▲1.3▲1.4▲1.5▲1.6+0.9

表を見れば明らかなんですが、要するに、純輸出としてくくられている中で輸出が大きく減少した一方で、名目輸入は▲17.9%の大幅減なのにデフレータがこれ以上に大きく落ちたために実質輸入が増加を示し、結果として、純輸出が大きなマイナスの寄与を示したため、成長率も大きく落ち込みました。住宅投資が増えたのは火災警報器の需要増だという説もあります。しかし、今夜のところは、メディアが大騒ぎして2桁マイナス成長を報道しまくっている一方で、メディアやほとんどのエコノミストがまったく取り上げていないトピックに注目したいと思います。それは、金融危機の影響が小さいと考えられていた日本の成長率が、昨年末から今年年初になって、どうして米欧に比べて大きなマイナスになっているのか、要するに、金融危機のダメージが小さいにもかかわらず、米欧に比較して日本の経済的なダメージがどうして大きいのか、というパズルです。まず、下のグラフは日米欧の季節調整済み実質GDPの前期比年率成長率を1990年代半ばからプロットしたものです。1997年からの景気後退期、すなわち、春に消費税率を3%から5%に引き上げたショックと、秋の山一証券や北海道拓殖銀行の破綻などがあった際の景気後退、さらに、2001年ころのいわゆるITバブル崩壊後の景気後退、そして、直近の2008年10-12月期の成長率、いずれも日本が米欧に比較して最も大きなマイナスを記録していることが読み取れます。

日米欧の成長率の推移

しかし、今回の米国のサブプライム・ローン問題に端を発する世界的な金融危機の影響による景気後退局面に関しては、少し前まで日本の景気後退は軽微で済むだろうと考えていたエコノミストが多数派だったような気がします。私もその1人で、少し前までは現在の景気後退は「長いが浅い」と考えていました。考えを変えたのは、わずか2か月前の昨年2008年12月9日付けのエントリーからです。どうして多くのエコノミストが日本の景気後退は浅くて済むと考えていたかは、次の2点に集約されると思います。第1に、日本は金融危機の影響が小さかったからです。経済協力開発機構 (OECD) は的確にも、Economic Outlook No.84 にて "Japan has not been at the epicentre of the financial crisis" と表現しています。しかし、これは経営戦略でサブプライム・ローンの証券化商品に手を出さなかったというより、証券化などの分野で日本の金融技術が米欧に比較して遅れていたために傷が浅かったと考えるべきです。私の知り合いのメガバンクの役員さんは「米欧はスーパーカーで200キロ出して事故ったが、日本は20キロしか出ないスーパーカブだったので、思いっ切り傷が浅かった」と半ば悔しがっていました。この発言に続いて、「せめて100キロくらいは出せる中古車が欲しい」とのことで、日本の投資銀行やメガバンクが売りに出されている米国の投資銀行なんかに食指を伸ばしているのも事実です。第2に、私が詳しくない経営の分野で、比喩的に言うと、バブル崩壊後の10年の不況を経て3つの過剰を克服し筋肉質の効率的な経営を実現していたからです。私の理解するところでは、損益分岐点がかなり下がり、多少の需要ショックに対しては耐性が出来ていると言われていたような気がします。
私は現在でもこの2点は変わりないと考えています。もちろん、金融危機の影響が小さかった故に、円資産がドル資産やユーロ資産と比べて相対的に安全資産と見なされて、資金がドルやユーロから円にシフトした結果、かなり大幅な円高が進行したことも事実です。しかし、円高を考慮しても、米欧に比べて景気後退が浅くて済むと考えられていた我が日本が、昨年10-12月期には年率で2桁マイナスの成長を記録して、おそらく、今年1-3月期もこれに近いマイナス成長が続き、米欧よりも深刻なリセッションに陥るとは多くのエコノミストの想定外だった気がします。加えて、米欧よりも日本の景気の落ち込みの方が大きいのはなぜか、というパズルに本格的に答えようとしたエコノミストは少ないように感じています。私がそういった論調を知らないだけかもしれませんが、今夜、私が日本経済の体質的な角度から解き明かしてみようと思います。第1に、2007年10月のピークまでの景気拡大局面で染みついてしまった輸出依存体質です。しかし、我が国からみた輸出、すなわち、諸外国からみた輸入需要は、国内生産と国内需要の残差で決まる部分が大きく、諸外国で国内需要が落ち込めば国内生産でほとんどが足りてしまい、いわゆる輸入に需要が漏れる部分が急激に小さくなるのも事実です。国内需要が▲2-3%しか減少していないにもかかわらず、輸入に漏れ出す、すなわち、我が国の輸出需要に相当する部分は比率として格段に大きく、例えば、2桁の減少につながる場合もあり得ます。例えば、米国の2008年10-12月期のGDP統計を見ると、実質GDPは前期比年率で▲3.8%の減少なんですが、実質輸入は▲15.7%、財輸入に限れば▲18.8%の減少となっています。国内需要が縮小すれば、その数倍の輸入需要が縮小しますから、日本からの輸出も大幅減少となります。このように、諸外国の国内需要に比べて輸入需要の変動が格段に大きいことが指摘できます。加えて、日本国内で輸出の乗数効果が相対的にも絶対的にも大きくなっていた可能性があります。ケインズ的な乗数効果は公共投資だけでなく、民間投資からも輸出からも生じることは明らかですが、輸出が日本の国内生産を増加させる乗数がかなり大きくなっていたんではないかと私は感じています。実際に、内閣府の短期日本経済マクロ計量モデルの乗数について、世界需要増加ケースの実質GDP成長率への影響を詳しく検証すると、2004年版2005年版より2006年版でかなり大きくなったように見受けられます。ただし、2008年版ではまた小さくなっています。もちろん、そんなに大きな違いではありませんし、マクロ計量モデルの乗数分析に大きな信頼を置くのはムリがありますが、財政乗数のようにリカード等価原理も輸出乗数には関係ありませんし、一気に進んだグローバル化のひとつの影響として、輸出の乗数が大きくなっていても不自然ではないような気がします。第2に、デフレ体質です。景気後退局面に入るとともに物価が下落を始めれば、古典的な意味でも現代的な意味でも、確実に景気後退はより深く厳しくなります。深くなる分、長くなる可能性もあります。基本的に、デフレに陥るかどうかは金融政策の責任だと私は考えているんですが、もちろん、原油をはじめとする商品市況や賃金上昇に影響する労働市場の構造も大きな要因です。1997年の日本の景気後退は消費税率の引上げにも一部起因していますから、この時はデフレ懸念はなかったように記憶していますが、今世紀に入ってからは、ITバブル崩壊後の景気後退期にデフレに陥ったことは記憶に新しく、2001年ころの日本の成長率は米欧を下回っているのはデフレの影響である可能性が大きいと私は考えています。そして、現時点でも、年央を待たずに日本の物価はマイナスに陥ることが確実視されており、かなりの程度にデフレ期待が織り込まれている可能性があることから、これが景気の落ち込みを大きくしている可能性も排除できません。第3に、官庁エコノミストとしては言いにくいんですが、政府・日銀の経済政策の失敗も考えられます。2001年からのデフレは明らかですし、1997年からの消費税引上げや金融機関の破綻のあり方など、政府・日銀の政策対応が景気後退の深さを増幅している可能性も排除できません。詳細は忘れましたが、「日経ビジネス」の昨年10月か11月ごろの号で、東洋大学の高橋教授が2006年に実施された定額減税廃止と日銀の利上げを政策対応の失敗として上げていた記事を読んだ記憶があります。でも、やや記憶は不確かです。もっと記憶が確かなのはごく最近の「エコノミスト」で財政政策の効果が小さくなっているのをリカード等価原理で説明している論調を見かけたことです。2009年2月17日号の「総額129兆円の経済対策はなぜ効かなかったのか」と題する田中教授の記事だったと記憶しています。現在の内閣支持率や定額給付金に対する国民の意見を総合的に考えると、政府や日銀の政策への信頼感が欠如していて、景気後退の深さを増している可能性は否定できません。最後に、第4に、ではないんですが、そもそも、日本の景気の落ち込みがホントに大きいのかどうかについても考える必要があります。最初の表で、国内総生産 GDP の▲3.3%減に対して、国内総所得 GDI は▲1.4%にとどまっています。この5-6四半期の間は商品市況が高騰していましたから、GDP に比べて GDI の伸び率は一貫して下回っていたんですが、昨年2008年10-12月期はこの動きが逆転しました。一般的な GDP 成長率は▲3.3%減と年率2桁マイナスかもしれませんが、実勢の景気では GDI に示された▲1%台半ばのマイナス成長が実態なのかもしれません。これであれば米欧と比較しても、米国よりはやや大きなマイナスですが、欧州のEU15か国よりマイナス幅はやや小さく、総じて見れば米欧と同じくらいのレベルといえます。しかし、米欧との比較抜きで考えると、大きなマイナス成長であることに変わりはありません。

