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2009年2月 7日 (土)

米国雇用統計に見る景気後退

日本時間の昨夜、米国労働省から今年1月の雇用統計が発表されました。昨年11月から3か月連続で毎月ほぼ60万人が職を失い、失業率は昨年年初1-2月の5%を下回る水準からわずか1年で一気に7.6%までハネ上がりました。まず、New York Times のサイトから統計のヘッドラインなどに関する記事について最初の3パラだけを引用すると以下の通りです。

WASHINGTON - The United States lost almost 600,000 jobs last month, and the unemployment rate rose to 7.6 percent, its highest level in more than 16 years, the Labor Department said Friday.
It was the biggest monthly job loss since the economy tipped into a recession more than a year ago, and it was even worse than most forecasters had been predicting.
In addition, the government revised the estimates for previous months to include another 400,000 job losses. For December, the government revised the job loss to 577,000, versus an initial reading of 524,000. Over all, it said, the nation has lost 3.6 million jobs since it slipped into a recession in December 2007.

続いて、先月1月10日に同じく米国雇用統計を取り上げたエントリーでは自分で書いたグラフを示さなかったので、今月は書いてみました。以下の通りです。上のパネルの赤い折れ線が非農業部門雇用者数の前月差で、左軸の単位は千人、下のパネルの青い折れ線は失業率です。いずれも季節調整済みの計数で、シャドー部はいつもの通り景気後退期です。上の引用にもある通り、昨日の発表分から雇用者数のベンチマークが変更されましたが、すべて織り込んであります。

米国雇用統計

さらに、米国メディアのサイトを見ていると、マウスで操作できるインタラクティブなフラッシュ・ファイルを置いていたりしましたので、週末のヒマ潰しというわけでもありませんが、いくつか紹介します。どちらも大胆にも各サイトに直リンしています。上のフラッシュは記事の引用と同じ New York Times のサイトから、下のフラッシュは Los Angels Times のサイトから引用しています。トップページで見かけたんですが、後者のリンク先 URL は紛失してしまいました。悪しからず。


先月1月10日のエントリーでも紹介したミネアポリス連銀の "The Recession in Perspective" と題するサイトでは着々と1か月分のデータの更新がなされています。リセッションの期間が先月より1か月長くなっているのは当然ですが、深さの方も厳しさを増していることがうかがえます。今日のエントリーでは先月のようにグラフを引用することはしませんので、ご興味ある方は上のリンクをご覧下さい。

改めて、自分で書いた最初のグラフを見て、親子で米国大統領を務めたブッシュ父子の大統領在任期間は雇用の面ではとても成功だったとは言えないことに気づきます。大雑把にクリントン元大統領の在任期間とブッシュ前大統領の在任期間を見て、後者の景気回復が "jobless recovery" と呼ばれていたことが実感できます。経済面に限れば、米国内にとどまらず世界から現在のオバマ大統領に期待が集まるのも当然かもしれません。

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