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2009年2月 9日 (月)

機械受注統計は設備投資の底打ちを示唆しているか?

本日、内閣府から昨年12月の機械受注統計が発表されました。設備投資の先行指標となる電力と船舶を除く民需の、いわゆるコア機械受注は市場の事前コンセンサスの▲8.6%減に対して、マイナスはマイナスであるものの、季節調整済みで前月比▲1.7%となり、ややポジティブ・サプライズと受け止められています。さらに、12月の統計が発表されましたので、先行きの今年1-3月期の予想も+4.1%となっています。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

内閣府が9日発表した08年10-12月期の機械受注統計によると、設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」(季節調整値)は前期比16.7%減の2兆3956億円となった。減少率は08年7-9月期などの10.4%を上回り、比較可能な1987年4月以降では最大の落ち込みを記録した。減少は2四半期連続で、設備投資の不振が一段と鮮明になった。
同時に発表した08年12月の数字は前月比1.7%減の7416億円。減少率は前月の16.2より縮小したものの、水準自体は21年5カ月ぶりの低さとなった。内閣府は基調判断を2カ月連続で「機械受注は大幅に減少している」とした。

次にグラフを3枚並べています。一番上のパネルはコア機械受注と後方6か月移動平均で、左軸の単位は兆円です。真ん中のパネルは達成率で、左軸の単位は%です。下のパネルは長崎ローカルで注目されている船舶の受注残高と手持ち月数で、赤い折れ線が船舶の受注残高で右軸の単位は兆円、青が手持ち月数で左軸の単位は月です。影を付けてあるのはいずれも景気後退期です。

機械受注統計

まず、何といっても注目されるのはコア機械受注が下げ止まりの気配を見せているのかどうかですが、私の見方は否定的です。理由のひとつは、引用した新聞記事にもある通り、昨年10-12月期の前期比は▲16.7%と過去最大の下落だったんですが、そもそも、9月時点では+1.2%増と上向く予想だったにもかかわらず、結果はこの通りですから、9月中旬のリーマン・ショック以来のつるべ落としの景気悪化を考慮しても、現時点における1-3月期予想の+4.1%増はかなり割り引いて考える必要があります。単純に計算するだけでも、今年1月から毎月3か月連続で+5.8%増となる必要があり、少なくとも、これだけから見てもムリそうな気がするのは私だけではないと思います。
次に達成率が低下していることです。真ん中のパネルの通りで、経験的に景気後退局面においては達成率がコンスタントに90%を下回る四半期が連続で観察されるんですが、今年1-3月期についても、達成率は控え目に言っても100%を下回ることが予想されますから、現時点での予想が+4.1%増なのであれば、達成率だけで吹き飛ぶ可能性もあります。加えて、12月の▲1.7%減の結果が、11月の▲16.2%減の反動である可能性もあり、もしもそうだとすれば、今年1月に大きなマイナスを記録する可能性も否定できません。今日発表された12月単月の結果だけでなく、私は来月発表の1月の数字がとても気になります。いずれにせよ、少なくとも今年年央まで、おそらく今年いっぱいは軟調な設備投資が続くものと私は予想しています。
最後に、一番下のパネルの船舶については、2002年半ばころからの資源高に支えられて来たのが、さすがに、そろそろ息切れに差しかかっている可能性があります。でも、受注残高、手持ち月数ともかなり高水準にありますし、加えて、少なくとも、目先は別にして長期的にはエネルギーなどの価格が上昇トレンドを回復するであろうことは大方の予想でしょうから、大きな悲観的要素は見当たりません。

景気ウォッチャー調査

最後に、ちょっとついでなんですが、午後に景気ウォッチャー調査がやはり内閣府から発表されました。上のグラフの通りで、1月の景気の現状に関する判断 DI は12月を+1.2ポイント上回り、10か月ぶりの上昇となりました。先週2月3日付けのエントリーで米国のマインド調査を取り上げて、ひょっとしたら、オバマ効果が表れている可能性を指摘しましたが、もちろん単月の結果では何とも言えないものの、米国よりももっとひょっとしたら、日本でもオバマ効果が出始めている可能性もあるのかもしれません。

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