以上、いずれの理由も決定打でないですし、最後の観点は問題の所在そのものを否定しかねないことは理解しています。ですから、日本の景気後退が事前にあれほど軽微だと考えられていたにもかかわらず、昨年10-12月期と今年1-3月期だけなのかもしれませんが、これほど米欧をはるかに上回る景気悪化に見舞われたのかは、依然として大きなパズルとして残っているのかもしれません。

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2009年2月15日 (日)

ボーイスカウトのスキー合宿から下の子が帰宅する

ボーイスカウトのスキー合宿から帰って来た下の子

一昨日、ボーイスカウトのスキー合宿に出かけた下の子が、今日の夕方に帰って来ました。見るからにバスの乗り物酔いのダメージは大きかったようですが、しっかりとスカウト団の認定級も昨年よりひとつ上げて、スキーも合宿も楽しんで来たようです。そんなに雪焼けしているように見えませんでした。この週末、少なくとも東京ではかなり気温が上がったんですが、スキー場は少し雨が降ったくらいで、特に問題なかったようです。ゲレンデで土が見えるくらいに雪が解けたとか、かまくらが崩れたとか、雪崩に注意とかニュースで言っていましたが、小学生のスキーには大きな関係はなかったようです。
我が家の下の子は夏の合宿もさることながら、冬のスキー合宿が大好きです。我が家では夏の海水浴は行くんですが、家族そろって冬のスキーに行くわけではないこともありますし、何といっても、おにいちゃんとともに下の子も赤道直下の熱帯のジャカルタからの帰国子女ですので、スキーやスケートなどのウィンター・スポーツには小さいころは縁がありませんでしたから、下の子は雪が大好きで、それだけの理由で北海道の大学に行きたいと言っていたこともあります。もっとも、昨年3月に日銀を見学した直後には日銀に就職したいと言っていましたし、この先いろいろと揺れ動いたりするんだと思います。話をジャカルタに戻すと、私の記憶では、我が家がジャカルタにいた最後の年くらいに、シンガポールにスケート場が出来たと話題になっていたように覚えていますが、ジャカルタにはスキーやスケートに関する施設は何もありませんでした。さらに、ボーイスカウトの夏キャンプは富士五湖や内房の海水浴など、電車で行くことも多いんですが、冬のスキーの往復は必ずバスですから、このバスも楽しいようです。我が家は自動車を持っていないので、子供達はおにいちゃんも下の子も、やや乗り物酔いには弱くて、下の子もバスそのものは苦手なんですが、ボーイスカウトの合宿に行くバスだけはダメージは変わらないものの、オヤツは出るわビデオの放映はあるわで、とっても楽しいらしいです。行き帰りとも乗り物酔いと格闘しつつ、しっかりと前の方の席を確保してビデオも楽しんで来たらしいです。行きはドリフターズの「8時だよ、全員集合」で、帰りはアニメの「森のリトル・ギャング」だったそうです。

下の子は野外の活動を眼目にボーイスカウトに参加したんですから、夏季キャンプとともに、冬のスキー合宿も大いに楽しんで来たようです。

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今年のポケモン映画は『アルセウス 超克の時空へ』

ポケモン映画「アルセウス 超克の時空へ」

今朝、おにいちゃんといっしょに12チャンネルの「ポケモン・サンデー」を見ていると、今年のポケモン映画は「アルセウス 超克の時空へ」に決まったと報じていました。7月18日の封切りだそうです。我が家は春休みにはケロロ軍曹の映画、夏休みにはポケモン映画と相場が決まっています。万難を排して、必ず見ると思います。なお、上の画像はどこかのサイトで収集した映画のポスターなんですが、特に、新しいポケモンに馴染みのない人には、どれがアルセウスなのか判然としません。ということで、下の画像がアルセウスです。

アルセウス

私はよく知りませんが、アルセウスはポケモンの神様なんだそうです。なお、今年の映画は一昨年からのダイヤモンド・パール3部作の最終作だそうで、◆ポケモン映画公式サイト「アルセウス 超克の時空へ」◆では、前2作の「ディアルガ vs パルキア vs ダークライ」と「ギラティナと氷空の花束シェイミ」のストーリーのおさらいをしてくれるサイトもあります。もちろん、DVD の宣伝もあります。私が購読しているメールマガジンの購読申込みへのリンクもあります。

川上未映子『先端で、さすわさされるわそらええわ』(青土社)

ポケモンとは何の関係もなく、昨年、第138回芥川賞を受賞した川上未映子さんの詩集『先端で、さすわさされるわそらええわ』(青土社)が第14回中原中也賞を受賞したそうです。昨夜のエントリーでも書いた通り、私はブログを書き始めた2005年8月以降の芥川賞受賞作品は余さず読んで読書感想文をブログにアップしていますが、それらの作品の中で川上未映子さんの「乳と卵」は頭抜けていると私は受け止めています。昨年のこの時期に「乳と卵」の読書感想文をアップした際、「スター誕生」かもしれないと書いた記憶があります。芥川賞を受賞した作家をもう少し長く最近10年余りに広げて考えても、1998年授賞の「日蝕」の平野啓一郎さんにほぼ匹敵し、2003年の「蛇にピアス」の金原ひとみさんを凌駕しているような印象があります。ここ10年ほどの芥川賞受賞作家で川上未映子さんと比べ得る作家はこの2人の他にはいません。あえて言えば、さらに前の芥川賞受賞作家で川上弘美さんや小川洋子さんまでさかのぼる必要がありそうです。私がこれまでに傾倒した作家はヘミングウェイから始まって何人かいて、サリンジャーやフィッツジェラルドなどのロストジェネレーションのバードボイルド調の作品、日本人では村上春樹さんや吉本ばななさんなどですが、ひょっとしたら、川上未映子さんの作品も集中的に読むかもしれません。早速、今日も図書館で『先端で、さすわさされるわそらええわ』を予約しました。ただし、誠に申し訳ないのですが、現時点まで、川上未映子さんの作品は借りて読んでいるばかりで、1冊も買ったことはありません。そのうちに考えたいと思います。

このエントリーは久し振りに「ポケモンの日記」に分類しておきます。

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2009年2月14日 (土)

