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2009年2月24日 (火)

年金財政検証をざっと見る

昨夜、厚生労働省の社会保障審議会年金部会が開催され、先の2004年の年金改革以来初となる公的年金の財政検証結果が示されました。5年に一度の検証が義務付けられているものです。私も興味がありましたので厚生労働省のホームページを見ましたが、霞が関の第5合同庁舎に入っている厚生労働省で資料を渡すが、ホームページにアップするのはもう少し先とのことで、このところ、週末は東京にいることが多いものの、平日は長崎にいる私は詳しい資料の入手を諦めました。代わりに、メディアから情報を得ることにしました。ですから、今夜のタイトルも「ざっと見る」にしました。なお、私が見たのは順不同で以下の各紙のサイトです。

ということで、これらの情報を参考に書いたグラフが以下の通りです。すべてモデルケースで、横軸には現時点での年齢を取っています。私はアラウンド・フィフティですから、49歳の人のところを参考にしています。灰色の棒グラフが夫婦合わせた年金の受取り額、青い棒グラフが年金受取り時に年金保険料を払い込んでくれる現役世代の平均給与額、いずれも月額です。赤い折れ線が年金を現役世代の給与で除した所得代替率です。出生率や賃金や運用利回りなど、シミュレーションのいろんな前提は上の報道を見るなり、厚生労働省に資料をもらいに行くなり、私のようにアップロードされるまで待つなり、ご自由に。

年金の財政検証結果

要するに、世代が若くなるに従って年金の受取り額は増加するんですが、現役世代との所得代替率は低下し、ギリギリ50%を維持できるとの結果になっています。その裏側で2004年改革で示されたように、現在の年金保険料率15.35%が段階的に引き上げられ、18.3%に達することになります。当然ながら、年齢が若いほど年金受取り時の所得代替率が下がるとともに、現役の時の保険料率の負担も高くなるわけで、給付だけを図示した上のグラフに見られる以上に、負担も含めた世代間の不公平度は高くなっていることを理解すべきです。平たく言えば、年齢が高くなるほど負担が少なく給付が多い一方で、若い世代ほど給付が少なく負担が大きいわけです。私なんかのアラウンド・フィフティはその中間かもしれません。
私の直感的な感想では、2004年の年金改革はかなりの程度に抜本的なものであり、現役世代と年金世代の所得代替率の考え方を導入して、従来の負担がわずかで給付だけがやたらと大きい年金制度からはサステイナビリティが大いに増したと考えているんですが、世代間の不公平はまだまだ残されていることは確かです。しかし、私が不思議なのは、こういった高齢者に有利な制度であるにもかかわらず、その当の高齢者に年金に対する不満が大きいことです。ここまで有利になっているんだから、ちょっとは我慢しなさいよとはいかないもんなんでしょうか?

私の年金に対する見方は従来から変わっておらず、初期段階で政府が途方もない借用書を書いてしまった上に、その間違いを認めず、少なくとも2004年度年金改革までは小手先の制度変更でごまかしつつ、受け取る側の高齢者は桁間違いの借用書を基に厳しく取り立てる、という構図でした。若年層は意識的ではない可能性は大いにあるものの、この年金制度への態度表明として保険料の未納・滞納で対抗しているように受け止める向きがあっても私は不思議に思いません。いつも同じ結論ですが、世代間の醜い争いを避けるためにも、年金制度が高齢者に極めて有利な制度であることを理解した上で、高齢者層の要求水準を下げることが必要であると考えます。

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