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2009年2月27日 (金)

本日発表された経済指標について

今日は短い2月の最終営業日の閣議日ということで、いろんな経済指標が発表されました。その中からこのブログで取り上げるのは、誠に変わり映えしないんですが、鉱工業生産指数、失業率と有効求人倍率などの労働統計、消費者物価指数の3点セットです。まず、いつもの日経新聞のサイトから統計のヘッドラインなどに関する記事を引用すると以下の通りです。

鉱工業生産指数
経済産業省が27日発表した2月の鉱工業生産動向(速報)によると、生産指数(2005年=100、季節調整済み)は前月比10.0%低下の76.0で、4カ月連続の低下になった。同時に発表した製造工業生産予測調査では、2月が8.3%低下した後、3月は2.8%上昇を予測。同省はこうした生産の動向について「急速に低下している」との基調判断を維持した。
鉱工業生産指数(速報)のマイナス幅は、これまで最大だった2008年12月のマイナス9.8%を超え、過去最大を更新した。マイナス幅が2ケタになるのは初めて。
失業率
総務省が27日発表した1月の完全失業率(季節調整値)は4.1%となり、前月に比べ0.2ポイント改善した。完全失業者数は前年同月比21万人増の277万人となり、3カ月連続で増加した。また就業者数は6292万人となり、前年同月より29万人減少、12カ月連続の減少となった。
完全失業率を男女別にみると、男性が前月比0.3ポイント低下の4.2%、女性が0.1ポイント低下の4.1%だった。また完全失業者のうち、勤務先の人員整理や倒産などで失業した「勤め先都合」は82万人、「自己都合」は97万人だった。
有効求人倍率
厚生労働省が27日発表した1月の有効求人倍率は0.67倍で、5年4カ月ぶりの低水準だった。世界的な金融危機と景気後退を受け、生産・雇用情勢が一段と悪化している。
消費者物価指数
総務省が27日発表した1月の全国消費者物価指数(CPI、2005年=100)は変動の激しい生鮮食品を除くベースで100.5と、前年同月に比べて横ばいだった。上昇率は5カ月連続で低下。ガソリンや灯油の値下がりが続いたうえ、食料品の値上げが一巡した。景気後退の影響もあり、先行きの物価は下落基調に入る公算が大きくなっている。
1月の上昇率(0.0%)は07年9月(0.1%下落)以来、1年4カ月ぶりの低さとなる。輸入する原油や素材の値上がりを発端とする物価上昇は一巡した格好だ。酒類以外の食料とエネルギーを除いた指数は前年同月比0.2%の下落で、8カ月ぶりのマイナスとなった。
前年同月比の上昇率が0.0%だった1月のCPIについて内訳を見ると、エネルギーが0.69ポイントの低下要因だった。灯油が26.8%、ガソリンが30.9%それぞれ値下がりしたことが大きい。一方で電気と都市ガスの値上げがあり、物価を0.34ポイント押し上げた。

まず、鉱工業生産指数です。季節調整済み指数の前月比でちょうど▲10.0%減とマーケットの事前予想にミートしました。生産のマイナス寄与が高いのは自動車などの輸送機械が前月比▲17.3%減、電子部品・デバイス▲21.8%減、一般機械▲12.8%減と我が国産業の主要セクターが軒並み枕を並べて討ち死にといった格好です。さらに、先行きについての製造工業だけを対象とする生産予測指数は2月が前月比▲8.3%減と、前月時点の予測であった▲4.7%減から大幅に下方修正されたましたが、3月は+2.8%増と増産に転じる見込みとなっています。この3月のリバウンドの数字は力強さに欠けることはなはだしいんですが、統計的な裏付けはないものの、いくつかの報道を見る限り、自動車などが今年前半で生産調整を終えて増産に転じる可能性が示唆されており、一部に明るい展望も開けて来そうな気がしないでもありません。

鉱工業生産指数の推移

上のグラフは1980年から取った鉱工業生産指数です。月次の季節調整済み指数をプロットしています。影を付けた部分は景気後退局面です。今夜は鉱工業生産指数と労働統計については、1980年までさかのぼってプロットしてみました。どうしてかと言うと、このブログで何度か「時期尚早」と書いたんですが、そろそろ、1990年代前半のバブル後の景気後退局面との対比を考える準備をするためです。1980年代の2回の景気後退期に比べて、バブル後の景気後退は長くて生産の落ち方も激しかったことは明らかですが、期間の長さはまだ及ばないものの、今回の景気後退局面ではバブル後不況の落ち方をはるかに上回っているのが見てとれます。

労働統計の推移

この生産の激しい落ち込みを背景に、労働情勢も極めて厳しくなっています。上のパネルは失業率と有効求人倍率の推移で、月次の季節調整済みの系列です。影を付けた部分は景気後退期です。下のパネルは先行指標の新規求人数です。生産の減産に伴ってさらに悪化する可能性が高いと私は考えています。また、厚生労働省から「非正規労働者の雇止め等の状況について」の2月速報が発表されました。非正規労働者の雇用調整に関して、昨年10月から今年3月まで2,316事業所で157,806人とリポートされています。昨年10月から今年1月までで完全失業者は27万人増加していますが、かなりの部分を非正規労働者が占めると考えられます。いずれにせよ、先行指標の新規求人数も一致指標の有効求人倍率も、一向に底打ちの兆しが見えませんから、雇用は生産と違って明るい展望はありません。

消費者物価の推移

最後に消費者物価です。上のグラフも気持ちだけ2001年までさかのぼったんですが、エネルギーの指数が2005年からしか発表されていないために、前年同月比で見ると2006年からのデータしかなく、寄与度の棒グラフが一貫性を欠いています。悪しからず。原油などの商品市況の高騰に伴う消費者物価の上昇は完全に終わりました。私は消費者物価がマイナスに突っ込むデフレは今年年央からだと予想していたんですが、すでに、今年1月の前年同月比はゼロに達してしまいましたから、早くも1-3月期からデフレに陥るのかもしれません。今世紀初頭のマイナス1%くらいまでは軽く達しそうな気もしますが、私は現在の日銀はデフレに対してそれなりの覚悟を持っているように感じていますので、金融政策さえ誤らなければ大きな心配は無用と期待しています。今年末には結果が出ると思います。

年央あたりに生産調整が終わり、ソロリと増産に転ずる企業も現れ始め、年末には消費者物価もプラスを回復して、来年早々には景気転換点を迎える、というのが私の標準的な景気シナリオです。逆に、年末の時点になっても成長率が一向に回復せず、消費者物価もマイナスを延々と続けていたりすれば、日本経済は極めて大きなピンチだと言えます。

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