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2009年3月11日 (水)

機械受注統計から設備投資の先行きと海外需要を考える

本日、内閣府から今年1月の機械受注統計が発表されました。まったくどうでもいいことながら、昨日発表された景気動向指数は日経新聞のサイトでは昨夜の10時半過ぎにネットで流れていましたが、さすがに、機械受注統計は今朝の9時前にアップされていました。その日経新聞のサイトから機械受注統計の記事を引用すると以下の通りです。

内閣府が11日発表した1月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶、電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比3.2%減の7183億円となり、4カ月連続で減少した。このうち製造業は27.4%減、非製造業は13.5%増だった。前年同月比での「船舶、電力を除く民需」受注額は39.5%減少した。
受注実績(民需)の内訳をみると、製造業では15業種中11業種が減少し、特に鉄鋼業(前月比75.0%減)や石油・石炭製品工業(63.6%減)などで落ち込みが目立った。一方、船舶・電力を含めた非製造業全体では4.4%増。8業種中3業種が増加しており、金融・保険業(23.9%増)や運輸業(8.2%増)などが伸びた。
機械受注は機械メーカー280社が各業界から受注した生産設備用機械の金額を集計した統計。メーカーが機械を受注してから6カ月ほど後に工場などに導入されて設備投資額に計上されるため、設備投資の先行きを示す指標となる。
そこで、いつもの機械受注のグラフは以下の通りです。一番上のパネルは引用した記事にもある通り、設備投資の先行指標となる船舶と電力を除く民需、いわゆるコア機械受注のグラフです。左軸の単位は兆円で、赤い折れ線は後方6か月移動平均です。真ん中のパネルはコア機械受注に入っていない外需で、左軸の単位は同じく兆円です。一番下のパネルは長崎ローカルで注目されている船舶の受注残高とそれを販売額で除した手持ち月数です。青い折れ線は手持ち月数で左軸の単位は月、赤い折れ線が受注残高で右軸の単位は兆円です。

機械受注統計

いずれのグラフも最近時点で大きく下向きになっているのが見て取れますが、少なくとも、船舶の手持ち月数については、受注残高の低下よりも販売額の上昇によってもたらされたものですから、これだけを見ると、決して悲観的な材料ではないと私は考えています。でも、資源高の「余熱」が冷めるにつれて受注残高が下向きになる可能性が高いと私は見込んでいますので、その意味では楽観できるわけでもありません。例えば、前月からの反動減の要素も大きいんですが、需要先別で見て、船舶と同じように資源高で伸びていた鉄鋼業からの受注は1月に前月比で▲75.0%減、石炭・石油製品工業からの受注も▲63.6%減となっていますので、船舶への受注もこの先は大きく減少に転ずる可能性があります。販売増に起因する手持ち月数の減少はポジティブに捉えるべきなんですが、受注の減少に起因する場合はネガティブな材料です。どちらの要因で手持ち月数が減少しているのかを見極める必要があります。
先月の指標公表時に発表された今年1-3月期のコア機械受注の見通しは前期比で+4.1%増だったんですが、いきなり、達成は難しそうな見通しです。直近のコア機械受注を見る限り、設備投資はかなり急激に減少すると見込まれます。少なくとも年央まで、ひょっとしたら今年いっぱいは GDP ベースの設備投資の大幅な減少が続く可能性も排除できません。ひとつのカギを握るのが輸出なんですが、何と、1月の機械受注の外需は前月比で▲49.0%減とほぼ半減しました。一昨年10月をピークとする現在の景気後退局面の初期の外需機械受注のピークからほぼ 1/4 に減少したことになります。国内設備投資の先行指標ではありませんが、需要面からはかなりの大きさを占めますので、注視する必要があります。

最後に、機械受注統計から離れるんですが、そろそろ日銀短観の調査時期に差しかかっています。一昨日のエントリーで取り上げた景気ウォッチャー調査は一般国民のマインドが上向きになりそうな気配を示していましたが、ここ数日の株価の動向も勘案して、ビジネスマインドがどのようになっているかは大きな注目点です。

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