芥川賞受賞の津村記久子『ポトスライムの舟』(講談社)を読む

津村記久子『ポトスライムの舟』(講談社)今日は、暖かなお天気に誘われて、午後、青山の家から近い港区の区立図書館に行きました。先日2月10日に発売された『文藝春秋』の3月号を借りて第140回芥川賞を受賞した津村記久子さんの「ポトスライムの舟」を読みました。昨年10月号の『群像』所収です。でも、左上の画像のように、今月初めに講談社から単行本として刊行されましたので『ポストスライムの舟』と二重カッコ書きにするのが正しいのかもしれません。繰返しになりますが、私は『文藝春秋』で選評とともに読みました。画像に見えるように、宮本輝さんの選評が帯に印刷されていて好評だったんですが、私が見た範囲では押並べて選者の評価は高かったような気がします。東京都知事の石原慎太郎さんですら消去法の繰上りと称しつつ一番手に上げていました。でも、私が最も共感したのはいつもの山田詠美さんの評で「書かれるべきことが切れ良く正確に書かれている」というものでした。なお、芥川賞の選からは漏れたものの、私が先月1月8日のエントリーで取り上げた田中慎弥さんの『神様のいない日本シリーズ』(文藝春秋) の評価も気になったんですが、宮本輝さんの「『神様』なるものの存在感をどこにも見出すことができなかった」とか、山田詠美さんの「ドアの向こう側に、実は息子がいなかったとしたら、大成功だったような気もする」との評価に同意しつつ、さらに、「ゴドーを待ちながら」を中学生が演劇で取り上げる不自然さや異常さを指摘した評が極めて多数ありました。そういえば、そうかもしれません。バックグランドはこれくらいですが、今日のエントリーにはネタバレがあるかもしれません。未読の人はご注意の上、自己責任で読み進んで下さい。
あらすじについて、主人公はナガセというアラウンド・サーティの女性でまだ結婚していませんが、大学のころの友人には結婚して子供がいる女性もいます。この小説の最後の方で30歳を迎えます。母親と奈良にある築50年の家に2人暮らしですが、大学の友人が居候することもあります。大学を卒業して就職した会社でモラルハラスメントを受けて退職し、乳液を作っているので化粧品か何かの工場だと思うんですが、派遣社員としてラインで働きつつ、夕方から夜にかけては喫茶店でバイトしたり、週末はパソコン教室の講師をしたりしています。工場で見かけた世界一周旅行のポスターに目が止まり、その旅行代金が工場での派遣社員としての年収にほぼ匹敵し、まあ、一念発起とまではいかないんですが、1年かけてこの金額を貯金する期間が小説に収められています。もちろん、いろんなことが起こりますが、はなはだ突飛な事件はありません。大学の友人が居候に来て離婚するくらいです。ただし、男性は出て来ません。話題として触れられるだけです。女性ばかりの登場人物の間で関西弁の会話が交わされ、想像を絶するような大事件が起こらないという意味で、昨年のこの時期に第138回芥川賞を授賞された川上未映子さんの「乳と卵」に似通った点がいくつかあるような気がします。でも、残念ながら、「乳と卵」ほどの緻密な完成度の高さは見受けられません。樋口一葉といった特別のテーマはなく、文体も凝ったものではなく、関西弁の会話のテンポも上がらず、淡々と物語は進みます。主人公が世界一周旅行の代金を貯めるに当たって、無駄遣いしたと考えた時に手帳につけるメモが印象的です。小説を上手に画しています。体育の日の停電のシーンはやや不要な気もしますし、今どき停電するかねとも思いますが、タイトルにもしたポトスの食べ方を考えるくだりなどは秀逸だと感心しました。その昔に第130回芥川賞を受賞した金原ひとみさんの『蛇にピアス』なんかと違って、特別な現代の風俗を描くでもなく、でも現代的な雰囲気は十分に伝わります。一昨年の第136回芥川賞を受賞した青山七恵さんの「ひとり日和」のように、若い年代の主人公の成長もないような気がしますが、見方を変えれば、頼りなく見えながらもアラサーのたくましい関西女性が描かれているとも言えます。いろんな友人が居候に来る築50年の家も存在感があります。

ここ2-3年で、ほぼ毎回の芥川賞はこのブログで取り上げているつもりで、私が取り上げた範囲では、昨年の第138回芥川賞の川上未映子さんの「乳と卵」がいろんな意味で群を抜いていました。やや差が大きいと感じますが、この「ポトスライムの舟」も順番としては「乳と卵」に次ぐくらいの出来栄えだと思わないでもありません。多くの方が手に取って読むことを願っています。

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2009年2月13日 (金)

昨年10-12月期GDP1次速報は大幅なマイナス成長か?

来週月曜日の2月16日に内閣府から昨年10-12月期のGDP速報、エコノミストの業界で1次QEと呼ばれている指標が発表されます。昨年4-6月期が季節調整済みで前期比▲1.0%、7-9月期も▲0.5%と2四半期連続でマイナス成長を記録しましたので、日本経済は本格的なリセッションに入っていると評価できるんですが、10-12月期も3四半期連続で、しかも、大幅なマイナス成長を記録すると大方のエコノミストは考えています。
この統計について、シンクタンクや金融機関各社の予想が今週に入って出そろいました。金融機関などでは顧客向けに出しているニューズレターでクローズに公表する形式の機関もありますし、私もメールなんかに添付してもらっているリポートもあるんですが、今夜のところはネットに PDF ファイルなどでオープンに公表している機関に限って取り上げています。下の表の通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しました。なお、詳細な情報にご興味ある方は左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ pdf 形式のリポートがダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールされてあって、別画面が開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研▲2.7%
(▲10.4%)
輸出の急減により、年率▲10.4%の二桁マイナス成長に
みずほ総研▲2.6%
(▲10.2%)
輸出の急減を主因に年率2桁のマイナス成長に
三菱UFJ証券▲3.6%
(▲13.6%)
輸出、設備投資が大幅に落ち込んでいる
第一生命経済研▲3.5%
(▲13.3%)
前期比年率▲13.3%と、過去最大の落ち込みに
三菱UFJリサーチ&コンサルティング▲3.8%
(▲14.2%)
世界的な不況の広がりを背景に大幅なマイナス
ニッセイ基礎研▲3.0%
(▲11.5%)
輸出が前期比▲13.2%、外需寄与度が前期比▲2.1%といずれも過去最大の落ち込み

要するに、各機関ともそろって年率2桁マイナスを予想しています。しかも、その主因も輸出の落ち込みですから、円高の進行と世界不況の影響であることは明らかです。ということで、私もまったく同じ見方です。昨年10-12月期はどう考えても2桁マイナスの成長だったようです。長崎には夕刊がないんですが、来週月曜日のGDP1次QE発表後に、かなり前からこれだけ明白に予想されていることながら、新聞やテレビなどのメディア各社は騒ぎ立てることと思います。さらに、現在進行形の今年1-3月期も2桁前後のマイナス成長、控え目に言っても2桁近いマイナス成長と私は考えています。もちろん、まだ1-3月期は半分も終わっていませんから、これから何かがある可能性は否定できませんが、スラッと考えると、財政年度の2008年度は4四半期連続でマイナス成長となる可能性が極めて高いと私は考えています。その中でも、昨年10-12月期と今年1-3月期が現在の景気後退局面の中でも最も低い成長率を記録することになるのは従来から主張している通りです。ただし、今年4-6月期はプラス成長を記録する可能性が残されているのも事実です。例の定額給付金の経済効果次第です。さらにスラッと考えると、再び7-9月期はマイナス成長に舞い戻り、その後、今年10-12月期から来年1-3月期くらいにかけてゼロ近傍からプラスの成長を取り戻し、来年前半には景気の転換点を迎える、というのが私にとってもっとも蓋然性の高いシナリオのように受け止めています。来年になってもプラス成長にたどり着きそうもなかったら、真剣にデフレスパイラルの心配をする必要があるんでしょうが、現在の日銀はこれを回避することが十分可能だと私は考えていることは、先月1月23日付けのエントリーで取り上げたと記憶しています。

ボーイスカウトのスキー合宿に出かける下の子

最後に、来週発表の1次QEとは何の関係もなく、上の写真はボーイスカウトのスキー合宿に出かける下の子です。ビーバー隊からカブ隊に上進して3年目で3回目のスキー合宿です。今年の秋にはボーイ隊に上進する節目を迎えます。勉強だけでなく、スカウトのいろんな活動に参加してたくましく育てたいと思います。

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2009年2月12日 (木)

米国の金融安定化策の評価

一昨日、2月10日にガイトナー米国財務長官から金融安定化策 (Financial Stability Plan) が発表されましたが、マーケットは評価せず株価は下落しました。米国経済に関しては議会で調整の続いている財政支出策の方も興味あるんですが、ブッシュ政権下で実現した不良資産救済プログラム (TARP) の残りの部分ですから、本来の金融安定化についてはコチラも重要です。ホントは昨日のうちに取り上げるべきトピックだったんですが、休日出勤で期末試験の採点をしていたりして、今夜のエントリーにズレ込んでしまいました。悪しからず。

米国の金融安定化策のイメージ

まず、上の画像は読売新聞のサイトから引用しているんですが、これに即して米国の金融安定化策のいくつかのポイントをごく簡単に取りまとめると、以下の通りです。上の画像の右から順に、第1に、いわゆるバッドバンクを官民で設立し、不良債権を買い取ります。第2に、TARP の残りの3500億ドルの資金による半ば強制的な予備的資本注入です。第3に、ターム物を担保にした連邦準備制度 (FED) からの貸出しを5倍の1兆ドルに拡充し、適格担保証券も拡大するものです。第4に、住宅価格の低下でネットの債務超過に陥っている住宅ローンの借り手救済ですが、かけ声だけで詳細発表は後日に引き延ばされました。
私の評価について、やや順序が入違いになりますが、いくつかの上のポイントと関係させて述べると以下の通りです。まず、従来から私は予備的な資本注入の必要性を取り上げていましたが、今回は最悪のタイミングで、すなわち、銀行幹部の高額給与を米国政府がバッシングする中で資本注入の策が決まったものですから、当然に政府からの締付けや管理が強化されることが大いに予想される公的資本注入を忌避する結果にならないかと危惧しています。まあ、銀行経営陣からすれば、責任を問われずに資本注入してもらうという安易な救済はないことになります。オバマ政権でも銀行救済には慎重な姿勢がうかがえます。ですから、もしも、公的資本注入を回避するために、大規模なリストラを行ったり市場における資本調達を強引に進めたりすると、逆に、銀行のバランスシートの急激な縮小や金融市場の資金不足を助長する結果にもなりかねません。また、現在の米国議会における財政刺激策とも大いに関係しているんですが、TARP を超える資金手当が示されませんでしたから、金融安定化に回せる財政資金の限界がマーケットから見透かされているような気がします。特に、本格的にバッドバンクに取り組むにはかなりの財政資金を投入する必要がありますから、どこまで本腰を入れたバッドバンクが出来上がるのか少し疑問です。場合によっては、政府の締め付けを回避するという民間銀行側の利害と財政資金が不足するという政府側の利害が一致して、民間資金だけでバッドバンクを立ち上げることになる可能性も否定できないと私は考えています。いずれにせよ、財政資金が不足するのであれば、FED の流動性供給に依存する部分が高くならざるを得ないと私は見ています。最後に、オバマ大統領はサブプライム・ローン問題の借り手救済に関して、差押え防止基金のようなものを設立して、借り手の救済を実施すると公約して来たんですが、これが進みません。あるいは、住宅価格の上昇を待っているフシがないでもないんですが、すでに、ネットで債務超過に陥っている借り手も少なくありませんから、そんなに悠長に待っていられるものでもありません。今月中くらいに詳細が公表されると聞き及んでいますが、財政資金の不足やバッドバンクとも大いに関係しますので、オバマ政権の支持基盤の有力な一部を成している借り手救済がどのように進められるのか、大いに興味があります。米国の新しい大統領は就任から100日が重要だと言われていますが、どこやらの国の総理大臣が100日ほどで内閣支持率を大幅にダウンさせた例もありますし、オバマ大統領の支持率にも影響を及ぼしかねません。

ガイトナー財務長官もオバマ大統領も日本のバブル崩壊後の経験を踏まえて、スピード感を重視しているように見受けられます。例えば、少し前の Wall Street Journal の記事で、"Geithner: Speed Is Key to Recovery" とか、"Obama Warns of 'Lost Decade'" といったスタンスをよく見かけます。まあ、日本のバブル後の大きな景気後退や今世紀に入ってからのデフレなどの10年不況も世界的には反面教師として役立っているのかもしれません。

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2009年2月11日 (水)

どうにも違和感のある九州言葉

最近、親不知が炎症を起こして歯医者に行ったり、花粉症の薬をもらうために耳鼻科・アレルギー科に行ったりしているので、ついつい、年齢的なものもあって、東京に帰宅しない時の長崎ローカルで、同僚や知り合いと食事時なんかに話す話題はビョーキに関するトピックが増えています。中には、整形外科の話題も出て、私も肩凝りがひどい時には参考にしようと考えていたりします。
そこで、私が九州言葉に感じている違和感の正体を見極めたんですが、どうも、長崎に限らず、九州では「せる」、「させる」、「れる」、「られる」、「される」などを受け身ではなく、敬語の意味で使うことに気付きました。「xx されて下さい」という表現が非常に多いです。「下さい」=please が付く場合が多いので、そんなに意味を取り違えることはないんですが、大きな違和感があります。私の知り合いが50肩だか、何だかで整形外科に通って、「肩を回されて下さい」と言われたので、腕を横に突き出して医者か看護師が肩を回すのを待っていたところ、何も起こらない上に、医者や看護師の方も怪訝そうで、九州の言葉で「肩を回されて下さい」とは、受け身ではなく「肩をを自分で回して下さい」との意味だと、しばらく経ってから理解したようです。私も同じような経験をしたことがあり、先日も、東京の下の子が長崎のチャンポンを食べたいと言うので、とあるデパートの地下で探していたんですが、デパ地下やスーパーなどで試供品を差し出されては「おひとつ食べられて下さい」と言われたりすると、鬼に食べられるような印象を持って、大きな違和感を感じることがあります。
当然ながら、これだけテレビが発達しているんですから、日本の大部分で標準語に近くなってきているような気もしますが、まだまだ、各地に方言は残っていますし、京都なんかは意図的に残そうとしているように感じないでもありません。私が役所で働き始めた最初の年の年末に資料整理をしていて、資料を「ほかす」と「のける」がまったく通じなかったのをショックに感じたことを覚えています。「ほかす」とは捨てることで、「のける」とは残しておくことです。また、単純な表現上の問題だけではないんですが、年末年始の物価対策などで、イクラはサザエさんにも出て来ますからいいとしても、スジコは関西人の私は存在すら知りませんでした。大学を卒業してすぐくらいの年齢における世界の狭さを感じたものです。

ようやく春が近付いている雰囲気になって、いい季節を迎えつつあるんですが、個人的には大忙しでまったく時間がなくなりつつあります。今日は仕方がないので大学に休日出勤して研究室でシコシコと期末試験の採点をしていました。長崎に赴任した直後の夏休みも忙しかったですが、東京にある研究機関の特別研究員を引き受けて、東京と長崎の生活が半々になったこともありますが、やっぱり、この春休みも大忙しです。

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2009年2月10日 (火)

経済学的に考えて正しい雇用対策とは何か?

今さら、私が申し上げるまでもなく、雇用、特に非正規雇用の削減が大きなトピックになっています。例えば、1月30日に厚生労働省から発表された「非正規労働者の雇止め等の状況について」では、昨年10月から本年3月までに実施済み又は実施予定として、非正規労働者の期間満了や解雇による雇用調整は1,806事業所、約12.5万人となっています。就業形態別の割合をみると、派遣が68.7%、期間工などが18.6%、請負が8.4%となっています。当日のこのブログでも簡単に取り上げた記憶があります。
経済学的には、従来からボーナスなどの賃金=価格で調整がなされていた日本の雇用について、最近時点では雇用者数=量で調整がなされるようになった可能性があると私は考えていて、そのうちに研究論文でも取り上げようと考えているところです。最近時点でのトピックとしては、内部留保を取り崩して雇用者を増やす、あるいは、賃上げをするということも主張されたりしています。特に、最近の生産などの経済指標を概観する限り、非正規雇用にとどまらず、正規雇用のいわゆるリストラに雇用調整が進むと考えられますので、雇用についても私なりに考えています。
雇用について考える前提として、そもそも雇用を行う企業とは経済学的にどう把握されているのかは、伝統的には利潤を極大化する行動原理に沿っていると前提されています。しかし、この伝統的な見方には異論がないわけではなく、一例を上げると、2006年にノーベル平和賞を受賞したバングラデシュのグラミン銀行とその総裁・創立者であるユヌス教授の考えの中にあるソーシャル・キャピタルです。簡単に言うと、社会的な厚生関数を最大化すると定義できると私は考えています。フランスの食品会社であるダノンが協賛していることは有名です。私も昨年2008年11月12日付けのエントリー「日本企業の社会的な役割とは何か?」において、「日本企業の最大の社会貢献は従業員への OJT 」であると書きましたし、一定の理解を得られる考え方かもしれません。なお、付言すると、ユヌス教授の最近の著書である『貧困のない世界を創る』では、利潤極大化行動に付随する CSR は真っ向から否定されています。私も CSR でもってコーポレート・ガバナンスを発散させる傾向が日本企業に強いことから、CSR に関する否定的な考え方はまったく同感です。
しかし、企業の社会的責任を振りかざしても経済理論は強力で、現実世界ではリストラが実施されようとしています。私はゲーム論には詳しくないんですが、個別の企業単位で見るとリストラによる収益回復は「囚人のジレンマ」の解になっていて、これはこれでナッシュ均衡です。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」式に雇用の増加や賃上げをいっせいに行って「囚人のジレンマ」のナッシュ均衡を破り、かつ、景気拡大にもつなげる道はないものかと考えましたが、少なくとも自然体の市場経済の下ではあり得ないとの結論に達しました。同時に、考えがまとまりませんが、政策的になんとか出来る方策も考え付きませんでした。経済理論の中でも数学的に証明されているナッシュ均衡は特に強力です。
他方、現在の市場経済における均衡が何らかの意味で望ましくないのであれば、政策的に歪めることが考えられます。表現が好ましくなければ、市場経済の歪みを経済政策により是正する、と言い換えても同じです。以下、同旨ですので、念のため。さて、市場経済とは価格をシグナルに最適な資源配分を行うメカニズムですから、価格を歪めれば均衡点は変化します。もちろん、直接的に賃金や価格を統制することは市場経済では推奨されません。しかし、経済政策の本質は市場経済の均衡が何らかの意味で望ましくない場合に、何らかの歪みを市場にもたらして均衡点を別のところに移動させることであると私は考えています。別の表現では社会的厚生を増大させることとテキストでは教えられていると思いますが、まったく同じ意味です。景気後退期の経済政策として金利の引下げが行われますが、資本ストックのコストが引き下げられる一方で、賃金に下方硬直性があれば相対的に割高となる労働ストックを削減するインセンティブが働くことになります。特に、量的に需要が減少している局面ではなおさらです。生産可能性曲線の上で資本と労働の相対価格が、利下げと賃金の下方硬直性によって資本に有利な方向に変化するわけですから、限界変形率と相対価格が一致する生産可能フロンティア上の点まで資本を増加させて労働を削減する方向に均衡点は移動します。利下げはボリュームとして投資を拡大させて総需要を増加させ、生産可能性フロンティアを拡大する有効な手段ではあるんですが、賃金の下方硬直性がある世界で相対価格に対する効果としては、価格面から資本ストックを増加させて労働ストックを削減する効果を持つのは事実です。もっとも、以前の日本経済ではボーナスなどによって賃金の柔軟性が維持されていて、大きな雇用削減につながらなかった可能性もあります。
それでは、まず、価格面を考えて、どうすれば資本と労働の相対価格を労働に有利な方向に変化させるかといえば、ひとつはワークシェアリングに代表されるように、賃下げと雇用増を同時に達成する方法です。もうひとつは税制を活用する方法です。税制といえば、消費税ばかりが話題に上り、ボリュームとして税収を確保することが重要視されている傾向がありますが、市場経済において価格を歪める強力な政策手段が税制であることも事実です。私は会計実務には詳しくないんですが、企業のコスト計算で労働への賃金支払いが税務上有利になるような税制を考えることも一案です。もしも、雇用の増加に対する国民的なコンセンサスが形成されているのであれば議会において可決されるハズです。歴史的に考えて、議会とは税制に国民の意見を反映させるための制度であることは明らかです。また、生産物単位で計った実効賃金を考えると、同じ名目賃金の下で働く労働者の技能を上昇させることも考えられます。名目上の賃金は変化しなくても、成果物として生産される製品の質が向上したり、量が増加したりすれば、実効単位で計った賃金が低下する可能性があります。しかし、今までもこういったスキルアップの政策が実行されて来ましたが、どこまで効果があったのか、私は疑問です。次に、量の面を考えると需要拡大策が有効です。資本と労働の相対価格が変化しなくても、生産可能性フロンティアが拡大すれば相対的な資本ストックと労働ストックの雇用量は変化しなくても、量的に依然と同じ労働の雇用量が確保される可能性は大いにあります。でも、定額給付金に対する国民の反応などを見る限り、少なくとも将来の増税との関係において、大きな支持は得られていないように見受けられます。

もしも、ホントに雇用が問題であると国民の間にコンセンサスがあるのなら、企業をやり玉にあげて雇用の確保や賃上げを迫るのではなく、経済政策的に価格か需要かで市場経済の均衡点を歪める、あるいは、お好みにより言い方を代えれば、市場経済の歪みを正す政策が必要です。市場経済の中で「赤信号、みんなで渡れば怖くない」式の解決は望み薄のようです。

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2009年2月 9日 (月)

機械受注統計は設備投資の底打ちを示唆しているか?

本日、内閣府から昨年12月の機械受注統計が発表されました。設備投資の先行指標となる電力と船舶を除く民需の、いわゆるコア機械受注は市場の事前コンセンサスの▲8.6%減に対して、マイナスはマイナスであるものの、季節調整済みで前月比▲1.7%となり、ややポジティブ・サプライズと受け止められています。さらに、12月の統計が発表されましたので、先行きの今年1-3月期の予想も+4.1%となっています。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

内閣府が9日発表した08年10-12月期の機械受注統計によると、設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」(季節調整値)は前期比16.7%減の2兆3956億円となった。減少率は08年7-9月期などの10.4%を上回り、比較可能な1987年4月以降では最大の落ち込みを記録した。減少は2四半期連続で、設備投資の不振が一段と鮮明になった。
同時に発表した08年12月の数字は前月比1.7%減の7416億円。減少率は前月の16.2より縮小したものの、水準自体は21年5カ月ぶりの低さとなった。内閣府は基調判断を2カ月連続で「機械受注は大幅に減少している」とした。

次にグラフを3枚並べています。一番上のパネルはコア機械受注と後方6か月移動平均で、左軸の単位は兆円です。真ん中のパネルは達成率で、左軸の単位は%です。下のパネルは長崎ローカルで注目されている船舶の受注残高と手持ち月数で、赤い折れ線が船舶の受注残高で右軸の単位は兆円、青が手持ち月数で左軸の単位は月です。影を付けてあるのはいずれも景気後退期です。

機械受注統計

まず、何といっても注目されるのはコア機械受注が下げ止まりの気配を見せているのかどうかですが、私の見方は否定的です。理由のひとつは、引用した新聞記事にもある通り、昨年10-12月期の前期比は▲16.7%と過去最大の下落だったんですが、そもそも、9月時点では+1.2%増と上向く予想だったにもかかわらず、結果はこの通りですから、9月中旬のリーマン・ショック以来のつるべ落としの景気悪化を考慮しても、現時点における1-3月期予想の+4.1%増はかなり割り引いて考える必要があります。単純に計算するだけでも、今年1月から毎月3か月連続で+5.8%増となる必要があり、少なくとも、これだけから見てもムリそうな気がするのは私だけではないと思います。
次に達成率が低下していることです。真ん中のパネルの通りで、経験的に景気後退局面においては達成率がコンスタントに90%を下回る四半期が連続で観察されるんですが、今年1-3月期についても、達成率は控え目に言っても100%を下回ることが予想されますから、現時点での予想が+4.1%増なのであれば、達成率だけで吹き飛ぶ可能性もあります。加えて、12月の▲1.7%減の結果が、11月の▲16.2%減の反動である可能性もあり、もしもそうだとすれば、今年1月に大きなマイナスを記録する可能性も否定できません。今日発表された12月単月の結果だけでなく、私は来月発表の1月の数字がとても気になります。いずれにせよ、少なくとも今年年央まで、おそらく今年いっぱいは軟調な設備投資が続くものと私は予想しています。
最後に、一番下のパネルの船舶については、2002年半ばころからの資源高に支えられて来たのが、さすがに、そろそろ息切れに差しかかっている可能性があります。でも、受注残高、手持ち月数ともかなり高水準にありますし、加えて、少なくとも、目先は別にして長期的にはエネルギーなどの価格が上昇トレンドを回復するであろうことは大方の予想でしょうから、大きな悲観的要素は見当たりません。

景気ウォッチャー調査

最後に、ちょっとついでなんですが、午後に景気ウォッチャー調査がやはり内閣府から発表されました。上のグラフの通りで、1月の景気の現状に関する判断 DI は12月を+1.2ポイント上回り、10か月ぶりの上昇となりました。先週2月3日付けのエントリーで米国のマインド調査を取り上げて、ひょっとしたら、オバマ効果が表れている可能性を指摘しましたが、もちろん単月の結果では何とも言えないものの、米国よりももっとひょっとしたら、日本でもオバマ効果が出始めている可能性もあるのかもしれません。

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2009年2月 8日 (日)

スギ花粉前線に関するお詫びと訂正

一般入試とAO、推薦入試の入学者数先ほど、本日夕方にアップしたエントリーにおいて、2月20日のスギ花粉前線が例年より南下しているので花粉症の季節が早まると書きましたが、まったくの私の事実誤認でした。スギ花粉前線が南下しているのであれば、花粉症の季節は遅くなって然るべきです。お詫びして訂正します。まさかとは思いますが、花粉症のせいで頭の働きまで鈍くなっているのかもしれません。あるいは、今日の休日出勤がダメージになっているのかもしれません。そうです。この季節に花粉症の大学教授がムリをしても出勤しなければならないのは、アレですよ、アレ。右上のグラフは朝日新聞のサイトから引用していますが、アラウンド・フィフティの私なんかの世代が体験した30年前と違って、今ではいろんな種類があるようです。それだけ、教員側の負担も増加しているのかもしれません。私には初めてのシーズンですので、よく分かりません。話が違いますが、本学では「学生による授業評価」なんてのもあります。私が学生だったころは評価される一方だったのに、この年齢で大学教授になると学生からの評価も受けるのかと、損な世代に生まれついたのかもしれないと思わないでもありません。私より10年余り年長の団塊の世代はどうだったんでしょうか。しかし、まだ、役所では部下による管理職の評価は始まっていないようです。私のような出来の悪い管理職は、部下から評価されるのは有り難くないのも事実だという気がしなくもありません。

話があらぬ方向に展開してしまいましたが、スギ花粉前線の南下に関する私の解釈は全面的に間違っていましたので、改めて、お詫びして訂正します。いずれにせよ、くしゃみの連発も始まってしまい、このままでは仕事になりそうもありませんから、明日は耳鼻科に行きたいと思います。

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そろそろ花粉症の季節が始まる

我が家ではおにいちゃんの中学入試でサクラが咲いたことは先週2月2日のエントリーで取り上げましたが、ホントの季節の流れではサクラの前にスギが来ることをすっかり忘れていました。一昨日の金曜日の夕方ころから鼻の具合がおかしくなり始め、このところ、熱心にプログラムを組んで推計を行い、ペーパーをせっせと書いて睡眠時間が不足気味で、少しムリをして体調を崩し風邪でもひいたのかと考えていたんですが、昨日の土曜日には目がかゆくなり始めて、ほとんど外出もせず、花粉症だとハッキリ認識しました。昨日は短時間で済ませた外出時にドラッグストアに入ってマスクを買い求めてしまいました。

平成21年度スギ花粉前線予測

少し旧聞に属するかもしれませんが、上の画像は1月30日に環境省から公表されたスギ花粉の前線予想の地図です。いきなり2月20日から始まっているので油断したわけでもありませんが、通常、首都圏では建国記念日からゴールデンウィークまでと言われている花粉症の季節が南国九州の長崎では少し早いのかもしれません。確かに、下の小さめの地図の過去10年平均を見ると、長崎県は2月10日以前に花粉症が始まるような印象ですし、加えて、過去10年平均より今年は2月20日のラインがかなり南下しているように見受けられ、全国的にも花粉症の季節が早まるようです。そんなに敏感ではない私も2月6日の夕方に発症しましたから、こんなもんだというカンジなのかもしれません。

先週で授業が終わり、今週で期末試験も終え、2月中旬からは春に向かって季節もよくなり、本来であれば、キャンパスライフは楽しくなって然るべきシーズンなんですが、花粉症の人間だけは憂鬱な時期を迎えます。

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2009年2月 7日 (土)

米国雇用統計に見る景気後退

日本時間の昨夜、米国労働省から今年1月の雇用統計が発表されました。昨年11月から3か月連続で毎月ほぼ60万人が職を失い、失業率は昨年年初1-2月の5%を下回る水準からわずか1年で一気に7.6%までハネ上がりました。まず、New York Times のサイトから統計のヘッドラインなどに関する記事について最初の3パラだけを引用すると以下の通りです。

WASHINGTON - The United States lost almost 600,000 jobs last month, and the unemployment rate rose to 7.6 percent, its highest level in more than 16 years, the Labor Department said Friday.
It was the biggest monthly job loss since the economy tipped into a recession more than a year ago, and it was even worse than most forecasters had been predicting.
In addition, the government revised the estimates for previous months to include another 400,000 job losses. For December, the government revised the job loss to 577,000, versus an initial reading of 524,000. Over all, it said, the nation has lost 3.6 million jobs since it slipped into a recession in December 2007.

続いて、先月1月10日に同じく米国雇用統計を取り上げたエントリーでは自分で書いたグラフを示さなかったので、今月は書いてみました。以下の通りです。上のパネルの赤い折れ線が非農業部門雇用者数の前月差で、左軸の単位は千人、下のパネルの青い折れ線は失業率です。いずれも季節調整済みの計数で、シャドー部はいつもの通り景気後退期です。上の引用にもある通り、昨日の発表分から雇用者数のベンチマークが変更されましたが、すべて織り込んであります。

米国雇用統計

さらに、米国メディアのサイトを見ていると、マウスで操作できるインタラクティブなフラッシュ・ファイルを置いていたりしましたので、週末のヒマ潰しというわけでもありませんが、いくつか紹介します。どちらも大胆にも各サイトに直リンしています。上のフラッシュは記事の引用と同じ New York Times のサイトから、下のフラッシュは Los Angels Times のサイトから引用しています。トップページで見かけたんですが、後者のリンク先 URL は紛失してしまいました。悪しからず。


先月1月10日のエントリーでも紹介したミネアポリス連銀の "The Recession in Perspective" と題するサイトでは着々と1か月分のデータの更新がなされています。リセッションの期間が先月より1か月長くなっているのは当然ですが、深さの方も厳しさを増していることがうかがえます。今日のエントリーでは先月のようにグラフを引用することはしませんので、ご興味ある方は上のリンクをご覧下さい。

改めて、自分で書いた最初のグラフを見て、親子で米国大統領を務めたブッシュ父子の大統領在任期間は雇用の面ではとても成功だったとは言えないことに気づきます。大雑把にクリントン元大統領の在任期間とブッシュ前大統領の在任期間を見て、後者の景気回復が "jobless recovery" と呼ばれていたことが実感できます。経済面に限れば、米国内にとどまらず世界から現在のオバマ大統領に期待が集まるのも当然かもしれません。

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2009年2月 6日 (金)

景気動向指数に見る日本と世界の景気後退

本日午後、内閣府から昨年2008年12月の景気動向指数の速報値が発表されました。2005年を100とした季節調整済みの一致指数は前月比で▲2.6ポイント低下して92.3となりました。後で表を示しますが、一致指数のピークである一昨年2007年8月の105.7から累積で▲13.4ポイント下がったことになります。景気後退が深刻になって来ていることが数字の面でも裏付けられたと私は受け止めています。加えて、この数字は外れ値を刈り込んで除外している可能性がエコノミストの間で指摘されていて、極端に弱い数字で刈り込まれたのを入れると実態はもっと悪化している可能性も排除できません。また、12月の先行指数も前月差で▲2.0ポイント低下し、少なくとも年央から7-9月期くらいまで景気が回復する見込みは薄そうな気がします。まず、毎日新聞のサイトから記事の最初のパラグラフだけを引用すると以下の通りです。

内閣府が6日公表した昨年12月の景気動向指数(速報値)によると、景気の現状を示す「CI」(合成指数、05年=100)の一致指数は前月比2.6ポイント下落の92.3だった。5カ月連続の下落で、下落幅は過去3番目の大きさ。内閣府はCIに基づく景気の基調判断を「悪化」で据え置いた。

続いて、一致指数と先行指数のグラフは以下の通りです。青い折れ線が一致指数、赤が先行指数で、シャドー部はいつもの通り景気後退期です。

景気動向指数

さらに、いつも書いている表ですが、景気動向指数は昨年4月公表分から CI になり、DI の時と違って方向性だけでなくボリューム感も見て取れるようになりましたから、景気動向指数のうちの一致指数の動きについて、上のグラフに現れる限りの1980年代からの景気後退期と現在の景気後退における、直前のピークからトラフまでの下落幅と下落率を比較したのが次の表です。なお、ピークの月は景気動向指数のうちの一致指数がピークを付けた月であって、いわゆる景気循環日付とはズレを生じている場合があります。

下落幅 (率)
1980年2月 82.81983年2月 74.9▲7.9 (▲9.5%)
1985年7月 84.81986年11月 79.4▲5.4 (▲6.4%)
1991年1月 103.51993年12月 79.9▲23.6 (▲22.8%)
1997年5月 95.81998年10月 84.0▲11.8 (▲12.3%)
2000年12月 95.42002年1月 84.0▲11.4 (▲12.3%)
2007年8月 105.72008年12月 92.3▲13.4 (▲12.7%)

1980年代の2回の景気後退局面は一致指数の低下の幅で見ても下落率で見ても1桁にとどまっていましたが、バブル崩壊後の景気後退は別格としても、世紀の変わり目をはさむ2回の景気後退期ではいずれも2桁となりました。今回の景気後退局面では、まだ底を付けていないにもかかわらず、すでに下落幅で見ても下落率で見ても2桁に達しています。バブル後の景気後退局面と比較するのは時期尚早としても、統計の面からも現在の景気後退がかなり厳しいものであることが裏付けられていると考えるべきであり、これは、かなり景気実感にフィットするという気がします。

1次微分2次微分景気局面
ゼロプラス景気転換点 (底)
プラスプラス拡大前期
プラスマイナス拡大後期
ゼロマイナス景気転換点 (山)
マイナスマイナス後退前期
マイナスプラス後退後期

なお、いつも書いていることですが、現時点の今年1-3月期から4-6月期くらいは景気後退局面の中でも大底の一番暗い局面であると私は考えており、それを統計データの動きに関する簡単な数学的思考によって少し明確にしたいと思います。まず、上の表は、今日発表された景気動向指数や鉱工業生産などの景気に敏感な統計であれば何でもいいんですが、ミッチェル的な景気拡大と後退の2分法をもう少し細かくしたもので、景気の転換点を除けば、景気拡大と後退の両局面をさらに前期と後期に分割することが可能であることを示しています。何で分割するかというと2次微分の符号です。何かのデータ、景気動向指数や鉱工業生産のグラフを思い浮かべると分かりやすいんですが、ミッチェル的な景気の2分法では1次微分が正であって、右上がりになっているのが景気拡大局面と考え、逆に、1次微分が負となって右下がりになっているのが景気後退局面です。1次微分がゼロになるのが景気転換点です。もちろん、景気局面が正確なサインカーブで描かれることはあり得ませんが、例えば、景気後退局面において1次微分が負で右下がりでさらに、まるでバンジージャンプのように、右下がりの度合いが大きくなっている、すなわち、2次微分も負になっているような局面は、特に、景気の大底と見なすことが出来ます。日本においては今年前半、米欧では国によっては今年1-3月期が1次微分が負で右下がりかつ、2次微分も負で右下がりの度合いが大きくなっている局面だと私は考えています。これが、相変わらず右下がりなんだけど、その右下がりの度合いが小さくなる、すなわち、2次微分が正に転ずると、いわゆる下げ止まりの状態に近くなり、一定の期間を経て景気転換点、つまり、底を打つようになります。現在は、上の表で言うと、景気後退局面の前期であり、1次微分も2次微分もマイナスとなっていて、景気が加速度的に悪化している状況と捉えるべきです。しかも、景気転換点を経て1年が経過したにもかかわらず、いまだに景気後退局面の前期にあるわけですから、この先はさらに長い可能性も同時に示唆されています。

OECD/CLI

日本の景気動向指数のついでながら、経済協力開発機構 (OECD) も昨年2008年12月の先行指数 (OECD/CLI) を発表しました。上は日本・米国・欧州についてのグラフです。単位はハッキリしないんですが、long term average = 100 となる指数です。横軸だけでなく、縦軸もスケールを合わせてありますから、日米欧の景気が加速度的に悪化している状況が国別に比較できます。3枚のグラフとも OECD/CLI はまだ1次微分も2次微分もマイナスの局面にあることが直感的に理解できると思います。なお、今まで私が見逃していただけかもしれませんが、OECD の景気日付が更新されているように見受けました。私の興味ある国や地域について、現在の景気後退局面に入った直近のピークを表に取りまとめると以下の通り、OECD は認定しています。

国・地域名ピーク
OECD2007年11月
G72007年11月
日本2007年12月
米国2007年10月
EU2007年10月
英国2007年11月
韓国2008年2月
主要アジア5国2008年2月
中国2007年6月
インド2007年4月
インドネシア2008年3月

日本をはじめとする先進各国はフツーに2007年10-12月期をピークとして景気後退局面に入っています。そして、デカップリング論が盛んだった時期に私が主張したように、アジアのいくつかの国は欧米先進国からラグを伴って景気後退局面に入っています。私の主張では、このラグが6-8四半期くらいあれば、自然とデカップリングするかもしれないというものでしたが、韓国やインドネシアでもラグは1四半期でしたし、OECD の認定にして正しいとすれば、新興国の代表たる中国やインドは先進国に先駆けて景気後退局面入りしています。結果として、日本、中国、韓国、インド、インドネシアからなる主要アジア5国は2008年2月のリセッション入りと認定されています。そんなに一般的に馴染みのある話題ではありませんし、今夜のエントリーは長くなったので深追いはしませんが、私には非常に興味あるテーマです。今後、少し真剣に研究したいと思わないでもありません。

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2009年2月 5日 (木)

気象協会の開花予想

サクラの開花予想日本気象協会からサクラの開花予想が発表されました。これによれば、今年の桜、ソメイヨシノの開花は、全国的に平年並もしくは早い見込みだそうです。右の画像は東京新聞のサイトから引用しています。地元の新聞でも記事が出ていて、長崎市内は3月19-22日の開花予想とありました。でも、長崎県は南北に長くて、その上、離島もありますから、地域によっては開花予想にかなりズレを生じているようです。地元紙の報道によれば、長崎市内は県南に位置しているからか、県内でも早い方だったように記憶しています。それにしても、気象協会のホームページには日本地図もなく、携帯電話向けの有料サービスの宣伝があるだけでした。おそらく、気象庁の天下り先団体の財団法人なんでしょうから、もう少し国民向けにもサービスをよくして欲しい気もします。

今週は我が家のおにいちゃんの中学受験でサクラが咲きましたし、2月に入ってから長崎では暖かなお天気が続いていて、日本全国でホンモノのサクラが咲く季節もかなり近づいて来ているように感じます。もうすぐ春です。

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2009年2月 4日 (水)

新しいペーパー「財政の持続可能性に関する考察」を書き上げる

先週で後期の授業が終わり、私の日本経済論の期末試験は来週ですので、せっせとペーパーを書いています。状態空間モデルから産出ギャプを計測した先のペーパー「今次景気循環におけるピークの考察」に続いて、「財政の持続可能性に関する考察」を書き上げました。3月に発行される本学の紀要である『経済と経営』2009年3月号に研究ノートとして掲載される予定です。サイドにリンクを張ってある大学のホームページに pdf ファイルでアップロードしてあります。前の繰返しですが、特にご興味ある方を除いてダウンロードすることはオススメしません。
概要は、財政の持続可能性に関する端緒となったドーマー条件から説き起こして、財政のプライマリー・バランスの考え方、メインとなる確率過程を応用した時系列分析による財政の持続可能性に関する検定方法に加えて、2年前の今ごろの季節に経済財政諮問会議で、当時の竹中総務大臣と民間議員の東京大学吉川教授の間で展開された利子率・成長率論争に関する私の感想やマンキュー教授らが書いた財政赤字に関するギャンブル確率のモンテカルロ推計、さらに、ティロル教授による世代重複モデルへの「バブル」の導入やリカード等価原理まで、幅広い財政サステイナビリティをサーベイしています。しかも、私のペーパーにしてはめずらしく、何の実証もありません。サーベイしたペーパーの実証結果はいくつか、我が国財政の持続可能性に関するものだけを紹介しています。ただし、難しげな数式が延々と続く部分は相変わらずちゃんとあります。
昨年の末から今年に入って、ようやく、ペーパーを書くペースが上がってきたように感じていますが、逆に言えば、新任教員としてこの半年近くは授業の負担が重かったです。大学教授を数年もやれば、それなりに蓄積も出来て、学生は何年かで入れ替わるんですから、同じような授業内容でクルクルと回すことも出来るんでしょうが、8月に着任して後期のシラバスの作成から始めて、息つくヒマもなく9月末には授業が始まりましたし、それまでサラリーマンをしていた私にはかなり授業が重荷だった時期もあります。でも、正直なところを考えると、エコノミストとして大学に出向した際に業績として残るのは、学生への教育だけではなく研究成果の方もあるんでしょうから、授業よりもペーパーを書く方に重点を置くような考えが成り立つ素地があることも事実です。

この先は、もう少し研究業績を上げるために、この春休みや夏休みなんかにハイピッチでペーパーを書き続けたいと思います。

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2009年2月 3日 (火)

米国のマインド調査はオバマ大統領就任で反転するか?

米国東部時間の昨日、1月のISM 製造業景況指数が発表されました。このブログで取り上げるのは初めてかもしれませんが、米国の製造業300社以上の購買担当役員にアンケート調査を実施して作成される指標で、主要経済指標の中では最も早く発表されることから、市場の注目度が高くなっています。50を上回るかどうかで景気を判断する DI と見なされています。これが50を下回っている時点では連邦準備制度理事会 (FED) が利上げしないとも言われています。ただし、歴史的に見て、ホントにそうだったのかどうかを検証したことはありません。昨日発表された結果は、12月からほぼ横ばいとの大方の予想に反して、やや上向きました。12月の指数も少し上方改定されました。今夜のエントリーでは、米国の企業のマインドを ISM 製造業景況指数から、消費者のマインドをミシガン大学の消費者信頼感指数から、それぞれデータを取ってプロットしてみました。一応、お断りしておきますが、消費者マインドであればコンファレンス・ボードの方がサンプル数も多くて、注目度が高いのはエコノミストの常識として知っているものの、アチラのデータは売り物で大学の研究者ごときには入手できないことを言い訳しておきます。

米国の企業と消費者のマインド

上のパネルが ISM 製造業景況指数で、New Orders、Production、Employment、Supplier Deliveries、Inventories の5項目を均等にウェイト付けして、「増加、減少、変わらず」をポイントとして集計したものが PMI、すなわち、購買部景気指数と呼ばれています。下はミシガン大学の消費者信頼感指数で、1966年の1-3月期を100とした指数です。ミシガン大学の Survey Research Center が発表しているんですが、私はいつもセントルイス連銀のサイトからデータを取っています。
データのバックグラウンドはこれくらいにして、上のグラフを見る限り、まだまだ ISM 製造業景況指数が大きく50を下回っているのは事実ですが、米国の企業・消費者ともに昨年末から今年年初を境にマインドが反転しつつあるような印象を受けないでもありません。実体経済に先行する指標ですので、とっても興味深いところです。実体経済に関する私の従来からの主張は、日本については今年の前半が、米国については今年1-3月期が、それぞれ、今回の景気後退局面の中でも大底で、もっとも暗い闇の中と評価しています。昨日発表された消費のデータでも明らかなように、少なくとも現時点では米国景気が上向く気配すらないと私は考えているんですが、米国の企業も消費者も案外と楽観的なのかもしれません。でも、よくよく考えてみると、これはオバマ効果ではないかという気もしないでもありません。何となくなんでしょうが、新しい大統領が就任して矢継ぎ早に政策を打ち出して、ややマインドが好転しつつある可能性があります。マインドはそのものズバリで「気」のものですから、これはこれで大いに結構なことだと私は受け止めています。逆に、定額給付金への反応に代表されるように、政策への信頼感がない日本よりかなりマシだという気すらします。

実体経済の景気がマインドに左右されるのは、科学的かつ実証的な経済学を標榜する私の考えにそぐわないような気もするんですが、他方、期待に働きかける経済政策の重要性も認識しているつもりですので、それなりに、マインドは重要だろうという気がします。実体経済から見ても、マインドから見ても、日本経済の回復は米国に遅れるんだろうという見通しがさらに強まったような気がします。

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2009年2月 2日 (月)

おにいちゃんの中学受験で「サクラサク」

昨日の2月1日に東京と神奈川の私立中学入試が解禁日を迎えて、いっせいに中学受験の入試が始まりました。私が大学の教員をしていますので、高校生のセンター試験や大学受験なんかはモロの当事者で監督の方なんですが、我が家のおにいちゃんも小学6年生ですので、入試に挑戦しました。思い起こせば、私も40年ほど前に中学入試に臨んだ経験者でもあります。
今年はたまたま解禁日の2月1日が日曜日に当たり、プロテスタント系のミッション校では礼拝があるのか、安息日だからなのかよく知りませんが、試験日をずらせたところも見受けられたようです。私は典型的な日本人らしい仏教徒ですから、キリスト教的なやり方はそれほど理解していないんですが、朝日新聞のサイトなんかでは、女子校にプロテスタント系のミッション校が多くて、試験日をずらせたところがあるとの記事を見かけました。宗教系の私立中学が多いのは私も理解しています。かく言う私もモロに奈良で一番有名なお寺の名前のついた中学・高校に通っていたりしました。そんなにハッキリした記憶があるわけではありませんが、仏教系の学校だったんだろうと思います。
私も今では一時的に出向していて大学の教員ですが、もう四半世紀ほども公務員をして来て、定義として平均的なお給料をもらって、ごく平凡な中流家庭を築き、いまだに借家暮らしからも抜け出せず、子供に残してやれるのは立派な家屋敷や、ましてや、株券・債券などの金融資産や金銀財宝なんかは考えられもしませんから、しっかりした教育を身につけさせるのが親の責務だと考えています。実は、私も長崎に来てから地域研究に目覚めて、九州7県の雇用者の人的資本を推計したりしているんですが、エコノミストの視点からも、教育熱心さの代理変数はそんなに統計的に有意ではありませんが、人的資本にプラスに作用していることも事実です。当然です。まあ、エコノミストの視点を別にしても、親バカの視点からもめでたい限りで、とってもうれしく感じています。

下の写真は、我が家のおにいちゃんが昨日の試験結果の発表を確かめているところです。

入試結果の発表を見るおにいちゃん

ホンモノの桜はもう少し先ですが、我が家のおにいちゃんは一足早く「サクラサク」です。一応、とってもめでたいので、記念日の日記に分類しておきます。

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2009年2月 1日 (日)

プロ野球のキャンプイン

プロ野球キャンプ情報

球春という言葉がありますが、いよいよ、今日からプロ野球各球団のキャンプインです。上の地図にある通り、我が阪神タイガースは今日から2月17日まで沖縄県の宜野座村野球場、1日移動日をはさんで、2月19日からは高知県・安芸市営球場でのキャンプです。今月末にはオープン戦も始まります。なお、上の地図は Yahoo スポーツナビのサイトから引用しています。
今さら言うまでもなく、昨シーズンは終盤に息切れして、惜しいところでジャイアンツにリーグ優勝をさらわれ、クライマックス・シリーズでは一昨年に続いて中日に敗れ、しかも、阪神が出たわけではありませんが、日本シリーズでもパリーグの西武が日本一となるなど、我がタイガースには大きな悔いの残るシーズンでした。昨シーズン、不振を極めた今岡内野手や中盤以降にケガに泣いた新井内野手、大リーグに挑戦している井川投手の穴を埋め切れていない先発投手陣など、新しい真弓監督の下で鍛え直す課題は多いと私も感じています。さらに、「守りの野球」を掲げる真弓監督に反対するつもりは毛頭ありませんが、打線で打ち勝つ野球も目指して欲しい気がしています。もっとも、新しい外国人スラッガーの名前もよく知らなかったりします。積極的な情報収集に努めなかった私も悪いんでしょうが、昨年のフォード外野手なんかはシーズンが始まってから認識し始め、十分な情報が得られる前に2軍に消えたような気もします。今年のシーズンは長崎というややタイガースの情報面で不利な土地柄ながら、せめて、外国人選手をはじめとする新加入の戦力くらいは早めに覚えたいと思います。

今年もやっぱり、
がんばれタイガース!

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